弓塚さつきの奮闘記   作:第三帝国

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もうロリコンでイリヤ。
プリズマ☆イリヤを見つつ、そんな日々を過ごしております。
秋のUBWも楽しみです。




正午12:00

 

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

と、有名な文学作品のフレーズがあるが――――ドアを抜けるとカオスであった。

 

「あは、オバサンなかなかやるね」

「あ゛!?この糞餓鬼がぁーーー!!」

 

金髪の少年と、

桃色の髪を持つ少女が互いに宝具と魔術をぶつけ合う。

流れ弾が喫茶店の床や机を破壊し、破片があたりに散乱する。

おっかしいなぁ、ボクはヒロインの座を狙う化け猫退治を依頼されたはずだけど。

 

というか、桃色の少女はもしかしてキャス狐か?

うぉおおお、リアルキャス狐キタコレ!

 

なんだ!あのけしからんスタイルは!!

アルクェイドさんやシオン、秋葉さんとか美少女は見慣れているけど、

流石かつて帝に魅入られた絶世の美女、キャス狐マジ美少女。

 

そして、隣にいる学生服の少年はそのマスター、ザビエルだな。

エクストラエンドならば4畳半アパートであんな美少女と同居してるんだよな……爆せリア充。

 

「あ、あのー喧嘩はその、本当によくニャイから辞めませんか―――って今掠ったニャーー!!?」

 

なんか足元から声が聞こえるから視線を向けると、いた。

本当にそれは奇妙な生き物であった、なぜなら見た目は動物の属するにも関わらず人語を解していた。

 

それだけなら、魔術の世界ならばさほど珍しくないが、問題はその造形だ。

2速歩行で人間の服を着て、頭にこれまた人間のような髪を生やしていた上に、その顔が実に奇妙であった。

神の造形ミスを疑いたくなるようなアンバランスな配置、特にその瞳は宇宙人グレイのごとく顔の面積の多くを占めていた。

 

早い話美少女マンガの大きな瞳をしたヒロインがそのまま三次元に登場したらどうなるか?

そんな思考実験的代物がボクの視線の先に存在しており――――ネコアルクはグロイというよりクリーチャーだった。

それこそ、クトゥルク神話で出てくるようなクリーチャー並に見るに耐えられるものではなく、ボクのSAN値が一瞬急降下した。

 

体温が一気に低下し、ガチガチと恐怖で歯が鳴る。

心臓もまた恐怖と極度の緊張で暴発寸前で今にも暴発し、その動きを止めてしまいそうだ。

 

また、冷や汗も流れる。

息もひゅーひゅーと吐くだけでうまく呼吸することが出来ずにいる。

 

化け物、血を吸う鬼になってもなんて様だ。

今は奴は自分を見ていないがもしもこちらを向いた時、ボクは正気でいられるだろうか?

あの、大きな瞳が自分の姿を捉えた時、果たしてボクは――――。

 

「弓塚さん、どうかしましたか?」

「…………っ、あ、い、いや何でもない!」

 

ヤバイ、琥珀さんが呼びかけていなかったら本気であのままSAN値直葬しそうになった。

というか、何でこいつだけ二次元的描写に忠実なんだ!!?

 

今まで見たことなかったグロイ、

キモイと皆が口を揃えていたけどその気持ちが分かるよ……。

で、リーズバイフェはこれをキモ可愛いと申すとか、訳が分からないよ。

少なくてもシオンよりも芸術のセンスはあるというのに、どうしてアレを好むのか理解不能だ……。

 

「さて、弓塚さん。あのお二方を止めましょう!」

 

なんて考えていたら琥珀さんが両手に注射器を挟みそう言った。

……え゛冗談ですよね琥珀さん、あれをボクが止めろと?

 

「当然じゃありませんか、アーネンエルベを守るために弓塚さんを雇ったんですから」

 

何を言っている?と言わんばかりに返された。

あ、あのー琥珀さん相手はどちらも神話世界の住民ですよ?

片や古代メソポタの英雄、片や国を傾けた傾国の美女にして最強の魔、勝てるわけないでよー。

リアルに二次元的表現を再現したせいでクトゥルフ生物みたくなったネコアルクを相手にするよりましかも知れないけど。

 

「まあ、確かに元悪神とはいえ今は正義の味方症候群の肉体を借りているだけの抜け殻。

 弱体化しているよーだが、マジモンの神の類を相手にするのは少しどころかオレの自滅技でもキツイぜ」

 

気だるげにアヴェンジャーが呟いた。

どうやら、この全身刺繡男は意外とまとものようである。

よし、このままアヴェンジャーと共同戦線を張り逃げてしまおう。

 

「ケケ、だがオレは別にかまわないぜ」

 

あ、アヴェンジャー、この戦闘狂がぁー!!

 

「アハ、大丈夫ですよ弓塚さん、

 赤信号、皆で渡れば怖くない、という言葉があるじゃないですか」

 

色々一杯な自分に対して、

琥珀さんは向日葵のような笑顔を浮かべつつそう励ました。

だけど、琥珀さん赤信号を渡ったら普通に車に轢かれますがな……。

 

「覚悟を決めろ、吸血鬼。

 アーネンエルベで素敵なパーティーをしようぜ」

 

某ソロモンの悪魔のような言い回しでアヴェンジャーがニヤニヤと話しかける。

逃げようにもさり気無く琥珀さんが退路を絶っており、前方は子ギルとキャス狐が絶賛戦闘中だ。

 

あー分かった、分かりましたよ畜生!

英霊2人を張り倒すだけの簡単なお仕事をこなせばいいのですね!

 

「あーもう、分かりましたよ琥珀さん、行きますよ。

 ええ、行きますからその怪しいお薬を準備しないでください」

 

「おやおや、違法じゃないお薬ですから大丈夫ですよ?」

 

注射器を自分に刺す素振りを見せていた琥珀さんは、

何のことかしら?と人懐っこい表情と共に惚けて見せた。

…………一体どういう薬を注射する気だったんだ?

 

「カカ、話しは纏まったようだな、んじゃ一番乗りはオレだ」

 

「ちょ、アヴェンジャー」

 

隣のコンビニに行って来るのノリで、

ボクが止めるより先にアヴェンジャーが突撃した。

何の考えなしにカチコミするなんて何時も皮肉っている正義の味方同様正気じゃないな!!

 

「オレにも混ぜさせ…」

「あ゛何ですか?」

「君、邪魔だから」

 

そして案の定というべきか、

アヴェンジャーが2人に飛び込んだ瞬間、

キャス狐の魔術に子ギルの宝具が飛来し、アヴァンジャーの周囲は粉塵に包まれる。

 

ボクは粉塵にむせるる。

そして粉塵が晴れた先にいたはずのアヴェンジャーはいなかった。

 

いや、視線を天井に向けるといた。

アヴェンジャーはカニファンのランサーと同じく天井に突き刺さっていた。

 

アヴェンジャーが死んだぁあぁぁああ!

というか全身刺繡で無くなっているから衛宮士郎に戻っている……衛宮士郎も死んだ!この人でなし!

 

「あー何ですかそこの方々、私の喧嘩を邪魔するつもりですかー?」

 

アヴェンジャーが突撃したせいで、

最悪なことに今度はボクの方にタゲられた。

子ギルも興味津々といった感じで宝具がこちらに向いている。

 

逃げようにも狭い喫茶店。

ゆえに、前に進む以外道はないのだ――――畜生、やってやる!

 

 

 

※  ※  ※

 

 

 

少女が2人歩いていた。

その事実だけなら、どこにでもある現象であったが、

2人はこの国ではいわゆる「ガイジンさん」である上に2人揃って美女と来た。

 

1人は金髪碧眼の少女。

ネクタイを外す習慣が根付いて久しいこの国の習慣に反するように、

この暑い時期にブラウスの襟元をリボンできっちり結んでいた。

 

にも関わらず汗をかかず涼しげな表情を浮かべている事実から、

少女は体を鍛えている事が推測される、現に歩き方も武術を嗜む者特有の体のブレがない動きをしている。

 

そして、見た目から年は高校生にようやく届くと思われるが、

中性的な顔立ち、愛らしいと表現するより凛々しい顔つきで、どこか剣を連想させた。

 

もう1人の少女もまた美少女であった。

ただし、先の1人より女性らしい顔つきをしている。

体の方も女性らしさに溢れており、たわわに実った双球が服の下から突き出ていた。

 

また碧眼の少女よりも感情表現が豊かで、

紅い瞳はクルクル動き、表情が話すたびに変わった。

 

そして、美少女たちの正体は、

碧眼の少女は英霊のセイバー、紅眼の少女は真祖の姫アルクェイドであった。

 

「で、セイバー。

 夏のプリズマ、秋のUBWといい今年の型月はFateアニメ祭りね。

 おめでとー、いいなー私のほうはエクストラで友情出演して以来暇よー」

 

アルクェイドが夏、秋と連続してFateシリーズが放映されることに、

セイバーに賞賛を送ると同時に、いつまでたってもリメイク版が出ない自分の現状を嘆いた。

 

「ありがとうございます、アルクェイド。

 ですが、いずれ月姫のリメイク版もでるはずですから、アルクェイドも大丈夫です」

 

「何年先の話になるか分からないけどねー。HFが劇場版で放映される予定だし」

 

セイバーが慰めの言葉を綴るが、

アルクェイドは頬を膨らませて不貞腐れる。

 

無理もない。

これまで小出しに月姫の続編やリメイク版の情報は出たが、

続々と各種メディアで展開するFateとは違い、月姫には動きがまったくと表現していいほどない。

 

幾ら月姫が2000年に登場した古い作品とはいえ、

2004年にアダルトゲームとして登場したFateも今年で10年。

Fateシリーズはその勢いが減速することなく、未だ根強い人気と派生作品は増殖が続いている。

 

しかも、月姫よりも古い。

始めはウェブ小説でしかなかった空の境界に至っては劇場で全話が放映されている。

型月3大ヒロインとして、そして月姫のメインヒロインとしてアルクェイドはまったく面白くなかった。

 

「き、きのこがダークソウルに飽きるのに期待しましょう」

 

「飽きる何て期待はしてないわよ、セイバー。

 あの暗黒世界観、一撃死上等の鬼畜設定とか、きのこの好みにドンぴしゃりだし。

 例えるなら、八極拳神父に穴を埋められて、思わず気持ちよすぎてダブルアヘ顔ピース状態のケリーのように」

 

「ちょ…!?アイリスフィールみたいな例えはよしてください!

 貴女は、貴女だけはそうではないと私は信じていますから、もっと言葉を選びなさいアルクェイド!!」

 

セイバーが苦し紛れな慰めの言葉をかけたが、アルクェイドは腐ったネタを吹っかけた。

ゼロ以来増えたホモォなネタを混ぜている所から見るに、アルクェイドは相当不貞腐れているようだ。

 

そして、セイバーはドラマCDで守るべき主君ともいえる存在が、

アイリス腐ィール、すなわちホムンクルスならぬ、ホモォクルスへ進化した事を知るだけに慌てる。

 

「ああ、そういえば。

 秋に放映されるUBWなら定番のアッー!チャー×槍(意味深)だけでなく、

 肉塊×ワカメの触手プレイ、金ぴか×狂戦士のリョナプレイな組み合わせもできるわね」

 

「……っ!!」

 

駄目だ腐っていやがる。

早急に何か話題を変えなければ。

さもなければ、よりアルクェイドが腐界の深みに入り込んでしまう。

 

冷や汗を流しつつセイバーは内心で独白する。

何か、何か話題を変えられるものはないか!!?

セイバーは周囲を見渡すが、何も――――いや、あった。

 

「きょ、今日は月がきれいです……ではなく、暑いですね。

 アルクェイド、アーネンエルベに着きましたし、まずは冷たい物でも飲みましょう」

 

「え、あっ、ちょっと!

 まだ、ゲイ♂ボルクが主人公の……」

 

アルクェイドの腕を掴み、

セイバーは強引に喫茶アーネンエルベに入店する。

最後の不穏な台詞については、聞こえなかったフリをして。

 

同時に、これ以上腐った話を聞かずに済む。

そう安心したが、アーネンエルベの有様に驚きの声を挙げた。

 

「な、なんなのですかこの惨場は?

 というか、シロウ!しっかりしてください!」

 

虎の着ぐるみが頭から床に突っ込み、

セイバーのマスターである衛宮士郎が天井に突き刺さりぶら下っている。

他にも桃色の髪をした少女に、妙にカレーが匂う筋肉質の男が床に倒れていた。

 

当然のことながら喫茶店の内装はボロボロで、

まるで戦争でも起こったかのごとく廃墟当然の有様であった。

 

「うっわ、何このカオス?

 というか、そこの着ぐるみはさっちん?」

 

セイバーの後ろからアルクェイドが顔を覗かせ、アーネンエルベの有様に眉をしかめる。

 

一体何があったのか?

そんな疑問が2人の中に疑問として浮かぶが、手がかりはない。

振り子時計が正午12:00の鐘を鳴る中、2人はただただ途方に暮れた。

 

 

 




追伸
なんかまたキノコが日記でネタなのか分からないけど、
Fateの新シリーズを出すような予感が・・・。
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