IS ~この地球(ほし)の光に導かれし者~   作:メテオボーイ

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色々忙しくて更新が遅れてしまいました‼

これからも文章力は無いですが頑張って更新していこうと思います‼


episode 20 僕の気持ち

 

 

 

 

 

 

千冬姉の計らいもあって、俺達三人は『機体調整の為に一時的に束のもとへ行っていた』ということで無事に復学出来た。クラスメイトも暖かく迎え入れてくれた。本当に有難いよまったく――――

 

 

「ねえねえイチカ君‼篠ノ之博士のところに行ってたんでしょ!?」

 

「博士って世界中飛び回ってて誰も見つけられてないんじゃ……」

 

「どこにいるの?」

 

「そんなに一度に聞かれても困るんだが……あの人はまだまだやることがたくさんあるからって世界中飛び回っている。場所は言えないかな……もしそれで束さんに迷惑がかかったりするのは嫌だし。まああの人の事だからそれでも捕まるようなことなんてそうそうないと思うけど………」

 

 

イチカは休み時間になるとクラスメイトから質問攻めにあっていた。一つ一つ答えていく律儀なところが何ともイチカらしい。

 

 

「「「………………」」」

 

 

その様子を少し距離を置いてセシリア、シャルロット、ラウラはジトッとした視線をイチカに向けていた。その隣ではマドカとクロエ、本音がアハハ…………。と苦笑いを浮かべていた。

 

 

「三人とも……眉間に皺が寄っているぞ?」

 

「一つ一つ律儀に答えるところが何とも………」

 

「イッチーらしいよね~」

 

「それはそうですけど………」

 

「何かこう、ねえ?」

 

「デレデレしすぎだ‼」

 

「それほど心配なら――――早い内に告白なさってはどうですか?」

 

「「「な!?/////」」」

 

 

溜息交じりに放たれたクロエの一言に一瞬で茹蛸状態になってしまう三人。それを見て本音はゲラゲラ笑っているがそれをさらりと流して話を続ける。

 

 

「兄様は今までの経験から………好意から来る愛情というものが何なのか知りません。恐らく人を好きになる、愛するという感情が一体何なのか、どういうものなのか分からないと思います。言葉に出さなければ兄様には伝わりませんよ?」

 

「そ、それは分かっていますわ‼」

 

「僕もだよ‼」

 

「クラリッサから聞いたのだが…こういう場合は既成事実?というものを作ればよいのだろう?では早速今日の夜にでも嫁の部屋に――――――」

 

「「言わせ(ませんわよ)(ないよ)その先は‼」」

 

「おはようセシリア、シャルル、ラウラ。朝から何漫才みたいなことしてるんだ?ほら皆も……そろそろ座らないと織斑先生の出席簿が火ぃ吹くぞ。」

 

「「「「ハ~イ‼」」」」

 

「「「漫才………」」」

 

「ん?」

 

 

〇月〇日、天気は晴れ――――今日も一組は……平常運転。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は何事もなく平和な一日だったな………」

 

 

そんなことを呟きながらイチカは帰り支度をするために教室に向かっていた。前の授業が実習でその片づけをしていたので少し遅くなってしまったのだ。その際、セシリア達が手伝うと申し出たが、一人でも出来るからということで彼女たちには先に帰ってもらい、後で食堂に集合ということになった。

 

 

「さて、帰るとする「クロニクル君、クロニクル君‼」―――ん?」

 

 

帰り支度を済ませ帰ろうとすると、山田先生が俺を呼び留めた。手を膝に着き、肩で息をし、額にはうっすら汗を浮かべていた。一体どれほど急いで来たのやら………

 

 

「あの、ですね……クロニ、クル君に……ですね、」

 

「とりあえず落ち着いてください山田先生。ゆっくりで良いですから……ハイ、深呼吸。」

 

「そ、そうですね‼スゥ~……ハァ~……スゥ~……ハァ~――――」

 

「落ち着きましたか?」

 

「ハイ‼もう大丈夫です‼」

 

 

うん……呼吸もだいぶ落ち着いてきたみたいだな。―――それにしても………やはり見えんな――――――――

 

 

 

 

――――――――――年上に。

 

 

 

 

「どうかしましたかクロニクル君?」

 

「いえ。それで山田先生、話とは?」

 

 

山田先生の言葉に動じることなくポーカーフェイスを貫いた俺は、平静を保ちつつ話の先を促した。

 

 

「ハイ、実はついに大浴場が男子も解禁になりました‼これで日頃の疲れを癒してください‼きちんと日付は守ってくださいね?伝えましたからね?……では私はこれで。道草せずに帰ってくださいね‼」

 

 

そう言うと山田先生は伝えるだけ伝えて教室から出て行ってしまった。

 

 

「大浴場か……。まあ、偶にはゆっくり風呂に浸かるのもアリか。集合までは時間があるな……先に入ってしまうか。」

 

 

そう決めるとイチカは荷物を持って部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ………いい湯だ。」

 

 

身体を洗い終えるとイチカは大きな湯船にその身を浸からせた。湯船の温かさが身体に沁み渡り、筋肉を弛緩させ、いい感じにリラックス出来ている……自分には分からんが疲れは溜まっているようだ。

 

 

「お、お邪魔します………。」

 

 

そんな事を考えていると、大浴場の扉が開く音と共にシャルロットが入ってきた。

 

 

「シャルロットさん?……今は女子禁制ですよ?」

 

「まだ学園では『シャルロット』じゃなくて『シャルル』だからね、問題なし。」

 

「それを言われたら何も言えんか………。まあ約束の時間までまだあるからゆっくりしていくと良い。俺はもう十分堪能したから先に上がるな?」

 

「待って‼イチカに………聞いてほしいことがあるの。良いかな?」

 

 

出ようとした俺だったが、シャルロットの目が真剣だったこともあり、浴槽から出ようと上げた腰を再び下ろした。それを確認するとシャルロットは俺と背中合わせになるように湯船に浸かった。

 

 

「『お前は自分の成したいことを見つけるんだ。そのために今を精いっぱい生きろ。』―――――そうイチカに言われたあの日から、僕なりに考えてみたんだ。」

 

「そうか……それで、答えは見つかったのか?」

 

「僕ね……この学園に残ることにしたよ。残って、破滅招来体と戦う。皆と一緒に未来を掴む。大体の事はマドカやクロエに聞いたよ。イチカが織斑先生の弟だって事も、イチカが今までどんな扱いを受けてきたのか、どれだけ努力してきたのかも。」

 

「僕はイチカの力になりたい‼僕にもう一度チャンスをくれたイチカの力になりたいんだ。この闘いに打ち勝ったその先に……僕の未来は広がってるって思うから。」

 

「それが……シャルロットの答えか?」

 

「うん。それにね―――――――――」

 

 

そう言うとシャルロットは振り向いて、イチカの首元に腕をまわし抱き付いた。この格好になると、必然的に胸がイチカの背中に―――――

 

 

「シャルロット………当たっているんだが?」

 

「口に出さないでよ、イチカのえっち……。まあ、いいや。正直なところ、イチカと過ごすこの時間を失いたくないんだ。だから……僕は戦うよ。」

 

「そうか…………分かったよ、シャル。」

 

「え?イチカ……今僕の事シャルって―――」

 

「まずかったか?」

 

「ううん全然‼これからはそれで呼んで‼」

 

 

そして大浴場を静寂が包む。聞こえてくるのは湯が流れてくる音くらいだ。その間もシャルロットはイチカに抱き付いた状態でいた。このむしろ心地いいとさえ感じる一時がシャルロットの思いを確実に駆り立てていた。

 

 

「ねえイチカ?僕は……君の事が―――」

 

 

シャルロットの言葉は最後まで言い切ることはなかった。言葉の途中でイチカが立ち上がり、湯船から上がってしまったからだ。そしてシャルロットの目には――――

 

 

「イ、イチカ……その傷は………?」

 

 

マドカ達から左肩に残った痛々しい傷の事は聞いていたが、その話の中には無かった傷がイチカの身体にはあった。いくつもの切り傷と、背中には肩から腰に掛けて一閃された大きな傷が――――

 

 

「………すまないシャル。これは俺の『罪』なんだ。俺が背負っていかなければいけない………そして縋っていないと――――俺が俺ではいられなくなってしまう。この傷が……俺自身の弱さが……俺の身体中を巡り、今ここに立たせてくれているんだ。」

 

「セシリアもラウラも簪も楯無さんも……勿論シャルも。俺の大切な繋がりなのは本当だ。だけど……今の俺では皆に対して正面から向き合えそうにない。我儘なのは俺が一番よく分かってる……その日まで待っててほしい。」

 

 

そう言い残すとイチカは大浴場から出て行った。イチカの言葉にシャルロットの瞳は揺れていた。まるでシャルロットの心の動揺を現しているかのように―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、HRの開始時間よりも少し遅れて山田先生が教室に入ってきた。心なしか、山田先生の顔色があまりよくないように思えた。

 

 

「ええっと……今日は皆さんに転校生を紹介します。……とは言ってももうみなさん知ってるんですけど……ハァ……。」

 

 

山田先生の大きな溜息と共に教室に入ってきたのはシャルだった。

 

 

「シャルロット・デュノアです。皆さん、これからよろしくお願いします。」

 

「えっと……シャルル君はシャルロットさん、ということでした……。」

 

「「「「ええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」」」」

 

 

教室に少女たちの驚きの声が響き渡る。

 

 

「デュノア君って女の子だったの!?」

 

「私はそうじゃないかと思ってたのよ。体の線が細いし……」

 

「てか昨日って男子が大浴場使ってたよね!?」

 

 

誰が言ったか分からない最後の言葉を聞いてすぐさまセシリアとラウラがイチカに詰め寄った。

 

 

「イチカさん‼詳しく説明してくださいまし‼」

 

「嫁よ‼まさかシャルロットと裸の付き合いというものをしたのか!?」

 

「ほらほら二人とも落ち着いて。」

 

「束様……兄様が着実にハーレムを築いております。」

 

 

どうしたものかとイチカが思案していると、シャルロットがイチカの席までやってきた。

 

 

「ねえイチカ、昨日の事なんだけど……気持ちの整理がついたらきちんと僕たちに向き合ってくれるんだよね?」

 

「ああ……いつになるか分からんが、必ず。」

 

「そう……分かった。それなら―――――」

 

「「「「「あああああぁぁぁぁっ‼」」」」」

 

 

シャルロットはイチカの唇に己の唇を合わせた。それを目の当たりにした一同は先程と同様に大声を上げた。

 

 

 

 

「その時はきちんと僕の気持ちに応えてくれると嬉しいな?」

 

 

 

 

 

 

 

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