魔法科高校の劣等生の華   作:蜜柑飴

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すみませんでした…
遅れるなんてものじゃありませんね、待っていてくださった方々、ありがとうございます…
難産でした。やらなくちゃいけないことも終わりません、ヤバイです。




学生の敵とは?〜上〜

古今東西、学生の敵とは何か。

親?

恋人?

人間関係?

いえ、それもありますが。

 

ーーーーーテストです。

 

 

「というわけで、あたしにテストのヤマをはってちょーだい!成績上位者どもおぉ!」

「お前はそれが人にものを訪ねる態度か!!」

 

いきなり一条の背後から繰り出された手刀とその言葉の相手にやられた本人である彼は何度目かのその攻撃に対して手刀を両手の掌で挟み込むという対処法を見出した。ーーいやな慣れ方をしたものだ。

 

美琴はそれを見ながらもボトルに入ったアイスティーを飲む。我関せずを致すことも時には大切なことだ、こと、この友人の態度は一条に同情を覚えないでもないが、矛先が自分に向くのは勘弁である。吉祥寺も同意見のようでこちらは夏らしくソフトクリームを頬張っている。なんだか男の子がソフトクリームを頬張っているのはなんというか、和む。

 

と、若干の現実逃避をしたところで美琴は目の前の二人を見た、周囲の迷惑になってしまう(もうすでに今現在なっているかもしれないが)

 

今日は学校もなく、休日である。

 

時が過ぎるのは早く、時期は夏にさしかかり、もうじき九校戦も始まる。

しかしその前には学生の敵(初談)がやってくる。

即ち、テストである。

 

美琴は我知らず遠い目で二人を見た。

おもえば突然のことだった。

 

 

「どーか!!どーか私めにテストのヤマをはっていただきたいいいぃ!!!!!」

 

と、学校の食堂で恥も外聞もなく唐突に言ってきた初に当初私達は反応を忘れるくらいにポカン、としてしまった。あれ?こんなキャラだったっけ?と美琴は思った。

 

まあ、溺れる者はなんとやらだ。

 

 

「だからこうして集まってるんだろうがお前は!」

「将暉も横澤さんも落ち着きなよ」

「一条くんも初もいい加減にしてください。子供達が怖がってしまうでしょう?」

 

 

因みに集合しているのは公園であった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「じゃあ始めるよ。まずは…横澤さんは必修の基礎魔法学と魔法工学は勿論として、選択科目は何をとってるんだい?」

「魔法系統学だよー、魔法薬学とか魔法史学とかは初めから眼中になかった」

「有りがちだな。

だが、魔法系統学は誰もとってないからヤマははれないぞ」

 

それを聞いた初は机に突っ伏してしまい、吉祥寺が肩を叩き一条が溜息を零す。

美琴といえばパネルを操作しながら何やら操作をしていた。

因みにそれぞれの選択科目は吉祥寺が魔法構造学、一条が魔法言語学、美琴が魔法幾何学と、みんなバラバラなのであった。

 

「まあ、初めのテストなんだし基本的なことだと思うから教えられるよ。

 

でもまずは基礎魔法学と魔法工学だね。

魔法学は基本的に記述といっても単語が多いからね、兎に角暗記が大事だよ、名称や動作、それに伴う反応などだね、例えばサイオンは何を記録する情報素子であるか、とか魔法師の正式名称は何か、とか。それと、魔法式の出力プロセスのくだりは正確に覚えておいたほうがいいね」

 

「1.起動式をCADから受診する

2.起動式に変数を入力して魔法演算領域に送る

3.起動式と変数から魔法式を構築する

4.構築した魔法式を、無意識領域の最上層にして…えっと…」

「意識領域の最下層にある【ルート】に転送、意識と無意識の狭間に現存する【ゲート】からイデアへ出力

5.イデアに出力された魔法式は、指定された座標のエイドスに干渉しこれを書きかえる。

 

これぐらい常識だろうが」

 

「ここにも出てきたように、エイドス、イデア、魔法演算領域など、わかりにくい単語も多いからね。まずはそこのところを重点的にするしかないだろうね」

「うう゛〜」「犬か!!」

 

唸る初に一条がつっこむ。吉祥寺はその反応に楽しそうに声をあげて笑った。友人として付き合っていくようになってわかってきたことだが、彼は案外Sなんじゃないだろうか。

 

「逆に魔法工学はわかりやすいんじゃないかな、まだ授業ではCADの説明と基本的機能くらいだからさ」

「あ、それはわかるよ!」

 

吉祥寺の言った言葉に対し、初が突っ伏していた机から飛び起きるように右手をピンッと挙げた。一条はそれに少し胡乱げな目線を向け、初は聞いてもいないのにその目線に「わかるよ!」と返し、吉祥寺の方は一昔前の教師が生徒を指名するように指差して説明を促した

 

「CAD、正式名称は術式補助演算機で、デバイス、アシスタンス、ホウキなど言い方はさまざまで、魔法発動の簡略化のためのもので、内部にはそれぞれ独自の魔法プログラムが記録させている。

型は特化型と汎用型の二種類だけどタイプや形状がある。特化型は最大9種類、汎用型は最大99種類記録することができる。

 

だよね吉祥寺先生」

 

「先生って…まぁそうだね、汎用型は兎も角、特化型には奇天烈なものも多いのが、盲点といえば盲点かな。

篠原さんのなんて特にだよね」

「そうそう!美琴のホウキなんて刀でしょう!?」

 

二人、いや話に加わらなかったが一条も一斉に先程から一言の言葉も発しない美琴を振り向いた。

美琴といえば、未だにパネルを何やら操作していたが、視線を向けられるとそちらに応えるように笑顔を向けた。作業中であっても話は聞いていたようである。

 

因みに何故刀がデバイスかということを知っているかといえば普段から持ち歩いているのを変に思った彼等に「特化型のデバイス」だということを当の本人がアッサリとバラしたことにある。もっとも表向き(・・・・・)な使い方なだけだが。

 

「特化型といっても、形式美の観点が高いのだけど。」

鞘から抜けない(・・・・・・・)なんて、変わったホウキよね、見掛け倒しっていうか、なんていうか。

使う美琴も美琴だけど、造る方も作る方よね」

 

そう、鞘から抜かない(始解すらしない)こと。

これは斬魄刀本体である【朔夜】の性質から難しいことはない。面倒くさがりやで怠惰な性質を持つ彼は気分が乗らない限り鞘からも抜けることがない。

そこで抜かない状態でのCAD…実際は刀本体ではなく()が特化型なのだ。鞘の刀身を納めている部分に刻印がされており、その部分に力を通すことによって魔法を発動させることができる。

 

「幼い頃から刀が訓練でみじかにあったから、刀型のほうがしっくりくるっていうのが本音ね。」

 

そう言って美琴は何事もないかのように笑った。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「だからそこは一気に処理するべきじゃないっていってるだろ!」

「う、うっさい!チマチマやるのが好かないっていってんでしょ!!」

 

座学に飽きてきた初を地下の実践施設へ連れてきて只今実技の練習中である。

因みに今までどこで勉強していたかといえば一条家だ。集合場所から近場にあった一条家に三人しておじゃましたわけである。それにしても地下に実践施設があるとは流石一条家というべきか、美琴の家にもあるが我が家は色々な意味で特殊なため割愛する。

 

突然だが第三高校は【武】の第三高校である。よって魔法科高校の中でも特に実技に最もな重きが置かれる高校だ。

美琴、一条、吉祥寺は勿論問題はない。彼らは座学、実技ともに優秀な成績を常に残しているからだ。試験勉強といってもやれていることの復習にしかならない。

問題なのは初だ。

初は「魔法科高校に入れただけで奇跡だよ!」とは本人の弁だ。実際には普通科の中では上位に程度に実力はある。だがしかし、いかんせん彼女の魔法は反応速度、精度ともに大雑把なのだ。過程を出来得る限り省略してしまう。実戦向きなのだろう。実戦ともなれば相手に傷を負わす、またはノックアウトさせてしまえば勝利なのだ。

 

美琴は初を見た。そして初の傍に立つ一条も。

二人は大型の魔法装置に目を向けながら(初はその装置に掌を当てながら)言いあいをしていた。美琴は初の結果が記載されている手元のペーパーに目を向ける。

 

今実施しているのは魔法の精度練習だ。正確には的が10用意されておりその的にはランダムに番号が示される、手元のCAD装置に手を置き、繋がれている線上に魔法を発動させ、当てる。そして1〜10までのタイムを記載するというものだ。

 

初のタイムは15135ms、約15秒だ。一階に打ち出す魔法を1000ms=1秒であると換算すればまずまずなのだが、初の基本タイムは950msなのだ。つまり、もっと早くできる。

のだが、初の場合、途中の経過を省く癖があるため、この方法では粗が目立つのだ。正確に言えば本来は視認しながら、またはしてから魔法を撃つのが基本であるが、初の場合は気が急いてしまい目線の先の的に攻撃を向けてしまうのだ。

速さがどうにかなってもコレでは本末転倒である。と、美琴は解決策を模索していた。因みに美琴のタイムは5000ms=5秒である。これは驚異的な数字だ。美琴曰く、「一条家のものは性能がいいから」らしいが、それでも速い。一条は7秒で吉祥寺は9秒だ。

というのも、美琴は瞬間視、周辺視を使用していたために、速かったということがある。周辺視とは一点を見るのではなく辺りのものも一緒に目に入れること、瞬間視とは瞬間的に目に入った情報を得ることのできるという能力である。美琴は只でさえ速い魔法発動をそれらを使用することでより速く行っているということがあるのだ。

初と同じようにいちいち確認しているわけではないが、それでもできてしまうのが美琴であった。

 

(ここは一条に任せようかな)

 

美琴は肩の力を僅かに抜きながら二人を見つめた、言い合いをしながらも仲の良い二人の様子に子どもを見るような目になってしまうのは否めないだろう。

 

美琴の目には思わず笑いがこぼれた。

 





い、いかがでしたでしょうか。説明的な文章ですかね、でも私的には楽しかったです。
今回は初めての上下かけてみました!頑張って書いていきたいと思います。
ありがとうございました!
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