トラセンドです
今回、この作品を出したのは他の作者さん達の作品を読んでいたのと 最近、ネプテューヌのゲームをプレイし始めたので『よし、書こう!』と勢いよく書き始めました
更新はガチで遅くなると思いますが、気長に見守ってくれると嬉しいです
とある病院
「はぁ……。」
ここに入院している少年、風城 蓮(ふうじょう れん)は窓から外の景色を眺めていた
「なーんでこうなっちまったんだろう…」
少し前に交通事故に遭った蓮は二度と歩く事ができなくなっていた………下半身付随である
コンッコンッ
誰かがドアをノックする、大方看護婦だろうと蓮は予想する
「蓮、居る?入るよ」
しかし予想は外れ、実妹が入室してきた
「鈴…。」
「何よ?唯一の家族がお見舞いに来たっていうのに不満?」
唯一という言葉に疑問に思うだろうが、蓮達に両親は居ない……いや、正確には居なくなったと言えば正しいだろう
母は浮気で離婚し、父は酒に酔って暫くしない内に帰ってこなくなったのだ
蓮はこの時から妹を養う為にあらゆる事をした。
通っていた高校に事情を話して中退し、アルバイトを複数持ち合わせた
ある日は朝から昼までのパートをし、そこから次のバイト先に行って夜まで働き
またある日は朝から晩までのフルタイムをこなしていく
休日は無く、毎日が仕事で明け暮れ、普通の人間なら倒れてもおかしくない事を蓮は必死に食らいついた
幸い、家はアパートだったので家賃は何とか払い切る事が出来た。その事だけでも蓮は少しばかり気が楽になり、残りのやるべき事に打ち込んだ
しかし、それもつかぬ間……蓮は自転車でバイト先に向かっている途中、信号無視をした自動車に跳ねられて現在に至っている
「不満じゃないさ…こうやって話し相手が居てくれて助かってる。」
「クスッ なにその老人が言いそうなセリフ」
ーーーそしてお互い僅かながら時間ながら会話を楽しんだ
妹が帰宅してもう夜中……就寝時間となって辺りが真っ暗になった時 少年はふとある出来事を思い出す
ーーーーなぁ風城、もし生まれ変わるとしたらどんな所で何をしたい?
そう、自分の通っていた学校で親友の一人がそんな事を聞いた。
彼は大のラノベ・アニメ好きで特にSF物がお気に入りであり、新作ゲーム等の発売には必ず初回限定版を購入して小遣いの大半がその分で占めている程の人物である
蓮も小さい時からアニメや漫画が好きで彼と出会ってからすぐに友達になり、他の同志も誘ってよく遊んだのを覚えている
そんなある日、彼はそんな事を聞いたのだ……
最初はいまいちピンとこなかった。しかし
今の蓮は僅かながらゆっくりとその問いに答えることができた
「もしも生まれ変われるなら……ゲームの世界で仲間と一緒に冒険したいものだな」
そして蓮は布団を被り、眠ることにした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……っ!?」
次に目を覚ました時、それは日の光が差し込む朝ではなかった
辺りを見回しても一面真っ白の空間……
「どうなってんだよ…一体?……あれ?」
混乱する中、蓮はあることに気づく
自分が立っていること
「立っている…もう寝たきりだったはずの俺が……また歩ける…!」
蓮はもう一度自分の意思で身体を動かせる事に嬉しくなり、少し涙を流した
ーーー目が覚めたみたいですね…
「ッ!?」
不意に女性の声が聴こえ、蓮は反射的に辺りを見回す………しかし誰もいない
ーーー落ち着いてください…私は魂だけの存在、見えなくて当たり前です
そう告げられ、蓮はとりあえず現状を飲み込むことにした
「……俺はどうなったんだ?」
ーーー貴方は……死にました。
「………は?」
思わず声が出た
死んだ……?あの夜に?
ーーーはい、詳しく言えば殺されました。トチ狂った医者に毒物を投与されて
うそ…だろ? じゃあ妹の鈴は…!? アイツはこれから一人で生きる事になるのか!?アイツはまだ15だぞ!!
ーーー気持ちは分からなくもありません、ですがそれは大丈夫です。貴方の友人や関係者が彼女を支えてくれますから
そう魂さんが言うと俺の目の前にある映像を見せてくれた
それは妹を元気付ける友人、そしてバイトの先輩方…どれも信頼できる人の姿だった
「そうか…安心した」
ーーー妹思いなのですね
「わ、悪いかよ!?」
蓮は思わず取り乱した
ーーーいえ、それはとても良い事です。貴方の経歴を少し見ていましたが、どんな事情であれ、あそこまでする兄なんてそうは居ないはずです
「だろうな」
うん、一応自覚はあった。本来なら大人がする筈の事をまだ十代後半の俺がやっていたことに
「でもそれは遅かれ早かれの事だったからあまり気にしなかったな」
ーーーそうですか…
「何その呆れたような口調?」
まぁ、何がともあれ……
「俺はこれからどうなるんだ?このまま天国に行ってバイク乗り回してヒャッハーすればいいのか?」
ーーー何処の世紀末ですか?それ…
「冗談だ」
ーーーまぁいいです…ここから本題ですが、貴方にはこれから転生して頂きます。理由はお分かりですね?
「いや、わかんねぇよ」
ーーーでしょうね…ですが心当たりはある筈です
心当たりは……もしかしてアレかな?
ーーーはい、あの発言です。なんだったら今 朗読みたいに言いましょうか?
「やめて、何その罰ゲーム?」
ーーー冗談です
「このやろ……それで、転生してくれるのはありがたいが何処の世界に飛ばしてくれるんだ?」
ーーー『超次元ゲイムネプテューヌ』という言葉に聞き覚えはありますか?
あぁ、友人から何度か聴いたことはある。内容こそ分からないがな
ーーー実はその世界で異変が起こっているのです。それは徐々にこちら側にも影響が出ておりまして
「影響?」
ーーーえぇ、強いて言えば他作品の世界のモノが流れ込んで来るといった現象です。まだ小さいですが事が大きくなる前に
「その元凶を叩けと?」
ーーーはい
「…………。」
蓮は少し考えて
「わかった、その依頼 引き受けるよ」
結論を出した
ーーーありがとうございます、さっそくですが貴方にこの力を授けたいと思います
すると上から燃え盛る様に紅く輝く光の球が降りてきた
「これは…?」
ーーーこれは新たに創り出した四つの力の内の一つ、これを使いこなして元凶を倒して貰いたいのです
そう言うと同時に光の球は俺の中に入っていった
「四つの力?ということは俺以外にも?」
ーーーはい、これから行く世界には貴方と同じ転生者がいます。ですがそれは誰もが協力的とは言えません
だろうな……人は誰しも力を持つと変わってしまうものだ。それは俺とて言えたことではないだろう
「…って事は他の三人の力も合わせて倒せって事だな」
ーーーはい、お願いいたします
「乗り掛かった船だ、やってやるよ」
瞬間、俺は光に包まれ、転生した
ーーーー頼みましたよ、新たな力を持った転生者達。そして……
ーーー火炎の女神、『フレイムハート』