もうひとりの専用機持ちの日記   作:Maruwell

13 / 19
連続投稿
たまには悪くない


シャル日記 05頁目

J月A日

 

約束通り話ができる時間を増やしてくれた。まぁいつも長い時間っていうわけにはいかないけどね。

それで今日は今は一夏の訓練を手伝ってることを話したら、柚紀も宮原さんに教わっていると教えてくれた。

宮原さんって代表候補生じゃなかったはず。それに専用機だって持っていないのになんで宮原さんにISのことを教わっているのかな?

柚紀も宮原さんも入学してから初めてISに乗ったって言ってたから、それなら専用機を持っている柚紀の方がISに詳しくなると思うんだけどね。

話してくれた時の柚紀が嬉しそうっていうか、誇らしそうっていうか、なんかそんな感じだったからそれはおかしいなんて言えなかった。

なんでだろうね、その時の柚紀の表情を見ていたら、なんていうかモヤモヤした?

うーん、上手く言えないんだけどそんな感じだと思う。

 

それと訓練を手伝うのもいいけど、バレないように気をつけてと言われた。

ちゃんと僕のことを気にかけてくれてるんだなって思ったら、また胸の奥がポカポカしてきて嬉しくなっちゃった。

もしもの時は助けてくれるんだよね?って言ったら、ちょっと顔を赤くして「も、もちろん」なんてどもってた。

なんだかそれが面白くて少しだけ笑っちゃった。そうしたらもっと赤くなってた。

柚紀って身長が高いからどうしても見上げる感じになっちゃうんだよね。もしかしたらそれのおかげかな?

 

 

 

 

 

J月B日

 

昨日柚紀たちもボーデヴィッヒさんに襲われたみたい。

さっき柚紀が話してくれた。

まだ一夏と同じくらいしか経験がない柚紀と、それより経験が少ないはずの宮原さんが襲われたなんて聞いて、すごく怖くなってしまった。

前に攻撃されたときのボーデヴィッヒさんを見た感想だけど、手加減どころか危険域になっても攻撃をやめないような、そんな雰囲気があったから。

まぁ柚紀は結局戦わなかったらしいから、少し安心したけどね。

でもそうなったのは、宮原さんが訓練機でボーデヴィッヒさんを圧倒したからだって言われて驚いた、というよりも信じられなかった。

だってボーデヴィッヒさんはドイツの代表候補生で、しかも軍に所属しているくらいなんだし、どう考えても宮原さんじゃ勝つどころか試合にすらならないはずだ。

それなのに圧倒したなんて信じられるわけないよ。

信じられるわけないけど、柚紀が嘘をつくなんて思えないし、そもそも嘘をつく意味がない。

宮原さんって何者なんだろう…?

ISの搭乗経験が半年もなくて、それなのに訓練機で専用機持ちの代表候補生を圧倒するなんて、普通じゃない。

僕が宮原さんを知らないからこんなこと思うのかもしれないけど、それでもやっぱり心配だから僕も訓練を手伝おうかって聞いてみたけど、一夏との訓練もあって大変だろうからって断られた。

柚紀としては僕のことを考えて言ってくれたと思うんだけど、できれば手伝わせて欲しかったなぁ。心配なのとか抜きにしても、一緒に居られる時間が増えるのは嬉しいんだよ?

 

 

 

 

 

J月C日

 

失敗したぁ…

一夏に裸見られちゃった…、もちろん隠し事もバレちゃったし。

ともかくすぐに柚紀に連絡して来てもらった。

事情を知ってる人がいたほうが何かと話がしやすいと思ったこともそうだけど、それよりも僕が心細かったっていうほうが大きい。

実際柚紀が来てからは落ち着いていられた。不思議と柚紀がいてくれれば大丈夫って思えるんだよね。

それから3人でいろいろと話し合った結果、一夏も僕の味方になってくれた。

柚紀と違って僕と同じクラスだし、今は2人しかいない男性操縦者っていう話になっているからフォローしやすいっていうことで、また心強い味方が出来た。

でも、それで柚紀との時間を減らそうなんて思わないけどね。

それに本当の名前も教えなかった。これは、今はまだ柚紀だけに呼んでほしいと思ったから。一夏が信用できないとかそういう意味じゃない、ただそう思っただけ。

 

 

 

 

 

J月D日

 

誤魔化すのがきついから宮原さんに話してもいいかって聞かれた。

できれば話さないでほしいってまた我が儘言っちゃった。

別に話してもいいとは思うんだけどね。柚紀が大丈夫だっていう人だからそういう心配はしてないんだけど、なんとなく『私』のことは柚紀だけに知っておいてほしいと思うから。

…まぁ一夏もいるんだけどさ、そこは気にしないようにしてるよ、あれだけ注意しろって言われてたのにバレた僕の自業自得だからね。

 

…なんとなく、か。本当はもうわかってるんだけどね。でもやっぱりそれっておかしいことだと思うから、まだ気づかないつもりでいたい。

もし柚紀に知られて避けられたら、今の僕じゃ耐えられそうにないから。

やっぱり弱いのかな、僕は…。

 

 

 

 

 

K月A日

 

ボーデヴィッヒさんが凰さんとオルコットさんを襲った。

今回はISの防御がなくなってからも攻撃し続けたせいで、2人に怪我をさせた。

前に予想したことがついに現実になってしまって、ちょっと怖くなってしまっているのが自分でもよくわかる。

そして被害者が柚紀じゃなかったことに少し安堵してしまってる自分が嫌だ。

2人が襲われている現場にたまたま居合わせたから、助けるために僕も戦ったんだけど強かった。一夏と2人がかりでどうにか足止めと救助ができたくらいだからね。

1対1だったら、多分勝てない。相性が良くないっていうのもそうだけど、操縦技術も高くてこちらの思うように戦えないっていうのが大きい。

やられた2人だって代表候補生だしね。

結構危なかったけど、最後は織斑先生が仲裁してくれて何とかその場は収まった。

 

その時に私闘が禁止された。ボーデヴィッヒさんは織斑先生の言うことは聴くみたいだから、これで絶対ってわけじゃないけど、次の被害は出ないと思うと少しは安心できるかな。

それから2人のお見舞いに行っていた時に、トーナメントがタッグ戦になったことを知って、できれば柚紀と組みたかったけど多分宮原さんと組んでるだろうから、今回は諦めて一夏と組んだ。

いや、一夏と組むのが嫌なわけじゃないんだよ?ただ柚紀と組めたらよかったなってだけだからね?

…自分の日記で誰に言い訳してるんだろうね、僕は。

 

 

 

 

 

K月B日

 

ここ数日は柚紀と話す時間がない。

トーナメントがタッグ戦になったことと、ボーデヴィッヒさんが起こした事件のせいだ。

タッグ戦になったからパートナーとのコンビネーションの練習をしないといけないし、あの2人は1度ボーデヴィッヒさんに襲われているから、その対策のためにも特に訓練を頑張っているはず。

それは僕と一夏も同じだから、お互いが忙しくなっちゃって時間が作れないんだよね…

だから今は我慢しなきゃね。トーナメントが終わったらまた柚紀とお話できるんだから。

無事に終えられるように頑張ろう。

 

 

 

 

 

L月A日

 

なんかもう、いろいろありすぎて疲れた…

今日トーナメントがあったんだけど、1回戦の1試合目から僕たちとボーデヴィッヒさん&篠ノ之さんコンビとの試合だった。

まぁボーデヴィッヒさんと決着を着けるつもりだったから、それは好都合でもあったんだけどね。僕たちが勝てば柚紀が危ない目に遭うこともなくなるわけだし。

それで試合自体は一夏と上手くコンビネーションが取れて、いい感じの試合運びができていたんだけど、最後にボーデヴィッヒさんを追い込んだところで問題が起こった。

ボーデヴィッヒさんのISに国際条約で禁止されているはずのVTシステムが搭載されていて、それが暴走した。

そのまま僕たちとの戦いになるのならまだ良かったんだけど、何を思ったのかいきなり観客席めがけて飛んで行った時は本当に焦ったよ。

しかも向かってる先に柚紀までいるんだもん。気づいた瞬間に背筋が凍った。

柚紀がなんとか対応してくれたおかげで、誰もけが人が出なかったのは不幸中の幸いだった。

とはいえ後ろから僕たちが攻撃して、観客席の被害を拡大させるわけにも行かなかったから、柚紀頼みになってしまった。

今だから言えるけど、柚紀って僕が思っていた以上に強かったんだね。VTシステムとの戦闘でも防ぎきっていたし、そのまま僕たちの方まで押し返してきたくらいだし。

そこまでも驚いたけど、そのあとにももっと驚いた。

3人でどうするか話し合っていたら、訓練機に乗った宮原さんが来て私がどうにかするって言って本当にどうにかしてしまったんだ。

最後とか結構攻撃してきたはずなのに、それを全部かわして一撃で倒してしまった。

動きがちゃんと見えなかった…

確かにあの強さを知っていれば、柚紀が信頼するのも頷けるよ。

なんで代表候補生じゃないのか不思議なくらいだ。

とにかくみんなが無事で良かった。それとボーデヴィッヒさんはこれからどうなるのかな?

いろいろあったけど、ひどい罰とかなければいいなと思う。僕と同じように自分の意思で条約違反をしたんじゃないと思うから。

 

 

 

 

 

L月B日

 

久しぶりに柚紀とゆっくり話す時間がとれた。

トーナメントが終わってからすぐに織斑先生には、僕がここに来た理由とか男装していたことを話したからもう一度、今度はシャルロット・デュノアとして編入することになっていたしね。

柚紀になんの相談もなしに決めてしまったのはちょっと申し訳ないけど、でもこれは僕が自分でそうしたいと決めたから。柚紀が示してくれた道を進むって自分で決めたから。

だからまず最初にお礼を言った。助けてくれて、僕を導いてくれてありがとうって。

それに柚紀はなんにもしていないって言うんだから、思わず笑っちゃったよ。

でも柚紀らしいなぁとも思った。まだそんなに深くは柚紀のこと知らないはずなのにね。

あと試しにこのまま男のままでいた方がいいかって聞いてみた。

もし柚紀がそのほうがいいって言うなら、それはそれでいいかもしれないし。

なんで?って言われちゃったけどね。

あとは呼び方かな。

シャルロット・デュノアとしてもう一度編入するから、シャルロットのままだとみんなから呼ばれちゃうし、何か柚紀だけから呼ばれる名前が欲しかったからあだ名をつけてもらったんだ。

「シャル」って呼んでくれることになった。あだ名なんてなんか特別な関係みたいで嬉しくなっちゃうな。

 

柚紀、本当にありがとね。あなたはなんとも思っていなくても、私にとってはすごく大きなことなんだから。

これからもっとあなたのことを知っていきたいな。私のことももっと知ってほしい。

それに助けてもらった恩返しもしたいから、そばに居させてね。




よっちゃんとシャルの日記だと、ひたすら柚紀柚紀書いてる気がしてしょうがない
まぁいいか

次回予告
日記形式じゃねぇよ?ひなねぇの潜入物語
そろそろ浅見一家出さないとね(陽奈乃しか出ないけど…)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。