長門有希(偽)の浪漫紀行〜ソードアート・オンライン キリトとひみつの道具使い〜 (改訂版)   作:どらやき

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原作主人公、和人君視点です。


第二話 プロローグ 和人

 俺、桐ケ谷(きりがや)和人(かずと)には不思議な友達がいる。

 

 その友達だが、一言で言うと《ドラえもん》である。

 

 いや、正確には違うがある意味ハズレでもない。

 

 名前は長門(ながと)有希(ゆき)。俺と同い年で、通称ユキえもん。

 

 見た目はどう見ても人間で、クール系美少女ともいえる外見だ。だが、男だ。

 

 趣味は読書とゲームと食事。

 

 何も知らなければ特徴が男の娘ということだけだが、ここからが俺がドラえもんと表現した事柄である。

 

 何とこいつは、四次元ポケット及び、ひみつ道具を持っていた。

 

 ……何を言っているんだと思うだろう。しかし、本当のことだ。実際に幾つもの道具を出されて効果を俺・で・実践された。

 

 それに好物がどらやきで、ネズミが苦手。

 

 ここまでくると見た目が違うだけのドラえもんなんじゃないかと思うが本家とは別の存在らしい

 

 ただ、別にも名前があるとか言っていたが、訳ありのようだったし、教えてくれそうにないから俺も無理強いで聞こうとは思わない。

 

 不思議に満ちた奴だが、俺とユキえもんが初めて合ったのは確か俺が十歳の頃だった。

 

 あの時の俺は自分でも精神的に不安定だったと思う。そんなときに家の向かいに引っ越して来たのがこいつだった。

 

 当時、軽く人間不信だった俺は引っ越しの挨拶の為に家に来た有希に対しても素っ気ない態度だった。

 

 

 そして、何故か俺に付き纏い始めた。理由は分からなかったし、本人もなんとなく、だと言っていた。

 

―――なんだそりゃ。

 

 でも本当のことなんだろう。

 

 俺が素っ気なく接しても、しつこく構ってくるから最初は鬱陶しいと思って邪険にしていたし、何か打算があるのかと思ったがそんな様子もないから、どんなふうに接すればいいか分からなかった。

 

 だけど、いつからか鬱陶しいとも思わなくなっていて、何をするにしても俺の隣にはこいつがいて、いつの間にかそれが当然のことのように思えていた。

 

 改めて思うとこれが俺にとっての最初の親友だったのだろう。

 

 以前よりも交遊関係が少し広くなって、何処かギクシャクしていた家の中も少し改善されたし、母さんや妹のスグからも変わったとも言われた。

 

 俺が有希をユキえもんと呼ぶようになったのは、俺が十二歳の誕生日を迎えたときだ。誕生日パーティーに来ていた有希にプレゼントで《ミニドラ》を渡された。

 

 最初はよく出来た人形――男に人形?――だと思った。

 

 動いて喋らなければ。

 

 いきなり動いて、おまけに「ドララ〜」と喋るものだから家族揃って、てんでやんやと大騒ぎ。

 

 渦中の大元は何故騒いでいるのか分かっていない様子だったが。

 

 その時初めて有希がひみつ道具を所有していることが発覚した。本人は知っているものだと思っていたらしい。

 

……初耳だよバカヤロウ。

 

 それから、生活がそんなに激変するわけでもなく、前より少し賑やかになったくらいだ。

 

 ―――スグは誕生日に《ミニドラミ》を渡された。

 

 

 

 

 

 そして、俺は今、俺の部屋のベットで寝ている有希の横に立っている。

 ―――時刻は朝七時過ぎ。土曜日。

 

 俺が起きたときには、影も形もなかったよな。何処から湧いてでてきやがったよコイツは……。

 

 それから、この友人を起こし、朝食(コーンフレーク)をご馳走して俺の部屋で二人してくつろぐ。

 

 俺はゲームをして、有希はミニドラとミニドラミの機能拡張整備(四次元ポケットの取り付け、ひみつ道具は無し)。

 

 その中、俺はベータテスト時にテスターに当選して魅力された、今話題の世界初の《VRMMORPG(仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム)》のソフト、《ソードアート・オンライン》に有希をなんとか誘うことに成功した。

 

 ―――でも目的が未知の料理ってどうなんだよ。

 

 

 

 

 十月三十一日。SAOの発売当日。

 

 俺はベータテスト当選の特典でSAOのソフトを配達されて満足だった。

 

 ちなみに友人の有希は家にはいない。五日前に秋葉原に行ったきりで帰っていないのだ。

 

 まあ、ソフトを確実に買う為に夜通しで並びに行ったのだが。不平を言っていた割に気合いが入っている。

 

 五日も向こうに行っている為、アイツは風邪という理由で学校を休んでいるのだが、本当に風邪を引いて休んでいるのである。

 

 経過報告でオタクの熱意スゲェとか言ってたが、四十度超えの大熱をだして夜通しで並ぶお前も人のこと言えないからな。

 

 ―――つか大人しく寝てろバカ。

 

 アイツ、自宅でコピーロボットに身代わりで寝かせているから、家族や母さん、スグにはバレていないし、俺も電話受けて今日気付いた。熱のせいか疑問に思ったことを全部正直に答えてくれたからな。

 

 親友の無駄な行動力に呆れながら、朝のニュースを見ていると丁度大蛇の如く並んだSAO購入者達を取材しているところだっ―――

 

 

『―――あ、あの顔が赤いですけど大丈夫ですか?』

 

『………らいひょーふ』

 

『ふ、ふらついていますが?』

 

『……きっとげんかく』

 

『――私の指は何本立っていますか?』

 

『………どう見ても六ぽ――

 

―――ブチリッ―――

 

 

 ………思わずテレビの電源を切ってしまった。

 

 何やってんだよ、あいつ……。

 完璧にアウトじゃねーか。

 

 

 

 

 速報:【そこに痺れる】さすが俺らの同士【憧れる】

 

 




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