惑星機構 MECHANIZERD 作:アルファるふぁ/保利滝良
「クカカカカカカッ!待てえええェ!」
気持ちいい
走ることがこんなにも気持ちのいいことだなんて、今まで忘れていた そう、これは素敵な何かを逃がさないように追いかける素敵な行動 走るとは素晴らしいことなのだ
ピースディストラクターはそんなことを思っていたな
ノロノロと走るあの連中と五百メートルまで距離を縮め、右手を突き出した
ディストラクターのメカニザードの手に握られていたのは、銃だ それも、二十メートルの人型ロボットのための銃だ
腕を上げてから1秒かからず 銃弾がメカニザードを貫いた 前のめりに吹っ飛ばされる黄色いメカニザード
黒いメカニザードは尚も距離を詰める
やがて腰を深く深く落とし、ジャンプした
メカニザード
惑星チルドレンの技術と新資源の塊の、人型戦闘ロボット
その操縦法は至って簡単
パイロットの動きをトレースすることである
さらに、パイロットの身体能力が高ければ高いほど、その性能はより極められていく
例えば、ピースディストラクターの操る黒い機体 これは量産型を鹵獲したものなのだが、性能的には量産型と変わりない 精々腕部上部に小型砲が付いているくらいだ
だがしかし、ディストラクターのメカニザードは組織の機体換算で約三十機分の戦力があると言われている
それはひとえに、ディストラクターの身体能力をフィードバックした結果なのだ
なので、ジャンプ力も凄まじい程に上昇する
ディストラクターが襲っているメカニザード部隊の進路上に着地するなど、造作もない
「全機停止!迎撃するしかない!」
砂埃を巻き上げた着地姿勢のメカニザードに、部隊長は銃を向けた そこから弾丸が二発、飛んでいく
ディストラクターはもう一度ジャンプ その下を銃弾が通り過ぎた
空中から銃を連射するディストラクター 放たれた弾は二機の胸部に突き刺さる メカニザードのコクピットは上半身の真ん中にあるため、あの中では人間のミンチか人間のハンバーグが出来上がっているだろう
ブースターを発動、メカニザード部隊は散開した
着地した黒いメカニザードを数秒足らずで包囲 銃を向けた
「いい動きだァ」
しかし囲まれた方は涼しい顔 囲まれる前に腰のベルトに手早く銃をしまい込み、徒手の両手を水平に広げた
刹那、その腕から銃弾が撃たれた
腕を広げた方向にいたメカニザードが、その弾丸をまともに食らって地に沈む
次に黒いメカニザードは正面に腕を向ける ディストラクター機の正面にいた黄色いメカニザードがブースターを動かそうとした 移動するよりも早く、黒いメカニザードのアームガンがその体躯を貫く
倒した機体に目もくれず、ディストラクターはメカニザードを振り向かせた
残ったのは三機
内一機は撃ってきた
全力で体を捻り、黒いメカニザードが弾を避けた しかし胸部装甲の表面に銃弾が掠める
「お、おのれ化け物め!」
「やるじゃねえか、ヒヤッとしたぜェ」
他の二機も銃をディストラクターに撃つ
「楽しくなってきたじゃあねえかァ!ギハハハハハハハッ!」
コクピットの中で、子供が見たら一生もののトラウマになりそうな素敵スマイルを浮かべるホープディストラクター
ブースターが推力を生む 蛇行しながら突撃、銃弾をことごとく避けていく
尚も連射する三機のメカニザード
距離、二百メートル
「くっ!」
一機がその場から離れる
距離、百メートル
「当たらない!?あぶっ」
一機がアームガンに破壊される
ちなみに内蔵と骨と血肉がコクピットに炸裂した
「うわああああ!来るなあああああ!」
抜刀
黒いメカニザードがフルスイングを華麗に披露した
距離、ゼロ
真一文字に斬られたメカニザード パイロットは上下に真っ二つ
彼はこの後、自分の断面図を拝みながら死ぬのだろう
ディストラクターが剣を投げる 考えなく投げ捨てた訳ではない
ナイフ投げの要領だった 最後の一機が呆気なく動きを止めた
突き刺さった瞬間、刺さった箇所から血液が吹き出した
「満足しましたか・・・?」
「おう、今日はこのくらいだ」
メカニザードから降りたホープディストラクターは、にやつきながらマーカスと話していた 誰がどう見ても機嫌が良さそうだった
「いつもどおりの歯応えのない雑魚だったがな!まぁ、贅沢は言えねえけどな」
何が面白いのか、ディストラクターは爆笑している
(大丈夫なのか、この男に付いていっても?)
不安を胸中に抱き、マーカスはホープディストラクターを見た
その男は狂っている
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