「おはようございます」
殺せんせーが教室に入ってきた。いつもだったら出席を取る、という流れになるはずが、今日は少し違っていた。殺せんせーの後に続いて女の子が入ってきたのだ。
「突然ですが、みなさんに転校生を紹介します.レイラさん、自己紹介を。」
レイラは両手をブレザーのポケットに入れたまま教壇まで行くと、
「結城麗羅です。秋葉原に住んでます。よろしく。」
だが先生は何か物足りないらしく、
「ほかに言うことはありませんか?」
と言ってくる。レイラは
「う~ん、ほかに、ねぇ。」
考えながらクラスを見渡してみた。そしてレイラ本人は気づいていないが、クラス中がレイラに見とれていた。
大きな瞳に長いまつげ、オレンジ色のハーフアップツインテールにスタイルも抜群に良く,170センチメートルと言ったところだろう。制服の着こなしもかっこ良く、短めのスカートに黒いカーディガン、ネクタイは黒に白のストライプで決めていて、どことなく停学中の誰かさんに似ている・・・のは気のせいだろう。
「得意なことは歌とギターとそれから・・・」
レイラはニヤッと笑っていった。
「挑発と悪戯です。」
なんか最後に余計なのあったーーーー!!クラス全員そう思った・・・。
「あーーーっ!!」
茅野がいきなり大声を上げた。
「結城さんってティーン誌のカリスマモデルじゃない!?」
ええっとクラス全員(主に女子)が驚く中、麗らは頭をかきながら
「う~ん、ばれちゃったか.でもあなた、鋭いね。もしかしてティアラ、読んでくれてる?」
ティアラ、という言葉にクラスにの女子が一気に反応した。
「あ、そういえば!!」「なんか見たことあるって思った!!」
と、そこで中村が爆弾を投下した。
「っていうかレイラって全国モデルグランプリの優勝者だよね。」
「えぇーーーーーーーーっ!!」
絶叫が響き渡った。そのコンテストはテレビで生中継されることもあって皆がほとんど知っているイベントなのだった。突然やってきた物凄い転校生にクラス中が沸いた。
「サイン頂戴!」「こっちにも一枚!」「あの、私も・・・」「俺も俺も!」
「うっわ前原女たらし~」
女子に紛れてちゃっかりサインをねだろうと曽田前原を男子がやじるが、当のレイラ本人は、
「ありがとう‼にしても君、なかなかかっこいいね。モデルとか興味ない?ちょうどいま空きがあるんだけど」
さすが芸能人、といったところ。さりげなくスカウトに走るその様子はなかなかの敏腕っぷりだ。が。
「えぇっと・・・」
前原の様子は、と目を向けた3-Eは度肝を抜かれた。なんと前原が赤くなっていたのである。あの前原が、だ。
「嘘だろ…」「今日何か降ってくるかも・・・」
「女たらしが女に動揺してやがる。」
あきれたように磯貝がつぶやく。
「結城さん、そいつ女たらしだから近づかないほうがいいよー」
岡島が前原の印象を下げようとすかさず野次をとばす。だがカリスマモデルともなればそれを利点と考えてしまう訳で、
「ってことは、女の子の扱いに慣れてるってことだよね!ますますオッケー1男のモデルはそういう人に向いてるんだよ‼しかもそんなにかっこいいのに勿体ないよ~」
無意識に口説いてる。しかもこれまた無意識なのだが、グイグイ迫っているせいで顔が近い。前原の顔がどんどん赤くなっていく。それをににやにやしながら眺めるクラスメイト達。
だがそれはある者の発言によって終わりを告げた。
「みんな、先生のこと忘れてない?」
「あっ・・・・・・・・・」
完っ全に忘れられていたようだ。やばっと先生を見ると、真顔で天井を見上げていた。
「先生だけ呑け者。ぼっちせんせー・・・・・・・・」
「・・・・・・・ 」
皆黙り込む。なんとも言えない空気になった時、ついに先生の体表が薄くなり始めた。
「すげー。」「どんな体してんだよ!」「いまさらそれ言う・・・?」「うっ・・・」
学級委員の片岡が慌てて、
「いや、先生を忘れていたわけじゃなくてこの状況において先生はあまり必要なかったというか存在感が薄かったというか・・・・・・」
「片岡、逆効果だよ 」
全くフォローになってない。先生の体表がもう一段回薄くなった。みんなが頑張ってフォローする中、レイラが一言。
「あたし、のど乾いたから、いちご煮オレ買ってくるから。」
クラス全員が思った。カルマと好み同じなんだな・・・。それから。
(マイペースすぎるだろおおおおおおおおお!?)
「あのさ、だから先生を・・・」
「あれ?いない?」
次にみんなが先生のほうを向いた時、先生の姿は完全に消えていたそうな。
「殺せんせ―、天国から見守ってて・・・」「達者でなぁ~」
皆がいい雰囲気になりかけた。その時。
「ちょっと待ったーーー!」
「あれ、せんせー。」「生きてたんだ。」
「ちょっ、なんでか先生死んだことになってるんですかっっ!!」
皆が先生に向かって合掌をする。
「ニュイヤア?何でですか?みなさーーん!」
「転校生紹介からどうしてこうなった!!??」
渚は不気味な合掌の中、大声で叫んだ・・・・・・。
そのまま回復した(回復はえーな!クラス全員がずっこけた。)先生が授業をはじめ、今日は暗殺をしていないということに誰も気づいていなかった……… 。
カルマ君登場を期待されていた方には、ごめんなさい・・・。次回はレイラの詳しいキャラ設定を書こうかな、と思っています。