いつもどおりの激甘ですよ~!
「おやすみなさいエリナちゃん!また、お話しましょうね!」
「お、おやすみなさい…」
質問攻めが全く終わる気配がなかったので、あまり夜更かししてまた風邪でも引いたら先輩に怒られちゃうという話をしたら、アリサさん達は素直に引き下がってくれた
…全員意味深な笑顔を最後に浮かべていたけど
「はぁ…疲れた…」
ベッドにぐったりと横たわりながら、先ほどまで話題に出していた彼の事を思い浮かべる
…もう…いっぱい話してたら会いたくなってきちゃったじゃない…
「先輩たちの方も、もう話終わってるよね」
時計を確認してみれば、既に他人の部屋に訪問するには非常識な時間になっていた
「けど、私達他人じゃないし!怒られたらそれはそれで、おやすみだけでも言って帰ってこよ」
先輩の声を聞きたい気持ちと顔を見たい欲求を我慢できず、私はそっと起き上がって部屋を後にするのだった
「やっと終わったか…」
最後に満足気な表情で退室していったハルさんを見送って、俺はソファーに腰をおろした
…なんだかんだ言って、俺とエリナの話題が8割を占めた恋バナも幕を閉じたのだが…
流石に疲れたぞ…
「エリナのやつ。今頃もう寝ちまってんだろうなぁ」
そういや今日も夜誘われてたな~
ハルさんのが先だったからやむなく断ってしまったのだが…
「ねぇ先輩!今日も…いい?」
「すまんエリナ。今日はちょっと無理なんだ」
仕事を彼女と無事に終えて二人でラウンジで話していた時に、『いつもの』を俺は頼まれた
…もちろん夜中におしゃべりするという意味だ
それ以上の変な意味は無いはず…なのだが…まぁ、最近は多分という言葉を付け足さざるをえない
エリナが本気を出したら…って、話がそれちまった
「えっ!?どうしてよ!?…も、もしかして、毎日しつこかった?」
「いやいやいや!俺だって毎日毎晩エリナとは二人で話したいし、それ以上のこともしたいけど…」
「なっ…///…じゃ、じゃーなおさらなんでよ?」
「おっと。流石にこの程度では突っ込まなくなってきたか」
「う、うるさい!誤魔化すな!」
「まぁそう怒るなって…ハルさんとの先約が入ってるんだよ」
「あっ…そ、そうなんだ…私の事嫌いになっちゃったのかと思ったじゃない…」
「バカヤロー。そんなことは絶対ありえねぇって」
「…ホントに?」
「絶対に絶対に絶対にだ。お前が俺を嫌いになるのと同じぐらいありえない…と、思うぜ?」
「そっか…うん!じゃー絶対ありえないね♪」
「だろ?」
…うん
今改めて思い返すとスンゲー恥ずかしい会話してないか俺たち?
これ実際あの場にいるときはなんともなかったけどさ…
やっぱりエリナが側にいると、俺はまともな思考回路が閉ざされちまうみたいだな
もちろん、悪い意味じゃなくて
「でも…私が今夜も誘うことぐらいわかってたでしょ?…わがまま言ってるのはわかってるけどさ…夜中は予定あけてくれてると…う、嬉しいな…///」
真っ赤な顔して上目遣いでそんな事言われたら、俺には彼女の要求を飲み込むという選択肢しかないわけで
「分かった!今度からは絶対エリナ最優先で予定組むよ!」
「う、うん!ありがと」
お礼を言って嬉しそうな笑顔を見せるエリナと、その時の俺は人目のあるラウンジだということも忘れて至近距離で見つめ合っていたのだった
「……ダメだな。会いたくなってきた」
もういちどアイツの笑顔を見てから眠りにつきたいもんだ
「ははっ。俺もいよいよ病気レベルだぞこれは」
あっ
これが恋の病ってやつか
…なんつってな
「もう夜も遅いし、寝てたら仕方ないさ。起きてたらちょっと顔見て帰ってくりゃいいんだ」
改めてエリナの部屋に訪問する決意を固めてから、俺が自室を出ようとしたその時
コンコン…
「あれ?誰か忘れ物でもしたのかな?」
控えめなノック音が聞こえて、俺は先程の恋バナメンツの誰かが戻ってきたのかと思ったのだが…
『せ、先輩…起きてる?』
!?
エ、エリナ!?
「お、おう!起きてるぜ!今行く!」
慌てて部屋の入り口を開けると、頭を掻きながら照れ笑いをしている最愛の彼女の姿があって
「えへへ…来ちゃった♪」
「エリナ。お前は俺を悶え死にさせるつもりか?」
そのかわいい仕草とセリフを続けられたら冗談じゃなくそうなってしまいそうだ
「えっ?」
「い、いや、なんでもない…それより、どうしたこんな深夜に?今日は先約があるって言ったのに」
とりあえず部屋の中に入ってもらうと、エリナはいつもどおり俺のベッドに腰掛けた
そういやそこは、彼女が俺の部屋で一番お気に入りの特等席だって言ってたっけ…
「…えっと…ダメ…だった?」
「いんや。もう用事終わったし、俺もエリナに会いに行こうと思ってたから別に構わないんだけどさ」
「あっ、そうだったんだ…嬉しいな…」
手を組んでモジモジしながらそう言って微笑むエリナの隣に俺が座ると、彼女はコツンと肩に頭をあずけてきた
…うん、やっぱりコイツの隣は心地いいというか温かいというか…
「…先輩達、恋バナしてたんでしょ?」
「えっ!?な、なんで知ってんだ!?」
彼女の説明によると、どうやらカノンがハルさんの策略により女性陣側でも恋バナを展開していたようで…
最初に彼女からハルさんの計画を聞いたらしいので、男性陣側でも今夜同じような話をしていることは知っていたみたいだ
「先輩は、どんな話したの?」
「もちろんエリナとの話に決まってんだろ?」
「だよね!…私もね、先輩との話、たくさんしたよ!」
…やばい
可愛すぎるぞコイツめ…!
とりあえず深呼吸
そして落ち着け…落ち着くんだ…
静まれ俺の中の獣よ…!
ここはベッドの上だとかそんな余計なことは考えるんじゃない!
「先輩?」
「あっ…な、なんでもないんだ…なんでも…」
「…もしかして、私の事『食べたい』とか思ってる?」
「はい!?」
小さく笑いながらこちらの顔を覗きこんで、そっと胸に手を添えてくる彼女の質問に動揺し思わず声が裏返ってしまった
「先輩よく言うもんね…私の事食べたいって…今日皆に話しちゃった♪」
ラウンジの時とは違い、潤いを帯びた色っぽい上目遣いでこちらに期待気な眼差しを送るエリナを見て、まだ理性を保っていられる自分を俺は褒め称えたい
「…きょ、今日はもう遅いから…ま、また今度な…」
「ぷっ…声震えてるよ?」
あぁくっそ…
いつからエリナはこんなに大人になっちまったんだ?
俺が言い負かされるなんて…
「…まいった。こうさんだ。だからこれ以上からかうのはやめてくれ…ほんとにそろそろ我慢できなくなってくる」
「はーい!また風邪引いたら迷惑かけちゃうもんね。ごめんなさい♪」
謝りつつもいい笑顔で俺の頬を指先で突くと、彼女は添えていた手を離してくれた
「それじゃーもう満足しただろ?…いい子だからエリナは部屋に帰りなさい」
「む!まーたそんな子供みたいな扱いしてさ~…満足してないのは先輩のソコでしょ?」
「こ、こら!女の子がそんなところ指さすんじゃねぇ!」
ガバッ!
「きゃぁ!…あ」
いつまで経っても隣を離れない彼女を仕方なくお姫様抱っこで抱えて部屋の出口まで運んでいく
「これも久しぶり…だね」
「そうだな。お前は軽くて楽だから、これくらいやってほしかったらいつでもやってやるよ」
「…女の子に体重の話は厳禁ですよ」
「はいはい。悪いなお姫様」
「もう。またそうやって…」
もごもごと不満気に頬を膨らませながら何かつぶやくエリナを部屋の外に立たせると、キュっと手を握られた
「…おやすみ、先輩」
「おう。おやすみ」
「…………」
「…………」
…なんだ?
なんでそんなじっと俺の顔を見つめて…
「にぶちんなんだから…ちょっと屈んで」
「…?あ、あぁ…」
チュッ…
「っ!?」
「ふふっ…おやすみのキス!今度こそできたね!」
自身の意思というよりも、半ば強制的に手を引かれて屈ませられた俺の唇に、柔らかいものが押し付けられた感覚がして…
…うん。俺はいままでよく頑張ったと思うよ
だからそろそろ我慢の限界が来てもいいよな?
…とゆうかきた
もう無理
「エリナ…お前が悪いんだぞ」
「…え?」
ガバッと彼女の腕を取りもう一度部屋に引き入れそのままベッドに押し倒した
「きゃぁ!…せ、先輩ちょっと…///」
「安心しろ。明日の仕事に響かない程度には早く終わらせてやる」
舌なめずりして迫る俺に流石に予想外だったのか、エリナは緊張の表情を浮かべている
しかし、そんな表情を浮かべながらも震える声で言い放った彼女の次の言葉に俺はもう完全に我を忘れてしまうのだった
「あ、あの…優しくしてほしい…な…///」
END
もうこれ恋バナでもなんでもなくただ二人がイチャコラしてるだけですな…