真っ暗な世界。まるで、今の自分の気持ちを表しているようで気味が悪かった。
あ、自分で作ったから当たり前だよな。
天才と呼ばれ皆の期待を浴びていた
そして失敗をした
世界を救うことも
友達を救うことも
結局、友達を救うのは諦め、自分を犠牲にして世界を救うことにした
元々は世界を救うのが目的だし、仕方ないよな
でも・・・救いたかったのは、『この』世界じゃなくて『あの』世界
結局は失敗してるよな
自分の・・・・・・私欲なんかのせいで・・・
全部、全部全部・・・
仕方ない、仕方ない・・・自分のせいだ。だから・・・
ああ、でもどうせなら
来世では、またあいつと友達がいいな
なぁ
「アルフ」
*
黒も白も、何も色がない。感じ取れない。
体があるのかすらも分からない。
ただ分かるのは、今自分は生きていて、もうすぐ死ぬということ。
無理して友達を、尊敬している人間の真似をして、私欲で人を救いたいと言った。
でもアレは『私欲』なんかではなくて、『情』だった。
これが正しいと判断し、かってにやった。
結果、その人たちは救えたが、尊敬している人は救えなかった。
しかも、当初の目的である、世界も救えないときた
やっぱり、世間はそんなに甘くないよなぁ・・・
これから死ぬのか、何もできず、
全部、全部全部・・・
仕方ない、仕方ない・・・自分のせいだ。だから・・・
ああ、でもどうせなら
来世では、またあいつと友達がいいな
なぁ
「エルフ」
*
「・・・?アルフ?」
何か懐かしい夢を見た気がする。
でも何故か思い出せない。汗がぐっしょりと出て、シーツがぐしゃぐしゃになっている。息も荒い。
きっと嫌な夢だったんだろう。
転校初日でこんな調子で大丈夫なのか。
熱も、咳も出てないし頭痛もしない。学校には問題なく行けそうだ。
「あ、あれ?」
ふと時計を見ると、ホームルームまで残り10分だった。
一気に頭の中が真っ白になる。学校から家までは歩いて15分の距離だから・・・
「転校初日から遅刻だけはッ!」
俺はベッドから跳ね起きて、制服を着始めた。
「にしても、アルフって誰だろう。」
少し、懐かしい気持ちになる。
*
「アルフくーん、大丈夫?」
クレア先輩の俺を心配する声にはっとする。どうやら寝ていたようだ。
生徒会の簿記にヨダレを垂らしてしまっていた。
「あ、すみません!先輩!」
「ん?ああ、問題ないぜ!シーたんには俺のせいって言っとくから。」
「す、すみません。本当に。」
クレア先輩はいつも、後輩の失敗を全て自分のせいだと嘘をついてシオン先輩や顧問に怒られないよう気を配ってくれている。
自分だって怒られるのは嫌だろうに・・・。
でもそろそろ、ついていい嘘とついてはいけない嘘の区別を教えてあげなければならない気がする。
「ところで君が寝るだなんて珍しいね?寝不足?」
「ああ、はい。ちょっと嫌な思い出が夢で出てきてしまって・・・。」
「そっかー。でも君のクラス今日転校生来るんでしょ?いきなり居眠り常習犯の人って思われないよう気をつけてね?」
転校生?
「うちに来るんですか?」
「あれ?聞いてなかった?」
少し考えてみる。先生からも、同級生からもそんな話1回も聞いたことはない。
「いえ。まあ、あの先生そういうことあまり言わない人ですし。」
「へー、まあ気をつけてね。」
もうすぐホームルーム始まるから目、覚まさせてね。と付け加え、クレア先輩は生徒会室から出て行った。
時計を確認すると残り10分。
水道で顔を洗ってから教室に行こうと、生徒会室を出た。
「エルフ・・・」
ふと、懐かしい名前を口に出す。