男主とエリナをイチャイチャさせる小説   作:リルシュ

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以前書いた話の中でもちょくちょく出ていたバレンタインネタ
時系列は章『エリナの嫉妬』と『手作り料理』の間
時系列さかのぼりを意識しすぎて主もヘタレにしすぎた感が…( ˘•ω•˘ )
後半誕生日ネタとかぶってる感半端ないけど気にしないでくださるとありがたいです(´ε`")←



バレンタイン

 

「バレンタインか…」

 

エリナという彼女が出来て、ここのところ浮かれ気味だった俺がさらに調子に乗ってしまうようなイベント当日の朝

 

「うおぉー!エリナって料理得意そうだしなぁ。手作りとかくれんのかなぁ~…」

 

ベッドにうつ伏せのまま、足をバタバタと動かしまるで子供のようにはしゃいでしまうほど嬉しい

 

「あぁ…エリナ…」

 

最近は彼女の事しか考えてなくてニヤニヤしながら無意識に名前を呟いてしまうほど、俺は愛という感情に深く溺れてしまっているのだった

 

「…っと、仕事仕事…今日は休みじゃねーもんな」

 

横たわっていた体を起こし、スクリーンを切り替え快晴の外を見回しながら大きく背筋を伸ばす

ここのところ何もかも順調で最高の気分だ

そのままターミナルをポンポンと操作し簡単な準備だけ済ませ、俺はエントランスへと向かうのだった

 

 

 

 

 

「あっ!せんぱい!」

 

目的地まで来たところで、ソファに腰かけていたエリナが待ってましたと言わんばかりの笑顔でぴょこぴょこ歩み寄ってきた

 

「お、おう…おはよう、エリナ」

 

途端に今日という日を意識してしまい、彼女の顔を見て自分の頬に熱が集うのを感じる

 

「?…具合でも悪いの?」

 

そんな俺の様子に敏感に気づいたエリナが心配そうにひょいっと下からのぞき込んできた

 

「い、いやいや別に!」

 

「そっか。ならいいんだけど」

 

にこりとまぶしい笑顔を見せこちらの腕をとると、あたりをきょろきょろと見回し誰もいないことを確認していたのか、そのままソファーへと導かれる

…腕をとる前に周囲の確認をしなければあまり意味がないと思ったことはかわいいから教えないでおこう

 

「まだ仕事までちょっと時間あるでしょ?お話ししよ♪」

 

再びソファーに腰かけポンポンと隣の席を叩いて座るよう促してくるエリナの提案に素直に従い座った

 

「えっとね…まずは言っておかないといけないことがあって…今日は私用事があって仕事一緒にいけないの」

 

今日の用事というワードに心臓がドキリと高鳴り体もピクリと反応する

我ながらなんと単純な体

期待しているのがバレバレじゃねーか

 

と思って恐る恐るエリナの方を向いてみたが、幸い(?)彼女はこちらの様子を見ておらず、それどころか頬を真っ赤に染めて正面に組んだ震える手をじっと見つめていた

コイツも緊張しているのか…?

め、めちゃくちゃかわいいんだけど!!!

 

「…あの…聞いてる?」

 

思わずポカンと間抜けに口を開きっぱなしにしてエリナの横顔に見惚れてた俺は、こちらに振り返りつつ彼女が言った言葉でハッと我に返り慌てて頷いて見せる

 

「あ、あぁ!聞いてる聞いてる!」

 

「…なんか今日先輩変じゃない?」

 

「ちょ…!」

 

ジトーっとした目線で唇をキュッと真一文字に結んだエリナがグイッと顔を近づけてきて、俺は反射的に彼女の肩を掴み距離を取ってしまった

 

「大丈夫だって!エリナは用事があって今日は一緒に仕事行けないって話だろ?ほら!ちゃんと聞いてたよ」

 

「そう?…ちょっと心配だけど…仕事、気を付けてよね。不注意で怪我なんかしちゃヤダよ?」

 

「ん…あぁ」

 

まるで新婚夫婦の出勤前の挨拶みたいだなと浮かれた妄想が脳内に浮かび上がってきたのを軽く頭を振って追い払う

 

「じゃーまた後でね!私も急がないとだからこれで!」

 

「あ…」

 

立ち上がった彼女と別れるのがすこし名残惜しくて声をかけてしまった

…聞いてしまおうか?

 

「ん?どうしたのせんぱい?やっぱり具合悪いの?そしたら無理せずに今日は休みをとって…」

 

「いや…お前の用事って何なのかちょっと聞きたくて…さ」

 

まるでどちらが先輩かわからないような心配をさせてしまった上に、なんとも意地悪な質問をしてしまった

でも…分かっていてもやっぱり気になるんだ!

許してくれエリナ!

 

少しの間沈黙が訪れゴクリと生唾をのみながらエリナの顔色を窺うべく視線を向ければ、予想通りと言うべきか

真っ赤になった彼女がかわいらしい小さな唇をパクパクさせている姿が

 

「そ、そんなの…!き、決まってるでしょ!いちいち聞かないでよイジワルっ!」

 

それだけ言ってぷいっと顔をそむけたまま、彼女はダッシュでエレベーターの前まで逃げてしまった

 

「あの反応はやっぱり…そうだよな…チョコ…だよな…」

 

と再確認した瞬間喜びで変に体が震えてくる

うぉ…やる気が…やる気が満ち溢れてくるぜぇ!!!

 

「今ならやれる!どんなアラガミでも片手でひねりつぶせる気分だぁ!!!うおぉぉぉぉぉお!!!エリナぁああぁ!!!愛してるぞぉぉおお!!!」

 

「そこから死角になっているので気付かないのも無理ないですが、受付に先ほどから私がいたことを一応伝えておきますね。隊長さん」

 

 

 

 

 

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先輩ったらなんであんなことわざわざ聞くのよ…ばか

 

「貴方にあげるチョコの準備にきまってるじゃない…私の大切な恋人なんだから…」

 

1人っきりで静かなエレベーター内

私は彼への文句をぶつぶつとつぶやいていた

2/14と言えばバレンタインデー…流石にそのぐらい知っている

愛する男性へと女性がチョコを送るっていう日

まぁちょっと前からは女性同士の友チョコだとか、お世話になってる相手へ送る義理チョコなんてものも流行ってるらしいけど

 

私が最優先であげたい相手はもちろん恋人である

 

本来ならば今日も仕事があるはずで色恋沙汰の事情で休みをもらってもいいものかと悩んだのだけれど、主に女性陣のみんなからこういうのは大事だからって言われて決心がついた

それに有給とか全然使ってなかったしね

 

「よし…チョコ作りがんばろ」

 

自室の前まで戻ってきた私は、大きな深呼吸を一度してその扉を開けた

この日のためにお菓子の作り方をカノンさんやムツミちゃんに教えてもらってたくさん勉強して先輩の好みの味もそれとなく聞き出してある

うん、完璧!

絶対に喜んでもらうんだからっ!

 

作られるところは誰にも見られたくなかったので、自室で調理を行う

作る予定のお菓子は、ザッハトルテというチョコケーキ

先輩は甘すぎるものは苦手らしいから、そこは控えめにして…

 

などと脳内で味付けの過程をしながら冷蔵庫を開ける

ヒヤリとした冷気の放出と共に、調達しておいたお菓子の材料が姿を見せた

 

さて…調理開始ね!

 

 

 

 

 

………

……

うん、生地の砂糖も少なめにしたし、ケーキの間にアクセントとして入れたジャムの味も悪くない…と思う

味見をしたとき私にとってはちょっと甘さが足りないかなって思ったけど、先輩はこれでちょうどいいはずだ

 

私は1人分を想定して出来上がった小さなホールケーキを箱に詰め、ドサッと腰を下ろし両肘をついてニヤニヤしながら机の上に置いたそれを眺めていた

 

「ふふ…せんぱい…喜んでくれるかなぁ…」

 

仕事から帰ってきて疲れた先輩が、笑顔でケーキをほおばっているところを想像する

また頭撫でてくれるかなぁ…おいしいよエリナって言ってくれて…

 

詳細な内容を思い浮かべるほど頬が嬉しさで熱くなり、ちょっと恥ずかしい妄想に足が自然とバタバタ動く

そして自分がいかに彼に惚れ込んでるのかを改めて思い知るのだった

 

「…っと!いけないいけない!ケーキしまわないと」

 

欲を言えば出来立てを食べてもらいたかったが、仕事もあるしそこまでワガママは流石に言えない

ケーキの形が崩れてしまわないように、そっと冷蔵庫の中にしまっておく

 

「あとは先輩に渡すだけ…わた…す…!」

 

あっ!

どうやって渡そう?

全然考えてなかった

…ま、まぁ別に悩むほどのこのじゃないわよね?

帰投してきた先輩を部屋まで呼んで、二人っきりになってからケーキ渡して食べてもらいながらゆっくりお話でも…

 

「あれ…な、なんか緊張してきたかも…」

 

お菓子とはいえ、二人っきりで手料理を食べてもらいながらお話しするだなんて…

想像しただけで頬の熱がぶり返してきてしまう

 

「…だ、大丈夫…絶対食べてもらうんだもん…だから…」

 

高鳴る胸に手を当てて、深呼吸をして落ち着く

 

「待ってるからね。先輩」

 

 

 

 

 

---------------------------------------------

 

 

 

 

 

うん

任務も無事終了だ

あの恥ずかしい雄たけびをネタに、フランに無線でからかわれ続けたことを除けば何も問題ない!

 

ヘリでの帰還中、日が落ちかけている夕焼けの空を見ながら、俺は帰りを待っているであろうエリナの笑顔を思い浮かべていた

きっとチョコ用意して待ってくれてんだろうなぁ…

俺はただもらうだけって立場なのに変に緊張してきやがった

てゆうかそれ抜きにしてもアイツと会いたい

ここのところ毎回任務の時はエリナが一緒にいたし、なんか足りないし寂しいと思った理由もそれが原因に違いない

 

「俺、すっかりエリナなしだと生きていけなくなっちまったなぁ…」

 

迎えに来てくれた操縦士ですらヘリの駆動音にかき消されて聞こえないぐらいの声量で、俺はボソッとそうつぶやいた

 

 

 

 

 

「あっ!せんぱい!おかえりっ!」

 

アナグラのエントランスまで帰ってくると、今朝と同じくソファで待ち構えていたエリナが声をかけてきた

 

「エリナ?まさかずっとここで待っててくれたのか?」

 

「うん。まぁ今来たばっかりなんだけどね」

 

えへへと笑みを浮かべながら嬉しそうに歩み寄ってくる彼女の姿を見ただけでも仕事の疲れなんざ全部吹き飛んじまうぐらい癒されるぜまったく

 

「それでね…えっと…早速で悪いんだけど、私の部屋まで来てほしいなって…」

 

「お、おぅ…」

 

両手を後ろで組んでの上目遣い攻撃がキタァ!!!

わずかに頬が朱に染まっているのも高得点だ

 

「…いこ?」

 

「う、うん」

 

というバカな脳内発言をしてる俺の顔もきっと真っ赤になっているに違いないんだけどな

 

 

 

 

 

「じゃーちょっと待っててね」

 

「分かった」

 

エリナの部屋まで案内された俺は、あまりジロジロ見回すのも良くないと思い無難に部屋内に設置されているソファーへと腰を下ろして待機することにした

彼女の部屋に来たことはほとんどなかったが、やっぱりどの部屋も基本的な間取りは変わらないようだ

…けど、なんだかほんのりと甘い香りが漂うのはやっぱり女の子の部屋だからなのだろうか…って、なに考えてんだ!

てゆうかさっきから緊張しすぎて気の利いた返事できてないし大丈夫なのか俺

 

どうにも落ち着かなくて、冷蔵庫の前でかがみこんでいるエリナの後ろ姿をじっと見つめる

…やっぱりチョコだよな

 

「はい先輩。今日バレンタインだから…これ作ったの」

 

「っ!あ、ありがとうエリナ…え、えっと…め、めっちゃうれしゅいっ!」

 

いてっ!噛んだ!最悪だっ!何やってんだ俺のバカっ!

 

「…ぷっ」

 

ほらみろ笑われてんじゃねーか!!

 

「あ!いやな!?今のはな!?」

 

うつむいて顔を反らしつつもケーキが入ってあるであろう箱を差し出したままのエリナに必死に言い訳を述べようとするも、いい案が出てこずあたふたする俺の様子が面白かったのか、

 

「先輩がそこまで緊張してるなんて思わなかったな。でもそれだけ楽しみにしててくれたんだよね?」

 

二コリと天使のような笑みを見せてくれながら、エリナがはいと俺の胸元にそっと箱を押し付けた

 

「おかげで私の緊張が和らいじゃったよ♪ありがと先輩」

 

俺が受け取ったのを確認すると、隣に腰を下ろしてどうぞと言わんばかりに箱を指さす

…な、情けねぇ

 

「その…なんかごめんエリナ…」

 

「先輩って案外かわいいところあるんだね」

 

ポンポンと頭を撫でられさらに恥ずかしさが増す

いつもは撫でてあげる側なのにホント恥ずかしいなちきしょう!

 

「じゃー…ありがたくいただくよ」

 

「うん!」

 

彼女が隣で見守る中、そっと開いた箱の中身は…

 

「っ!?チョコケーキ!?」

 

てっきり普通のチョコをハート型にしたものとかそういうレベルを想定してた俺は、想像以上のものの登場に驚きを隠せなかった

 

「そうだよ!手作りしたんだから!」

 

よほどの自信作なのか

エリナは腕を組んで得意げに胸を反らす

 

いやしかしこれはホント…

 

「スゲーなお前…これ手作りしちまうとか…」

 

素直に尊敬するぜ

 

「それは食べてから言ってよ!」

 

俺の驚きがよほどうれしかったのか、肩に手を置いて早く食べてとせかしてくるエリナが可愛くて、俺は迷わず同封されていたナイフとフォークで切り分け早速一口食べてみる

 

「美味い…」

 

思わず無意識で言葉が漏れた

 

「ホント!?」

 

「あぁ!めちゃくちゃ美味いよこれ!好みの味!」

 

「よかった…喜んでもらえて」

 

夢中でケーキを次々と口に運んでいく俺の様子をじっと隣で嬉しそうに見てくる彼女に見守られながら、あっという間に完食してしまった

 

「うまかったぁ…こんな美味いケーキは初めて食ったぜ」

 

「すごい食べっぷりだったもんね先輩…見てて気持ちいいぐらい」

 

綺麗にからっぽになった箱の中を覗き込みながら、エリナが嬉しそうな声で言う

 

「だってめっちゃ美味かったし!あぁ…エリナの分も少し残しておけばよかったな」

 

「いいよ。だって先輩のために作ったんだから。それに味見もしてるし」

 

しかしそうとは言え、このうまさは共有したかったな

…あ、そうだ

あることを思いつき、にやりと笑みを浮かべ早速実践に移すべく彼女に声をかける

 

「エリナ。お礼がしたい」

 

「お礼?それなら来月にホワイトデーっていうのが…」

 

「俺は今お礼がしたいんだ、もちろんホワイトデーにもちゃーんと別のお礼するから安心してくれ」

 

「え?…う、うん…」

 

ちょっぴり疑うような視線で俺を見るも、素直にこちらを向いたままじっと待機するエリナの顎を不意につかむ

 

「?」

 

突然のことに驚きで瞳をパチクリさせる彼女の唇に、自身のそれを軽く重ね合わせた

時間にすれば1秒に満たないかどうか

けれども感触はしっかりと伝わったようで

 

「ぇ…っ!?…な、なにして…///」

 

頭の処理が追いついてないのか

エリナは口をパクパクさせながらただただ俺の顔を見つめていた

 

「ん?お礼のキス」

 

普段だったら恥ずかしくてまともに出来そうにないけども、今は俺のためにこんなにおいしいケーキを手作りしてくれた彼女に対する感謝で気持ちが高ぶっていた

有体に言えばテンションが高くなっていたのである

 

「嫌だったか?」

 

「そ、そんなわけないでしょ!でも…そのいきなりだったから…あの…」

 

今ならどんなかわいいセリフでも耐えられるなと思った矢先、彼女の口から理性を崩壊させるような一言が飛び出した

 

「もう一回、分かるようにゆっくりして!」

 

END

 




※Qケーキ1から作るのって自室でできるの?
 Aエリナちゃんはこの日のために器具も調達してあります(という設定)←

しかしネタが明確に思いついてない時に無理やり時期ネタやるもんじゃないですね
今回は途中まで書いてしまったから最後まで貫いちゃったけど、ぶっちゃけ微妙な出来だと思ってます
あちこちでこのネタの伏線張ってただけに非常に悔しい
反省ですな( ˘•ω•˘ )

今後大幅な修正をする可能性も十分にありますので、よかったら活動報告などにも目を通していただけるとありがたいです
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