東方天風譚「裏」風神録編 ~Wind of the guidance and true faith~   作:新影正虎

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天風の洞察

「どう?あたしの能力は?すごいでしょ~」

 早苗からの攻撃に巻き込まれないように距離をとったまま、あの幽霊妖精が嵐に話しかけてくる。

「‥‥これがあんたの能力?‥‥一体あの子に何をしたの?」

「ん~たいしたことじゃないよ。あのお姉ちゃんにちょっと幻聴を聞かせてあげたんだ。あたしの幻聴を聞くとね、昔の悲しくて辛い記憶を思い出しておかしくなるんだ~それと記憶もちょっと無くなったかな~?」

 無邪気な笑顔のまま、そう説明する幽霊妖精の言葉を聞いた嵐の表情が見る間に険しくなる。

「‥‥さっきの悲鳴に幻聴‥‥それに相手を発狂させる‥‥多少違うけど、やはりバンシーに相当する能力ね‥‥早苗に『あの頃の記憶』を思い出させ、その上、あたしのことを忘れさせたのね?」

 その嵐の問いかけに対し、幽霊妖精は無邪気な笑顔で応じる。

「ん~、『多分』そうだね~それよりもどう?お仲間から攻撃される気分は?つらいでしょ?悲しいでしょ?‥‥‥これは、いい食事になりそうだね~」

「食事?」

 そう聞き返しながら、同時に嵐は相手のわずかな表情の変化に気づき、何かをひらめく。

「‥‥そうだよ、あたしは人や妖怪に悲しくつらい思いをさせ、その気持ちを食べて生きているんだから」

「‥‥‥へぇ?そんな面倒なものを食べて生きているとは、ずいぶん物好きねぇ」

「う、うるさいなぁ!‥‥あたしだって!好きで食べているわけじゃないんだからね!」

 その閃きに基づいた軽口を嵐が叩くと、相手は『嵐の思ったとおり』あっけなく動揺をあらわにする。そんな相手の態度に嵐は自分のひらめきの正しさに確信を抱くと更に指摘する。

「‥‥でしょうね、食べるということはすなわち、それをその身に取り込むということ。ひょっとしたらあんた自身も、多少はそれを共有しているんじゃないの?」

「な‥‥‥‥なんのことよ!」

 嵐の指摘で更に動揺する幽霊妖精。そんな彼女に対し、嵐は核心を突いて更に揺さぶる。

「‥‥分かりやすく言えば、さっき早苗がどんな気持ちになったか、そして今あたしがどんな気持ちか、あんたも多少わかっているんじゃない?ってこと」

 その指摘に『何でわかるの!』といわんばかりに幽霊妖精の表情が凍りつく。と、その様を見た嵐の表情が少し和らぐ。

「‥‥なるほど、あんた自身にとってもこの生き方は決して本意じゃないのね‥‥少し安心したわ‥まあ、だからといって容赦はしないけど」

「‥‥は、はん!それはこっちのセリフだよ!だって‥‥ここからはあたしもあんたを攻撃するんだからね!」

 幽霊妖精は動揺を必死にごまかしながらそう言って距離をとると、そこで無数の光弾を生み出し、早苗の無差別攻撃に合わせるように攻撃してくる!

「むっ!」

 その攻撃には連携もへったくれも無い。だがそれゆえに先が読めないでたらめな攻撃となり、その攻撃の激しさ故にか、嵐は回避に専念するばかりとなる。

「あ‥あははは~どうかな~?二対一だよ~いつまでさけられるかな~?」

 早苗の弾幕に巻き込まれないよう距離をとりつつ余裕の表情で嵐を攻撃する幽霊妖精、だが‥‥

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