IS ~この地球(ほし)の光に導かれし者~   作:メテオボーイ

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episode 22 救いの手

 

 

 

私の名前は五反田蘭。今日はお兄と鈴さんと一緒に水着を買いに来ていたんです‼

 

 

「おっ…鈴、これなんか似合うんじゃないか?」

 

「そ、そう?……アンタがそう言うならこれにしようかしら?」

 

 

だけど途中でお二人が何だか良い雰囲気になり出して………

 

 

私はそれをいち早く察知して、「私は欲しいもの買えたからもう帰るね‼後はお二人でごゆっくり‼」と言って二人きりにしてあげたところまでは良かったんだけれど――――

 

 

(どうしよう………誰かにつけられてる……)

 

 

二人と別れて帰宅している途中から、見知らぬ男に後をつけられているのだ。チラリとバレないように後ろを見ると、さっきよりも人数が増えていた。私はお兄にメールを送り、角を曲がったと同時に一目散に駆けだした。

 

 

「逃げたぞ‼」

 

「追うんだ‼」

 

 

それに気付いた男達が追いかけてきた。私は必死に走ったけど、徐々に差を詰められて腕を掴まれてしまった。

 

 

「やっと捕まえたぜお嬢ちゃん。」

 

「ちょっと、さっきから何なんですか貴方達‼」

 

 

気付けば私は既に数人の男達に囲まれてしまっていて、完全に逃げ場を失っていた。

 

 

「まあまあ、良いからちょっとこっち来いよ‼」

 

「そうそう、俺達と遊ぼうぜ‼」

 

「嫌‼やめて、離して‼」

 

 

必死に抵抗するけど男の腕はビクともしなくて振り払うことが出来なかった。

 

 

(誰か――――――助けて‼)

 

 

そう強く願った時――――――――

 

 

「夏場にむさ苦しい男どもが道のど真ん中で固まってんなよ……見てるだけで暑苦しい。その女の子離してさっさと失せろ……目の毒だ。」

 

「アアァン!?何だテメェ?」

 

 

後ろから男の人の声がした。声のした方を振り返ると、長髪を後ろで結ってメガネをかけたお兄と同じ年くらいの男の人が立っていた。

 

 

「聞こえなかったのか?それなりに分かりやすく話したつもりだったのだが……仕方ない、低能なお前らにも分かるように言ってやる。『お前ら邪魔、目の毒、さっさと立ち去れ。』分かる?」

 

「貴様、何様のつもりだ‼」

 

 

彼の言葉に苛立ちを募らせた一人の大柄な男が彼に向かって拳を振るった。

 

 

「危ない‼」

 

 

そう私が叫んだ時には時すでに遅し。彼は男に―――――――殴られるどころか拳をいとも簡単に片手で受け止めていた。

 

 

「先に手を出してくれてどうも。正当防衛成立……手本を見せてやる。」

 

「ア?何言ってやg――――――」

 

 

男の言葉が最後まで発せられることはなかった。彼の拳が顔面に炸裂して、吹き飛ばされたからだ。彼は手をパンパン、と払うと――――――

 

 

「さて……そろそろその子を離してもらおうか。」

 

「う、うるせぇ‼いけ、お前ら‼」

 

 

リーダー格の男がそう言うと、私を取り囲んでいた男たちが彼に向かって一斉に殴りかかった。

 

 

「ハァ……1、2、3――――8人か。―――――もしもし?」

 

 

一つ溜息をして男達の人数を数えると、徐に端末を取り出しどこかへ電話をかけ始めた。

 

 

「すいません束さん、面倒な輩に絡まれまして―――――ハイ……情報操作と匿名での警察への連絡をお願いします。人数は8人です。忙しいときにすいません。それで、今度はどこにいるんですか?…………イギリス?何でまた……ああ、彼女達と一緒なんですね。暫くはそっちに………臨海学校辺りには戻るんですね?分かりました、戻るときにまた連絡ください。では頼んだ件、宜しくお願いします。」

 

 

電話をかけ終え、端末をポケットにしまった頃には男たちは全員地に伏していた。彼は平然と電話を掛けながら男たちを倒してしまったのだ。

 

 

「それで………アンタはまだやるのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで………アンタはまだやるのか?」

 

 

束さんに頼んでおけばまず俺の事が表に出ることはないだろう……周りに見ている人の気配もないから大丈夫なはずだ。後は目の前の男だけだ。

 

 

「うるせぇ‼テメェはこの俺がぶっ潰してやる‼」

 

「俺を潰したかったらナイフでも拳銃でも良いから持ってくるべきだったな。それにな……こっちは毎日必死こいて生きているんだ……貴様程度に負けるようなことは―――――」

 

 

イチカは一気に男の真横まで移動すると顔面を掴み、地面に叩き付けた。

 

 

「――――――万が一にもない………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり現れた彼は一瞬で男たちを倒してしまいました……。

 

 

(何なのあの人……途中電話しながら戦ってたし。見た感じお兄と同年代くらいだけど……あんな人、この辺りで見たことないし――――――)

 

 

「―――――み――――君――――」

 

 

(何者なんだろ?それに――――)

 

 

「君?大丈夫?」

 

「―――‼」

 

 

自分の考えに没頭していたせいで蘭はイチカが呼びかけてくれているのに気が付かず、呼ばれてビクッとしてしまった。

 

 

「すまない。驚かせてしまったようだな…」

 

「いえ‼こちらこそごめんなさい‼それと、助けてくださってありがとうございました‼」

 

「気にするな…偶々近くを通りかかったら君の声がしたもんでな。連れはいないのか?君一人なら家まで送るが……まあ君に案内されながらになってしまうが………」

 

「あっ、それならおn……兄とその友達が―――「お~い、蘭‼」―――噂をすれば……」

 

「おい蘭‼大丈夫か?怪我とかしてないか!?」

 

「大丈夫だって‼お兄は心配し過ぎ‼」

 

 

蘭……この少女の名前だろう。声のした方を見やると、赤い髪からして彼女の兄と―――――

 

 

「何でお前がここにいるんだ……鈴。」

 

「それはこっちのセリフよ‼アンタこそこんなとこで何してるのよ!?セシリア達はどうしたのよ?」

 

「セシリア達なら向こうでマドカ達と一緒にいる。水着を買った先で二人と合流してな……お互い昼飯がまだだったから近くのファミレスにでも行こうと話していたところで彼女がコイツ等に絡まれていたもんでな……叩き潰しておいたところだ。コイツ等の処理は束さんに話はつけておいたから大丈夫だ……。」

 

「そうだったの……何はともあれナイスタイミングね。ありがとう、助かったわ。」

 

「別に礼など必要ないが……まあ、受け取っておこう。」

 

 

そう言って互いの拳を打ち付け合うイチカと鈴。それを見ていた弾と蘭は二人に話しかけた。

 

 

「俺からも礼を言わせてくれ。妹を助けてくれてありがとな。蘭も礼言ったか?」

 

「言ったわよ‼…それより鈴さん、この人と知り合いなんですか?」

 

「知り合いも何も一緒の学園通ってるわけだし……」

 

「ええっ!?じゃあこの人って……」

 

「そ……今世界にたった一人だけのIS男性操縦者よ。」

 

 

鈴の説明に二人は唖然としていた。まあ、俺の立場を考えれば致し方なしか……

 

 

「とりあえず、俺がここにいた事は口外しないでほしい。詳しくは話せないが………」

 

 

イチカの言葉に三人は頷く。それを確認するとイチカはセシリア達のもとへ戻ろうとするが、弾に引き留められた。

 

 

「そういや名前聞いてなかったな……ニュースとかでは『男性操縦者』としか言ってなかったからな。俺は五反田弾、こっちが妹の蘭だ。」

 

「そうか、君が………弾、蘭。君たちに話しておかなければいけないことがある。少し時間、良いか?」

 

「良いけど……蘭はどうだ?」

 

「私もこの後は何も予定はないから大丈夫です。」

 

「そうか……鈴、場所を移したい。どこかいい場所はないか?昼飯の為にファミレスに行こうと思っていたんだが予定変更だ。」

 

「それなら弾の家が定食屋だからそこが良いわ。貸し切りにすれば何とかなると思うから……その代わり、たくさん食べなさいよ。」

 

「交換条件か?」

 

「まぁね。一応看板娘的ポジションだし?」

 

「セシリア達も入れれば大丈夫だろ。まずはそこへ案内してくれないか?」

 

 

イチカは鈴たちに案内されながら、五反田食堂へと向かった。

 

 

 

 

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