IS ~この地球(ほし)の光に導かれし者~   作:メテオボーイ

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文章力が無いから書きたいことがなかなかまとまらない日々・・・・


episode 3 似た者同士

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の昼、俺はマドカ、クロエ、オルコット、のほほんと一緒に屋上に来ていた。

 

 

「ここでランチになさるのですね。私てっきり食堂に向かうものだと思っていましたわ。」

 

「食堂だと俺のせいで集まってくる輩のせいで落ち着いて昼飯も食えないからな。ここの方が静かに食えると思ったんだ。」

 

「でもでもイッチ~、私たち食べるもの何も持ってないよ~。私はもうおなかぺこぺこなのだ~」

 

「そこは心配ご無用。クロエ、あれ出してくれ。」

 

「分かりました」

 

そう言ってクロエは拡張領域から大きなお弁当箱を取り出した。

 

「どうぞ」

 

「ありがとクロエ。マドカに持たせるとつまみ食いするからな、クロエの拡張領域は広いから持ってもらってるんだ。多めに作ってあるから二人も食べてくれ。俺特製の手作り弁当だ。」

 

「「おおぉ~、いただき(ま~す)(ますわ)‼」」

 

 

よほど俺の料理が気に入ったのか、どんどん箸がすすむオルコットとのほほん。こんなにおいしそうに食べてくれるんなら朝早く起きて作ったかいがあるってもんだな。

 

 

「俺たちは昼は交代制で弁当作ってくるからオルコ…セシリアとのほほんの分くらいだったらついでに作ってきてやろうか?」

 

「イ、イチカさん‼今、私の事をセシリアと‼」

 

「俺たちはもう友達だからな。まずかったか?」

 

「いえ‼セシリアとお呼びくださいまし‼」

 

「分かった。それで弁当の方はどうする?」

 

「お言葉に甘えますわ。私、お料理は苦手でして…」

 

「私は~作れなくはないけど~食べるほうが得意なのだ~」

 

「じゃあ今度料理、教えてやるよ」

 

「本当ですの!?(お近づきのチャンスが来ましたわ~‼)」

 

 

そんなやり取りをしながら昼食を取り終えた俺達は連絡先を交換し、最後に全員で写真を撮った。

これが最初の一枚…この学園で、そしてこの先も増え続けていくことだろう―――――そのためにも、クリシスの導き出した試練に打ち勝たなくては―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな光景を影からこっそり覗いているものがいた――――――

 

 

(ふ~ん、あれがイチカ・クロニクル君ね…それとマドカちゃんとクロエちゃんか…謎多き転入生、少し調べてみようかしら?―――それにしてもさっきのお弁当、おいしそうだったわね…お近づきになれば私も食べられるかしら?ウフフ、これからが楽しみね♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(誰だあそこにいるのは?まあ、悪い気配じゃないからいいんだけど…)

 

 

 

 

――――――ということにイチカをはじめ三人は気づいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そろそろ午後の授業が始まる時間になったので俺達は教室に向かっていたのだが、俺はふと、ある教室の前で足を止めた。その教室の端っこで一人の生徒が、鬼気迫るような真剣な眼差しで画面に向かっていたのだ。

 

 

(あの子…)

 

「兄さん、どうかしたのか?」

 

「イチカさん、急ぎませんと授業に遅れてしまいますわよ?」

 

「ああ、悪い。今行く。」

 

 

このままだと授業に遅れちまう‼急がねえと……それにしても…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あの子、あの時の俺と同じ眼をしてた…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やっと見つけた…勝手に部屋番号を変えおって‼)

 

 

千冬が今いるのは最上階の角部屋、9629号室の扉の前である。もちろんここがイチカ、マドカ、クロエの部屋であるのだがこのことを知っているものはセシリアとのほほんだけである。

 

いつまでもこうしている訳にもいかないので千冬は部屋に入るためにノックをしようとしたのだが―――

 

 

「入っていいですよ、織斑先生」

 

 

ノックをする前に中から声がかかったので仕方なく扉を開けると、部屋の内装はものの見事に改装されており、三人でも広いとさえ思われるようなきれいな内装になっていた。

 

 

「勝手に改装するな…」

 

「三人で生活するのにはちょっと狭かったからな。角部屋だったこともあって広めに改装させてもらった。」

 

「まったく…束の仕業か?」

 

「そうです。」

 

 

千冬はソファーに三人と向かい合うようにして座っている。

 

 

「あの時は助けに行ってやれなくてすまなかった。」

 

 

先に切り出したのは千冬。頭を下げた状態のまま話を続ける。

 

 

「あの時私はお前たちが誘拐されたという事実を政府から知らされていなかったんだ。知らされていたら私はモンド・グロッソの決勝戦など出場しないでお前たちを助けに行けたのに!決勝戦が終わってからドイツ軍からもらった情報でお前たちを探しに行ったんだが…お前たちを見つけ出すことは出来なかった。本当にすまない‼謝って済むことではないことはないことは重々分かっている。本当にすまない‼」

 

 

今一度深々と頭を下げる千冬。その様子を黙ってみていた三人だったが、イチカが口を開いた。

 

 

「頭を上げてくれよ、織斑先生。いや―――――――――『千冬姉』」

 

「そうだぞ姉さん。」

 

「一夏……マドカ……私を恨んでないのか?…私をまだ姉と呼んでくれるのか?」

 

「恨むどころか謝らなくちゃいけないのは私たちのほうだ。勝手に行方をくらませて、迷惑をかけたのは私たちのほうだ。姉さんは軍や政府が捜索を打ち切る中一人で私たちの事を探してくれていたんだろ?」

 

「それに今のつながりも俺にとっては本物だけどさ…本当に血がつながってるのは俺達だけだろ?千冬姉。」

 

「一夏……マドカ……うわあああぁぁぁぁぁぁ‼」

 

 

千冬はイチカとマドカに抱き付き普段は見せない涙を思いっきり流した。今までの孤独を埋めていくかのように――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで一夏、マドカ。お前たちはこの数年間、一体何をしていたのだ?」

 

 

それから暫くして、すっかり落ち着いた千冬が二人に聞きたかったことを聞いた。

 

 

「ああ、それは―――――」

 

 

イチカは思い出すようにすべてを話した。誘拐事件の時に束に助けてもらってそのまま束のもとに身を隠したこと、ISの知識と武術の鍛錬を行っていたこと、その理由が束の開発した光量子コンピュータ『クリシス』によって予言された地球と人類に破滅をもたらすものの襲来であること、自分たちの夢である『ISで宇宙に飛び立つこと』を叶えるためにはそれに打ち勝たなくてはならないこと、しかしその『破滅をもたらすもの』が一体何なのかは束にも分からないこと――――等々、今現在で話せる範囲の事はすべて話した。

 

 

「そうか…まあ深いところまでは詮索はしない。そもそも私の頭で理解できるか分からんからな。せめてもの罪滅ぼしとして私に出来ることなら協力させてもらう。何かあったら遠慮なく言ってくれて構わん。」

 

「ありがとう千冬姉。よし、気難しい話はここまでだ。千冬姉、夕飯まだだろ?ついでに食べてくれよ俺の手料理をさ。」

 

「数年ぶりの一夏の手料理…無論、いただこう‼」

 

「姉さん、洗濯や料理は今までどうしてたんだ?」

 

「だいぶましにはなったがな…料理に関してはどうも一夏の料理以外は味気なく感じてな…」

 

「じゃあみんなで食べるか‼束さん、そろそろ出てきたらどうです?あなたの分、なくなっちゃいますよ?」

 

 

イチカがそう言うと、束がベッドの下から出てきた。如何やら最初からいたようだ―――。

 

 

「それは困るな~、束さんもうお腹すきすきだよ~‼やあちーちゃん、おひさーだね~。いっくんと束さんが姉と弟の関係ってことはちーちゃんと束さんも家族ってことだよね~‼さあ、家族の愛を確かめるためのハグハグを―――ヘブッ‼」

 

 

お決まりの千冬のアイアンクローが束の顔面にクリーンヒット。それでもすぐに復活し料理を食べ始める。

 

 

「まったく…ああこの味だ…」

 

「それは何よりだ。――そうだ千冬姉、整備室って使えるか?」

 

「ああ。いつ使ってもらっても構わん。場所は布仏妹に案内してもらえ。」

 

「のほほんって姉がいたのか―――まあいいや、今度の休みは整備室で調整するか。マドカとクロエはセシリアの訓練を見てやってくれ。休日の作業は俺一人でも大丈夫だから。」

 

「分かった。アリーナにいるから何かあったらいつでも呼んでくれ兄さん。」

 

「私もです。」

 

「ああ、その時は頼むな?」

 

 

こうして俺たちは久しぶりに家族での食事を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかんいかん…美味しすぎてついつい食べ過ぎてしまったな。まあ一夏の料理なら仕方ないか…それにしても一夏の奴、また腕を上げていたな。ん?アイツは……

 

千冬の部屋は寮長室となっているのだが、その部屋の前に一人の生徒が立っていた。その生徒とは――――

 

 

「篠ノ之、こんな時間に何をしている?早く部屋に戻れ。」

 

 

部屋の前にいた生徒の名前は篠ノ之箒。束の(一応)妹で、イチカ達と同じクラスである。

 

 

「千冬さん…アイツは一夏なんですか?」

 

「違う。アイツは一夏とは別人だ。」

 

「そんなはずありません‼あれは間違いなく一夏です‼姉さんに変な事を吹き込まれたに違――「調子に乗るなよ小娘」‼」

 

 

箒の言葉を聞いて、千冬の様子が一変した。

 

 

「ち、千冬さん?」

 

「お前はいつから人のことをとやかく言えるほど偉くなったんだ?上から物を言うところはいつまで経っても変わらんな…」

 

「ぐっ…」

 

「それにだ…仮にクロニクル兄が一夏だったとしてもだ…篠ノ之、お前に一夏に会う資格があると思っているのか?…もう遅い、早く部屋に戻れ。今なら見逃してやる」

 

 

そう言われて箒はそれ以上何も言わずにおぼつかない足取りで自室に戻っていった。

 

 

 

一夏達と箒の間には過去に浅からぬ因縁のようなものがあるのだが、このことはまた別の機会に――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休日、イチカは朝からのほほんに案内されて整備室に来ていた。

 

 

「のほほん、案内ありがとな」

 

「全然良いよ~。私は~かんちゃんのところにいるから~何かあったら呼んで~」

 

「かんちゃん?」

 

「私の友達だよ~。かんちゃんも一人で専用機を作ってるんだ~」

 

「一人で?どんな子なんだ?」

 

「呼んでも反応ないと思うから会ってもらった方が早いかも~」

 

 

そう言われて整備室の奥に行くと、そこにいたのは先日通りかかった教室の端っこで作業をしていた女の子だった。ずっと作業をしていたのか若干目の下に隈があり、癖っ毛のある水色のショートヘアーがボサボサになっていた。

 

 

「かんちゃ~ん‼」

 

「………」

 

 

のほほんが呼んでもかんちゃんと呼ばれている子は余程作業に没頭しているのか、まったく反応しなかった。

 

 

「ねえねえかんちゃんってば~‼」

 

「………何、本音?」

 

「も~かんちゃんってば、全然気づいてくれないんだもん‼」

 

「ゴメン…アナタは?」

 

「転入生のイチカ・クロニクルだ。よろしく。」

 

「私は、簪……更識簪」

 

 

簡単な自己紹介を済ませると彼女は再び作業に戻ろうとする。

 

 

「更識さんは一人で専用機を作ってるってのほほんに聞いたんだけど本当か?」

 

「そう…倉持技研での機体の製造が突然ストップしてしまって…それにこれは私一人で完成させないといけないの…」

 

「製造ストップは俺が関係しているな…俺への専用機を優先させたせいだ。すまない。」

 

「良いの…この機体は私が完成させるから。」

 

 

そう言って再び画面に視線を移す簪。その背中を見ていたイチカが薄々思っていたことを口にした。

 

 

「なぁ更識さん…もしかして兄弟とかっていたりする?」

 

「お姉ちゃんがいる…それが?」

 

「もしかして…こう周りから言われてきたんじゃない?―――『どうしてお姉さんは出来るのに貴女は出来ないの?』って…」

 

「‼…貴方には、関係ない。」

 

 

毅然と振る舞っているけど、明らかに動揺の色が見えた…やはりな。

 

 

「おそらく更識さんがそこまで一人で専用機を完成させようと躍起になっているのもその『優秀な』お姉さんが関係してるんだろ?一人で専用機を完成させた、とかな。それなら、自分も専用機を一人で完成させて己を…『優秀な姉の妹』としてではなく、『更識簪』として認めさせてやる――――そう思ったんじゃないのか?」

 

 

「………うな…………いで………」

 

 

その瞬間、簪はイチカの襟元を掴んで引き寄せ、ヒステリックに叫んだ。

 

 

「分かったような口を利かないで‼」

 

「か、かんちゃん落ち着いて~‼」

 

 

のほほんが慌てて止めに入るが簪の耳には入らない。

 

 

「貴方に何が分かるっていうの!?…貴方の事は噂で聞いた。篠ノ之束の弟で専用機も自作してるって…そんな優等生の貴方に…私なんかとは違って何でも出来るお姉ちゃんと事あるごとに比べられて‼その挙句お姉ちゃんには『私が守ってあげるから簪ちゃんは無能でいなさい』って言われた私の気持ちが…貴方に分かるはずがない‼」

 

 

簪の叫びをイチカは目を逸らさずに聞いていた。簪の目には涙が溜まっている。

 

 

(やっぱり今の更識さんは…あの頃の俺と同じだ。)

 

 

イチカはどうしても彼女を放っておくことが出来なかった。イチカは一度目を閉じ、再度開くとポツリと話し始めた。

 

 

「―――ある家族の話だ…」

 

「いきなり何を……」

 

 

黙っていたイチカが急に話し始めたからか簪は少し困惑していたがイチカは構わず続けた。

 

 

「まあ聞けって…その家族には両親がいなくてな、お姉さんと弟と妹の三人兄弟だった。お姉さんは世間一般に言う『優秀』の部類の人で弟と妹は周りよりは優秀だったが人よりちょっと出来る程度だった。仲良く暮らせていた日常もあることを境に脆くも崩れ去った。」

 

「…何があったの?」

 

 

簪も話に興味を持ったのかいつの間にか掴んでいたイチカの襟元を離し、大人しく話を聞いていた。

 

 

「お姉さんが世界最強になってしまったんだ。」

 

「世界最強?どういうこと?」

 

「お姉さんは三人分の生活費を得るためにモンド・グロッソに出場して優勝した。その半面で弟と妹に対する世間の評価は変わってしまった。『お姉さんはあんなに優秀なのにどうしてあなたたちは出来ないの?』と学校の先生に怒鳴られ、そのせいで学校では孤立してしまい居場所が無くなってしまった。街中を歩いても白い目で見られ、お姉さんを崇拝する人やファンの人たちからは暴力も受けた。最終的にはお姉さんのモンド・グロッソ連覇を阻止しようと企んだ連中に二人は誘拐までされた。」

 

「二人が誘拐されたことを政府はお姉さんには黙っていた。連覇してもらうためにな。結局二人はそのことを偶然知った篠ノ之束に救出された。束のもとで修業をした二人は数年後、お姉さんと再会し和解した―――」

 

 

整備室を静寂が包む。

 

 

「…クロニクル君、アナタはもしかして…」

 

「更識さんの思っている通りだ。――俺の旧姓は織斑一夏、妹は織斑マドカ、姉は一組の担任の織斑千冬だ。一応束さんの情報操作で世間では俺とマドカは死んだということになっている。一応これ、重要機密だから他言無用で頼むな。」

 

「分かった。でもどうしてそんな大事なことを私たちに?」

 

「のほほんはIS学園での初めての友達だし、人騙すような器用なことは出来ないだろうし…。更識さんは俺の境遇を理解してくれるだろうし、それに何となく羨ましかったのかもな…。」

 

「イッチ~、それって私の事バカにしてない~?」

 

「裏表がないから信用できるってことだよ」

 

「ならオッケーだよ~♪」

 

「私が羨ましい?」

 

「ああ。俺達の周りに俺たちと仲良くしてくれる奴らなんかいなかったし友達もいなかったからな…千冬姉には心配かけたくないから言えなかったし。それに比べて更識さんにはのほほんのように心配してくれるやつが傍にいるじゃないか。それにお姉さんも君の事をちゃんと思ってくれているはずだ。」

 

「本音はそうかもしれないけど…お姉ちゃんは私の事なんて…」

 

 

そう言って視線を落とす簪。

 

 

「そんな訳ないだろ…」

 

 

イチカは簪の頭に手を置き、簪の頭をなで始めた。

 

 

「お姉さんは、更識さんのお姉さんとして妹を守るのは当然だと思ってるんだよ。そういうことを言ったのも更識さんを思うが故のことだったんだろ…。」

 

「お姉ちゃん…」

 

(しかしまあ…)

 

「姉というものは口下手な生き物なんかね?千冬姉だってそうだもんな…貴女もそう思いませんか、『お姉さん』?」

 

 

簪の頭に手を置いたままイチカは先ほどからしていた気配に呼びかける。

 

 

「身に覚えがありすぎて聞いてて耳が痛いわね…いつから気づいてたの?」

 

「そうですね…しいて言うなら先日セシリア達と屋上で昼飯食ったときからですかね。恐らく謎の転入生の情報収集といったところでしょうが…」

 

「あら…私もまだまだね。」

 

イチカの呼びかけに答えて柱の陰から出てきたのは簪と同じ水色の髪の毛の女性。

 

 

「私は更識楯無。一応この学園の生徒会長でロシアの国家代表よ。よろしく」

 

「イチカ・クロニクルです。楯無さんもさっき聞いた話は他言無用でお願いします。」

 

「分かってるわ。事情が事情だものね。」

 

 

どうやらこの人も信頼できる人のようだ、一先ず安心だな。―――さて…

 

 

「じゃあ、邪魔者はこれで退散します。あとは姉妹でごゆっくり、のほほんも行くぞ。」

 

「うい~」

 

「あら、もう行っちゃうの?」

 

「まずはお互い面と向かってきちんと話し合ってください。分かり合おう、理解しようと思わないとその溝は勝手には埋まりませんよ。更識さんの話を聞いた感じ楯無さんも千冬姉と同じく口下手なようですからね…きちんと言わないと今回みたいなことになりますよ?」

 

「それは嫌ね…」

 

「更識さんもきちんと思ってることを楯無さんにぶつけるんだ。こういうときは本音でぶつからないと意味がないからな。あと、これは俺の連絡先な。何かあったら呼んでくれ、いつでも力になるから。」

 

「う、うん…ありがとう。あと、私の事も簪で良いから。」

 

「分かった。じゃあ簪、楯無さん、俺達はこれで。」

 

「かんちゃん、かいちょ~後でね~‼」

 

「じゃ、じゃあね。」

 

「バイバ~イ‼あ、そうだ…今度私たちにもイチカ君のお弁当食べさせてほしいな~」

 

「きちんと仲直り出来たら考えます」

 

 

そう約束をしてイチカと本音は整備室を出た。本音はこのままセシリア達が特訓してるであろうアリーナに向かうと予想していたのだが、イチカは入口の横にそのまま腰を下ろし、手持ちのパソコンを開いてその場で調整を始めた。

 

 

「イッチ~、アリーナに行かないの~?今行けば―――」

 

「今はここの門番だ…」

 

 

そう言ってイチカは作業を再開した。本音はそんなイチカとパソコンの画面を交互に見ながらイチカの隣に腰を下ろし、一緒に門番を務めることにした。太陽の光が差し込み、そこにはとてものどかな空気が流れていたのだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころ――――――――

 

 

 

「大気圏に異相の歪みを感知…ワームホールが…開く…」

 

 

大気圏に通常なら起こりえない時空の歪みが発生していた。

 

 

「一体何が…これは!?」

 

 

画面に映し出された情報に束は自分の目を疑った。

 

 

 

 

 

 

「ワームホールから出てきた飛来物体の中に…大きなエネルギー反応と…生命反応!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破滅をもたらすものが今、地球に舞い降りる――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはまだ、ほんの序章に過ぎない――――――――

 

 

 

 

 

 








そろそろ変身させないと・・・・
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