「フランだよ! さて作者さん、何で遅れたのかな?」
えー、実は前回のヤツを投稿してから、「あっ、そう言えばレポートが。」ってなって、そのためそっちに労力を注がないといけなくなってしまいまして、投稿が遅れてしまいました。連絡も何もしなくて、本当に申し訳ありません!!
「ハァ、ちょっとでも書き進めるためにサイトにはちょこちょこ来てたんだから、連絡ぐらいちゃんとしないと。という訳だから、ごめんね皆。じゃあ待たせちゃったし、早速本編に入ろうか。」
はい。まぁ前回言った通り、今回はファンサービスでおなじみのあの方の登場です!! 因みに本編とはデュエル内容がかなり変わっているので、よろしくお願いします。因みに対戦相手も変わっています。鉄男君が負けちゃったので。
ついでに言うと、前回同様デュエルカーニバルに出ていたキャラも出てきます。
あと、もう気付いている方もいらっしゃると思いますが、実は原作とこの小説の間に時間の進み方とWDCの予選の期間という点で、矛盾が発生しております。修正したかったんですけど、この後の展開などからちょっと修正がきかないんじゃないかと思い始めているので、誠に勝手なんですけど、このままでいかせてください。すみません。
「計画性のなさが露骨に表れちゃったね。無理に詰め込んだりするからこうなるんだよ。」
…はい、ごもっともです。
「しっかりしてね。さすがにそこまではこっちもフォローしきれないから。さて、暗い雰囲気はここまでにしよう! 早く本編に入らないと!!」
そうだな。あっ、そう言えば前回あげたアンケートの方に解答して下さった瑞田高光さん、RPG大好きさん、青眼さん、ナオモトさん、龍音さん、ありがとうございます!! あれらを踏まえて、後書きでお知らせする事がありますので、よろしくお願いします!!それでは、本編の方、スタートです!!
ゆっくりしていってね!!
「ゆっくりしていってね!!」
爛々とした夕日がハートランドシティを照らし、そろそろその日も沈みそうになる頃。
もう少しで星々の輝きだす、暗い夜の時間になる、その少し前。消え入りそうな夕日が差し込む病院の一室で、一人の少女が、その病室で寝ている患者に、見舞いに来ていた。その少女の手には、花束が握られており、部屋にある花瓶に、その花を挿し換えようと思っていた。
数年前から続いている彼女のこの週課は、今この部屋で眠っている少女を見舞うついでに行われている行為だが、彼女がこれを続けている間に、寝ている少女が目覚めた所を見た事は一度もない。数年前に彼女の身に起こった、ある悲惨な出来事のせいで入院しているのだが、未だに意識が回復しないのだ。それでも彼女は、今眠っている、自分よりも年上の少女が目を覚ますと信じて、見舞いを続けているのだが――
「あれ?」
そこでふと彼女は、花瓶に挿してある花が、新しいものに換わっている事に気付いた。普段なら自分が換えるまで、挿してある花が新しくなっている事は珍しい事である。病院の人がやってくれているのであれば、いつも来ている自分には言ってくれるので、その線はないと思う。先客がいた可能性は捨てきれないが。
「…まぁ、良いかな。」
ともあれ、花が換えられているのであれば無理に変える必要はないと判断し、持ってきた花束はベッドに立てかける用にして置いておいた。そしてそのままその部屋を出ようとした時、病室の扉が開き、紺色のコートを着た赤いスカーフの青年が入ってきた。
「お兄ちゃん。」
「瑠璃。やはり、ここにいたか。」
少女、黒咲瑠璃は、病室に入ってきた自分の兄、黒咲隼が来た事に少し驚いていた。普段なら来るときは一緒か、迎えに来る時ぐらいだが、今日は別段そういう約束はしていなかったからだ。
「どうしたの? 珍しいね、お兄ちゃんが私のとの約束抜きに来るなんて。」
「まぁ、な。今日は自然と、ここに足が向いてな。それに、この時間ならお前がここにいる気がしたから、一緒に帰ろうと思ってな。」
「そう。でもお兄ちゃん、後半のセリフ、聞く人によったらストーカーと思われるよ? ただでさえシスコンだのなんだの言われてるのに、ストーカーのレッテルまではられたら、私でもどうしようも出来ないよ。」
瑠璃はそう言って、兄である隼に向かって少し怒った表情をしてみせた。実の妹である彼女にこんな表情をされてしまい、隼も困った顔をしてしまう。昔から少々瑠璃に対して過保護なところがある隼だが、それは両親のいない環境で、自分がしっかりしなければと思った結果なのである。まぁ実際のところは、隼がデュエル以外では不器用で口下手あるためで、妹である瑠璃の方がしっかりしているのだが。
そんな兄の不器用な性格を理解しているため、瑠璃はあえてその場では、それ以上何も言わない事にした。代わりに、先程までとは打って変わって優しげな笑みを浮かべ、言葉を紡いだ。
「まぁ、お兄ちゃんなりの気遣いだって私は分かってるから、もうこれ以上は言わないよ。ここに来たって事は、理由があるんでしょ?」
「…あぁ。俺も久しぶりに、見舞いにな。」
「…そっか。」
そうして二人はもう一度、病室で寝ている少女の元に足を進めた。隼は歩を進める度に、ここに自然と足が向いた理由のきっかけになった、ある二人の人物を思い浮かべていた。一人は昔、共にデュエルの実力を高め合い、そして現在は、学友として同じ学校に籍を置いている青年で、この病室の主ともいえる少女の兄の事。そしてもう一人は、未だなお自分の前に壁として立ちふさがる、『極東のNo.1』と呼ばれ続けている人物の事である。特に後者は、自分達にとっても、また眠っている彼女にとっても、色々と因縁深いものである。彼は今、どこで何を考えているのだろうか。
「・・・お兄ちゃん?」
ふと物思いに耽っていると、瑠璃が心配そうにこちらに話しかけてきた。どうやら、何かしら表情に険しい色が浮かんでいたのかもしれない。隼は心配ないと言うように優しく笑い、一度目を閉じてから、久しぶりに見舞いにきた事を、今も眠り続けている少女に告げた。
「久しぶりだな。―――璃緒ちゃん。」
☆≡
「ん、ん~…。」
――私が目を覚ますと、見慣れない天井が映った。あれ、て言うか私、さっきあのねねとかいうヤツとデュエルして、その後――
「あら、やっと気が付いたわね。」
「ん?」
目を覚ますまでの事を思い出していると、誰かに声をかけられた。まぁこの幼そうな上から目線の声からして、該当しそうなヤツは一人しかいないだろうけど。まぁ、何で私が屋内にいるのか、それとここがどこかを確認しておきたいし、ちょうど良かったか。
「レミリア。ここは?」
「…ハァ、ここはアンタの部屋よ。覚えてないの? 昨日寝てたでしょ。」
「ゑ? じゃあここ、私ん家か。」
う~ん、言われてみれば、そんな気もしなくもない。何ていうか、私の家の寝室に似てるけど、ちょっと感じがモダンで、住み始めてからそんなに時間が立ってない、綺麗な感じの部屋って言うか。
「えぇ。まぁ、その事はどうだっていいわ。取りあえず、アンタが起きたから、色々と聞きたい事があるんだけど。」
「? あぁ、別にいいけど、私からも聞きたい事があるんだ。何で私――」
「――家にいるのかって質問でしょ? 何、たまたま九十九遊馬達と一緒にいる時に、嫌な予感がしてね。運命を見てみると、アンタが死ぬかもしれない運命があったから、気配を辿って駆けつけてみたの。そしたら、アンタが倒れてる所に出くわしたから、後から追い付いてきた九十九遊馬と一緒にここに運び込んだって訳。」
「…そっか。私、あのデュエルの後に。あれから、どれくらい時間が経ってる?」
「ざっと3時間ぐらい、かしらね。まぁ、無理もないわね。『ナンバーズ』に対しての対策も無しに真っ向からやり合って、それで逆に無事だったのが凄いって、あのアストラルは言ってたわよ。」
「アストラルが?」
「えぇ。まぁ、こっちの『ナンバーズ』はどうやら、私達の世界の『ナンバーズ』より強い力を秘めてるみたいでね。今ちょっと対策を考えてる所よ。毎度ボロボロになられても困るし。」
レミリアはそう言って一度目を閉じ、再びその赤い瞳をこちらに向けて、静かに聞いてきた。
「さて、答えるべき事には答えたわ。今度はこっちが質問させてもらうわよ。――どうして、あんな無茶したの?」
「えっ?」
「えっ、じゃないわよ。全く。私や咲夜ならいざ知らず、何の対策も積まれてないアンタのデッキでやり合ったら、そうなる事ぐらい分かってたでしょ? どうして無茶したのよ?」
「…レミリア。もしかして、心配してくれてたのか?」
「別に。ただアンタに死なれると、パチェや霊夢に何言われるか分かったもんじゃないからね。それとフランにも。あの子に嫌われるのは、もうごめんよ。」
なるほど。レミリアが心配してたのは私じゃなくて、私に何かあった時の周りの反応ってわけか。まぁフランとせっかく仲が良くなって一緒に過ごす時間が増えたっつーのに、それがなくなるのは嫌だよな。後、今レミリアが上げたメンバー以外に、『アイツ』も絶対何か言うだろうな。それもたぶん、泣きながら。アイツは何だかんだ言って、実は私の事を一番心配してたりするからな。
「って、私の事はどうだっていいでしょ。それよりも魔理沙、アンタの事よ。」
「おぉ、わりぃわりぃ。つい話がそれちまったな。」
私はそう言って一旦目を閉じ、そしてまた、落ち着いて言葉をつなぎ始めた。
「…何て言うかな、被ったんだよな。昔の、心が弱かった頃の私と。」
「『魔王異変』の時、か。」
「あぁ。」
あの頃の私は、本当に酷かった。力を得るためなら何でもする。壊したいと一瞬でも思ったものはすぐに壊す。その結果、傷つけたくないものまで傷つけて、危うく親友までも、その手にかけようとしかけた。まぁ、結果的に霊夢にそれは止められたけど、その後私は、周りとの関わりを拒絶した。本人達が許してくれてるって言っても、私の中では、もう自分が信用できなくなってたからだ。あれだけ傷つけておいて、それでのうのうと、昔みたいに会えるわけないって。
最初こそ、ただデュエルで目を覚まさせてやるだけのつもりだったけど、途中でおかしくなっちまったねねを見てたら、その頃の私の姿を見ているようで、見てられなかった。
「もう、あんな目に会うヤツを、私はもう見たくないし、させたくもない。こんな後悔を経験するのは、私だけで十分だ。」
「魔理沙…。」
レミリアは私を見ながら、悲しそうな表情をしていた。普段はそんな表情、コイツは見せないんだけど、たぶん、昔似たような理由で悩んでたフランの事を、思いだしたんだろうな。まぁ、私よりもアイツの方が、気の遠くなりそうな時間悩んでたから、そもそも比べるのが間違ってるんだろうけど。
とはいえ、やっぱりそんな顔はコイツには似合わねぇ。レミリアはいつだって、高飛車で傲慢な感じの表情で、時々カリスマブレイクするときに見せる見た目相応の表情の方が、どっちかって言うと似合ってる。
「…そんな顔すんなよ、レミリア。いつものカリスマはどこ行ったんだ? そんなお前の姿、あんま似合わねぇよ。」
「っ、何だそのもの言いは。人がせっかく心配してやってるというのに。」
「ごめん、そういう意味じゃねぇって。」
「じゃあ何よ?」
「私はな、いつも通りのお前の方がいいって言うかさ。そんな風に気落ちしてるお前見てると、何か調子狂うんだよ。」
「……。」
「それにな、レミリア。私は、いつも通りのお前の方が、いや、お前だけじゃない。いつも通りのお前達の方が好きなんだよ。だから、そんな暗い顔しないでくれ。それに、今回たまたま思いだしちまったけど、あの事に関してはもう、私は引きずってねぇからさ。」
私は努めて笑いながら、そう口にした。まぁ、完全に立ち直ったかって言われると、ちょっと「?」が付くが、だけどこうやってたまに思い出すぐらいのレベルだから、以前に比べたらだいぶ立ち直った方だと思う。
レミリアは一瞬目を少し開いたが、すぐに微笑を浮かべ、こう言ってきた。
「…なるほどね。パチェ達が惚れるのも、何となくわかるわ。」
パ、パチュリーたちが惚れる? 何の事だ? まるで意味が分からねぇ。
「…ハァ? どう意味だよそれ?」
「フッ、それは自分で考えなさい。私が答えるべき事じゃないわ。」
「な、何だよそれ。焦らすなよ。」
「…ハァ。アリスやパチェが苦労するわけね。何でこんな鈍感に惚れたんだか。」
ど、鈍感? 何で私が鈍感って事になってるんだよ。しかも、何でそこでアリスの名前まで出て来るし。意味が分からないぜ。それにさっきから、嫌に惚れたって言うのを強調してくるな。アイツらが私に? 内々、絶対ない。だってアリスは、確かに私がベエルゼに操られてた時に、命張ってまで止めようとしてくれたりしたけど基本冷たいし。パチュリーなんかは借りた本の事とかで色々あるし。それに第一、私達は全員女だ。女が女に惚れるって、そんなの本の中とかの話だろう? アイツらに限って、それはねぇって。
そう思い、レミリアにそれを伝えようとした所で、思わぬ妨害が入った。
「お嬢様、晩御飯の支度ができましたって、あら、起きてたのね魔理沙。」
「あ、あぁ。」
さ~く~や~。お前もうちょっと遅めに来いよぉ。タイミング逃しちまったじゃねぇか。
「あの、私お邪魔でしたでしょうか。」
「いや、ベストタイミングよ。という訳で魔理沙、私に何か言いたい事があるんでしょうけど、先に晩御飯をいただきましょう。せっかくのご飯が冷めてはいけないわ。」
「…へいへい。その代わり、覚えてろよ。」
「えぇ。覚えてたらね。」
くそ、ぜってぇコイツうやむやにする気だ。ハァ、まぁ自分で考えろって言ってたし、自問自答しながら考えてみるしかねぇか。それに、腹は減ってたしな。空腹には、さすがの私も勝てないぜ。
――その後、また昨日みたいに談笑しながら晩御飯を食べ、互いの予選の中間報告のようなものをしてから、今日は解散して自室でデッキを少しいじってから寝た。まぁ、さっきまで寝てたせいですぐには寝れなかったけどな。
後、私がさっき言った中間報告で黒咲に負けた事を言ったら、レミリアに怒られた。何でも、本戦で対戦するつもりだから、負けて出られなくなったんじゃないかと心配したそうな。ただ、黒咲が『極東のNo.2』って事を言ったら、何か納得してくれた。『何故だ、解せぬ。』って思ってたら、どうやら黒咲は、この辺りでは2番目に強い存在だという事を説明され、合点が言った。なるほど。黒咲のヤツ、このあたりで2番目に強いヤツだったのか。通りで他のヤツより強い訳だ。こりゃなおさら本戦でリベンジしたくなったぜ。
さて、明日はどんなヤツとデュエル出来るんだろうな。楽しみだぜ。
☆≡
―――と思っていた時期が私にもありました、コンチクショー。
「…おい。」
「ん、どうしたの? そんな不満そうな顔をして。」
…レミリア、お前それ素で言ってんのか。もしそうだったら1発殴りてぇ気分なんだけど。
「あのさぁ、私や神子は今日か明日中にハートピースを集めなきゃいけねぇのに、何でこんな所来なきゃいけねぇんだよ! それも他人の試合を見るために。」
私が今不機嫌な理由。それは、時間がないにもかかわらず、レミリアがアジアチャンプ(つまりこの辺りで1番強い
私や神子は断ろうとしたものの、「この世界で1番強いヤツのデュエルは一目見ておくべきだ」というレミリアの強引な意見に神子が押し切られてしまい、渋々私もついていかざるを得なくなってしまったのだ。全く、アイツでアイツで何で折れたんだか。しかも、当の本人はこっち見て苦笑いしてやがるし。後で覚えてろよ。
因みに、その『Ⅳ』ってヤツとデュエルすることになっているのは、遊馬の友達の『等々力孝』ってヤツと、ねねの友達で、アイドルの卵、だったか、っていう『善羽舞衣』ってヤツらしい(因みにねねの友達って言うのは善羽談)。デュエルする当人達は知り合い、というか、等々力の方が何かテンぱってあわあわしてる感が強いが、一応仲良さそうには話している。
「お~い、魔理沙ぁ」
「んお、どうした遊馬。」
私が二人を見ていると、遊馬がこっちにねねを連れてやってきた。何でも、私と話したい事があるとかないとか。でも何というか、昨日とだいぶ印象が違うな、コイツ。やっぱり、あのナンバーズに操られてたからあぁなってただけか。
「どうしたんだよ、いったい。」
「あ、あの…、その…、昨日の、事なんですけど…。」
「あぁ、あれか。へへっ、別に気にしてねぇよ。お前が無事で、私も安心してるんだ。」
「で、でも…――」
あ~、もしかしてコイツ、結構引きずるタイプか。というか、涙目でこっちを見られても。う~ん、どう言った納得して、うん、待てよ? あるじゃねぇか、結構単純なやつが。
「――なら、私の友達になってくれねぇか?」
「…えっ?」
「実はな、私この街に来てから、まだ日が浅いんだ。だから、何かあった時に、話したり、遊んだり、相談出来るヤツが少ないんだよな。だから、友達になってくれねぇか?」
「…私なんかで、良いの?」
「あぁ。全然オッケーだぜ。これから、よろしくな。ねね。」
「…うん。えっとぉ――」
「魔理沙だ。霧雨魔理沙。普通に名前で呼んでくれて、オッケーだぜ。」
「…わかった。えっと…、魔理沙。」
そう言ってこいつは、昨日と違ってぎこちないけど、今できる精一杯の笑みを浮かべていたと思う。だから私も、それに応えるようにニカッと笑った。その後ろで、遊馬がこんな愚痴を漏らしていた。
「おいおい、俺は友達じゃないのかよ。」
「遊馬。…勿論お前も、いや、お前や小鳥も友達だぜ。この街で出来た、一番最初のな。」
「えっ、でもお前――」
『遊馬、勘違いしているようだが、魔理沙は友達が「少ない」とは言っていたが、「全くいない」とは一言も言っていないぞ。』
「あぁ、そっか。わりぃ、勘違いして。」
「別にいいぜ、それぐらい。勘違いや早とちりぐらいだったら、私でも普通にあるしな。」
アストラルに言われて謝ってきた遊馬に、私はそう言った。すると遊馬は、またデュエルしてた時と同じ、人懐っこそうな明るい顔に戻った。
そうし色々話している内に、今日の目玉対戦相手である、アジアチャンプの『Ⅳ』がやってきた。隣にはアイツの彼女なのか、はたまた妹なのか、Ⅳと似たような服装をしたヤツがいた。
Ⅳは等々力と善場と軽く挨拶してから、早速デュエルを始めた。ちなみにデュエル形式は2対1のバトルロイヤル、ハートピースはオールイン、つまり、負けたら手持ちのハートピースを、余り含めて全て差し出さないといけない。私達は、なるべく色んなヤツと戦いたいから、時間はかかるけど、オールインは今のところしていない。まぁ幻想郷だと、人里の連中も含めて全員が参加できるよう、また、初戦敗退を覗けば、1度負けてもまだチャンスがあるようにルール整備がなされてる。どちらかと言うと甘いのかもしれないが、この制度のお陰で助かってるヤツらもいるからな。実際、それで勝ち上がってきたヤツの中には、結構骨のあるヤツもいたりするし。
さて、負けたら予選敗退確定のこの試合。果たして、どっちが勝つんだ?
☆≡
「「「
3人の決闘者の宣言によって、いよいよデュエルが始まった。さぁ、見せてもらおうかしら。この地域で最強の決闘者の実力を。
等々力孝
LP 4000
手札 5枚
場、伏せ 共になし
善場舞衣
LP 4000
手札 5枚
場、伏せ 共になし
Ⅳ
LP 4000
手札 5枚
場、伏せ 共になし
「先攻は僕からもらいます!! 僕のターン、ドロー!!」
等々力孝
手札 5→6枚
ほう、先攻はあの2人組からか。だが表情は崩れていない所を見るに、余裕がある、いや、あの表情は、演技か? だが何のために。…何だか、嫌な予感がするわね。
「僕は、モンスターを裏側守備表示でセット!! カードを1枚伏せて、ターンエンドです!!」
等々力孝
LP 4000
手札 4枚
場
???(裏守備表示)
伏せ 1枚
裏守備と伏せで守りを固めたか。特殊召喚系のカードがないのか、それとも何か作戦があるのか。まぁ、おそらくこのターンは動けないってことなんでしょうけど。
「じゃあ次は舞衣ちゃんの番ね! ドロー!!」
善羽舞衣
手札 5→6枚
「いっくよぉ!!『ゼンマイマジシャン』を召喚!!」
ゼンマイマジシャン
☆4
炎属性,魔法使い族/効果
ATK 600
「そして、フィールド上にモンスターが召喚された事で、手札の『ゼンマイシャーク』を特殊召喚!!」
ゼンマイシャーク
☆4
水属性,魚族/効果
ATK 1500
「そして、ゼンマイモンスターの効果が発動した事で、『ゼンマイマジシャン』の効果が発動!! 1ターンに1度、ゼンマイモンスターの効果が発動した時、デッキからレベル4以下のゼンマイモンスター1体を、表側守備表示で特殊召喚出来る!! 2体目の『ゼンマイマジシャン』を特殊召喚!!」
ゼンマイマジシャン
☆4
炎属性,魔法使い族/効果
DEF 1800
「そしてさらに、『ゼンマイシャーク』の効果発動!! 1ターンに1度、自身のレベルを上げるか下げることができる!! その効果で、『ゼンマイシャーク』のレベルを1つ下げる!!」
ゼンマイシャーク
☆4→3
「そしてぇ!! ゼンマイモンスターの効果が発動した事で、さっき特殊召喚した『ゼンマイマジシャン』の効果発動!! デッキから『ゼンマイネズミ』を特殊召喚するよ!!」
ゼンマイネズミ
☆3
地属性,獣族/効果
DEF 600
「さぁ、主役たちの登場だよ!! 私は、レベル4の『ゼンマイマジシャン』2体で、オーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!!
発条機甲ゼンマイスター
★4
地属性,機械族/エクシーズ/効果
ATK 1900
ORU 2つ
ほう、こちらはもういきなりエクシーズ召喚か。【ゼンマイ】自体は幻想郷ではあまり見ないが、なるほどあんな回り方をするのか。少々私の【ヴェルズ】とは相性が悪い。 出来れば相手にしたくないタイプのデッキだが、果たしてこのデュエルではどうなるかしら。
「ゼンマイスターは自身の
発条機甲ゼンマイスター
ATK 1900+600=2500
「攻撃力2500のエクシーズモンスターを、たった1ターンで召喚するなんて、君はなんて決闘者なんだ!!」
ん、そうか? これぐらい普通だと思うんだが。それと、こっちの大会だと、まだ回転スピードが遅いのか?
「凄いですよ、舞衣ちゃん!! あのⅣさんに褒められましたよ!!」
「えへへ、褒めても何も出ないよ~。」
そして、なぜこちらは疑問を何も抱かずに、誉められたことに喜んでいるんだ? 普通疑うだろう。全く、相変わらず人間のそういう感性は分からん。有名人に褒められただけで、なぜそこまで舞いあがる?
「じゃあ、褒められちゃったからもうちょっといくよ!! 私はレベル3となっている『ゼンマイシャーク』と、『ゼンマイネズミ』で、オーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 友を乗せた発条仕掛けの船よ、海の彼方より現れよ!!『発条空母ゼンマイティ』!!」
発条空母ゼンマイティ
★3
水属性,機械族/エクシーズ/効果
DEF 1500
ORU 2つ
「ゼンマイティの効果発動!! 1ターンに1度、ORUを一つ使う事で、手札かデッキから、ゼンマイモンスターを特殊召喚出来る!! 私は、2体目の『ゼンマイネズミ』を、攻撃表示で特殊召喚!!」
発条空母ゼンマイティ
ORU 2→1つ
ゼンマイネズミ
☆3
地属性,獣族/効果
ATK 600
「さらにさらに!! 今特殊召喚した『ゼンマイネズミ』の効果発動!! この子がフィールドで表が表示で存在する限り1度だけ発動できて、自分のメインフェイズに、表側攻撃表示のこのモンスターの表示形式を表側守備表示にする事で、墓地のゼンマイモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚出来る!! よってさっきゼンマイティの効果を使う時に素材として墓地へ送った、『ゼンマイネズミ』をもう一度特殊召喚!!」
ゼンマイネズミ
☆3
地属性,獣族/効果
DEF 600
「これで最後!! 私はレベル3の『ゼンマイネズミ』2体で、オーバーレイ!!2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 相反する二つの力を持つ者よ、私に仇なす敵を、その二つの力で牽制せよ!!『発条機雷ゼンマイン』!!」
発条機雷ゼンマイン
★3
炎属性,機械族/エクシーズ/効果
DEF 2100
ORU 2つ
1ターンで、それも手札消費2枚エクシーズ召喚を3回行うだと? これは、出来ればというレベルじゃなくて、そもそも相手にしたくないな。オピオンの特殊召喚制限が全く刺さらない上に、破壊耐性持ちのゼンマイン。しかも全員が機械族となると、『リミッター解除』が普通に入ってくる。面倒だな。
「そして、カードを1枚伏せて、ターンエンド!!」
善羽舞衣
LP 4000
手札 3枚
場
発条機甲ゼンマイスター(ORU 2つ,ATK+600)
発条空母ゼンマイティ(ORU 1つ)
発条機雷ゼンマイン(ORU 2つ)
伏せ 1枚
「ふぅ、ようやく僕のターンですか。それにしても素晴らしい! 1ターンで手札消費をほとんどせず、モンスターエクシーズを3体並べるなんて。このデュエル、ますます楽しみになってきましたよ。」
……やはりにおうな、あの態度。芝居掛かってる感じがするのは、おそらく魔理沙達も気づいているでしょうけど。ただ、あの芝居の裏に、何か妙なものが見え隠れしている気がする。いったい何だ?
「ん~、でもこの手札では困りましたね。どうする事も出来そうにないので、こうさせてもらいます。魔法カード、『手札抹殺』を発動! 互いのプレイヤーは手札を全て捨て、デッキから同じ枚数分のカードをドローします。」
等々力孝
手札 4→0→4枚
善羽舞衣
手札 3→0→3枚
Ⅳ
手札 5→0→5枚
『手札抹殺』をここで発動させたか。まぁ初手が事故っていては話にならないしな。さて、いいカードは引けたのか、アジアチャンプ。
「…僕はモンスターをセット。カードを1枚伏せて、ターンエンド。」
Ⅳ
LP 4000
手札 2枚
場
???(裏守備表示)
伏せ 2枚
んー、結局事故ったままなのか。まぁ伏せが2枚もあれば、この世界のデュエルであればしのげるだろう。何せ暗黙の了解なのか、『奈落の落とし穴』などの汎用除去カードがほぼ使われないからな。見た事があって『サイクロン』ぐらいか。『大嵐』は、まだ見てないな。
「アレ? もしかしてこれ、舞衣ちゃん達が勝っちゃうパターン?」
「そうですよ、舞衣ちゃん! トドのつまり、このままいけば僕達が、Ⅳさんに勝てます!!」
そしてこちらはこちらでフラグを立て始めたか。お前達、それは勝てないフラグだと思うんだが。特にチーム戦では。
「では行きますよ!! 僕のターン!!」
等々力孝
手札 4→5枚
「僕はまず、伏せていた『デバッカーX』を反転召喚!!」
デバッカーY
☆3
光属性,機械族/効果
ATK 400
「おぉ。これはまたユニークなモンスターが出てきましたね。先程の善羽さんといい、君といい、楽しませてくれますね。」
ユニーク、か。まぁ、プラスな言い方をすればそうだが、私からしたら今出てきた『デバッカーY』、映りの悪いDパッドのディスプレイに映ってるような姿か、ブロックを積み上げて作った人のような何かにしか見えないんだが。
「えへへ。ありがとうございます。」
そしてなぜデレるし。まるで意味が分からん。
「でも、お楽しみはこれからですよ! 僕はさらに手札から、『デバッカーX』を召喚!!」
デバッカーX
☆3
光属性,機械族/効果
ATK 900
また角ばったモンスターか。以前地底の土蜘蛛妖怪が1回だけ使っていた『ブロック・スパイダー』の仲間、という訳ではなさそうだが、それに近いものにしか見えん。
「そして、『デバッカーX』の召喚に成功した時、自分フィールド上に『デバッカ-Y』が表側表示で存在する場合、デッキから『デバッカーZ』を特殊召喚できます!!」
デバッカーZ
☆3
光属性,機械族/効果
ATK 700
3体目も角ばったヤツか。まぁ『X』、『Y』ときて、『Z』だけすっきりした奴が来ても違和感しかないけど。
「さぁ、今度は僕の番ですよ!! 僕はレベル3の『デバッカーX』、Y、Zの3体で、オーバーレイ!! 3体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!!エクシーズ召喚!! 現れよ、『ワクチンゲール』!!」
ワクチンゲール
★3
光属性,機械族/エクシーズ/効果
ATK 1800
ORU 3つ
…もうコメントしないわ。何となく分かってたし。でも名前とは裏腹に、やっぱりかわい、くは見えないわね。うん。だが、効果は何となく、『バグマン』系のヤツらと似てるわね。何か関係あるのかしら。
「さぁ、バトルです!! 僕は『ワクチンゲール』で、セットモンスターに攻撃!!」
等々力孝の場に先程出てきた『ワクチンゲール』が、Ⅳの場の伏せモンスターに向かって、手に持っている注射器(よね?)からレーザーを発射した。そして、Ⅳの場にいた伏せモンスターが、『ワクチンゲール』の攻撃に合わせて、その姿を現した。そこにいたのは――
ギミック・パペット―ベビーフェイス
☆1
光属性,機械族/効果
DEF 0
――【ギミック・パペット】だと? あのカテゴリは確か…。なるほど、いきなり私達は、当たりを引いたという事か。しかし、あのモンスターは初めて見る奴だな。
「あれは?!」
ふと横に顔を向けると、魔理沙が驚いた顔をしていた。まぁ、気持ちは分からなくもない。あの【ギミック・パペット】というカテゴリは、ヤツの親友が使っていたカテゴリなのだから。おそらく魔理沙も、さっき私が言っていた当たりという言葉に気がついてはいるだろうしな。
さて、そろそろデュエルの観戦に思考を戻した方がよさそうだな。
Ⅳの場に現れたベビーフェイスは、そのまま『ワクチンゲール』のレーザーを浴びて破壊された。
「くっ、伏せを恐れずに攻撃してくるとは。これは少し、まずいかもしれませんね。」
伏せを恐れずに、か。この状況だと確かに、恐れていた方がいいような気もするが。という事は二つともブラフか、それとも発動タイミングがないのか。
「よし!! 舞衣ちゃん、後は任せました!! 僕はこれで、ターンエンド!!」
等々力孝
LP 4000
手札 4枚
場
ワクチンゲール(ORU 3つ)
伏せ 1枚
「任せて!! 舞衣ちゃんのターン!! ドロー!!」
善羽舞衣
手札 3→4枚
「う~ん、でも序盤で展開しちゃったから、他にやることないんだよねぇ。それに手札が思いっきり交換されちゃったし。まぁいいや! ゼンマイティとゼンマインを攻撃表示に変更して、このままバトル!! いっけぇ、ゼンマイン!! Ⅳさんにダイレクトアタァック!!」
発条空母ゼンマイティ
DEF 1500→ATK 1500
発条機雷ゼンマイン
DEF 2100→ATK 1500
ゼンマインが両腕をⅣに向け、その腕を途中から分離して射出した。その腕はⅣに一直線に向かっていき、直撃と同時に爆発を起こした。
発条機雷ゼンマイン
ATK 1500
Ⅳ
LP 4000-1500=2500
「うわあぁぁぁぁ!!」
「よし!! 後はゼンマイスターの攻撃が通れば、とどのつまり、この勝負僕達の勝ちです!!」
Ⅳの場にある伏せカードがブラフと思ったのか、等々力は勝ちを確信したような事を口にした。そして善羽もそう思っているのか、自分の場のゼンマイスターに最後の攻撃指令を下した。
「分かってるよ!! これでラストォ!! ゼンマイスターで、Ⅳさんにダイレクトアタァァック!!」
ゼンマイスターは善羽の指示を受け、自身の足に当たる部分からブースター(確かロケットを飛ばす時に使うヤツだったと思う)を吹かして飛翔し、そのまま腕を振り上げて、Ⅳ目掛けて振り下ろした。さて、これで決まったか ? いや、おそらく決まっていない気が――
「よッしゃあ、決まったぜ!!」
「ヒィ?!」
「オイオイ遊馬、ねねビビらしてどーすんだよ。」
「あっ、わりぃ。ついはしゃいじまって。」
…何をやっているんだあそこは。それに九十九遊馬、見事なフラグ建築乙。そのセリフは絶対やっていないフラグ――
「…フフフフ、ハハハハハハハ!!」
「「ッ?!」」
――ほ~ら、やっぱりやってなかったか。これはおそらく、恒例の『発動させていた』、だろうな。あの伏せカード、おそらくこのタイミングを狙って発動させたかったんだろう。じゃなかったらあのダメージを受ける必要もないだろうしな。
「いやぁ、惜しかったですねぇ。ですが――」
Ⅳ
LP 5000
「――僕のライフは回復していますよ。」
「そ、そんな?! 何で!?」
「答えはこれですよ。僕は君のゼンマイスターの攻撃宣言時、罠カード『ドレインシールド』を発動させていたんですよこれにより、君のゼンマイスターの攻撃を無効にし、その攻撃力の数値分、僕のライフが回復したという訳ですよ。」
『ドレインシールド』とは、また厄介なカードを。だがライフが4000しかないこの世界だと、こういう回復系のカードは意外と重宝されるのか。どうも『
「くっ、凌がれちゃったか。でも次は外さない!! いっけぇ、ゼンマイティ!! Ⅳさんにダイレクトアタック!!」
「罠カード、『攻撃の無敵化』を発動!! これにより、ゼンマイティの攻撃で受けるダメージを0にする!!」
「えぇ、これも防ぐの?!」
善羽の場にいたゼンマイティがⅣに突撃していくも、その攻撃はⅣに当たる直前で見えない障壁に阻まれて届かなかった。ヤツの伏せ、両方とも防御カードだったという訳か。しかしここで無敵化だと? 何故さっきのベビーフェイスの時にうたなかった?
「くぅ、仕方ない。舞衣ちゃんはこれでターンエンド。」
(大丈夫、等々力君の伏せは分からないけど、私の伏せは『ディメンション・ウォール』。これなら攻撃力で突破されたとしても、ダメージはⅣさんに跳ね返る。たぶんきっと、大丈夫なはず。)
善羽舞衣
LP 4000
手札 4枚
場
発条機甲ゼンマイスター(ORU 2つ,ATK+600)
発条空母ゼンマイティ(ORU 1つ)
発条機雷ゼンマイン(ORU 2つ)
伏せ 1枚
☆≡
「くそぉ、後ちょっとだったんだけどなぁ。」
ねねの友達の善羽と、遊馬の友達の委員長、だっけか、のタッグVSⅣのデュエルの中、私は善羽達のターンを終了するのを見ながら、そう思った。横にいた遊馬達もそう思ったのか、口々に「惜しかったよなぁ。」とか、「…後少し、なのにね。」とか言っていた。
にしても、アイツらが相手にしてるⅣが使ってる【ギミック・パペット】ってカテゴリ。まさか、こんなに早く持ってるヤツと会っちまうとはな。あのカテゴリは『ナンバーズ』のモンスターエクシーズをカテゴリ内に含んでるヤツの内の一つだ。おそらく、アイツもあの3枚のナンバーズを持ってるんだと思う。善羽、委員長、頼むから無事にデュエルを終えてくれよ。
そんな事を考えていると、Ⅳが後ろの彼女みたいなヤツと真顔で話していた。あの女、アイツの彼女かと思ってたけど、あの感じだと妹か何かか。少なくともアイツの身内って感じだな。
そして、Ⅳはその妹らしきヤツと二言三言話し終えると、自分のターンを進めた。
「さぁ、これから俺の本当のファンサービスを味わせてやる!! 俺のターン!!」
Ⅳ
手札 2→3枚
…ファ、ファンサービスだぁ? 何だ、【ギミック・パペット】使いって言うのは、アレが標準のステータスみたいなものなのか? 良く分からんが。
「俺は墓地の『ギミック・パペット―ネクロ・ドール』の効果発動!! 墓地のギミック・パペット1体を除外する事で、このモンスターを墓地から特殊召喚する!!」
除外されたカード
ギミック・パペット―ボム・エッグ
ギミック・パペット―ネクロ・ドール
☆8
闇属性,機械族/効果
DEF 0
ここでネクロ・ドール。ヤバい、このパターンは!
「さらに、相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上に存在するモンスターがギミック・パペットのみの場合、手札から『ギミック・パペット―マグネ・ドール』を特殊召喚出来る!!」
ギミック・パペット―マグネ・ドール
☆8
闇属性,機械族/効果
ATK 1000
「レベル8が2体、来るのか?」
遊馬が場に出た2体のギミック・パペットを見て、そう言った。これ以上展開がないのなら、おそらくここで来るだろうな。だが問題はどっちが来るかだ。もし15の方が来た場合、かなりの損害が出る。40は、まぁ何とか対処できるんじゃねぇか? 『RUM』でもなきゃ、効果なかなか決まらねぇし。
「さぁ、いくぜ!! 俺はレベル8の『ギミック・パペット―ネクロ・ドール』と、『ギミック・パペット―マグネ・ドール』で、オーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 現れろ、『No.15』!! 地獄からの使者、運命の糸を操る人形!『ギミック・パペット―ジャイアントキラー』!!」
No.15 ギミック・パペット―ジャイアントキラー
★8
闇属性,機械族/エクシーズ/効果
ATK 1500
「ナ、ナンバーズ!? どうしてⅣさんが?!」
Ⅳの呼び出したジャイアントキラーを見ながら、委員長が驚きの声を上げた。あぁ、そう言えばⅣってヤツ、こっちじゃ有名人なんだったな。そりゃそんなヤツがナンバーズ持ってたら、吃驚するわな。
しかしジャイアントキラーか。くっ、予想はしてたけどやっぱそっちか。ヤバいぞ、これでもし善羽に効果が集中した場合、アイツは壊滅的なダメージを受けることになる。委員長にしても、結局ダイレクトアタックをよけれずに大ダメージをくらっちまう。そして何より、もし残ってる手札の2枚が『エクシーズ・シフト』と『鬼神の連撃』だった場合はこのターンで終わる。この状況、かなりまずいぞ。
「驚いてる暇なんかねぇぞ。ギミック・パペット―ジャイアントキラーの効果発動!! ORUを一つ使う事で、相手フィールド上のモンスターエクシーズを『全て』破壊し、そのモンスター達の攻撃力の合計分のダメージを、相手プレイヤーに与える!!」
「えぇぇ?!」
「そ、そんな?!」
「マジかよ?!」
「な、何だと?!」
ジャイアントキラーの効果をⅣの口から聞いて、善羽や委員長だけでなく、その場にいた遊馬や私も驚いた。レミリアや咲夜、それに神子も、声にこそ出していないものの、その表情を見た感じ、少なからず驚いているという事は分かった。
遊馬達はおそらく、ジャイアントキラーの効果を聞いて驚いてるんだろうが、私達は、それとは別の効果でコイツの事を知っているが故に、この世界ではそういう効果になっている事に驚いていた。そして、デュエルディスクがエラーを起こしていない所を見ると、どうやらそれがこの世界でのアイツの効果であるようだ。これはもしかしたら、さっき頭の中で考えたヤツよりも酷い結界になるんじゃないか?!
そう思っていたら、Ⅳのヤツが徐に手を上げ、善羽を指差して、先程までとは違う、醜悪な笑みを浮かべながら一言、こう告げた。
「まずはお前からだ。」
「ヒッ?!」
その声と同時に、ジャイアントキラーの指から糸が伸び、それが善羽の場のモンスター達に絡まった。そして、その絡まった糸をジャイアントキラーが引き戻してモンスター達を胸部の穴に引き込み、そいつらを穴の入口についているローラーで火花を散らしながら破砕して取り込んでいった。善羽や私達は、それをただ見つめることしかできなかった。特に善羽は、身体を震わせながら後ずさりし、すぐにもこの場から逃げ出そうとしていた。
そして、善羽のモンスターを全て取り込み終わったジャイアントキラーの胸部から砲塔が出現し、善羽に狙いを定めて、今にも発射されようとしていた。
「たっぷりと味わってくれよぉ。俺のファンサービスをよぉ!! 喰らえ、『デストラクション・キャノン』!!」
Ⅳの指示と同時に、善羽に向かって極太の砲撃が発射され、その小さな身体をあっさりと飲み込んで吹き飛ばした。
善羽舞衣
LP 4000-(1500+1500+2500)=-1500
「キャアアァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
「っ、ま、舞衣ちゃん!!」
「善羽、大丈夫か!?」
ジャイアントキラーの砲撃を喰らって派手に吹き飛ばされた善場を見て、ねねが心配して彼女の元へと駆けよっていった。ねねの近くにいた私も、ねねについていく形で善羽の元に駆け寄った。
善羽は、受けたダメージが大きすぎたのか気絶しており、息遣いも苦しそうになっていた。たぶん吹っ飛ばされた時の打ち所が悪かったんだろう。ねねは、そんな彼女の様子を見てかオロオロしており、「どうしよう…。どうしよう…。」と、しきりに呟いていた。
私は取りあえず、慌てふためくねねを落ち着かせ、善羽を担いでその場から少し離れた。するとその頃には、委員長にもジャイアントキラーの砲撃が発射され、その砲撃で委員長も吹き飛ばされていた。
等々力孝
LP 4000-1800=2200
「うわあぁぁぁぁぁぁ!!!」
「委員長!!」
「まだだ! まだ俺のファンサービスは終わっちゃいねぇ!! 墓地の『ギミック・パペット―ベビーフェイス』の効果発動!! 戦闘によって破壊されたこのモンスターが墓地に存在し、このカードを戦闘で破壊したモンスターが相手の墓地に存在する場合、墓地のこのカードを除外する事で、このカードを戦闘で破壊した相手モンスター1体を、相手の墓地から特殊召喚する!!」
Ⅳの効果発動宣言と同時に、先程墓地に送られたベビーフェイスが、Ⅳの前に現れた紫の穴から背中にリールのような物を背負いながら浮上してきた。そして、そのリールのような物体から延びた糸が、先程破壊された『ワクチンゲール』を、同じ穴から釣り上げてきていた。そして、釣りあげられた『ワクチンゲール』はまた、等々力の場に、先程と変わらぬ姿で戻ってきた。
というかあのベビーフェイスってヤツ、あんな効果持ってたのかよ。まさか、さっきあれだけの伏せがあったにもかかわらず破壊させたのは、これが狙いか!
「な、何でせっかく破壊した委員長のモンスターエクシーズを復活させたんだよ?」
『遊馬、これはループコンボだ。』
「ループコンボ?」
『あぁ。おそらくⅣは、最初からこれを狙っていたのだろう。フィールドにモンスターエクシーズが3体も並んでいた善羽舞衣とは違い、委員長のフィールドには「ワクチンゲール」1体のみだった。与えられるダメージも、攻撃力が変動していないため、1800しか与えられない。だが、今のように墓地からもう1度特殊召喚する事で、与えられるダメージは倍になる。つまり――』
「1800の2回分の、3600のダメージ?! てことはⅣのヤツ、このターンで――」
『決着をつけるつもりなのだろう。』
どうやら遊馬とアストラルも、Ⅳの真意に気付いたみたいだな。さて、となるとあの砲撃がもう1発委員長にとぶ訳か。今でさえキツそうなのに、アレをもう1発食らったら、とてもじゃねぇけど委員長が!
「フフフ、良い顔だな。希望を与えられ、そして奪われる。その時にこそ人間は、最高に美しい表情をする。」
…ハァ? 何言ってんだコイツ。希望を与えられてそれを奪われた時、人は一番美しい表情をするだって? まさか、本気で言ってんのか?
等々力や遊馬達も訳が分からないのか、ただ呆然とその言葉を聞いているようだった。自分達の良く知る有名人が、突然こんな事を言い出したら、そりゃ呆然となるはずだ。
だが、周りのそんな表情を気にもせず、Ⅳは言葉を続けた。
「そして、それを与えてやるのが、俺のファンサービスさ! 確かにお前達のデュエルは素晴らしかった。コンビネーション、戦略、そのどちらにおいても! だがしかし! まるで全然!! 俺を倒すには程遠いんだよね!!」
そう言い放つⅣの顔には、デュエルを始めた時の優しそうな表情は影も形もなく、あったのは人をいたぶり、貶し、それに対して愉悦に浸っている狂人の顔だった。
…狂ってる。狂ってやがる。
ふざけんなよ。今ここでお前とデュエルしてたヤツらは、そんなもんを与えられたいがために来たんじゃねぇ! 自分達の知ってる、一番強い決闘者にデュエルを申し込まれて、それを楽しみにしてここに来てたんだぞ! 何でそんな、人の心を踏みにじるような事が平気で出来るんだ?!
そう思い出すと、私の中で怒りがふつふつとこみあげてきた。
「…止めろよ。」
気が付けば、そんな言葉が、自分の声とは思えないぐらい低い声で出ていた。だけどその声はあまりにも小さく、ヤツの所まで聞こえる声ではなかった。デュエル自体の流れは変わらず、Ⅳはターンを進めていた。
「俺はもう1度ギミック・パペット―ジャイアントキラーの効果を発動!! 相手フィールド上のモンスターエクシーズ全てを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力の合計分のダメージを与える!! 受け取れぇ!!『デストラクション・キャノン』!!」
等々力孝
LP 2200-1800=400
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「委員長!!」
委員長に向かって、すでに2度目の砲撃が襲いかかった。遊馬はもう見ていられなくなったのか、委員長に向かって駆けだしていた。だがⅣは、そんな事すら眼中にないのか、委員長に向かって最後の宣告を下そうとしていた。
「もう一人は気絶しちまったが、テメェには最後まで俺のファンサービスを味わってもらうぜ!! トドメだ、ジャイアントキラー!!『ファイナルダンス』!!」
「ッ!」
ジャイアントキラーがⅣの命令の下、その右腕を今にも振り下ろそうとした。それを見た瞬間、私の中で怒りが爆発した。
「…やめろおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
声を上げながら、委員長に向かって振り下ろされる巨大な腕に向かって走っていく。遊馬かねねか、誰だかわからない声が聞こえたけど、今の私に、その声が誰のものか判別するだけの理性は、残っていなかった。
私は、動けなくなっている委員長の身体を無理矢理引き寄せて、思いっきり横跳びに飛んだ。
どうも、お疲れ様です!! いかがだったでしょうか。
「ちょっと作者さん、魔理沙また何か最後意味深な終わり方してるけど。」
うん、ホントは本当は原作でシャークさん出るとこまで書こうかなと思ったけど、『エンタメ紅白』の20話の反省を生かして、あそこで切りました。区切りもよさそうだったし。
「なるほどね。端折った訳じゃないんだね。」
うん。まぁな。さて、じゃあ頭からまた振り返っていきますか。
「そうだね。って、冒頭のあのシーン見てて思ったんだけど、黒咲さん、この作品だと何歳ぐらいなの?」
う~ん、原作だと何歳か分かってないからな。まぁこの作品内では一応シャークと同い年って事にしてるけどな。因みに瑠璃ちゃんは遊馬と同い年って設定。
「あぁ、なるほどね。それで瑠璃ちゃんがシャークの妹の事さん付けで呼んでたんだ。でも、『璃緒ちゃん』はちょっと、プププ。」
しょ、しょうがないだろ。他に良い呼び方見つからなかったんだからさ。
「いや、呼び捨てでよかったじゃん。」
う~ん、それだと何か荒っぽくないか? 別にここの黒咲さん、LDS&融合絶対殺すマンじゃないんだからさ。
「まぁ、確かに。でも、やっぱりちょっと違和感がぬぐえないよね。」
まぁ、その辺はしょうがないかな。さて、次いこうか。
「うん。…魔理沙、まだあの事引きずってたんだ。」
まぁ話がぽつぽつ出ているだけですが、以前魔理沙がベエルゼにとらわれて異変を起こした事があるという裏設定が一応あります。まぁその時に、仲間をたくさん傷つけた事が、彼女の中である意味一種のトラウマみたいになっていると思って下さい。
裏設定云々抜きにしても、魔理沙だったら止めてそうな気もしますけど、あのシーンがあった方が後の会話に繋ぎやすくなったかなと思ったので、入れさせてもらいました。
「そっか。まぁ魔理沙自身、何でもない感じに言ってるし、限定的な状況で少し思い出しちゃうぐらいなら、まだマシなのかな。じゃあ次にいこうっかな。…うん、もうこれは分かってた。魔理沙が『鈍感』だってことは。」
この作品においては魔理沙は『鈍感』です(特に百合方面)。本人が言っていたように、アリス達とは何かと因縁があり、そのせいで「自分の事は友達ぐらいの関係じゃないかな。」と思っているので。後はまぁ、本人曰く普通の恋愛を望んでいるからだそうです。
「ハァ、ちょっとはパチュリー達の気持ちに気付いてくれたらいいのにね。」
まぁしょうがないさ。きっといつか気付いてくれるだろうからさ。さぁ次にいこう。
「そうだね。おぉ、やっと出てきたね、あの人。」
あぁ、やっと出せたぜ我らがⅣさん!! ただ、原作と同じ感じのファンサービスになってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
「今回のデュエルは原作カードが結構出てたね。モンスターだけだけど。」
そうだな。委員長の使ったカードは全部そうだし、Ⅳが使ったベビーフェイスも該当するな。というか、委員長のヤツ何でOCG化されなかったんだ? 別にそう強すぎるわけでもないと思うんだが。
「まぁ確かに。それよりも、あの善羽舞衣ちゃんだっけ、あの子は確か、前デュエルカーニバルに出てる子だって言ってた子だよね。」
あぁ。TFSPにも出てるんだけどな、あの子の使う【ゼンマイ】は、今回やったぐらいの展開力が普通だった理するからな。ゲームだとAIがアレだからか、あんまり展開してこないんだけどな。おそらく、今回やったのが彼女の十八番の回し方だと思う。カテゴリ的には半分十八番、半分手抜き位だろうけど。『フォトン・バタフライ・アサシン』とか使ってないし。
「そうなんだ。って、アレが普通って言うのが凄いね。お姉ちゃんじゃないけど、なるべく相手にしたくないかな。」
俺も動画でしか見たことないけど、全盛期だったら確か先攻1ターン目で相手の手札全部ハンデスしてターンを回すとか言うとんでもないコンボができたらしいけどな。
「…、\(^o^)/。」
うん、その気持ちは俺も分かる。動画だったけど、あれは絶対に相手したくないって思ったし、相手にしたら絶対『\(^o^)/』になるだろうなって思って笑うしかできなかったから。さて、じゃあ次で最後かな。
「うん。お姉ちゃんや魔理沙が言ってた、幻想郷でのギミパペ使いの事だね。確かに、彼女だったら絶対あんなことしないかな。魔理沙が怒るのも分かるかも。そう言えば今、どうしてるのかな。」
一応魔理沙や霊夢達と同様、別の次元に行っています。まぁここまで言ったら、『エンタメ紅白』読んでて、この前書いた番外編読んだ人は分かるんじゃないかな? あえて名前は出しませんでしたが、さて、いったい誰なんでしょうか?
さて、じゃあ次回予告にいく前に、さっき前書きで話していた、お知らせの事を話したいと思います。
「あぁ、そう言えばそんな事言ってたね。で、何なの?」
はい、実はですね。これ人によっては早計過ぎないかと思われるかもしれませんが、今のところアンケートで特に反対意見も出ておらず、むしろ賛同して下さってるかtの方が多い感じなので、この度オリカを使う事に踏み切りました!!
「おぉ、思いきったね! まぁ確かに、私もコメントの返信スレに行ったから知ってるけど、特に反対意見は出てなかったもんね。むしろ心配してくれてる人とかもいたもんね。」
そうなんですよ。で、オリカを使う事に踏み切ったので、今回はオリカの募集を行いたいと思います!! 具体的な内容はまた活動報告にあげておりますので、案がある方はどしどし送って下さい!!
「作者さんが考えたオリカの例みたいなのも載ってるから、興味がある人も参考までに見てみてね!! それじゃ、次回予告!!」
はい!! さて、魔理沙が最後意味深な終わり方をしていましたが、果たして彼女の運命は?! そして彼女達の前に、またもやナンバーズ使いが襲来!! この状況を切り抜けることはできるのか?! それでは!!
次回もお楽しみに!!
「次回もお楽しみに!!」
遊馬&魔理沙「「かっとびングだ(だぜ)、俺(私)!!」」