東方遊戯王ZEXAL-白黒の反逆彗星-   作:坂本コウヤ

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フラン「ヤッホー、皆!! 本当に久しぶりだね、フランだよ!!」

フラン「いやぁ、本当にこっちの方は下手し半年ぐらい待たせちゃってると思うんだけど、本当にごめんね。作者さんは後でスカーライトとカラミティで焼いておくから、取りあえず許してあげてね。」

フラン「さて、じゃあ早速本編に入っていくね。皆ここまでの展開覚えてるかな? もし忘れてたら、取りあえず前回の話へ戻ってみてね。それじゃあ今日も、ゆっくりしていってね!!」




第11話:今こそ舞い上がれ! 幻影の爪持つ翼達よ!!

「病院まで、後どれくらいだ?」

 

「もうちょっとの、はず。ハァ、ハァ。」

 

 

レミリア達と別れて数分後、私と神子、ねね、鉄男、小鳥の5人は、さっきのⅣとのデュエルで傷ついた善羽と委員長を、このハートランドシティの病院まで運んでいるところだった。

 

ただ、私が庇ったお陰か何か分からねぇが、委員長の方はそんなに怪我がひどくなかったようだが、善羽はあのジャイアントキラーの『デストラクション・キャノン』をもろに喰らったせいか、かなり怪我がひどかった。幸い善羽は体重が軽かったので、足の速い私が善羽を背負い、力のある鉄男が委員長を背負って、急いで病院まで連れていっていた。

 

でも、さすがに怪我人を背負ったまま全速力で走る訳にもいかず、必然的に私は、周りから少し遅れる形になってしまい、さらに体力のないねねが私の横を並走する形で、脱落してきた。今は小鳥、鉄男、神子の3人が前を並んで走り、その後ろから私達が付いていっている感じだ。ただ、そろそろねねの体力がヤバそうなのが傍から見てても明らかだったので、そろそろ着いてほしいと思っていると、小鳥が声を上げた。

 

 

「っ、見えてきた! もうすぐよ!」

 

 

視線を前に戻すと、デカい建物が見えてきた。たぶんアレが件の病院なんだろう。よし、そうと分かれば!!

 

 

「ラストスパー、ッ――」

 

 

ト、と、勢いよく走り出そうとした私は、横から感じた突然のさっきに、動きを止め、反射的に無理矢理右手でねねを制止させた。すると――

 

 

――シュンッ、カッ――

 

 

私の顔のまえを何かが通り過ぎ、私達の横の壁に突き刺さった。

 

 

「なっ?!」

 

「ッ、魔理沙?!」

 

 

異変を察知したのか、前にいた神子がこちらを心配してきた。だけど私は、今顔の前を通り過ぎ、壁に刺さった物体を凝視していた。

 

 

「…カード、だと?」

 

 

おいおい、幾らなんでも冗談が過ぎるぜ。たかがカードが何で建物の壁に突き刺さってんだよ。そんなに固いもんじゃないだろ、アレ。壁もそんなヤワなわけねぇし、いったいどういう原理だ?

 

 

「チッ、外したか。」

 

「「「「「ッ?!」」」」」

 

 

カードの飛んできた方角から声が聞こえたので、私達は一斉にそちらに顔を向け、ねね達を私と神子がかばう形で並んだ。そこには、二人の不良のような奴らがいて、片方は如何にもな感じで煙草を吸っていた。

 

神子が少し表情を険しくしながら、その二人に問いかけた。

 

 

「何のつもりですか? 私達は怪我人を運んでいる所なんです。当たったらどうする――」

 

「あぁん? 俺ら最初から当てるつもりだったんだけど。」

 

「なっ?!」

 

「えぇ?!」

 

「そんな…。」

 

 

最初から狙って投げたものだと知って、後ろにいた3人はびっくりしていた。まぁ私は初めからさっきを感じたからそんな事だろうと思ってたが。神子はたぶん、驚きよりも怒りが上回ってるんだろうな。こういう事が嫌いなやつだからな、コイツは。

 

 

「…一応聞いておきましょうか。何が目的ですか?」

 

「何が、か。姉ちゃん、とっくに気付いてるんだろ? 俺達が何が目的でこんな事をしたのか。」

 

「…やはり。どうやらレミリアが言っていた嫌な予感は当たったみたいですね。」

 

 

神子はそういうと、懐からDパッドを取り出し、いつでもデュエルを始められるように構えて、私にこう言った。

 

 

「魔理沙、ここは私に任せて下さい。病院までは後少しです。早く善羽さん達を――」

 

「おぉっと、そうはいかねぇな!!」

 

 

――シャキンっ、ヒューーッ、ガシャンッ――

 

 

「あっ?!」

 

 

私達がねね達と一緒に病院へ行こうとした直後に、私の右腕に輪のついたワイヤーを伸ばして捕まえてきた。ってこれ、私達の所にもあるデュエルアンカーじゃねぇか。くそ、また面倒なものを。

 

 

「魔理沙!?」

 

「それは勝負が付くまで外れることはないぜ? どうしても行きたきゃ俺達を倒していきな。」

 

「くっ、姑息な真似を…。」

 

 

神子はそう言って、顔に怒りの色を浮かべていた。まぁ元々卑怯な真似をしたりしねぇタイプだからな。こういう事をやる輩に対しては、怒りを抑えられないんだろう。

 

にしても困ったな。このままじゃ善羽が運べねぇ。どうすれば――

 

 

「魔理沙。」

 

「っ、小鳥。」

 

「舞衣ちゃんの事は、私に任せてくれない?」

 

 

小鳥がそう言って、背中を向けてきた。たぶん、「自分がおぶっていく」っていうサインなんだろうけど。

 

 

「でも、お前一人じゃ――」

 

「…なら、私も、手伝う。舞衣ちゃんは、友達、だから。」

 

「ねね。」

 

 

私が躊躇っていると、ねねが自分も手伝うと言ってきた。まだ少し息は乱れてはいたが、ちょっと落ち着いた感じにも見えた。まぁ確かに、この距離ならもうすぐだし、後はコイツらに任せても問題はないか。

 

 

「分かった、頼むぜ。」

 

「任せて!」

 

「うん。」

 

 

二人は私が背負っていた善羽を受け取ると、二人で善羽を抱えながら病院へと向かった。――これで取りあえず、こっちは解決したな。さて――

 

 

「よくもまぁさっきは喧嘩吹っ掛けてくれたなぁ。覚悟はできてんだろうな?」

 

 

私は隣にいる神子と同じく怒りの色を顔に浮かべながら、威圧するようにそう言った。すると、不良の一人が笑いながら言い返してきた。

 

 

「フッ、そのセリフ、丸ごとお前に返してやるよ。」

 

「喧嘩をしかけたのはそちらですけどね?」

 

「言ってろ。さぁ、とっとと始めようじゃねぇか!!」

 

 

もう一人の不良の掛け声と同時に、私達は互いにDパッドを放り投げて展開させ、腕に装着した。そして左目にかぶせるように、折りたたんだ状態のDゲイザーを展開してセットした。

 

 

「「「「デュエルディスク、セット!! Dゲイザー、セット!! ターゲット、ロックオン!!」」」」

 

 

[ARビジョン、リンク完了。]

 

 

「「「「決闘(デュエル)!!」」」」

 

 

不良1&2

LP 8000

手札 5枚(不良1)

場、伏せ 共に無し

 

 

霧雨魔理沙&豊聡耳神子

LP 8000

手札 5枚(霧雨魔理沙)

場、伏せ 共に無し

 

 

 

 

☆≡

 

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 

手札 5→6枚

 

 

黒咲の妹のターンが終わり、Ⅳのターンが回ってきた。さぁ、この1ターン目はどう動く気だ。

 

 

「ふぅ、まさか1ターン目から兄同様ふざけたぐらいガン回ししてくるとはな。まぁ、どうせそのモンスターも後で俺のファンサービスで吹っ飛ばしてやるさ。だけど、1ターン目でそれをやっても旨みがないんでね。まずはこれだ!! 俺は『ギミック・パペット―ボム・エッグ』を召喚!!」

 

 

ギミック・パペット―ボム・エッグ

☆4

地属性,機械族/効果

ATK 1600

 

 

Ⅳの場に現れたのは、オレンジ色の卵みたいな身体から細い手足が伸び、髭を生やした変なモンスターだった。

 

 

「ボム・エッグの効果発動だ。1ターンに1度、手札から『ギミック・パペット』モンスター1体を墓地へ送る事で、二つの効果のうち一つを選択して発動できる。手札のネクロ・ドールを墓地へ送り、俺が発動するのは『相手に800ポイントのダメージを与える効果』だ!!」

 

 

バーン効果持ちだと? くそっ、バトルロイヤルでは1ターン目は全員攻撃できない。それを考慮してのバーン効果モンスターってわけか。面倒だヤツを。

 

 

「さて、このバーン効果を凌牙にくれてやってもいいが、そんなしょぼいファンサービスじゃ一番のファンに嫌われちまうかもしれねぇしな。だから、くれてやるのは黒咲の妹、テメェだ!! 受け取れ!!」

 

 

Ⅳの言葉と同時に、ボム・エッグの胴体が半分に割れ、そこから大量の爆弾が、黒咲の妹に向かってとんでいった。それを見て、黒咲のヤツが叫んでいたが、妹の方は笑って『心配いらない』という表情をしてカードを発動させていた。

 

 

「瑠璃!!」

 

「大丈夫!! 罠カード、『ホーリーライフバリアー』を発動!! 手札を1枚捨てることで、このターン終了時まで、私へのダメージは全て0となります!!」

 

「何ッ?!」

 

 

黒咲瑠璃

手札 4→3枚

 

 

 

黒咲の妹に向かって飛んでいった爆弾は、彼女に当たる前に見えない障壁に阻まれ、阻止された。それを見て、Ⅳが少し悔しそうに顔を歪めていた。

 

 

「チッ、一発目は拒否られたか。まぁ仕方ねぇ。まだ機会はいくらでもあるんだ。これからじっくり味わせてやるよ。俺はカードを3枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

 

LP 4000

手札 1枚

 

ギミック・パペット―ボム・エッグ

 

 

伏せ 3枚

 

 

初手はあまり動いてこなかったか。まぁ、バトルフェイズが行えない時点で、やる事なんてほとんど決まってるようなもんなんだけどな。だけど、さっきの黒咲の妹のターンが長すぎて、Ⅳのターンがすげぇ地味に見えたんだが。まぁいいか。とにかく俺は、俺のデュエルをするだけだ。

 

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 

神代凌牙

手札 5→6枚

 

 

ほう、この手札か。なるほどな。って事は、まずはこれだな!

 

 

「俺は『ハンマー・シャーク』を召喚!!」

 

 

ハンマー・シャーク

☆4

水属性,魚族/効果

ATK 1700

 

 

「『ハンマー・シャーク』の効果発動!! 1ターンに1度、自分のメインフェイズにコイツのレベルを一つ下げる事で、手札のレベル3以下の水属性モンスター1体を特殊召喚出来る!! 来い、『ビック・ジョーズ』!!」

 

 

ハンマー・シャーク

☆4→3

 

 

ビック・ジョーズ

☆3

水属性,魚族/効果

ATK 1800

 

 

「レベル3のモンスターが2体。」

 

「どっちも1ターン目でエクシーズ召喚か。くそ、展開が早すぎる。」

 

 

向き合ってる二人が何かこぼしていたが、俺はそれを特に気にせず続ける。

 

 

「行くぞ!! 俺はレベル3となった『ハンマー・シャーク』と、『ビック・ジョーズ』でオーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 現れろ、『ブラック・レイ・ランサー』!!」

 

 

ブラック・レイ・ランサー

★3

闇属性,獣戦士族/エクシーズ/効果

ATK 2100

ORU 2つ

 

 

「さらに、手札の『エクシーズ・リモーラ』の効果発動!! 自分の場のモンスターエクシーズのORUを2つ取り除く事で、このモンスターを特殊召喚出来る!!」

 

 

ブラック・レイ・ランサー

ORU 2→0

 

エクシーズ・リモーラ

☆4

水属性,魚族/効果

DEF 800

 

 

「最後にカードを2枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

 

神代凌牙

LP 4000

手札 1枚

 

ブラック・レイ・ランサー(ORU 無し)

エクシーズ・リモーラ

 

 

伏せ 2枚

 

 

ふぅ、初手としてはこれで十分だろう。『ブラック・レイ・ランサー』のORUがないのがちょっと心許ないが、それも仕方ねぇか。とにかく、次にターンが回ってくるまでこれで耐えるか、それとも伏せカードを使って賭けに出るか。まぁ、この先のアイツら次第って感じだな。さぁ、どう来る?

 

 

 

 

☆≡

 

 

Ⅳ達のターンが終わった頃にまで、時間はさかのぼる。

 

 

「アレを凌いだか。それに、上手くバトルロイヤルのルールを利用したようだな。」

 

「みたいですね。」

 

 

Ⅳ達を含んだ4人での『バトルロイヤルルール』による変則タッグデュエルを見ながら、私と咲夜はそんな会話をしていた。九十九遊馬は今、すぐ近くではあるが、アストラルと共に別の所から観戦をしているようだ。そして、咲夜の隣には先程、Ⅳの『ギミック・パペット―ボム・エッグ』の効果が発動した時に心配そうな声を上げていた、この極東地区のナンバー2で、現在デュエルしている黒咲瑠璃の兄、黒咲隼がほっと胸をなでおろしていた。まぁ同じ妹を持つ者としてアイツの気持ちは理解できるが、少々過保護すぎ、いや、私もあまり人の事を言えた性質ではないか。おそらく同じ立場なら、状況によっては飛び込みかねない。…何か、コイツとは気が合いそうな気もするな。ちょうど話したい話題もある。ここで少し話をしておくか。

 

私は咲夜とアイコンタクトをとり、場所を代わってもらって黒咲隼に話しかけた。

 

 

「良かったな、妹が無事で。」

 

「あぁ。…お前は――」

 

「初めまして、極東ナンバー2、黒咲隼。私はレミリア・スカーレット。あなたの知り合いの、魔理沙の友達よ。レミリアと呼んで頂戴。」

 

「魔理沙の?」

 

「えぇ。で、こっちは私の従者の十六夜咲夜よ。」

 

「初めまして、黒咲隼さん。十六夜咲夜です。以後、お見知りおきを。」

 

 

私が紹介すると、咲夜は丁寧に挨拶をした。さすがは私の従者。いつもながら丁寧な挨拶の仕方だ。

 

黒咲は私達の挨拶のあとに軽くだけ挨拶をしてくれ、そして、「で、何の用だ?」と聞いてきた。まぁ、聞かれて困る理由でもないし、答えるか

 

 

「なに、同じ妹を持つ者同士、ちょっとお話でもって思っただけよ。」

 

「お前にも、妹がいるのか?」

 

「えぇ。一つ下のね。」

 

 

当然これは嘘。実際は、何歳くらいかしらね。たぶん5年くらいだと思うんだけど。少なくとも1つ下とかではない。幽閉してた期間とかを考えると、だいたい5~10くらいだと思うわ。ただ、何故か最近『フランの方がしっかりしてて姉っぽい』って言われる機会が多くなってるんだけど、あれ何で? 私の方が振る舞いは大人だと思うし、そこまで子供っぽい事はないと思うんだけど。まぁ、今はどうでもいい話ね。

 

 

「そうか。俺と瑠璃も一つ離れてるから、今度会える機会があったら、会わせてやりたいな。」

 

「機会があればね。ところで、ちょっと聞きたい事があるのよ。」

 

「何だ?」

 

「アンタの使っている、あの【Pc】ってカテゴリ。あれはいったい何なの?」

 

 

そう、私が黒咲隼と話をしようと思ったのは、今まさにデュエルをしているコイツの妹の使うカード、【Pc】というカード達が気になっていたからだ。幻想郷でもあんなカテゴリは聞いたことないし、あんな使いやすそうな感じのカテゴリなら、鴉天狗のヤツらが使ってても違和感がないと思ったから。

 

 

「あぁ、【Pc】の事か。あれは瑠璃が、俺の使う【RR】と同じ感じのカテゴリがないか探した結果見つけたものだ。ただ、カテゴリのカード自体が珍しいものばかりだから、デッキを完成させるのに随分と時間がかかってしまったがな。」

 

「そうなのか。なるほど、だから見た事がなかった訳ね。」

 

「珍しいカテゴリだと思う。俺もここまで、自分の使うカード達と似たような、しかも同時運用を目的としたようなカテゴリがあるとは思ってなかったからな。共有できるサポートカードも何枚かあるしな。」

 

「ほぉ、それは面白そうだな。是非タッグデュエルをやってみたいものだな。」

 

「そうだな。それも機会があれば、だな。」

 

 

黒咲はそれっきり、デュエルの方へと視線を向けていた。今どうやら、黒咲瑠璃のパートナーとなっている神代凌牙のターンが終わったようだ。神代凌牙のデッキは、ん、『エクシーズ・リモーラ』だと? という事は、アイツのデッキは【バハムート・シャーク】デッキか? にしては何故『ブラック・レイ・ランサー』が? 謎だな。

 

だが、おそらく私の予想に近しい構築にはしていると思う。となると、今はとりあえず様子見と言ったところか。何故あのフルアーマードではないアイツが出ているのかはすごく気になるが。

 

さてこのデュエル、いったいどっちに勝敗が傾くのやら、だな。

 

 

 

☆≡

 

 

「さて、では僕のターン。ドロー!!」

 

 

手札 4→5枚

 

 

ふぅ、ようやく一巡しましたね。さて、ここからは全員遠慮なくバトルが出来る。おそらく、ここからⅣさん達も本気で来るはず。最初のⅢさんのターン、どう出て来るか。

 

 

「僕は、『先史遺産(オーパーツ)ゴールデン・シャトル』を召喚!!」

 

 

先史遺産ゴールデン・シャトル

☆4

光属性,機械族/効果

ATK 1300

 

 

また『先史遺産』…。しかもレベル4が2体という事は、これは確実にくる!! と思っていると、凌牙さんが動いた。

 

 

 

「エクシーズ召喚をする前に、それを止めさせてもらうぜ!! リバースカード、オープン!! 罠カード、『フィッシャーチャージ』!! 自分フィールド上の魚族モンスターをリリースする事で、相手フィールド上のカード1枚を破壊し、デッキから1枚カードをドローする!!『エクシーズ・リモーラ』をリリースし、お前の場に今召喚されたゴールデン・シャトルを破壊する!! そして、カードを1枚ドローだ!!」

 

 

神代凌牙

手札 1→2枚

 

 

 

凌牙さんの場にいた『エクシーズ・リモーラ』が光となって発動されている『フィッシャーチャージ』に吸い込まれ、そこから小さな魚達の爆弾のような物がゴールデン・シャトルへと飛んでいき、爆発した。それによって、先程現れた黄金色のシャトルは無残に破壊され、フィールドから消えた。

 

 

「くっ、やってくれるね。でも、この程度で止まる僕じゃないよ! 罠カード、『ストーンヘンジ・メソッド』を2枚発動!! このカードは、自分フィールド上の『先史遺産』モンスターが戦闘、およびカードの効果で破壊された場合、デッキからレベル4以下の『先史遺産』モンスター1体を表側守備表示で特殊召喚出来る! そして2枚使ったから、合計2体のモンスターを特殊召喚出来るよ。」

 

「?!」

 

 

やっぱり対策もしてますよね。にしても、破壊をトリガーにモンスターを呼んでくるカードですか。少々面倒ですね。

 

 

「いくよ。僕は『ストーンヘンジ・メソッド』の効果で、デッキから『先史遺産コロッサル・ヘッド』と、『先史遺産マッドゴーレム・シャコウキ』を特殊召喚!!」

 

 

先史遺産コロッサル・ヘッド

☆4

地属性,岩石族/効果

DEF 1600

 

 

先史遺産マッドゴーレム・シャコウキ

☆4

地属性,岩石族/効果

DEF 1000

 

 

「ヤツの場にモンスターが3体も。」

 

「しかもレベルが全員4。これは確実にきますね。」

 

「当然だよ。僕はレベル4のネブラディスク、コロッサル・ヘッド、マッドゴーレム・シャコウキでオーバーレイ!! 3体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 現れろ、『No.32』!!最強最大の力を持つ深海の帝王!! その牙で全てのものを噛み砕け!! 『海咬龍シャーク・ドレイク』!!」

 

 

No.32 海咬龍シャーク・ドレイク

★4

水属性,海竜族/エクシーズ/効果

ATK 2800

ORU 3つ

 

 

これが、Ⅲさんのナンバーズ。…何か、急に先史遺産らしさがなくなりましたね。むしろ、凌牙さんに合ってる気がするのは、私だけでしょうか?

 

その件の凌牙さんはというと、シャーク・ドレイクが出てきた途端、口元をニヤリとさせて、伏せていたカードを発動させていた。

 

 

「それを待っていたぜ!! 罠カード、『スプラッシュ・キャプチャー』を発動!! このカードは相手がモンスターエクシーズを特殊召喚した時、自分の墓地の魚族モンスター2体を除外する事で、そのモンスターエクシーズのコントロールを俺が得る!! 俺は墓地の『エクシーズ・リモーラ』と『ビッグ・ジョーズ』を除外し、シャーク・ドレイクのコントロールを得る!!」

 

「何だと?!」

 

「ッ、しまった!!…まさか、僕が立て直してナンバーズを出してくるのを待っていたというのか?」

 

「そういう事だ。せっかくこのターンから攻撃できるんだ。お前の伏せが結果的にリクルート用のカードだったから、俺からしたら大当たりを引いたんだがな。さぁ、そのナンバーズのコントロールをもらうぜ。」

 

 

凌牙さんの場に発動されたカードから光の網が飛び出し、それがシャーク・ドレイクを捕まえて凌牙さんのフィールドへと引っ張ってきて消えた。その様子を見て、Ⅲさんはもちろん、Ⅳさんも顔を歪めていた。まぁ確かに、自分達の持っていた強いモンスターエクシーズが相手にとられたら、そういう表情にもなるよね。

 

ただ、私は知らなかった。ナンバーズが、ただの強いモンスターエクシーズではない事を。だから、この後に起こる事を、私は、予想する事も出来なかった。

 

 

☆≡

 

 

「ぐああぁぁぁぁ!!!」

 

「ッ、凌牙さん?!」

 

「凌牙!!」

 

「シャーク!!」

 

 

デュエルの最中、ナンバーズのコントロールを奪った神代凌牙が突如、赤紫のオーラを出しながら苦しみ出した。それを見てか、黒咲兄妹と九十九遊馬がほぼ同時に凌牙を心配するような声を発した。

 

 

(どういう事だ。ナンバーズのコントロールを奪った途端、苦しみ出しただと? いったい何が――っ、まさか!)

 

 

この答えを知るのは、おそらく九十九遊馬のすぐ近くに浮いているアイツだろう。となると、聞く必要があるな。

 

私は咲夜にその場を任せ、九十九遊馬とアストラルの元へと急いだ。

 

 

「九十九遊馬!! アストラル!」

 

「ッ、レミリア!」

 

 

九十九遊馬は私が近づくと、向こうからも歩みよってきた。それに連れられるように、遊馬の横に浮いている存在、アストラルもこちらへと近づいてきた。

 

私は距離が縮まって開口一番、アストラルに詰め寄った。

 

 

「アストラル、あれはどういう事だ! ナンバーズが強力なモンスターとは聞いていたが、あれは聞いていないぞ!! どうなっている?!」

 

『…シャークは今、ナンバーズの意思に支配されかけている。』

 

「ナンバーズの、意思だと? という事は、アレも精霊の類か。」

 

『君達風に言うのであれば、そういうものになるだろう。』

 

 

アストラルは特に感情をこめずに、そう言った。因みにこいつには私達の持つ『精霊のカード』については、コイツがつい先日、魔理沙が倒れた時にナンバーズの事を話してくれた時に話してある。勿論、向こうが教えてくれたのがほんの少しだったから、そこまで多くの情報は与えてないがな。

 

しかし、アストラルの言った事が事実だとしたら、面倒だな。もしその『ナンバーズの意思』とやらに支配された場合、最悪とんでもない事になるかもしれないな。例えば、敵味方無差別に攻撃しだすとか。そんな事になれば、あの黒咲の妹、瑠璃が相当不利になる。神代凌牙が持ち直してくれればいいが。そう思っていると――

 

 

「俺は…――」

 

「凌牙、さん?」

 

「俺は…、あの時の俺じゃねぇ!! こんな力に、操られてたまるか!! 俺は俺だぁぁ!!」

 

 

 

そう叫ぶと同時に、アイツの周りに発生していた赤紫のオーラが消滅した。フッ、どうやら、先程までの考えは杞憂だったようだな。

 

 

『ナンバーズの力を、押さえこんだのか。』

 

「…どうやらそのようだな。全く、無理矢理抑え込むとは。大した精神力だ。」

 

「あぁ!! これで形勢逆転だぜ!!」

 

 

九十九遊馬がそう言って、自分の事のように喜んでいた。・・・まぁ、何が形勢逆転なのかはこの際聞かないが、この状況、間違いなくアイツらが不利である事には変わりはない。このまま流れをこちらに向けられれば、あるいは――

 

 

「・・・・・・(ニヤッ」

 

 

ん、あのⅢとかいうヤツ、今一瞬笑ったか?

 

なぜだ? この状況、明らかに彼らが不利なはず。笑っていられる余裕などないはずだ。魔理沙が逆境で浮かべている笑みとも、何かが違う。近い感じだと、自分の作戦通りに事が運んだときのような、っ?! まさか、奪われる事も作戦の内だとでもいうのか? だが、あのモンスター自体はデメリット効果はなかったはずだ。だとすれば、『渡す事』そのものが目的か? だが、何のために・・・?

 

いずれにせよこの勝負、まだ何かあるのかもしれないな。無事にヤツらが勝てばいいが…。

 

 

 

☆≡

 

 

「この力があれば、Ⅳ、お前も倒せる! 今度こそ、借りを返させてもらうぜ!!」

 

 

先程まで、『ナンバーズ』と名のついたモンスターエクシーズの1体であるシャークドレイクを奪い、何かの現象によって苦しんでした凌牙さんは、ついさっきその苦しみから解放されたようで、Ⅳさんに向かって堂々とそう宣言していました。Ⅳさんはというと、そんな凌牙さんを見て、表情を驚愕に染めていました。

 

 

「馬鹿な…。『ナンバーズの意思』を自力で抑え込んだだと?! …とんでもないヤツだな、お前。」

 

「こんな力に操られているようじゃ、テメェに借りを返す事なんざ到底無理だろうからな。」

 

「…フッ、言ってくれるじゃねぇか。だったら、そのⅢから奪った力で、俺を倒して見せろよ、凌牙!!」

 

「言われるまでもねぇ!!」

 

 

互いに闘志を燃やしながら、相手を睨みつけあう二人。凌牙さんがシャークドレイクを手に入れた事で、凌牙さんとⅣさんの戦力差はほぼ5分5分。この勝負、いったいどちらが制するんでしょうか――

 

 

「…兄様、一つ、忘れてませんか? まだ僕のターンだって事?」

 

「「「あっ…。」」」

 

 

あっ、そう言えばまだ、Ⅲさんのターンでしたね。私とした事が、すっかり忘れてました。凌牙さんの方にばかり気を取られていたので。取りあえず、謝った方がいいですよね。

 

 

「す、すみません! 悪気はなかったんです。ただ、凌牙さんの事が気になっていたので。」

 

「…うん。率先して謝ってくれるだけ、君がまだ良心的な気がするよ。」

 

 

Ⅲさんは少し寂しそうな笑みを浮かべて、そう言ってくれました。ですが、すぐに表情を引き締め、その顔を決闘者(デュエリスト)のそれへと変えました。

 

 

「僕から『ナンバーズ』を奪って、しかもそれを自力で使えるようになった事は褒めてあげたいけど、あまり調子に乗るなよ、凌牙! 僕は手札から、『先史遺産クリスタル・ボーン』を特殊召喚!! このモンスターは、相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚出来る!!」

 

 

先史遺産クリスタル・ボーン

☆3

光属性,岩石族/効果

ATK 1300

 

 

「そして、クリスタル・ボーンの効果発動!! このカードは、自身の効果で特殊召喚に成功した時、墓地のクリスタル・ボーン以外の『先史遺産』モンスター1体を、特殊召喚出来る!! 来い!! 『先史遺産クリスタル・スカル』!!」

 

 

先史遺産クリスタル・スカル

☆3

光属性,岩石族/効果

ATK 900

 

 

「レベル3のモンスターを、一気に2体も・・・。」

 

 

凄い。あの状況から、あっという間に同レベルのモンスターを2体揃えるなんて。さすが、Ⅳさんの弟さん。一筋縄ではいきませんね。

 

 

「そして、レベル3のクリスタル・スカルとクリスタル・ボーンで、オーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 現れよ、『先史遺産クリスタル・エイリアン』!!」

 

 

先史遺産クリスタル・エイリアン

★3

光属性,サイキック族/エクシーズ/効果

ATK 2100

 

 

Ⅲさんの場に、紫色の、宇宙服のようなものに羽が生え、胸の辺りに鏡みたいな物体がついた、宇宙人のモンスターが現れました。だけどその攻撃力は、今私達の場にいるどのモンスターよりも下回ってます。いったい何を――

 

 

「さらに僕は手札から、永続魔法『先史遺産ピラミッド・アイ・タブレット』を発動!! このカードの効果で、僕の場の『先史遺産』モンスターは全て、攻撃力が800ポイントアップする!!」

 

 

先史遺産クリスタル・エイリアン

ATK 2100+800=2900

 

 

カテゴリ限定の攻撃力増強カード、しかもノ―コストで800も上げるだなんて?! 私の【Pc】も大概ですけど、無茶苦茶ですね。

 

 

「さぁ、バトルだ!!『先史遺産クリスタル・エイリアン』で、『ブラック・レイ・ランサー』を攻撃!!」

 

 

Ⅲさんの場のクリスタル・エイリアンが、凌牙さんの場にいた『ブラック・レイ・ランサー』を胸の鏡のような物体からとばした光線で破壊し、その爆風が、凌牙さんに向かって否応なく吹き付けた。

 

 

先史遺産クリスタル・エイリアン

ATK 2900

 

ブラック・レイ・ランサー

ATK 2100

 

 

神代凌牙

LP 4000-(2900-2100)=3200

 

 

「ぐわぁぁぁ!!」

 

「凌牙さん!!」

 

 

爆風を受けた凌牙さんは吹き飛ばされて地面にたたき付けられた。その様子を気にすることなく、Ⅲさんはターンを進めた。

 

 

「僕はカードを2枚伏せて、ターンエンド!!」

 

 

LP 4000

手札 1枚

 

先史遺産クリスタル・エイリアン

 

先史遺産ピラミッド・アイ・タブレット

 

 

伏せ 2枚

 

 

ふぅ、ようやく回ってきましたか。取りあえず、このターンでⅢさんを倒しておきたいところですが、まぁ、墓地も肥えてますし、何とかなりますよね。――さぁ、私の翼達よ。今こそ羽ばたいて!!

 

 

「私のターン、ドロー!!」

 

 

黒咲瑠璃

手札 3→4枚

 

 

引いたカードと手札、それと墓地に存在するモンスター達を見比べながら、私は、このターンとるべき動きを頭の中で素早く判断し、手札のカードを1枚取り出してディスクに置いた。

 

 

「私は手札から、『Pc-バニッシュ・イーグル』を召喚!!」

 

 

Pc-バニッシュ・イーグル

☆4

闇属性,鳥獣族/効果

ATK1300(/DEF1600)

『Pc-バニッシュ・イーグル』の(2)の効果は、1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードの召喚に成功したターンのメインフェイズに1度だけ発動できる。

墓地の『Pc』モンスター1体を特殊召喚できる。

(2):このカードが墓地に送られた時、墓地の『Pc-バニッシュ・イーグル』以外の『Pc』モンスター1体を特殊召喚できる。

{姿は紫色の羽根を持ったヴェズルフェルニス。ヴェズルフェルニス=北欧神話に出て来る鷹の事。}

 

 

「バニッシュ・イーグルの効果発動!! このカードの召喚・特殊召喚に成功したターンのメインフェイズに一度だけ、墓地から『Pc』モンスター1体を特殊召喚出来ます!! 来て、『Pc-サイレント・バード』!!」

 

 

Pc-サイレント・バード

☆4

闇属性,鳥獣族/効果

ATK1000(/DEF1000)

『Pc-サイレント・バード』の(2)の効果を発動したターン、自分は『Pc』カードしか効果を発動できない。

(1):このカードの召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

手札の『Pc』カードを1枚墓地に送ることで、墓地の『Pc』カードを1枚手札に加える。

(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールド上に『Pc』モンスターが存在する場合、墓地のこのカードを特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したカードが墓地に送られた時、このカードは除外される。

{姿は青い体色をした(らん)。}

 

 

「そして、サイレント・バードの効果を発動!! 召喚・特殊召喚に成功した時に、手札の『Pc』カード1枚を墓地へ送り、代わりに墓地の『Pc』カード1枚を手札に加えます!! それにチェーンして、フィールド上の『Pc-パンデュル・アエロー』の効果発動!! 自分フィールド上に墓地から『Pc』モンスターが特殊召喚された場合に、ORUを一つ使う事で、相手に800ポイントのダメージと、さらに相手モンスター1体を選択して、その攻撃力・守備力を800ポイントダウンさせます!! さらにチェーンで、墓地の『Pc-邪炎のヒザマ』の効果も発動!! このカードが墓地に存在する場合に、同名カード以外の鳥獣族モンスターが召喚・特殊召喚された時、墓地からこのモンスターを特殊召喚出来ます!! このままチェーンがなければ、全部処理したいんですけど、良いですか?」

 

 

Pc-パンデュル・アエロー

★4

闇属性,鳥獣族/エクシーズ/効果

ATK 2500(/DEF 1500)

ORU(オーバーレイ・ユニット) 2つ

素材指定:『Pc』と名の付くレベル4モンスター×2

『Pc-パンデュル・アエロー』の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分の場に墓地から『Pc』モンスターが特殊召喚に成功した場合にオーバーレイユニットを1つ使って発動する。

相手に800ダメージを与える。その後、相手の表側表示モンスター1体を選び、その攻撃力・守備力を800ダウンする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに

『Pc』モンスター1体を召喚できる。

(3):このモンスターが破壊された時、墓地の『Pc』モンスターを2体除外することでこのモンスターを特殊召喚できる。

この効果はデュエル中に1回しか発動できない。

{パンデュル=フランス語のPandore(憲兵)、アエロー=ギリシャ神話に登場するハルピュイア(=ハーピィ)の一人}

 

 

Pc-邪炎のヒザマ

☆4

闇属性,鳥獣族/効果

ATK1800/DEF600

『Pc-邪炎のヒザマ』の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):このモンスターが墓地に存在する場合に、『Pc-邪炎のヒザマ』以外の鳥獣族モンスターが召喚・特殊召喚された時に発動できる。

自分の墓地から、このカードを特殊召喚する。

(2):このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。

デッキから『Pc-邪炎のヒザマ』以外の鳥獣族モンスター1体を墓地へ送る。

{モデル:鹿児島の沖永良部島に伝わる伝説の生き物のヒザマ。ニワトリの姿で胡麻塩色の羽を持ち頬が赤い。}

 

 

「僕は何も。兄さんは?」

 

「チッ、ねぇよ。」

 

「そうですか。じゃあこのまま、逆順処理に入ります!! まずはヒザマの効果で、自身を特殊召喚!!」

 

 

Pc-邪炎のヒザマ

☆4

闇属性,鳥獣族/効果

ATK1800

 

 

「続けてパンデュル・アエローの効果で、Ⅲさんに800のダメージを与え、さらにクリスタル・エイリアンの攻守を800ポイントダウンさせます!!『ウィンド・プレッシャー』!!」

 

 

『ハアァッ!!』

 

 

Pc-パンデュル・アエロー

ORU 2→1つ

 

 

 

パンデュル・アエローが右手の剣で周りを舞っていた光の球を切り裂き、その剣に風の力を溜めた。そしてそれを2連続で、それぞれⅢさんとクリスタル・エイリアンに向かって放った。それを受けたⅢさんは勿論、クリスタル・エイリアンも少しだけよろめいていた。

 

 

LP 4000-800=3200

 

 

先史遺産クリスタル・エイリアン

ATK 2900-800=2100

DEF 1000-800=200

 

 

「くっ、やってくれるね。」

 

「これぐらいは、まだこのデッキの実力の一端にすぎませんよ。本番はこれからです!! 続けます。チェーン1に組まれていたサイレント・バードの効果で、手札の『Pc-コール・グリフ』を墓地へ送り、墓地に存在するグリンカムビを手札に加えます!!」

 

 

黒咲瑠璃

手札 3→2→3枚

 

 

「そして、今墓地へ送られたコール・グリフの効果発動!! このカードが墓地へ送られた場合に、手札の『Pc』モンスター1体を特殊召喚できます!! その効果で、今手札に加えたグリンカムビを特殊召喚!!」

 

Pc-コール・グリフ

☆4

闇属性,鳥獣族/効果

ATK1500 DEF1000

『Pc-コール・グリフ』の(1)(2)の効果は1ターンに一度、いずれか一つしか発動出来ない。

(1):このモンスターを召喚、特殊召喚に成功した場合に発動出来る、手札から『Pc』モンスター1体を特殊召喚する。

(2):このモンスターが墓地に送られた場合に発動出来る。手札の『Pc』モンスター1体を特殊召喚する。

{姿は金色の翼で、くちばしが銀色のグリフォン。グリフォン=鷲の翼と上半身に、ライオンの下半身を併せ持つ、ギリシャ神話上の架空の生物。}

 

Pc-目覚めのグリンカムビ

☆4

闇属性,鳥獣族/効果

ATK 1500/DEF 1700

『Pc-目覚めのグリンカムビ』の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、

このカードの効果を発動するターン、自分は『Pc』モンスターしか特殊召喚できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

自分フィールド上の全ての鳥獣族モンスターのレベルを1つ上げる。

(2):自分フィールドに『Pc-目覚めのグリンカムビ』以外の『Pc』モンスターが存在する場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから『Pc-目覚めのグリンカムビ』1体を手札に加える。

{グリンカムビ=北欧神話に登場する鶏。}

 

 

「一気に場が、埋まっただと?」

 

「おいおい、マジかよ。」

 

 

Ⅳさんと凌牙さんが、私の場に並んだモンスター達を見ながら引きつった表情をしていました。まぁ、私達がこういう展開をすると、大抵の人は何故か引くんですよね。…展開だけならお兄ちゃんのもすごいですし、きっとほかにもすごいデッキがある気もしますが。

 

 

「いきますよ。私はレベル4のグリンカムビとバニッシュ・イーグルで、オーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 友の思い背負いし神鳥よ! 漆黒の中で光り輝く瞳を開き、幻影を導く翼、翻せ!!『Pc-ナイト・ガルーダ』!!」

 

 

Pc ナイト・ガルーダ

★4

闇属性,鳥獣族/エクシーズ/効果

ATK2000(/DEF0)

素材指定:鳥獣族レベル4モンスター×2

(1):このカードの攻撃力は自分フィールドの他の『Pc』モンスター1体につき、300ポイントアップする。

(2):1ターンに一度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する。

デッキから『Pc』モンスター1体を選び、手札に加えるか墓地に送る。

{ガルーダ=インド神話に出て来る、炎のように光り輝き熱を発する神鳥}

 

 

『ピギャアァァァアン!!』

 

 

私の目の前に出現した光の渦にグリンカムビ達が飛び込むと、そこから爆発が起こり、中から紫色を基調とし、頭や各部から青色の炎を噴き出している巨大な鳥が姿を現した。これが私のエースの1体、『Pc-ナイト・ガルーダ』。この力で、必ず勝利を掴んで見せます!

 

 

「『Pc-ナイト・ガルーダ』は、自分の場に存在する、自身以外の『Pc』の数×300ポイント、攻撃力がアップします。今私の場には、サイレント・バード、パンデュル・アエロー、邪炎のヒザマの3体がいます。よって、攻撃力が900ポイントアップします!!」

 

 

Pc-ナイト・ガルーダ

ATK 2000+300×3=2900

 

 

「攻撃力、2900。…そうか、このためにクリスタル・エイリアンの攻撃力を。」

 

「そういう事です。そして、ナイト・ガルーダのもう一つの効果を発動します! 1ターンに1度、ORUを一つ使う事で、デッキから『Pc』モンスターを1体、手札に加えるか墓地に送る事が出来ます!! 私は、デッキから『Pc-誘惑のモーショボー』を手札に加えます!!」

 

 

黒咲瑠璃

手札 2→3枚

 

 

「そして、『Pc-ニド』の効果を発動!! 条件はとっくに満たしているので、デッキから『Pc-マジカル・グリフ』を墓地へ送ります!!」

 

 

Pc-ニド

永続魔法

『Pc-ニド』の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分の墓地に「Fc」モンスターが2体以上存在する場合にこの効果を発動できる。

自分のデッキ・除外ゾーンの「Fc」モンスターを1体選んで墓地に送る。

 

 

「墓地へ送られたマジカル・グリフの効果発動!! このカードがデッキから墓地へ送られた場合相手の伏せカードを1枚破壊できます!! そして、このカードが『Pc』カードの効果で墓地へ送られた場合、相手はその指定されたカードを発動できません!! 私は、Ⅲさんの右側の伏せカードを選択し、破壊します!!」

 

 

Pc マジカル・グリフ

☆4

闇属性,鳥獣族/効果

ATK1800/DEF0

『Pc マジカル・グリフ』の(1)または(2)効果は1ターンに一度、いずれか一つしか発動出来ない。

(1):このモンスターが召喚、特殊召喚に成功した場合に発動出来る。

自分の墓地から『Pc マジカル・グリフ』以外の『Pc』モンスター1体を特殊召喚する。

この効果を使ったターン、自分はエクシーズ召喚以外の特殊召喚は出来ない。

(2):このモンスターが墓地に送られた場合に、相手の魔法・罠ゾーンのカード一枚を対象に発動する。

そのカードを破壊する。

また、このカードが『Pc』カードの効果によって墓地に送られた場合、以下の効果を追加する。

・相手は(2)の効果で対象にとられたカードを発動することは出来ない。

{姿は左が白色、右が黒色の翼で、羽根の付け根に、それぞれ赤色と青色の宝石が付いているヒッポグリフ}

 

 

「くっ、しまった!!『雷雲の壺(サンダーポッド)』が!!」

 

「まだです!! さらに私は、パンデュル・アエローの効果を使います!! このカードが表側表示で存在している限り、私は通常召喚に加え、さらにもう1体『Pc』を召喚できます!! 来て!!『Pc-誘惑のモーショボー』!! そして、『Pc』の数が増加した事で、ナイト・ガルーダの攻撃力がアップします!!」

 

 

Pc-誘惑のモーショボー

☆4

闇属性,鳥獣族/効果

ATK1800(/DEF700)

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。

墓地から攻撃力1500以下の『Pc』モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

{モーショボー=ギリシャ神話に登場する鳥。美しい少女の姿になって自分の近くを通る男の旅人を誘惑し、旅人が油断して近づいた途端に顔を鳥にし、その鋭い嘴で旅人の頭蓋骨を割り、脳髄を啜るとされる。}

 

 

Pc-ナイト・ガルーダ

ATK 2900+300=3200

 

 

 

「そして、レベル4のサイレント・バードと邪炎のヒザマでオーバーレイ!!2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 現れよ、2体目のナイト・ガルーダ!!」

 

 

Pc-ナイト・ガルーダ(2体目)

★4

闇属性,鳥獣族/エクシーズ/効果

ATK 2000+300×2=2900

 

Pc-ナイト・ガルーダ(1体目)

ATK 3200-300=2900

 

 

「そして、ナイト・ガルーダの効果発動!! ORUを一つ使い、デッキから、2体目の『Pc-ミラージュ・グリフ』を手札に加えます!!」

 

黒咲瑠璃

手札 2→3枚

 

 

「ここまで展開して、手札の枚数が初期から1枚しか変わっていないなんて。」

 

「くそ!! どれだけ展開すれば気が済むんだあのガキ!!」

 

 

私の1ターンが長い事にしびれを切らしたⅣさんが、そんな悪態をついていました。まぁ確かに、ちょっと長い気はしますが、でも、お兄ちゃんに比べたら、これぐらいは大丈夫かなと思ったんですけど。

 

 

「えーっと、すみません。もう少しでバトルフェイズに入りますから、待ってくれませんか?」

 

「…ホントだろうな?」

 

「はい。」

 

「…だったらさっさとしろ。こっちも時間がねぇんだ。」

 

 

Ⅳさんはそう言って、顔を背けました。まぁ、納得はしていない感じかもしれませんね。ただ、実際後は手札のこのカードを使うだけなので、すぐに終わるんですけどね。

 

 

「…分かりました。じゃあ最後に、私は手札から装備魔法、『ファントム・シャドウスピア』を、パンデュル・アエローに装備します!! このカードは、自分の場の『Pc』モンスターにのみ装備でき、装備モンスターの攻撃力を800ポイントアップします!!」

 

 

ファントム・シャドウスピア

装備魔法

このカードは『Pc』モンスターしか装備できない。

(1):このカードを装備したモンスターは攻撃力が800アップする。

(2):このカードが墓地へ送られた場合、そのターンのダメージを0にする。

 

Pc-パンデュル・アエロー

ATK 2500+800=3300

 

 

パンデュル・アエローの左手に、黒い禍々しい形の、東洋風の槍が握られ、それと同時に、彼女の周りから紫のオーラのような物が放出され始めた。

 

 

「そして、バトルフェイズに入ります!! パンデュル・アエローで、クリスタル・エイリアンを攻撃!! そしてこの攻撃宣言時、伏せていた罠カード、『ファントム・ディメンション』を発動!! 自分の『Pc』モンスターが戦闘を行うバトルステップ時に、墓地の『Pc』モンスター1体を選択する事で発動できます!! そしてその効果で、戦闘を行うモンスターの攻撃力を、選択したモンスターの攻撃力分だけアップさせます!! 私はその効果で、墓地の『Pc-マジカル・グリフ』を選択し、その攻撃力分、パンデュル・アエローの攻撃力をアップさせます!!」

 

 

ファントム・ディメンション

通常罠

(1):自分フィールドの『Pc』モンスターが戦闘を行うバトルステップに自分の墓地の『Pc』モンスターを選択して発動できる。

戦闘を行うモンスターの攻撃力は、選択したモンスターの攻撃力分アップする。

(2)自分フィールド上の『Pc』モンスターが破壊される代わりに、墓地のこのカードを除外する事ができる。

 

 

 

「上げた打点で一気に勝負を決めるつもりだろうけど、そうはさせないよ!! そのカードの効果にチェーンして、『先史遺産クリスタル・エイリアン』の効果発動!! 相手モンスターの攻撃宣言時、ORUを一つ使う事で、このターンこのモンスターは戦闘・効果では破壊されず、さらにこのモンスターとの戦闘で発生する僕への戦闘ダメージは全て、相手が受ける!!」

 

「っ、そんな効果を持っていたんですか。ですが、それでは私は止まりませんよ!! カウンター罠、『ファントム・フェイク』を発動!! 自分フィールド上に『Pc』カードがある場合、相手モンスターの特殊召喚、もしくは効果を無効にして、破壊します!!」

 

「何だって?!」

 

 

ファントム・フェイク

カウンター罠

(1):自分の場に【Fc】カードがある場合に発動できる。

相手モンスターの特殊召喚、もしくは相手モンスターの効果を無効にして破壊する。

 

 

クリスタル・エイリアンの胸部にあった鏡面にORUが吸い込まれようとしている所に、紫色の半透明の鳥が突撃していった。そしてその鳥がクリスタル・エイリアンに直撃した途端、鳥は霧状になって、クリスタル・エイリアンを包みこみ、紫色の宇宙人は、苦悶の声を上げながら消滅した。

 

 

「っ、クリスタル・エイリアンが!!」

 

「そして『ファントム・ディメンション』の効果で、パンデュル・アエローの攻撃力は、選択したマジカル・グリフの攻撃力、1800ポイントの分アップします!!」

 

 

私のフィールド上に、半透明のマジカル・グリフが出現し、それがパンデュル・アエローに重なるように溶け込んでいった。すると、彼女の腕の翼が、マジカル・グリフと同じような翼へと変化した。

 

 

Pc-パンデュル・アエロー

ATK 3300+1800=5100

 

 

「攻撃力、5100?!」

 

「これで決まりです!! いけ、パンデュル・アエロー!!『ミラージュ・ソニック』!!」

 

『ハアァァァァ、ハアァァッ!!!』

 

 

パンデュル・アエローが、先程装備した槍と、元々右手に持っていた剣を使って、黒い風を纏った怒涛の連撃を見舞った。その攻撃を受けたⅢさんは後方へと派手に吹き飛ばされた。

 

 

Pc-パンデュル・アエロー

ATK 5100

 

 

LP 3200-5100=-1900

 

 

 

「うわあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

Ⅲさんは吹き飛ばされた後、地面に派手に叩き付けられていた。それを見て、Ⅳさんが焦りをにじませながらもこちらを睨みつけてきました。

 

 

「Ⅲ!! くっ、テメェよくも!!」

 

「Ⅳさん…。」

 

「ビビる必要なんかねぇよ。アイツは俺が仕留める。だから気にするな。」

 

「凌牙さん。」

 

 

私がⅣさんの剣幕に押されかけていると、凌牙さんがそう言って私に力強い笑みを向けてきました。その笑みには、さっきまでの苦しい感じはまるで感じられず、むしろ、真剣な時のお兄ちゃんと同じ、力強い意志が感じられた。まぁ元々、Ⅳさんの事はデュエル前に凌牙さんに任せるって互いに話し合って決めてましたし、今の凌牙さんなら。

 

 

「分かりました。露払いもほぼ済ませましたので、後はお任せしますね。ターンエンドです!!」

 

 

 

黒咲瑠璃

LP 4000

手札 2枚

 

Pc-パンデュル・アエロー(ATK+800,装備カード:ファントム・シャドウスピア)

Pc-ナイト・ガルーダ×2(共にATK+900)

Pc-誘惑のモーショボー

 

Pc-ニド

ファントム・シャドウスピア(装備中:Pc-パンデュル・アエロー)

 

伏せ 無し

 

 

 

 

☆≡

 

 

くそ、まさかあの黒咲の妹がここまでやるとはな。正直、予想外すぎたぜ。だが、タイミングのいい事にアイツはモンスターエクシーズを大量に並べてやがる。これなら、俺のファンサービスもきっちり与えてやれるってもんだ。さぁ、ここからが俺のファンサービスだ!!

 

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 

手札 2→3枚

 

 

っ、来たぜ。完璧なタイミングだ。さて、ここからどうやっていたぶって――

 

 

『Ⅳ。もうそれくらいでいいよ。』

 

「ッ!?」

 

 

ここからどうやって黒咲の妹を絶望に突き落としてやろうかと考えていると、突然、頭の中に声が響いてきた。この声は――

 

 

「(トロンか。今デュエル中だ。いったい何の――)」

 

『聞こえなかったかい? もういいと言っているんだ。Ⅲが間違ってはめちゃったデュエルアンカーも外れたみたいだしね。ナンバーズを奪われたのは誤算だったけど、これ以上奪われでもしたら面倒だからね。デュエルはもうそこで中断して、いったいん家に戻ってくるんだ。頼みたい事もあるからね。』

 

「(……。)」

 

 

トロンの言葉に、俺は押し黙るしかなかった。デュエリストとして、一度始めたデュエルを中断するなんて真似はしたくなかったが、あの人の命令はある意味絶対だ。それに、もしここでナンバーズを無様に奪われるなんてヘマをしたら、計画にまで支障をきたしちまう。…癪だがここは、ひかせてもらうしかねぇか。

 

 

「凌牙! それに黒咲の妹。悪いが決着はお預けだ。」

 

「なっ!? Ⅳ、テメェ!! デュエルを途中で放棄して逃げるか?!」

 

「Ⅲのデュエルアンカーも外れたんだ。それに、俺には他にも優先してやらなきゃいけない事があるんでね。そのナンバーズは、お前に預けといてやるよ。次相手した時に取り返してやるから、覚悟しときな。じゃあな!」

 

「っ、待ちやがれ、Ⅳォォォォォ!!」

 

 

後ろで凌牙が何か言ってるのが聞こえたが、今はアイツに構ってる暇はねぇ。取りあえず、Ⅲを連れてこっから離脱しねぇとな。

 

俺はふっ飛ばされたⅢの元へ行き、アイツを立ち上がらせてそのまま紋章の力でその場所から離脱した。

 

 

 

☆≡

 

 

「Ⅳ!! っ、クソ!!」

 

 

神代凌牙と黒咲瑠璃のタッグとデュエルしていたⅣ達が逃げようとするのを、神代凌牙が追いかけようとするも、すでにその場にⅣの姿はなく、神代は拳を地面にうちつけていた。

 

それを心配そうな表情で黒咲兄妹が見つめ、九十九遊馬に至っては「シャーク…。」と、露骨に心配そうにつぶやいていた。

 

まぁ、確かに付き合いの長い友を心配する気持ちは私にも分かるが、それよりも私は、一つ気がかりな事があった。

 

 

(このタイミングでの撤退…。デュエルを放棄しなければならない程の何かが起きたのか、それとも、もともとこのデュエルは途中から切り上げるつもりだったのか…。いずれにせよ、少し気になるな。)

 

 

私が気がかりである事。それは、今回何故途中までやっていたデュエルを切り上げて、いきなり撤退したのかと言う事である。あれほどの実力の持ち主だ。例え片方がやられた所で、先程のデュエルで使ったジャイアントキラーを使えば、黒咲瑠璃の方だけでも殲滅できたはず。なのにそれをせず、あまりにもあっさりと撤退していった。…これがさっき、神子に伝えた『嫌な予感』と関係していなければいいのだが――

 

 

 

――ピピピッ、ピピピッ――

 

 

「っ、小鳥から?」

 

「どうした、九十九遊馬?」

 

 

九十九遊馬のDゲイザーが電子音を発し始め、ヤツがそれを確認すると、どうやら観月小鳥からの通信のようだった。まぁ、アイツらが言っていたぐらいの距離なら、そろそろ着くぐらいの距離か。何事もなければ――

 

 

『遊馬、大変なの!!』

 

「えっ、どうしたんだよ? まさか、委員長達――」

 

『ううん、委員長と善羽さんは大丈夫。一日安静にしてたら、取りあえず回復するだろうって。それよりも、魔理沙達が大変なの!!』

 

「何だと?!」

 

 

観月小鳥から告げられた言葉に、私は自らの予感を呪いたくなった。全く、どうしてこうも嫌な予感と言うのは当たるんだ。良い予感はほとんど当たらないというのに。

 

 

「咲夜!」

 

「はい、分かりました。」

 

 

私は近くにいた咲夜に声をかけると、彼女はすぐにその場にトランプのカードを残して、離れていった。実際には、時を止めて魔理沙達の所へ行ったのだがな。しかし、あの一言だけで私の意図を理解するとは。さすが私の従者だ。さて、私も動かなければな。

 

 

「九十九遊馬、この場は任せる!」

 

「えっ、ちょっとレミリア!! それよりも魔理沙達が――」

 

「分かっている! だからこの場は貴様に任せると言っている。後から追い付いて来い!!」

 

 

私はそう言い残すと、そのまま全速で駆けだした。魔理沙の持つダーク・リベリオンの気配を辿っていけば、おそらくすぐ着くはずだ。機能の魔理沙のような事になる前に、急がなければ。

 

 

 

 




フラン「皆、お疲れさま!! 今日の話はどうだったかな?」

フラン「ちょっと長くなっちゃってるけど、作者さん曰く『オリカの【Pc】の効果説明が大量にあるから』、だそうだよ。まぁ、その関係で瑠璃ちゃんのデュエルの時は長くなるっぽいから、覚えておいてね。」

フラン「て言うか、アニメの本編についに瑠璃ちゃんが出てたね。作者さんはみた瞬間に惚れたらしいけど。因みに、作者さんが柚子シリーズで一番好きな子はリンちゃんらしいよ。」

フラン「さて、今回は冒頭の方で何か魔理沙達が大変な事になってたね。あの後、魔理沙たちどうなっちゃうんだろう。」

フラン「で、デュエルの方は瑠璃ちゃんが決めちゃった事以外はほとんど原作と一緒だたね。『あの二人の決着は今付けるべきじゃない。』っていう作者さんの考えがあったらしくて、結果的にあんな終わらせ方になっちゃったみたいなんだけどね。」

フラン「て言うかお姉ちゃん、家にいる時よりカリスマ度が増してない? 何で?」
(作者的には緋想天の時より若干カリスマ度が上がってるぐらいのつもりです。)

フラン「まぁ、そんな事はどうでもいいとして、次回はあの冒頭に始まったデュエルの続きからってところかな。さぁ、いったいどんなデュエルになるのかな?」

フラン「取りあえず、こっちよりも向こうの『エンタメ紅白』の方に更新比重を置くって言ってたから、こっちの更新が遅くても急かさないでね。それじゃ、またね!!」



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