東方遊戯王ZEXAL-白黒の反逆彗星-   作:坂本コウヤ

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どうも皆さん、お久しぶりです! 坂本コウヤです!!

いやぁ、だいぶ久々ですねぇ。しばらく放置状態になっていたんですけど、UAが2362、お気に入りも30件と、こちらもたくさんの方に読んで頂いているようで良かったです。頑張ってこちらも、スローペースですが更新していきますので、よろしくお願いします!!


さて、今回は前回言っていた通り、レミリアVS神子のデュエルです!! ただし、前後篇に分かれていて、この4話はその前篇となっています。


え~今回のこの話、先に謝っておきます。色々とグダグダになってると思います(主に会話が)。あれぇ、おっかしいぁ。前もっと素直に書けてたはずなんだけどなぁ。う~ん、やっぱ長期間開けて1話書こうとすると、どうも僕腕が鈍っちゃうみたいですね。これからも精進していくつもりなので、どうか温かい目で見守ってやって下さい。


それでは、どうぞ!!



第4話:光と闇の激闘! 星光の騎士団VS浸食する邪念!!

満月が夜の街を照らす、寒空の下。

 

私は今、咲夜と共に家の大窓近くに置いてあるベンチに座り、庭でレミリアと神子のデュエルが始まるのを待っていた。

 

 

「いよいよだな。」

 

「フフッ、そうね。まぁ、勝つのはお嬢様でしょうけど。」

 

 

 

おいおい。もう主が勝つって思ってんのかコイツ? 始まってもねぇのに。

 

私がそう言ってみると、咲夜はこう返してきた。

 

 

 

 

「あら、従者が主の勝利を信じないで、どうするのよ?」

 

「…まぁ、それもそっか。」

 

 

咲夜に正論を返され、確かにそうかと思った。私は誰かに仕えてるわけじゃねぇが、コイツや妖夢達の態度を見ていると、何となくわかることがある。それは、『仕えるべき主に、全幅の信頼を置いている』という事である。そしてコイツらの主もまた、コイツらに全幅の信頼を置いている。そんな関係だからこそ、どちらもこの人であれば大丈夫だという思いがあり、それが先程の咲夜の発言の基になっているんだと思う。最も、これは私の主観的なものも混じってるから、あってるかどうかはわかんねぇけどな。

 

 

さて、その件のお嬢様だが、今腕組みしながら神子と向かい合っている。相変わらず傲岸不遜な態度だな、アイツ。まぁ、それがアイツらしいと言えばあいつらしいんだけど、ってあれ?

 

 

「なぁ咲夜。もしかしてレミリア、今――」

 

「えぇ。羽根を出しっぱなしにしていては、周りの家の人達に不審がられるからという理由で、庭に出るときでも羽根をしまっておられるの。」

 

「へぇ。あれ、でもさっき私が帰って来た時は、アイツ出してなったか?」

 

「あぁ。あれはたぶん、もう日も傾いて影で見えにくくなってたからだと思うわ。一応お嬢様の体の一部ではあるもの。たまには出さないと、きっと感覚がなまってしまうのでしょう。」

 

「な~るほど。」

 

 

 

まぁ確かに、今は雲ひとつなく、月が爛々と輝いてやがる。幾ら夜といえども、こうも光が強いと影とかのせいで間接的に見えちまう可能性があるからな。レミリアにしちゃあ、考えてるじゃねぇか。

 

そんな風に思って見ていると、二人がDパッドとDゲイザーをセットし始めた。いよいよ始まるか。それじゃあ私達も、Dゲイザーをはめて観戦するとしますか。

 

 

私は帽子からDゲイザーだけを取り出し、いつものようにセットしてレミリア達のデュエルを見始めた。

 

 

 

 

 

 

 

☆≡

 

 

フフフ、今日は月がこんなに綺麗なのね。街を照らす人口の光があるにも拘らず、これだけ綺麗な月が見れるなんてね。まるで、この激闘の幕開けに際して、天が祝福してくれているみたいね。

 

残念なのは、その月が真っ赤に輝いていない事なんだけどね。

 

 

そんな風な事を考えながら、私は月に少しの間向けていた視線を、今から対峙する豊聡耳神子に戻した。

 

 

 

「ついにこの時が来たわね。闇か光か、どちらが最強の座にふさわしいのか。」

 

「私としては、それに関して今あまり興味は無いのですが、一度あなたとは戦ってみたいと思っていたんですよ! 【セイクリッド】の使い手として、【ヴェルズ】使いのあなたに!!」

 

「それでいい。やる気のないヤツとなど、端から戦う気はない! さぁ、今こそ雌雄を決する時!!」

 

 

そう言って私達は、互いに懐からそれぞれ、私は太い棘のような物体、神子は四角い物体を上に放り投げた。すると、それが徐々に展開し、私の方は蝙蝠が翼を広げたような形状に、神子の方は笏(しゃく)の形状にそれぞれ変形した。その物体を私達は、それぞれの左腕に予めつけていたデュエルディスクの本体のハードポイント、だったかしら、に装着した。

 

 

「「デュエルディスク、セット!!」」

 

 

そしてその後、神子はもう一つ物体を放り投げ、それが某アニメの戦闘能力を測る道具みたいな形に変形した後、それを左目の方に装着した。一方私は、左手で左目を一旦覆い、その左手を横に流しながらどかした。すると、左目の方に赤色の模様が走り、普段から赤い瞳がより真紅に近い色へと変わった。

 

(フフッ、この瞳(め)を使ったのも、いつ以来かしらね!! 気分が高ぶってくるわ!!)

 

 

「Dゲイザー、セット!!」

 

「真紅の瞳(クリムゾン・アイ)、ウェイク・アップ!!」

 

 

そして、デュエルの準備が整った事で、周りを様々な緑色の数字が走り、ARの空間へと私達を誘った。

 

 

 

さぁ、光と闇の激闘、ここに開幕よ!!

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

豊聡耳神子

LP 4000

手札 5枚

場、伏せ 共に無し

 

 

レミリア・スカーレット

LP 4000

手札 5枚

場、伏せ 共に無し

 

 

 

「先攻は私がもらいます!! 私のターン、ドロー!!」

 

豊聡耳神子

手札 5→6枚

 

 

先攻は神子からか。面白い。来るがいい!!

 

 

「私は、『太陽風帆船(ソーラー・ウィンドジャマー)』を特殊召喚!! このモンスターは自分フィールド上にモンスターが存在しない時に、元々の攻守を半分にして手札から特殊召喚出来る!!」

 

 

太陽風帆船

☆5

光属性,機械族/効果

DEF 2400→1200

(ATK 800→400)

 

 

「さらに私は、『セイクリッド・カウスト』を召喚!!」

 

 

セイクリッド・カウスト

☆4

光属性,獣戦士族/効果

ATK 1800

 

 

この流れ、早速プレアデスは来るわね。

 

 

 

「行きますよ!! 私は、『セイクリッド・カウスト』の効果を発動!! 1ターンに2度まで、場のセイクリッドモンスター1体のレベルを1つ上げるか、下げることができる!! 私はこの効果で、カウスト自身のレベルを1つあげる!!」

 

 

セイクリッド・カウスト

☆4→5

 

 

 

「さらに永続魔法、『セイクリッドの星痕』を2枚発動!! そして、レベル5となった『セイクリッド・カウスト』と、『太陽風帆船』で、オーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 昴の星々より生まれし、勇敢なる戦士の魂!! 聖なる輝き身に纏い、邪悪なるものをうち払え!! 降臨せよ、『セイクリッド・プレアデス』!!」

 

 

セイクリッド・プレアデス

★5

光属性,戦士族/エクシーズ/効果

ATK 2500

ORU 2つ

 

 

 

光を纏いながら現れたプレアデスを見て、ギャラリーの方の魔理沙が口を開いていた。

 

 

「早速来たか、神子のエースモンスター。」

 

「本当ならもっと展開したいところですが、初手でハンドレスは避けておきたいのでこのぐらいにしておきます。ですがターンを終わる前に、私は先程発動した、『セイクリッドの星痕』の効果を発動!! セイクリッドエクシーズモンスターの特殊召喚に成功したことにより、デッキから1枚ドロー出来ます。そして2枚発動しているので、2枚ドローします!!」

 

 

豊聡耳神子

手札 2→4枚

 

 

あの永続魔法、ドロー系のカードだったみたいね。しかも特殊召喚でいいなら、相手ターンに蘇生して呼び出しても発動するという事。早めにつぶしておかないと、ハンドのアドバンテージで負けてしまう可能性があるわね。

 

そう考えている間に、神子はターンを終えようとしていた。

 

 

 

「そしてカードを2枚伏せ、ターン終了です。」

 

 

 

豊聡耳神子

LP 4000

手札 2枚

 

セイクリッド・プレアデス(ORU 2つ)

 

セイクリッドの星痕×2

 

 

伏せ 2枚

 

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

 

レミリア・スカーレット

手札 5→6枚

 

 

 

さて、どう行きましょうかね。まずはあのプレアデスを何とかして処理しないといけないけど、この手札なら――

 

 

「私は、『ヴェルズ・マンドラゴ』を特殊召喚! このカードは、自分フィールド上のモンスターの数が相手より少ない時、手札から特殊召喚することができる。」

 

 

ヴェルズ・マンドラゴ

☆4

闇属性,植物族/効果

ATK 1550

 

 

「そちらも一体目は特殊召喚ですか。考えてる事は同じみたいですね。」

 

「みたいね。さて、このまま私のエースを出す準備に入ってもいいんだけど、プレアデスが少々邪魔ね。今はまだお呼びじゃないのよ、あなたは。だから、こうさせてもらうわ! 速攻魔法発動!! 『エクシーズ・オーバーディレイ』!!」

 

 

私が発動させたカードを見て、ギャラリーの魔理沙が驚愕の声を上げていた。

 

 

「オーバーディレイって、アイツなんてもん入れてんだ?! アレ完全なメタじゃねぇか!!」

 

「あのカードは、お嬢様が苦手とする、プレアデスなどのモンスターエクシーズや、この世界では耐性が付いているナンバーズに対する強力な抑止力として、デッキに組み込んでいるものなの。この世界でだと、シンクロモンスターはいないから、大抵のデッキに刺さる事は間違いないけどね。」

 

 

そんな魔理沙に対して、彼女の隣にいた咲夜は、あくまで冷静に返答を返していた。まぁ、私だって、こんな物むやみに使わないわよ。そんな事したら、面白くなくなっちゃうじゃないの。

 

そんな外野の様子はまぁ置いておいて、デュエルに集中しましょうか。向こうもさっきまでは驚いていたけど、その後の反応からして、どうやら想定の範囲内だったみたいだから。

 

 

「『エクシーズ・オーバーディレイ』、ですか。それはさすがにどうしようもありませんね。」

 

「あら、意外と素直なのね。じゃあ、あなたのプレアデスにはお帰り願おうかしら。『エクシーズ・オーバーディレイ』の効果により、プレアデスのORUを全て墓地に送り、プレアデス自身をエクストラデッキに戻す。そして、墓地に送ったプレアデスのORUにモンスターが含まれていれば、そのモンスターのレベルを1つ下げ、可能な限りあなたの場に、守備表示で特殊召喚する!」

 

 

プレアデスの周りをまわっていた二つの光が墓地へと送られ、そしてプレアデス自身は光となって消滅した。それに合わせて、神子もまた、デュエルディスクにのせていたカードをデッキに戻し、その後、墓地からモンスターカード2枚が戻ってきて、神子の場に特殊召喚された。

 

 

太陽風帆船

☆5→4

DEF 2400

 

 

セイクリッド・カウスト

☆4→3

DEF 700

 

 

 

ふぅ、これで邪魔者はいなくなったわね。これでやっと準備に入れるわ!!

 

 

「私は、『レスキューラビット』を召喚!」

 

 

レスキューラビット

☆4

地属性,獣族/効果

ATK 300

 

 

私の場に現れた『レスキューラビット』を見て、神子が途端に眉をひそめた。

 

 

「『レスキューラビット』・・・。なるほど、このためにプレアデスをどかしたわけですか。」

 

「その通りよ。だが、今更気付いたところでもう遅い!『レスキューラビット』の効果発動! このモンスターを除外し、デッキから同名の通常モンスター2体を、特殊召喚出来る!『ヴェルズ・ヘリオロープ』を2体、特殊召喚!!」

 

 

ヴェルズ・ヘリオロープ

☆4

闇属性,岩石族

ATK 1950

 

 

「これで、レベル4のモンスターが3体か。」

 

「来ますわね、お嬢様のエースモンスターが。」

 

「フフフ、これで舞台は整った! さぁ、行くわよ!! 私は、レベル4の『ヴェルズ・ヘリオロープ』2体で、オーバーレイ!! 2体のヴェルズモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 全てを貫く神の槍よ、今こそ闇と一つとなりて、力あるもの達を封殺せよ!! これこそが、真の神槍の象徴!! 吠えよ!! 『ヴェルズ・オピオン』!!」

 

 

ヴェルズ・オピオン

★4

闇属性,ドラゴン族/エクシーズ/効果

ATK 2550

ORU 2つ

 

 

 

『ヴェルズ・オピオン』。闇夜に生きる私にとって、私の持つ槍と同じ名を持つ竜が闇にのまれ生まれたこのモンスターほど、似合うモンスターもなかなかいまい。

 

だけど、せっかくエースを召喚したにもかかわらず、ギャラリーの魔理沙は意外そうな声を出していた。

 

 

「ウロボロスじゃない、だと…。」

 

「あら、いつから私のフィールドにモンスターが3体並んだら、ウロボロスが出ると錯覚してたの?」

 

「いや、確かにそうだけど、アイツのデッキにオピオンって刺さったっけなぁって思ってな。」

 

「魔理沙、あなたさっきの神子のターン、何を見てたの? あのデッキは全部が全部セイクリッドモンスターで構成されているわけじゃないでしょ? あくまでプレアデスを出すのに特化しているから、レベル5以上の光属性も特殊召喚で出せるように工夫されているはずよ。」

 

 

…魔理沙、あの子ボケてるのかしら? それとも突っ込んでほしいの? まぁ確かに、確実に刺さるかと言われると「?」が付くけど、少なくとも全く刺さらないわけじゃない。

 

咲夜の言った通り、あのデッキは完全にプレアデスを出すことに主眼を置いたデッキ。だからこそ『太陽風帆船』が入っていたりする。他にもおそらく、墓地の光属性を除外して出すことができる『霊魂の護送船(ソウル・コンヴォイ)』や、『簡易融合(インスタント・フュージョン)』から出せる『魔導剣士ギルティア』とかが入ってるでしょうし、これらが使えないとなると、残り2枚しかないカウストを引くか、『セイクリッド・ソンブレス』でも引かない限り、次の1ターンで2体目を出すのは無理でしょう。

 

 

 

それに、これは私なりのこだわり。相手がエースを出して来ようが来まいが、私のデュエルはまずこいつから始まる。私のデッキのエースである、この『ヴェルズ・オピオン』から!!

 

 

「『ヴェルズ・オピオン』。なるほど、私の動きを制限しようという訳ですか。」

 

「それはついでね。私にとって、この『ヴェルズ・オピオン』こそが強さの象徴。あなたにとって、プレアデスがエースであるようにね。」

 

「プレアデスは【セイクリッド】におけるエースでもあるのですが、まぁそうですね。つまり、最初のターンであなたがオピオンを出すのは、メタになるかどうかは二の次という事ですか。」

 

「まぁね。さぁ、バトルと行きましょうか!! 行きなさい、『ヴェルズ・オピオン』!『太陽風帆船』を攻撃!! その禍々しき槍で、仇なすもの全てをうち貫け!!『死光の神槍(デスライト・ザ・グングニル)』!!」

 

 

『ヴェルズ・オピオン』が一吠えすると同時に、上空に禍々しい色をした鈍く光った巨大な槍が生まれ、それが神子の場の『太陽風帆船』に向かって勢いよく飛んでいった。その槍が空中に浮く機械の船を貫く寸前で、神子がカードを発動させた。

 

 

「リバースカード、オープン!!『次元幽閉』!! 攻撃してきた相手モンスターを除外します!! これで『ヴェルズ・オピオン』は――」

 

「私が何の策も労せずに、ただ攻撃するかと思ったか?! 速攻魔法発動!! 『侵略の汎発感染』!! このカードの効果により、このターンの間だけ、私のヴェルズモンスター達は魔法・罠カードの効果を受けない!!」

 

 

オピオンの足元に、あのスキマ妖怪のスキマと同質の異空間への入り口が開き、グングニル諸共吸い込もうとしたようだが、それは突如私のフィールドに発生した黒い闇の瘴気によって防がれ、吸い込むことは叶わず、そのままオピオンの生み出した槍は、機械仕掛けの船を一撃で消しとばした。

 

 

「くっ、まさか、初めから手札にそのカードを握っていたとは…。」

 

 

神子は『太陽風帆船』が破壊された事で生み出された爆風を耐えながら、私が汎発感染を発動させた事に少々驚いていた。

 

 

「フッ、まぁ偶然ではあるけれど、おかげでオピオンのORUを無駄に使わなくてすんだわ。」

 

「あなたが言うと、どうも偶然とは思えないんですけどね。」

 

 

なるほど。昼間の事もあって、私が能力で運命を操ったのではって思ってるみたいね。確かにそれでも良いんだけど、私は今回、能力は一切使っていないのよね。何故かって? そんなもの、面白くないからに決まってるじゃない。

 

 

「昼間の事を言っているのなら、それは話の論点が違うわね。私が昼間能力を使ってまでハートピースを集めたのは、無駄な戦いを避けたかったからよ。いくら日中でも外出できるようになったとはいえ、長時間居れば私の身体にも負担がかかる。それが2日3日と続けば、さすがの私でもばててしまうわ。そうなってしまっては本戦に出られなくなる。だからこそ、今日の間に全てのハートピースを集め、本戦への出場を決めておく必要があったのよ。それに、これは雌雄を決する真の決闘。ゆえに私は、能力を使う気は一切ないわ! それで勝ったところで、虚しいだけだ!」

 

 

そう、昼間能力を使ってまでわざわざハートピースを集めたのは、無駄な体力消費を避けるため。無駄な戦いを避ければ、それは必然的に体力の温存に繋がる。でもその無駄な戦いが2日も3日も続けば、如何に私と言えど持たない可能性が高くなる。それに、ずっと咲夜についていてもらう訳にもいかないしね。彼女にもハートピースを集め、本戦に出てもらわないと困るのだから。

 

そして、このデュエルはまさしく決闘。光か闇、どちらが最強の座にふさわしいのかを決める戦いだ。その決闘に能力を持ちこむほど、私も愚かではない。やるからには、互いにフェアでなければね。

 

神子はしばらく黙りこんだ後、小さく頷くと口を開いた。

 

 

「なるほど。ただ徒に能力を乱用していただけかとも思ったのですが、そうでも無いみたいですね。」

 

「フッ、当たり前でしょ。さぁ、デュエルを続けましょ。私はバトルフェイズを終了し、メイン2で『ヴェルズ・オピオン』の効果を発動! ORUを一つ使い、デッキから『侵略の』と名のついた魔法・罠カードを1枚、手札に加える!2枚目の汎発感染を手札に加えるわ!」

 

 

レミリア・スカーレット

手札 2→3枚

 

 

「そして、カードを二枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

レミリア・スカーレット

LP 4000

手札 1枚

 

ヴェルズ・オピオン(ORU 1つ)

ヴェルズ・マンドラゴ

 

 

伏せ 2枚

 

 

 

フフフ、さぁ、これをどう返してくれるのかしら? 星の騎士団の使い手さん?

 

 

 

 

 

 

☆≡

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

 

豊聡耳神子

手札 2→3枚

 

 

ふぅ、さて困りましたね。本来ならもう2体目、3体目のプレアデスを出していたところだったんですけど。よほどプレアデスを出されるのが嫌いなようですね。その上、レベルが下がったままのカウストを放置してくるとは。これではこのターン出すのは至難の業。おまけに、相手の場には『ヴェルズ・オピオン』ですか。

 

やれやれ、これはこちらのデッキとしても、この状況を何とかして打破しなければまずいですね。この状況が長期的に続けば、何もできずにこちらが敗北してしまう可能性もありますし。まぁ、策が無いわけではありませんが。

 

 

 

「私は、『セイクリッド・シェラタン』を召喚!」

 

 

セイクリッド・シェラタン

☆3

光属性,獣族/効果

ATK 700

 

 

「このモンスターの召喚に成功した時、デッキからセイクリッドモンスターを1体、手札に加えることができます。この効果で私は、『セイクリッド・ソンブレス』を手札に加えます。」

 

 

豊聡耳神子

手札 2→3枚

 

 

私のフィールドの場を見て、向かい合っているレミリアが口を開きました。

 

「レベル3、いや、レベル4相当のモンスターが2体、と言ったほうがいいかしら。ビーハイブでも出すつもり?」

 

「さぁ、どうですかね。カウストのモンスター効果発動!! 先程も使ったので、説明は不要ですね!! 私はこの効果で、カウスト自身とシェラタンのレベルをそれぞれ、一つずつ上げます!!」

 

 

セイクリッド・カウスト

☆3→4

 

セイクリッド・シェラタン

☆3→4

 

 

「行きますよ!! 私は、レベル4となった『セイクリッド・カウスト』と、『セイクリッド・シェラタン』で、オーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 聖地に刻まれし最後の光よ!! 神星なる騎兵となり、仇なす力から希望を守りぬけ!! 舞い降りよ、『セイクリッド・オメガ』!!」

 

 

セイクリッド・オメガ

★4

光属性,獣戦士族/エクシーズ/効果

ATK 2400

ORU 2つ

 

 

私のフィールドに、カウストよりも一回り大きな4つ足のモンスターが光を纏いながら現れた。このモンスターの効果を使えば、この状況を打破することが出来るはず。後は、ここからの流れを素直に通してくれればいいのですが。

 

 

「『セイクリッド・オメガ』、ね。名前的にも確かに、ギリシャ文字を並べたときに最後に来る文字の名前を関するこのモンスターエクシーズは、ある意味あなたの今の状況を打破できる最後の切り札、といったところかしら。」

 

 

レミリアが私のオメガを見ながら、そんなことを口にしていた。

 

 

「最後かどうかは、やってみないとわかりませんよ? まずは2枚の『セイクリッドの星痕』の効果を発動し、デッキからカードを2枚ドローします!!」

 

 

豊聡耳神子

手札 3→5枚

 

 

「おっと、これはいいカードを引きましたね。速攻魔法、『サイクロン』を発動!! あなたから見て、右側の伏せカードを破壊します!!」

 

「ただで破壊はさせないわ!! チェーンで選ばれたカードを発動!! 『侵略の侵喰崩壊』!! このカードは、場のヴェルズモンスター1体を除外することで、相手フィールド上のカード1枚を手札に戻すことが出来る!! マンドラゴを除外して、『セイクリッド・オメガ』を手札、もといエクストラデッキに戻すわ!!」

 

「ならばそれにチェーンして、『セイクリッド・オメガ』の効果発動!!ORUを1つ使うことで、このターンの間、自分の場のセイクリッドモンスターは全て、魔法・罠カードの効果を受けなくなる!! 聖なる守護を我が下に!! 輝け、『聖星の守護壁-セイントスター・プロテクション-』!!」

 

 

セイクリッド・オメガ

ORU 2→1つ

 

 

私の指示により、オメガが自分の周りに浮遊しているORUを一つ掴み取り、それを矢のように変えて空中に放った。すると、その光の矢は空中で弾け、私のいる周辺に光の障壁を発生させた。これにより、相手の魔法、罠の効果は私には届かなくなった。

 

レミリアは少し眉をひそめながら、こう口にしていました。

 

 

「チッ、躱されたか。」

 

「フッ、どうやらそのカードを使ってこちらの本命を落としたかったようですが、残念ながら失敗しましたね。これで安全に本命が出せます!! 私は、ランク4の『セイクリッド・オメガ』で、オーバーレイ!! 1体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを再構築!! セイント・エクシーズ・チェンジ!! 7人の光の救世主達よ、今こそその身と心を一つにし、伝説の神龍へと姿を変えよ!! 光臨せよ、星光の救世主!! 『セイクリッド・トレミスM7(メシエセブン)』!!」

 

 

セイクリッド・トレミスM7

★6

光属性,機械族/エクシーズ/効果

ATK 2700

ORU 2つ

 

 

『ギギャアァァァァ!!』

 

 

私の場に、白い龍の形をした機械が姿を現し、その存在を示すかのように、高らかに咆哮した。

 

『セイクリッド・トレミスM7』。これこそ、この状況を打破できる最も安全な策のはず。少なくとも、このターンはアタッカーとしてしか使うつもりはない以上、ビーハイブ以外で高打点のモンスターとなると、私の【セイクリッド】デッキではこのモンスター以外いない!!

 

 

さぁレミリア、ここからが本番ですよ!!

 

 

 

 

☆≡

 

 

「ついに出てきやがったか、【セイクリッド】の切り札。」

 

「そうね。神子もなかなか考えたわね。1体でダメなら、その1体を経由して本命を出そうなんて。」

 

「まぁあれは【セイクリッド】使ってるあのデッキか、ガイアドラグーンやダウナードを採用してるデッキだったらやりそうな戦法だけどな。」

 

 

お嬢様のターンが終わって、次の神子のターン。

 

神子は場にいたカウストと手札から召喚したシェラタンを上手く使い、手札消費をほとんどなしで『セイクリッド・オメガ』を呼び、さらに効果を使ってお嬢様の伏せカードを無力化してから、『セイクリッド・トレミスM7』を召喚して見せた。さすがは、あのデッキだけを使い続け、『星団の貴公子』って、前回の大会で実況の鴉天狗達に言われてただけはあるわね。まぁ、あれも多分【セイクリッド】だと、ほぼスタンダードな動きなのかもしれないけどね。

 

 

さてお嬢様は大丈夫でしょうか。先程、少し機嫌を損ねた感じの表情を見せていましたが――

 

 

「クッ、フフフフ、フハハハハハハハハハ!!!!!」

 

 

「な、何だアイツ? 急に笑い出して。」

 

 

 

急にお嬢様が、さっきまでと打って変わって笑いだしたのを見て、魔理沙が怪訝な声を上げた。するとお嬢様は、笑顔を絶やさずにその疑念に答えました。

 

 

「ごめんなさいね、急に笑い出したりして。でもね、あの状況からコイツを引っ張り出してくるとはね。なかなか楽しませてくれるじゃない、豊聡耳神子!!」

 

 

やはり、ですか。お嬢様はデュエル中、よく気分が上がってくる、特にデュエルを楽しみ始めると、急に笑い出す癖がありますからね。お嬢様が笑い始めたら、それはつまり、このデュエルは楽しみがいのあるものだという事。この勝負、まだまだ面白くなりそうですね。

 

一方、急に笑い出したお嬢様にそんな事を言われた豊聡耳神子は、お嬢様の気分が上がってきているのを感じてか、こちらも笑みを浮かべていました。

 

 

「気にいって頂けたようで何よりです。ですが、こんなので終わらせる気はありませんよ! 勝負はこれからです!!」

 

「そうね! さぁ、もっと私を楽しませて見せなさい!!」

 

「そういうからには、あなたもですよ! レミリア・スカーレット!! バトルです!!『セイクリッド・トレミスM7』で、『ヴェルズ・オピオン』を攻撃!! 全ての星の光、今ここに集いて闇を討ち払え!!『星光照射-スターライト・イラディエイション-』!!」

 

 

トレミスの翼に光が集まり、その光が、お嬢様の場のオピオンに、闇を浄化するかの如く降り注いだ。オピオンも先程の槍を出して反撃しようとしたものの、その前に光に焼かれて消滅した。

 

 

 

セイクリッド・トレミスM7

ATK 2700

 

 

ヴェルズ・オピオン

ATK 2550

 

 

レミリア・スカーレット

LP 4000-(2700-2550)=3850

 

 

 

「くっ、私のオピオンを一撃で消し去るとは…。さすが、【セイクリッド】の奥の手といった所かしら。」

 

 

オピオンが消滅する際に起こった衝撃から顔を覆いながら、お嬢様がそう仰った。それに対して、豊聡耳神子はこう言葉を返した。

 

 

「奥の手、というより、これが本来の切り札ですね。プレアデスの方が相手ターンにも効果が使えるので、私は彼をエースとして使っていますが、本来の【セイクリッド】の切り札は、この『セイクリッド・トレミスM7』です。【ヴェルズ】使いのあなたに全力で戦うなら、これほどふさわしいカードもいないと思いますよ。」

 

「フッ、そうかもね。じゃあこっちも、次のターンで奥の手を出してやるわ! トレミスと戦わせるのに、ふさわしいモンスターをね!!」

 

 

 

そういうとお嬢様は、強気な笑みを浮かべた。さすがお嬢様、一度ライフを削られたぐらいでは、そう簡単に闘志が消えることはありませんわね。それに、このデュエルもようやく動き出したばかりですし、まだまだ終わる気配はありませんわね。これからいったい、どうなっていくのかしら。

 

 

(お嬢様、頑張って下さいね。お嬢様なら必ずや勝つと、私は信じていますからね。)

 

 

私は心の中で、お嬢様にエールを送った。

 





どうも皆さん、お疲れ様です! いかがだったでしょうか。

神子が操る【セイクリッド】VSレミリアが操る【ヴェルズ】のバトル。これはもう、構想段階でやりたいなと思っていて、でもどこでやらせようかなって考えた結果、「じゃあ1回目は最初の方でやろう」と思って、ここで入れさせてもらいました。

ただこの話、実はこの第4話だけで終わらせる予定だったんですけど、思った以上に二人のターンが長かったり、開始までの会話やデュエル内での会話も長引いちゃったので、分けさせてもらいました。後篇の方はまだ描き中なので、もう少しかかると思います。


え~っと、何か話す事とかもいまいち思いつかないので、次回予告行きます!


次回、レミリアVS神子のデュエル、後篇です!! レミリアが言っていた、トレミスと戦わせるのにふさわしいモンスターとはいったい?! そして、勝利の女神は、いったいどちらに微笑むのか?!


それでは、次回もお楽しみに!!


遊馬&魔理沙「「かっとびングだ(だぜ)、俺(私)!!」」
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