魔法科高校の劣等生の華   作:蜜柑飴

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投稿したと勘違いしていた点。
申し訳の次第もございません…orz


あの子の印象は〜初視点〜

初めに見たときは、箱入りのお姫様かと思った。

 

横澤初は普通科として魔法大学附属第三高校へと入学した。その結果に、本人より両親が喜んだことは言うまでもない。両親には魔法特性はこれっぽっちもなかったからだ。

初自身、魔法特性がないと思っていたし、なくても構わないと思っていた。家は魔法を使わない日本古来の”空手”の名の知れた道場だったし、将来は4つ上の兄とともに道場を支えていこうと幼心に思っていたからだ。

それが頓挫したのは中学校での魔法特性検査の時、検査に引っかかってしまったのだ。呼び出されたときは何事かと思った。

とはいっても所詮A〜Dの中のD判定。ギリッギリ滑り込んだと言っていい適性だったので初は当初気にもしていなかったのだが、そこは問屋がおろさない。

あれよあれよという間に両親の策略によって魔法科高校を受験してしまい、普通科に入り込んでしまった。はてさてどうしてこうなったか。

 

と、まぁそんな経緯がありつつも何とか入学式にまでこじつけ、新入生総代の挨拶をしていたのが冒頭にいった印象を私に与えた張本人、篠原美琴だった。

 

同性として憧れるに値する肢体、綺麗な髪質、そして堂々とし凛としたその佇まい、話の呼吸の読み方一つとっても手本のようなそれに、初は「ほへ〜」と頭の悪そうな感嘆の溜息を漏らした。ハッと辺りを見回したが周囲も同様だったので一先ず安心する。

ただ、第一印象はそれまでだった。相手は専科、こっちは普通科、よほどのことのない限りにおいては接点などないと思っていたのに。

 

 

「それなのにね〜」

「ん?どうしたの?」

「いや、あんたと初めて会った時のこと、思い出してたの」

 

「ほんと、不思議な縁よなー」と言いながらテーブルに頬杖をつきながらジュースに口をつける。下げていた目線を上げると目の前の友人は柔らかな笑顔で少し首を傾げながら返してくる。柔らかくて凛とした、花が咲くような笑顔というものだ、キラキラとしたエフェクトが見えるような気さえしてくる。私がやると多分似合わないだろうが、こいつがやるとやけに似合う。

初は美琴を見た。本当に、知れば知るほどわからなくなる子だ。

 

 

入学式も過ぎた頃、部活動の見学会があり、初は一人そこに参加していた。もともと気質が一匹狼といった風体の初は(そんなわけではないが見た目が裏切っていた)クラスでわかりやすいくらいに避けられていた。しかし当の本人も寂しいとは思えど自分から進んで友人を作ろうとは思っていなかったため、見学は一人で行っていた。やはり魔法科高校というだけあって魔法関連の部活がおおいが、純粋な武闘系統の部活も多数あるため、初はチョロチョロと単独行動をしていた。

 

(あそこの部活、基礎をしっかり教えないのかな…突きが半端なんだよね…というか途中で出てきたちくわは何?)

などと、なんでもないことを考えながらも眉間にしわを寄せているのはなかなかに不気味だったりすることを初は気づいていなかった。

校舎と校舎の間を抜けていた時、前方に大人数の男子に囲まれている女子を発見した初は、戸惑いもなく近付き、「ねえ」と声をかけた。

 

「あ?なんだてめぇ」

「あー、先輩っすよね、何やってんですかよってたかってっ!」そう言い終わる前に突き出された拳に反射的に半身を翻して拳を受け流した。そして初は相手の口角が嫌らしく上がるのを見た。

 

 

その後、魔法を繰り出してきたり多勢に無勢だったりと、散々こちらが不利な状態となり、いつの間にか気絶した女の子を庇いながらの防戦一方な戦闘となってしまっていた。相手の力量としては一人一人の戦闘力は並みだ。何人かは武道を齧っている節があるが、対応できない強さじゃない。一対一ならやりようはいくらでもある、が、それが多数となれば話は別だ。

一人に足払いをかければ上から押さえつけられ、そこから重心をずらしながら裏拳を突き出せば肩を別のやつに掴まれる。

後ろに飛び退こうにも校舎と校舎の入り組んだ場所、そうそう広い場所もない。また飛び退けば気絶したこの子を置いていってしまう。

 

(あ゛あ?どうすっかなー)

内心こう思いながら余裕のなさが顔に出ないように意図的に不敵な笑みを浮かべる。それがさらに相手を煽ることとなるのだが、ここで弱味を見せてはどうしようもない。

《喧嘩は相手に隙を見せたら負け》

そう教えられてきた初にとって、焦りを見せることは即ち負けへと直結することなのだ

(だからってこのままじゃ多分後五分も保たない…)

知らず、冷たい汗が頬を伝い、現状打破する方法を模索した。

 

「ーーっ!ー」

 

聞こえた音と声に、一瞬緩んだ相手の懐に潜りこみ、鳩尾に一発いれる。相手は体をくの字に曲げ、瞬間的に体が宙に浮いた。瞬時に足を引きその場から離れる。相手方の視線は初にはなく、新手へと注がれていた。初も注意しながら新手へと視線をずらす。

 

まず見えたのは流れる黒髪。そして意思のこもった瞳。

 

それからはまるで一瞬だった。先程までの多数の男たちが一様に少女の何らかの言葉に従う棒によって壁に縫い付けられていく。

魔法…なんだろう。でもCADを使ってる風でもなくあの速度、精密さ、魔法の精度が苦手なあたしからみても、ある種の異常さが感じられる。そんな光景が、目の前で繰り広げられていた。

 

「すげぇ…」

 

あたしはといえば、呆然とその様子を瞬きも忘れるほどに熱中して見つめていた。

 

 

 

「先程は大丈夫でしたか?」

「へ?」

 

気づくと目の前には先程まで戦っていた少女、篠崎さんが手を差し伸べていた、こちらが咄嗟に疑問符を飛ばすとくいっと首を傾けた。

その仕草はあざとく見えることもなく…純粋に問いかけを表しているように見えた。もしあたしがやったら媚びてるようにしか見えないと思う。

 

「あ、あー、そうね、大丈夫だったよ!危なかったけど」

「多勢に無勢。しかし、見事な体術でした。感服しました。」

「いやいやいや貴女がそれを言いますか」

 

本当、あたしが手こずった、ともすれば押されていた相手を不意打ちとはいえ完膚なきまでに再起不能にしてしまったのだ、この少女は。思わず手を振って否定してしまう。魔法師っていうのは本当、侮れないなぁ…

 

「てゆーか……貴女、篠原美琴さんでしょ、新入生総代の…私なんかといて、いいの?」

 

当然のことを聞いた私に対して、彼女は一掃してしまった。

「あら?いけないのですか?」なんて、それも「体術が素晴らしいのは確か」なんて、普通言うと思う?こっちは専科だから普通科を見下すくらい、少なくとも嫌味の一つや二つあるかと思ったのにそれも無し。挙げ句の果てに魔法だけに評価を出すのは虫唾が走る、だなんて言っちゃって。誰かに聴かれていたら!とか思って思わず辺りを見回しちゃった。事実、耳を疑ったし、顔を見たら清々したようにみえて仕方なかったんだけど。

 

 

「…自分が変な自覚ある?」

「何事も型に当てはめるのはよくないことよ、違うことは個性だわ。」

「…変な奴」

「褒め言葉だわ。」

 

初は耐えきれないとばかりに声を漏らしながら笑い、彼女、美琴も口を隠して笑った。

「改めて、1-Eの横澤初だよ」

「1-Aの篠原美琴です」

お互いに手を差し出す。

握手をしてみて気づいたのは彼女の手の硬さだ。

 

ーーー武術の手だ。

型をなぞり、拳を交えて出来る、初と似た、掌。

手入れされてスベスベなのに、何処か力強い肌。

 

握り合った手の先。

初はますます彼女がわからなかった。

 

ーーーーーーーーーー

あれから、少し経った今でも、美琴と美琴の周りはよくわからないことだらけだ。

美琴と同じ様に専科、普通科を区別したりしない一条や吉祥寺とも仲良くなった。案外力のあるやつは気にしないものなのかもしれない。

 

勿論、美琴のことについて知ったこともある。

多くは語らないが、ベタ惚れしている婚約者がいること(言い方からして大好きなんだろう)

甘いものが好きなこと

軍関係の一族なこと

 

でも、知らないことの方が多い。

聴いても…教えてくれないであろうことはよく分かってる。

初はだから無理に聴いたりしない。

 

何か、理由があるのだろう

何か、訳があるのだろう

 

 

だから

いつか、彼女が教えてくれる日まで待とう。

待てるはずだから。

 

初は一人、隣の友人を見ながら、苦く笑った。

 





書くのは楽しいのに続かない…進まない…
でもなんとか更新!よかった!
初ちゃん視点は可愛いです。でも主人公が話さないので難しかったです…主人公が無双しちゃって困ってます!あと発売した16巻の話からこれからどうしろと!?と困ってます。
困ってしまってまだこれからのあらすじがわからないという!どうしようか!www
16巻…うん、頑張ろう…
というわけで更新頑張ります!
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