レオーネが連れて来た少年・タツミと出合ってから数日が過ぎた。
クロガネはタツミにどうしてあの屋敷にいたのかを聞いていた。
あの日、タツミはレオーネに騙されて全財産を盗られたらしく、路頭迷っていた所を暗殺の標的であるアリアに拾われたらしい。
それを聞いたクロガネは岩をも砕かんばかりの殺人チョップをレオーネに喰らわせる。
大きなたんこぶができたレオーネは地面をのたうち回り、小一時間正座のままクロガネから説教を受け、騙し盗ったお金を返した。
そのあと、タツミと一緒の故郷で生まれ育ち、友であるサヨ、イエヤスの骸を回収してナイトレイドのアジトの近くにある見晴らしの良い丘の上に簡易な墓を作った。
タツミは二人の墓の前で色々考えていた。
帝都で一旗挙げて、故郷を救おうと思い帝都に来たのに帝都の闇を見てしまった。
おまけに、ナイトレイドに無理矢理連れて来られしまい、不安がいっぱいである。
「サヨ、イエヤス、俺はこの先どうすれば・・・」
「よぉ」
背後から声を掛けられ、タツミは後ろを振り向く。
そこには花束を持ったクロガネがいた。
「あんたは確か、クロガネ・・・さん」
タツミはおぼろげながらもクロガネの名前を思い出した。
「べつに、呼び捨てで構わないぜ」
おどおどしているタツミの反応に苦笑しながらクロガネは二人の墓に近ずき、花束を添え手を合わせる。
そして、タツミの隣に座り込む。
「で、どうだ?もう決まったか?」
「俺は、人殺しなんて・・・」
「まぁ、そうだよな。いきなり連れて来られて、殺し屋になろうと言われたら誰だってそうなるわなぁ」
クロガネは少しだけ笑った。
するとタツミが、じぃ~っとクロガネを見ていて、それに気づいたクロガネはタツミを見る。
「うん?どうした」
「いや、何でクロガネみたいな人がナイトレイドにいるのかなと思ってよ」
「なるほどねぇ」
すると、タツミの背中に柔らかい何かが押し当てられる。
「うわぁ!?何だ!?」
タツミはいきなりの事に驚いて、慌てて後ろを見る。
後ろには悪戯が成功した事に喜んだ子供のような笑顔のレオーネがいた。
背中に伝わる柔らかい感触がなんなのかが分かったタツミは顔を赤くしている。
「何やってんだレオーネ」
「いや~、落ち込んでいる少年を慰めようかなと思って」
ニッシシシと笑うレオーネ。
「どお?入る気になった?」
「いや、だから俺は人殺しは・・・」
「よーし、じゃあアジトの案内をするついでに皆の紹介するから」
「聞いてないし!」
傍若無人なレオーネはタツミのツッコミをスルーして手を取ってアジトへと向かう。
タツミはクロガネに助けを求める眼差しを向ける。
「まぁ、殺される事は無いから、安心して行ってこい」
手を振ってタツミを送る
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