男主とエリナをイチャイチャさせる小説   作:リルシュ

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題名通りのハロウィンネタ
初々しいエリナちゃん



ハロウィン

「たいちょー!お菓子をくれないと強奪しちゃうぞー!」

 

「なんだそりゃあ?結局お菓子を手に入れるんじゃねーか」

 

起床早々、髪の毛もボサボサのまま寝ぼけ眼をこする俺を緊急の用事だとエントランスに呼び出した張本人であるナナが、ブラッド代表だとか言って仁王立ちしながら唐突にそう言った

 

「え?だって今日ハロウィンだよ?」

 

「それは知ってるわ!お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞが正解だろ!」

 

くっ…思わずツッコミいれちまったぜ

そんでお前はほんとにわけわからなそうな顔するな

しかも全然緊急性ないだろうがそれ

 

「まぁまぁ!どうせヒマを持て余してるたいちょーのことだし、私たち全員分のお菓子ぐらい持ってるんだよね?」

 

「ナナ、お前は俺を怒らせたいのか?」

 

と言いつつ、こんなこともあろうかと実は用意していたお菓子をごそごそとポケットから取り出す

ここでないなんて言ったら、どうなることかわからねーしな

 

「ほらよ。全員分あるだろ」

 

小さなキャンディーが10個ちょい

ブラッドひとりにひとつあげても余裕で余る計算だ

 

「…えー?これっぽっち?」

 

「お前はなにが不満なんだよ!?」

 

「まぁいいやー。これで全部なんだよね?」

 

なんだこの上から目線腹立つぅうぅぅぅ!!!

 

「全部だよ!おめーらにやるもんはそれで全部だ!ったく…早朝から呼び出しておいて…それ食ったら仕事の準備しておけよ」

 

「ふぁ~い。モグモグ」

 

ってもう食ってるし!

あげたアメの半数以上をいっぺんに口の中でコロコロ転がし頬を膨らませていたナナが、満足そうにラウンジに消えていった

ちゃんとみんなの分とっておいてるんだろうな

 

「はぁ…仕事行くまで部屋で休んでるか」

 

流石にもうひと眠り…とまではいかなくとも、横になっていたい

だが踵を返しエレベーターへ向かおうとした矢先、背後からなにか話し合う声が微かに聞こえ俺の足はピタリと止まる

 

(ほら!エリナちゃん!たいちょーはもうお菓子持ってないし、寝起きで頭もよく回ってないはず!今がチャンスだよ!いっけー!)

 

(わわっ!ナ、ナナさん…ほ、ほんとにやらないとダメですか…?流石にちょっと恥ずかしいんですけど…)

 

エリナ…?

彼女の声じゃないかという疑問を抱いた瞬間、ラウンジへと歩みだす自分の体

我ながら素直な作りになってるもんだぜ

 

(なーに今更恥ずかしがってるのー!シエルちゃん達とこの日のために作戦練って衣装も用意したんだから、あとはアタックあるのみだよ!)

 

(う…うぅ…わ、わかりました…)

 

ほほぅ…そういうことか

扉越しにはっきりと聞こえてきた会話から、大体の予想はついた

お菓子がない状態の俺にハロウィンお決まりのあのセリフを言う

するとなすすべなくイタズラされるしかない

ナナが、持ってるお菓子はこれで全部かと念を押してきたのはこれが理由だったのか

…実にシンプルで分かりやすい、今日という日だからこそ許される作戦である

まぁ、エリナからのイタズラなら喜んで受けるんだけど

そして俺はアイツ関連ならばどんな状況からでも脳みそを活性化させることができる

寝起きだから頭が回らないだと?

バカめ。それはエリナが関わってない時だけだ

 

…それにしてもここの壁は意外と防音性能低いんだな

話し声が筒抜けじゃないか

ピアノとかの音色、こっちのソファーに座ってても聞こえるんじゃねーの?

 

と、いうわけで、俺はそのソファーに堂々と腰を下ろしてエリナが出てくるのを待ち構えていた

もちろんしっかりと彼女らの作戦対応策を練りながら

 

ガチャ…

 

「よっ!エリ…ナ…?」

 

「っ!?せ、せんぱい!?」

 

予想通り、ラウンジから恐る恐るでてきたエリナにまずはニヤニヤと笑いながらびっくりさせようと企んでいたのだが、彼女の服装を見て俺は固まってしまった

目元がギリギリ見えるくらいに深々とかぶっている紫の大きいトンガリ帽子、小柄な体を隠すようにキュッと握られている同色のマント

そして隠しきれてない下半身から覗く真っ白な脚が…

 

「その格好…」

 

服装について突っ込もうとすると、カッ!と頬を染めて纏っていたマントを更にキツく抱き寄せ身を隠した

言わずもがな

魔女の仮装である

 

「あ、あんまりジロジロ見られると…あの…は、恥ずかしいよ…」

 

モジモジしながら消え入りそうな声でそう言って、こちらを上目遣いで見るエリナ

コイツはその行動がどれだけの破壊力を持ってるのかわかってないに違いない

可愛すぎて俺はもうどうにかなっちまいそうだぜ

にしてもそれだけ執拗に体を隠すってことは…まさかとは思うけど

 

「エリナ…もしかしてそのマントの下、何も着てないの?」

 

「ばっ!そ、そんなわけないでしょ!ちゃ、ちゃんと着てるよ…恥ずかしい…けど…///」

 

勢いよく反論してきたと思ったらしおらしく俯く彼女が可愛くて愛おしくて…

って、俺の心情語ってたら埒があかねぇな

 

「なんだよー?だったらこの時間だし周りに誰もいないんだから見せてくれよ~」

 

ニタァ~っと笑いながら立ち上がってわざとらしくジワジワと近づくと、真っ赤に頬を染めたままエリナは震える瞳と唇を閉じてそっとマントを開き始めた

 

生脚が丸見えだったことから、ある程度の露出は予想していたが…これは予想以上だ

控えめだがしっかりと女性らしさを訴える胸のふくらみは半分近くその素肌をさらし、申し訳程度に隠す布地で目を引きつけるように寄せられていた

お腹に至っては丸出しだし…

そしてスカートは彼女の普段着でさえ俺は少し短すぎるんじゃないかと思ってるのに、更に短くて…見えそうで見えないの域を極めていた

正直なんかもう…直視するのは色々と…その…危ない

 

「…えと…ビ、ビキニみたいでかわいい…な…」

 

目のやり場に困りチラチラと視線を泳がせながら謎の褒め方をする俺に、エリナはまったく収まる気配のない赤面状態のまま胸元を隠しスカートの裾を握って少しでも肌色を隠そうとしていた

 

…ぶっちゃけ結構長く付き合っている俺たちはやることやってたりするし、お互いの肌を見ることには慣れているのだが…

こういうのはまた違った恥ずかしさがあるのだろう

それは俺も今現在身を持って体験してるから分かる

 

「うぅ…かわいいって言ってくれるのは嬉しいけど…こ、こんな格好やっぱり恥ずかしいよ…せんぱいしか今いないからいいけど…ね、ねぇ。せんぱいの部屋…いこ?要件はそこで話すからっ…!ね?」

 

モジモジと落ち着きない彼女の様子は前述した服装と相まってあまりに目の毒だ…

だから、ささっと要件を済ませて健全な普段着に戻ってもらおう

そう!それが今の自分の使命!

 

「要件はもう察しがついてる。それに、そんな格好で部屋こられたら何しちゃうかわかんねーぞ?」

 

「な…っ///」

 

じっとその場に立って動く気配がない俺を、しばらく上目遣いで眺めてジリジリと理性を削ってきていたエリナもとうとう観念したのか

例の言葉を震える唇から可愛らしく紡いだ

 

「T…Trick or Treat…///」

 

うおぉう、すげー流暢な発音

俺がお菓子を持ってないと確信したうえで言ってきてるんだよなこれ

だとしたら、いったいそんな格好でどんなイタズラをしてくれるっていうのか…

興味がないと言えば嘘になる…が

 

「ふふふ…残念だったなぁエリナ~」

 

「え?」

 

意地の悪い笑みを浮かべる俺に、彼女は口をポカンと開き唖然とする

俺は『お菓子が』全部なくなったなんて一言も言ってない

『おめーらにやるもんはそれで全部だ!』ってナナに言っただけだ

 

「エリナに特別なもの用意してないわけないだろ?」

 

「っ!」

 

そしていつどこで会ってもちゃーんと渡せるように今も持ち歩いてるんだぜ?

ひょいっとポッケから取り出してチラリと見せびらかすそれを、エリナは目を細めて確認した

 

「な、なにそれ?リップ?」

 

「くくく…リップに見えるのも無理はないな。なぜなら…」

 

彼女の例え

あながち間違ってはいないんだ

俺が棒状のソレをくるりと一回転させると、にゅいっと突き出てくる半透明の物体

これだけ見れば、まさしくリップなのだが

 

「これはな。こういう飴なんだ。つまりお菓子」

 

「あ、飴!?」

 

「そうだ。面白いだろ?」

 

信じられないといったふうにマジマジと見つめるエリナの唇に、前振りなくぐいっとそれを押し付けた

 

「きゃうん!…あ…ホントだ。甘い」

 

ピクリと驚いて反射的に唇を舐めたエリナが可愛い驚きの声を漏らす

 

「これでお前からの要求には応えたぞ」

 

「っ…そ、そう…だね」

 

あははと笑いながらも、素直な気持ちを隠すことが苦手なエリナに悲しそうな表情がちらついたのを俺は見逃さない

 

「あの…い、いきなりこんなことしてごめんねせんぱい。じゃー…ま、またね!」

 

それだけ言ってくるりと背を向ける彼女の肩をガシッと掴む

 

「おいおい待てって。まさか自分だけ言って帰るなんて冷たいことしないよな?」

 

「へ…?」

 

イヤーな予感がしているのだろう

ゆっくりと振り返るエリナの前で、俺は自分でもわかるぐらいにニヤニヤと悪人面をかましていた

 

コツンっ

 

「トリックオアトリート」

 

完全にこちらに向き直った彼女と額を重ねて、至近距離から放たれるハロウィンの決めセリフ

まぁ、コイツみたいに綺麗な発音じゃないのはご容赦願おう

 

「なっ…くっ…!」

 

焦って瞳を泳がせながら口をパクパクするかわいいエリナの顔を間近でたっぷりと堪能する

 

「はっはっは!別に俺から言ったっておかしくはないよなぁー?」

 

そうなのだ

バレンタインやホワイトデー

お互いの誕生日などとは違い、今日は双方向から仕掛けても何も問題ない日なのである

…年齢差?年上が年下に?知るかそんなもん

たったの3つ差なんだからないようなもんだぜ

 

「…うぅ~…ないもん!せんぱいにあげるお菓子なんか用意してないもん…!」

 

一周回って開き直ってしまったエリナが俺から後ずさって可愛らしく頬を膨らませて、腰に手を当て堂々と胸を張りながらそう言った

 

「そうなのか~?おかしいな~俺には最高に美味しそうなお菓子が見えるんだが…」

 

「…え?」

 

後退していく彼女をジリジリと壁際に追い詰め、俺はさきほど塗りつけた飴が完全には舐め取られていないおかげで艶やかな光沢を放つ小さな唇を見つめる

その視線に気づいたエリナがキュッと口を結んだ

 

「ま、まさかせんぱい…」

 

「そのお菓子くれよ。じゃねーと…イタズラしちゃうぜ?」

 

「ず、ずるふぁっ!?…ちゅぅ…んぅっ!」

 

何か文句を言おうとしていたのを素早く軽いキスで声を塞ぎ、甘くてふっくらと柔らかい彼女の唇をペロリと優しく舐め上げる

 

「おーあっまーい。こんなお菓子を用意してくれるなんて流石エリナだなー」

 

「…うっ…うぅ…ばかぁ…!」

 

涙を浮かべてぺたりと床に座り込んでしまったエリナがキッと俺を睨みつけた

…パンツ丸見えなのは黙っておくか

 

「なんだ~?まだお菓子が足りないか?」

 

先ほどのリップ型飴をちらつかせると、ゆっくりと立ち上がった彼女がパッとそれを俺の手から奪い取る

 

「これ全部くれるんですよね!」

 

「ん?もちろん。お前のために用意したんだから、遠慮なくもらってくれていいぞ」

 

「…わかりました…じゃぁ覚悟っ!」

 

じーっと飴と俺を交互に見ながらなにやら考えていたらしいエリナが突然飛びかかってきた

 

「うわっと!おぃ…っ!」

 

口に向けて突き出された甘いもの…それがなんなのか、考えるまでもない

俺があげた飴を早速利用しやがった…!

関節キスじゃんなんてことは一瞬考えただけで、すぐさま続けて重なってくる唇の感触が思考の全てを支配する

 

あまりに唐突だったもので瞳を閉じるヒマすらなかった俺は、視界いっぱいに広がる赤面のエリナを思う存分見ることができた

もちろん彼女の方は仕掛け人なので瞳はキュっと閉じられていたが

 

「んっ!……ちゅ……♪」

 

「おーいエリナ…ん…いつまで…ぷはっ…キスしてる…つもりだ?」

 

とっくに飴の成分はすべて舐めとったであろうに、いつまでもペロペロと接吻を続ける彼女に声をかけてやれば、はっとしてすかさず後ずさる

うん、やっぱりこういう初々しい感じの反応も最高にかわいい

 

「…お、おかえし…」

 

「お菓子だけじゃなくてイタズラまでしてくれるとは、太っ腹すぎて恐れ入るぜ」

 

ポンポンと頭を撫でてやると、からかわれてることを理解してるエリナがぷくっと頬を膨らませた

 

「先輩はお菓子しかくれてないよね?」

 

「え?」

 

「…イ、イタズラ…してくれない…の?」

 

首の角度は変えずに視線だけ動かす…所謂必殺の上目遣いってやつで俺を見ながらそんなことを言う彼女

そんな風に聞かれたらそりゃもう希望におこたえしてやるしかないよなぁ!

 

「くっくっく…そうだな…どっちかだけなんてケチなこと言ってないで、両方あげればいいんだよな!」

 

俺の発言に黙ったまま頬を染め続ける彼女の反応をOKと判断し、ぐいっとニヤニヤ顔を近づけこう言った

 

「トリックアンドトリート…ってか」

 

END

 

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