今日は月に一度の集会。E組はいつもの感じで皆それぞれの不満を口にしながら山を降りていた。何が不満かと言えば、E組は炎天下の中本校舎まで山を下りなければいけず、しかも本校舎の生徒よりも早く来て一番に整列を終わらせていないといけない、といういじめスレスレのルールを食らっていて、おまけに本校舎の人はこれ見よがしに笑ってくるのでE組にとっては地獄でしかないからなのだ。
レイラは渚と並んで歩きながら、
「な~んか皆憂鬱そうだけど、なんで?」
高い運動能力を持つ彼女としては山下りはさほど苦行ではないらしい。
「う~ん、E組の差別待遇はここでも変わんないし、笑われるし、山下るの疲れるし、最悪だよ。」
「え~、そんなにひどいものなの?」
絵うぃらもE組差別に付いては知っていたようだが、そこまでひどいとは思っていなかったらしい。その時。
「うわぁ~~~‼‼‼橋がぁ~!!!おーかーじーまぁーーー!!!」
「「・・・・・・・・・」」
「きゃー、ヘビ―、岡島くーーーん!!!」
立て続けに悲鳴が聞こえてきた。
「・・・ほらね」
「・・・なるほど」
何でこういう時に限って、普段の登下校は大したことないのに、などと思っていると、
「うわぁーーー!!らくせきだぁ=!岡島あああああーーーーー!!」
「またぁ!?」
「あいつなんか疫病神でもついてるのかな!?」
二人が頭を押さえると、
「うわぁーーー!!」「きゃぁーーー!!」「誰だよ‼ハチの巣刺激したの!!」
「あれ、あの声杉野君達じゃない!?」
「っていうかすぐ後ろから聞こえたんだけど・・・」
レイラは頭をフル回転させ、
「「「お。岡島ーーーー!!!」」」
その声と同時に渚を道のわきに引っ張り込んだ。
「え、どうしたん・・・ってええーーー!!!」
さっこまで二人がいたところを、岡島&ヘビ軍団&ハチ軍団&巨大落石が全力疾走していった・・・・・・・・。
「あぁいつ、なんかすごいことになってたけど、だいじょうぶかな・・・・・」
「・・・うん・・・・・」
二人は岡島の走って行った方向に合掌した・・・・・・。
その後鳥間とイリーナが合流して、何とか本校舎にたどり着いた。
E組が整列を終え、ほどなくして本校舎の連中がやってくる。途端にクスクス笑いや嘲笑が体育館を満たした。
「渚く~ん、わざわざ山の上から大変だったでしょう。」
「ぎゃはははは」
元渚のクラスメートであろう二人がこれ見よがしに渚を馬鹿にするのを見て、レイラガピくりと動いた。磯貝が気付いて、
「おいおい、喧嘩だけはするなよ。問題になりかねないから・・・」
「大丈夫だ。少し黙らせてくるだけだからな。」
なんだか口調まで変わっているレイラを見て磯貝はもう行っても無駄だと諦める。
レイラはつかつかと歩いて行き、
「ほ~んと、疲れるよねぇ~。こ~んなブサメンでダサくてろくにイケてる奴もいない馬の骨以下の顔面偏差値ゼロの奴らの顔をわざわざ拝みに来なきゃいけないとはね。」
体育館中に響き渡るような大声で平然と言い放った。
いつの間にか二人の後ろには茅野が機転を利かせて集めたらしい
「神崎、片岡、倉橋、速水、中村、磯貝、前原」
の「E組イケてる軍団」が控えており、(当の本人達は何のことだかわかっていない。・・・前原以外。)言い返そうとしていたメガネ&ニキビコンビはもちろん
何事かとそちらに目を向けた他の生徒がぐっと言葉に詰まる。
「ここぞとばかりに煽るねレイラちゃん・・・もしかして普段サボリ魔なのに州開催生かしたのってこのため?」
「もちろん!!!」
笑顔で答えるレイラに茅野があきれ顔になる中、煽られたニキビが言い返す。
「お前ら自分の立場分かってんのか?進学校に付いていけなかった脱落組が。E組はE組らしく下向いてろよ。」
その言葉にレイラが風のように動いた。
「ひっ・・・・・・」
「それは渚に向かって言っているのか?」
一瞬で持っていた定規をニキビの首に当てる。そこで3ようやく二人も自分たちをあおったのが以前ガラス瓶で攻撃してきたレイラだと気づいたようで、悔しそうにE組を一睨みして去って行った。
「ありがとう。」
そう言った渚の顔はちょっと赤かった。レイラに守ってもらった管者はもちろんだが、それよりもレイラガ自分のために口調を変えるほど起こってくれたことが物凄くうれしかったのだった。
その様子を見ていた生徒会役員がE組の分のプリントをそっと抜き取って捨てたことに、まだ誰も気づいていない。
その後鳥間とイリーナが現れ、二人の容姿に惹かれた生徒たちはなんだかE組をうらやましいと思い始め、非常に微妙な空気の中、生徒会からのお知らせが始まった。
生徒会が回すプリントの中に自分たちの分がないことに素早く気づいたレイラは、愛用の無線機で殺せんせー仁連らくを取った。
「もそもし、あのね・・・」
理由を手短に説明し、自分たちの分をマッハで作って持ってきてくれないか、と頼む。
旧校舎で一人ぼっちだった殺せんせーは、心底嬉しそうに
「お安い御用です」
とのことだった。
その間にプリントの件でやり取りがあり、さっきのお返しと言わんばかりにE組が馬鹿にされ会場が笑いの渦に巻き込まれる。と、その時。
体育館に強い風が吹き、どこからか全員分のプリントが飛んできた。
「問題ないようですねぇ。手書きのコピーが全員分あるようですし。」
殺せんせー、登場である。レイラガ無線機で礼を言うと、それに答えた殺せんせーが磯貝に呼びかける。はい、と返事をした磯貝は、
「ああ、プリントあるんで、続けてください。」
少々得意気味にそう言った。
「せんせ、さびしかったんだ。」「しょうがないなぁ」
皆が笑う中、先ほどの二人が渚を睨みつけていることんび気づいたレイラは、キッと表情を険しくした。
そんなこんなで集会が言わリ、外へ出た時だった。
「ねぇ、アレ。渚じゃない?」
「やっぱり・・・」
予想通り、さっきの二人に絡まれている渚を見つけ、レイラガ近づこうとすると、
「なんとか言えよ‼殺すぞ!!」
(殺す…殺す、か)
くすりと笑う渚に二人はゾクリとした・・・・・・。
「殺そうとしたことなんて、ないくせに。」
殺気を放ちながら言う渚に、レイラの頬を冷たい汗が流れた。
立ち去る渚にレイラは思わず手を伸ばしたが、その手が届くことはなかった。
嫌、届かせることをためらってしまったのだ。レイラ自身が。
(私が守るってきめたのに・・・)
今感じた殺気は何だったのか。
レイラは心配した倉橋の声をかけられるまで、下を向いて、その場を動けずにいた・・・。
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