新たなる力 四人のイレギュラー   作:トラセンド

2 / 4
1話『出オチ』

やぁ、風城 蓮だ。俺は今 絶☆賛 赤い岩になってるよ

 

 

……え?何を言ってるかさっぱりわからないって?

 

 

お れ も わ か ん ね ぇ よ

 

 

仕方ねぇだろ!?転生して意識がはっきりした時にはこの姿だったんだから

 

 

 

はぁ、これは神のいたずらか……メタい話だけど、初っ端から主役が岩って何事だよ!?せめて生物にしろよ!生物に!

 

 

 

 

 

とりあえずここまで起こった事をありのままに話すぜ

 

転生した俺は隕石という形でプラネテューヌって大陸の付近にある森林に落ちたんだ

 

 

其処は森林と言うだけあって自然に囲まれて落ち着きのある場所なんだが…モンスターが生息している事には正直驚きを隠せなかったよ、俺のいた世界にはこういうヤツらは居なかったからね

 

その後、不思議に思ったモンスターは俺に近づくも何かにビビって全速力で逃げていくんだ

 

 

 

……ボッチって辛いね

 

 

 

 

※同時刻に囚われた黒い女神がくしゃみをしたのは誰も知らない

 

 

 

 

そんなこんなで何日かたった今日、この日…

 

岩になったままで未だに意識だけの俺は初めて人の声を捉えた

 

聴くからにそれは若い女の子の声だ。それも三人でこちらに近づいてくるのがわかる

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし、まいったわね…『変身』できないなんて。」

携帯電話を触りながら茶髪の少女は辺りを見回す

 

「すみません…」

その少女の後ろを歩く薄紫の髪をした少女は申し訳なさそうに落ち込んでおり

 

「大丈夫ですよギアちゃん、もしもの時は私とアイちゃんで何とかするです!」

最後尾に琥珀色の髪をした少女は元気付けている

 

 

「……ッ!?」

 

「うわ!?どうしたんですか、アイエフさん?」

 

アイエフと呼ばれた茶髪の少女が急に立ち止まった為、薄紫の髪をした少女はぶつかった

 

 

「ネプギア、コンパ、静かにして」

 

「ッ!」

「はいです。」

アイエフの言葉に二人は察し、息を潜めた

 

 

 

「……あれは?」

アイエフが思わず口に出した

 

そう、三人の目の前にあったのは一つの紅い岩……

 

 

 

「この痕跡…まさか」

 

「どうしたんですか?アイエフさん。その紅い岩に何かあるんですか?」

 

 

「…あぁ、そういえばネプギアは気絶していたしわからないわね。」

ネプギアと呼ばれる少女の質問にアイエフは難しい顔で答えた

 

 

「私も無我夢中になっていたからはっきりとは覚えていないけど…あの巨人に追い詰められた時、突然上空が歪んで何かの隙間が現れてね…その隙間から四つの光が各大陸に散らばったのよ」

 

 

「それが、この紅い岩だと言うんですか?」

 

「おそらく…いえ、間違いないわ。プラネテューヌの方向に落ちた光はこの岩と同じ赤色だし…それにこれ」

するとアイエフは岩の麓に指を指す

 

そこには如何にも落ちましたよと言わんばかりにクレーターができていた

 

 

「すごい…大発見ですよあいちゃん!」

コンパと呼ばれた少女は喜びのあまり声をあげ

 

「まるで探偵ですね」

ネプギアは明るい顔になる

 

 

「まぁ諜報部の人間だからね…と、証拠写真を撮っておかないと」

そう言ってアイエフは携帯電話を取り出し、パシャッとカメラに収めた

 

 

「…………。」

 

「ネプギア?どうしたの?」

 

気がつくとネプギアは引き寄せられるかのように紅い岩に近づいていく

 

 

 

「わからない…けど、この感じ…お姉ちゃん達に似ている」

そしてそのままネプギアは紅い岩に触れた

 

 

 

 

 

キィィィィィィン…………

 

 

 

「…ッ!?」

瞬間、ネプギアは全身に走り抜けた身に覚えのない力の感覚に思わず座り込んだ

 

 

 

「ネプギア!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

それに二人も急いで駆け寄った直後……

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ……

 

 

 

「「「ッ!?」」」

何かがひび割れる音がし、三人は思わず目の前の紅い岩を見つめた

 

 

ピシッ…パキンッ…

 

徐々にヒビが紅い岩の全体に広がっていき

 

 

 

 

ガラガラガラガラガラ……ッ!!

 

 

大きな音と共に土煙を上げて崩れていく

そしてーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くぅ〜〜…っ!ようやく体が動かせるな」

 

 

 

ーーー崩れた岩の中から一人の少年が出てきた

 

 

 

 

 

「……え?」

 

「ん?」

唖然とするネプギアの視線に気づいた少年はそちらに顔を向ける

 

 

 

 

 

ーーーーー物語は動き出した。

 

 

女神の奪還を試みる女神候補生(シスターズ)と

 

 

新たな力を得て生まれた例外女神(イレギュラー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………が

 

 

 

「い…」

 

「い?」

 

 

 

「いやああああああああ!!!!」

 

「ちょ、待っーーぶべらっ!!?」

 

 

その時の少年はZE☆N☆RAだったのは言うまでもない


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。