男主とエリナをイチャイチャさせる小説   作:リルシュ

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※引き続き、糖分大量注意報


検証

「あっ、ふたりとも来ましたね」

 

神機を取り出してきた後、(ついでに先輩の鼻からティッシュも取り除いて)バレットの性能を試すことが出来る射撃訓練場まで来た私達に、一足先に来ていたシエルさんが声をかける

私達以外にも、銃形態を扱うことが出来る神機使いの人達がチラホラ見えた

…けっこうみんな練習しに来てるんだなぁ~

 

「実は先ほど気がついたことなのですが、私達3人が揃うと現状神機使いが扱える銃形態のすべてを練習することが出来るんです」

 

シエルさんが早速瞳をキラキラさせて語り始めた

噂には聞いてたけど、彼女の銃器やバレットエディットに対する情熱は半端じゃないらしい

 

…こんなに楽しそうに話してるのを見ると、なるほど。

とても納得できる話だ

 

「シエルはスナイパー。エリナはショットガン。俺はブラストと、あんまり使わないけどアサルト…おー、ホントだ」

 

「だから…私が作ったバレットもいろいろ試せると思いまして」

 

シエルさんが後ろ手に持っていたトランクを重そうに私達の前に引っ張りだす

…って?え?

 

「…あのーシエルさん?まさかとは思いますが、それ全部貴方様のお作りしたバレットで?」

 

どう見ても『一週間ぐらい旅行できます!』ってサイズのトランクに、先輩ですら予想外だったのか

変な言葉遣いでシエルさんに尋ねていた

 

「はい!いつもは君のブラストと私のスナイパーの分だけでしたが…今日は折角エリナさんも来てくれていることですし、ショットガン用のも…と思って」

 

新しいおもちゃを貰った子供みたいに無邪気な笑顔を見せながら、トランクを開けるシエルさん

 

「その後君がアサルトも少しだけ使っていたのを思い出して…どうせならと思って全部持ってきてしまいました」

 

「…どうりでいつもの倍近くあるわけだ…」

 

「いつもでさえこの半分はあるんですか!?…ホ、ホントにすごい量ですね…」

 

トランクの中にギッチリと詰まっているバレットの数々…

それらを見渡しながら、私と先輩は苦笑いを浮かべた

 

「…でもシエルさんって普段スナイパーを使っているんですよね?なのにどうして他の銃身用のバレットも作っているんですか?」

 

「あー…それな、いつもはスナイパー使ってるけど、一応シエルはひと通り銃器は全部扱えるんだぜ?ただスナイパーが一番自分にあってるらしくてな」

 

へぇ~…そうなんだ

そういえばここに来る前に、先輩がショットガンの扱い方を彼女から教わるといいとか言ってたっけ?

…それにしても、シエルさんについて詳しいなぁ先輩…

そりゃー同じブラッドの隊員なんだし、仲間の戦闘傾向ぐらい知ってておかしくないけど…

 

ちょっと彼女が羨ましい

 

もちろん。私の得意な戦い方とかだって先輩に知ってもらえてるとは思うけどさ

 

「それに、私達ブラッドは4人でみんな違う銃器を使っていますからね。私がスナイパー。ギルはアサルト。ナナはショットガン。そして君がブラスト」

 

「そうだったそうだった。それで俺達の銃身にあうバレットをわざわざシエルが皆の分までエディットしてくれてさ~」

 

「そう…だったんですか」

 

じゃー今先輩が使ってるバレットも…シエルさんが作ったやつなのかな…?

…むぅ~…

 

「でもナナは銃をほとんど使ってくれないので…だから今日は、彼女と同じショットガン使いのエリナさんと一緒にバレット検証することが出来るのが、とても楽しみなんですよ?」

 

「へ?あ、はい!期待に応えられるように頑張ります!」

 

っと!

いけないいけない!

今日は私は付き添いみたいなものなんだから!

ボッーとして迷惑はかけないようにしないとね

 

 

 

 

その後、気が遠くなるほどの量のバレット検証が始まったのだが…

 

「うぉおおぉおお!!!なんじゃこりゃぁ!!!」

 

先輩が最初に使ったのは、敵を誘導する弾を打ち出し命中した箇所に何度もレーザーを放出する球を発生させる…みたいなバレットだった

 

「これなら標的に一度命中しただけで、持続的な大きいダメージ効率が…と思ったのですが」

 

「確かにスゲーぞこれは…しかもオラクルリザーブを使わない量のOPで放てるとは…流石だな」

 

シエルさんの作ったバレットはどれも独自の工夫が施してあり、傍から見てもすごいのがよく分かる

…先輩にあれだけ評価されてるのを見て悔しくないって言えば嘘になっちゃうけど、配布された初期バレットをエディットが面倒でそのまま使ってる私と、ひとつひとつのバレットに個性をもたせた丁寧なエディットをしているシエルさんとでは、バレットエディットに関する力量が雲泥の差なのは、火を見るより明らかだよね…

実際私もいろいろと使わせてもらって、その有用さには舌を巻いていた

 

「…すごい。このバレット、敵の装甲を貫ける…?」

 

私がポツリと漏らした言葉に、シエルさんが笑顔で反応してくれた

 

「それは変異モジュールの【徹甲化】を取り入れたブラッドバレットなのですが…」

 

ブラッドバレット…

確か先輩とシエルさんが生み出す原因になって、整備班の人たちが仕上げたっていう…

 

「へ~。エリナも徹甲扱えるぐらいには、ショットガン使ってたんだな」

 

「ば、バカにしないでよ!私だってこのぐらい銃を扱えます!」

 

先輩の予想外みたいな物言いに、また悔しくなっちゃって頬をふくらませる

 

「…でも、私もバレットエディット勉強した方がいいのかも…」

 

「あっ…エリナ、シエルの前でその発言はやめたほうが…」

 

「え?」

 

苦笑する先輩の顔を疑問に思ったのはほんの一瞬

私の言葉を聞いて、瞳の輝きを更に増したシエルさんを見てすべてを察した

 

「エリナさん!バレットエディットに興味を持ってもらえましたか!?では早速こちらを…」

 

「えっ?…あ、あの…?」

 

なにやら教本のようなものをトランクの奥底から引っ張り出したシエルさんの姿を見て、先輩がご愁傷様と言わんばかりに手を合わせた

 

「こうなっちまったらもう俺でも止められん。諦めて勉強会と洒落込もうか…」

 

そ、そんなぁ~…

助けてよ先輩!

この分厚い辞書みたいな、いかにも玄人向けですって感じの教本をいきなり提出してくるシエルさんのことだ

エディット初心者の私なんか一瞬で頭がパンクしてしまうに違いない

 

「あ。ついでですから君もこれ、どうぞ。そろそろバレットエディットについて本格的に勉強を…」

 

「お、おぅ…」

 

さり気なく逃げようとしてた先輩を呼び止めて本のタワーを押し付けるシエルさんを見て、私はこれから始まってしまうであろう勉強会を想像し、顔が青ざめるのを感じるのだった

 

 

 

「ふぅ。今日はとても充実した有意義な時間を過ごすことが出来ました。二人の協力に感謝します」

 

シエルさんの講義が終わるころには、すでに日が落ちている時間だった

ここからじゃ外の景色は確認出来ないけどね…

さっきまで周囲にいた他のゴッドイーターの人たちも、いつの間にかいなくなっているし

 

「そ、そうか…満足してもらえてなによりだ…」

 

「わ、私も…ありがとうござました」

 

「機会があれば、是非また3人でバレット検証しましょうね!」

 

眩しいくらいの笑顔でホントに楽しそうにそう言うシエルさんを前に、私達は嫌だとは言えずに首を縦に振るしかなかった

その後、お礼を言って去っていく彼女を見送りながら、訓練場に残された私達はホッと一息ついてその場に座り込む

 

「シエルさんってなんかその…すごい人だね」

 

「だろ?まぁ、ブラッドの頼れる一員だってのは間違いないよ。実際銃器関連では俺も相当お世話になってるしな」

 

検証結果で気に入ったバレットを幾つかもらっていた先輩が、その一つを手に取り眺める

 

………

 

「ねぇ先輩。私もあなたの役にたってるのかな?」

 

ついつい聞いてしまったことに、私の真意を見透かしている先輩がニヤつく

 

「もちろんだ。エリナは俺のそばに居てくれるだけで満足だよ」

 

ド直球な物言いに恥ずかしくて照れちゃって…

私はすぐに返事をすることが出来ずに、頬を染めて俯いてしまった

でも、なんかこう…もっと具体的に言って欲しいというか…

 

「…いるだけ…ですか?」

 

「好きな女の子が…エリナがずっとそばに居てくれるほど嬉しい事って、中々ないと思うけどなぁ~」

 

「…っ///」

 

あぁもぅ…

どうしてこの人はこんな恥ずかしいことを堂々といえるんだろう

 

「お前はどうだ?俺がそばにいるだけじゃ不満か?」

 

「不満なんてこと全然ないです!ないですけど…でも…私…なんだか不安で…」

 

なんて言えばいいんだろう…

私には分からなかった

 

「…しかたねーな」

 

優しい笑顔で私の頭に手を置きながら、先輩が語り始める

 

「俺がエリナを好きになったのはな…お前の一生懸命な姿に惹かれたからだ」

 

その内容は私のことが好きになった理由についてだった

 

「最初はちょっと生意気な後輩って感じだったけど…何回も一緒にミッションへ行ってるうちに、お前がいかに本気で必死に頑張って強いゴッドイーターになろうとしてるのかが伝わってきてさ」

 

…そういえば、最初私はブラッドの皆を敵対視してるみたいな感じがあった

極東支部を今まで守り抜いてきたのは自分達だから…って

 

「そしたら…なんというか、ずっとお前のそばで支えてやりたいって思うようになって…ははっ。なんか恥ずかしいなこういう話するの…」

 

照れを誤魔化すように笑う先輩を私はじっと見つめる

 

「…だから、エリナは俺のそばに居てくれるだけで満足なんだよ…強いて言うなら、元気で!笑顔で!っていう条件も付けたいけどな」

 

…そっか

そうだよね

私だってそうだもん

 

「ごめんね先輩…私ちょっと嫉妬しちゃっててさ…」

 

「うん。分かってた」

 

「っ…///。は、はっきり言わないでよ…」

 

…周りに今誰も居ないし、ちょっと甘えちゃおうかな…

そっと先輩の体に寄り添う

 

「…私もさ、最初はブラッドって温室育ちのエリートって感じがして嫌だったけど、先輩は…態度悪い私にもいっぱいいろんな事教えてくれたし…とっても強いことは最初の同行任務で分かっちゃったから」

 

私の頭を撫でてない方の彼の手をそっと握って、その顔を見上げた

 

「ソーマさんとの件でも手伝ってくれて…いつの間にか好きになっちゃってた…先輩と一緒にミッションとかお出かけ行くのが私の楽しみにすらなってた」

 

だから…

 

「…確かに、一緒に隣にいられるだけで十分幸せなことなんだって…改めて実感したよ」

 

視線が絡み、お互いの吐息すら感じる距離で私達は見つめ合う

 

「エリナ…」

 

「先輩…」

 

…この雰囲気って

わ、私…目つぶったほうがいいかな…///

とゆうか、流石にこの体勢を長時間維持するのはかなり恥ずかしい…

 

「…なぁ、さっき俺が言った事覚えてるか?」

 

耳元に口を寄せてそっと囁く彼の言葉に、体の芯が火照るのを感じた

 

「えっ…さ、さっきって…んっ…い、いつ…ですか?」

 

途切れ途切れのかすれ声でそう返事するのが精一杯の自分に、小さく笑い声を上げる先輩

 

「『今夜は覚悟しろ』」

 

「!!!」

 

ビクッと震える私の反応に、満足そうに頷くと…

なんと彼は私を…お、お姫様抱っこてやつで抱えて…!

 

「さ~て、俺の部屋に行こうかエリナ♪」

 

「なっ…なっ…っ~!!!///」

 

もうどこから突っ込んでいいのか分からなくて、私はただただ先輩の腕の中で真っ赤になりながら、もごもごと口を動かすのが限界だった

 

 

 

後日。私達の様子をちゃっかり遠くから見ていた清掃のおばさんによって、極東支部中に話が漏れてしまったことはまた別のお話

 

END

 




ホワイトデーネタもやりたかったけど、バレンタインネタやってないのに先にホワイトデーネタもどうなの?
って思ったので普通に更新しちゃいました
…書き始めた時期が悪かったなぁ
バレットエディットはブラスト以外ほとんどやったことないので、変なところがあったら申し訳ないです!
最近オリジナル設定って便利だとおもいはじめm(ry

今回は若干短めでしたが、この章はとりあえずこれで完結ですかね
では、ここまで読んでくださった皆様!ありがとうございました!
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