上記の章で話題に出ていた一緒に外出した時のお話
付き合う前だから糖分控えめ…なのか?
ちょっとシリアス
なのはここだけですw
そして短め
休暇
「せ、先輩!明日は先輩仕事が休みだってギルバートさんに聞いたんですが!」
「おう。確かに、休暇日だな」
とある日
先輩と二人でのミッションから帰ってきた後、私達はラウンジで食事しながら会話をしていた
のんびりと気楽に食べ物を口に運びながら仕事の疲れを癒している彼と違って、私は今ちょっと緊張している
なぜなら…これから所謂デートというものに誘おうとしているからだ
「実は私も明日お休み貰ってて…あ、あの…もしよかったら…その…明日私と、外部居住区に出かけませんか?」
「ん。オッケーオッケー。俺もちょうどやること考えつかなくてヒマだったし、行こうか」
グーサインを作る先輩の笑顔を見て、とりあえずはホッと一息つく
「それで?またコウタの家の隣にある例の雑貨屋にでも行きたいのか?」
「あ…うーんと、それもありますけど、他にもいろいろ…」
私としては、先輩と一緒に過ごせるならどこでもいいんだけどね
「んじゃー行き先とかの予定は、エリナに任せていいのかな?」
「は、はい!」
実は先輩を誘うことばかり考えていて行き先とか全然予定組んでないんだけど、それはこれから考えればなんとかなるでしょ…多分
「了解~。それじゃー明日、楽しみにしてるぜ?朝起きたら、エントランスで待ってればいいか?」
「う、うん。お願いします」
…というのが昨日の出来事
「落ち着け…落ち着くのよエリナ…」
待ち合わせ場所のエントランスにて、私は言ってることとは裏腹に落ち着きなく辺りをウロウロ歩き回っていた
昨夜は興奮しちゃって寝付きが悪くって、ちゃんと起きられるか不安だったんだけど…
まだ先輩は来ていないようだった
「…もう少し身だしなみチェックしたほうがよかったかも…」
髪の毛を指に巻きつけながら、私はボソリと呟く
もちろん部屋を出る前に念には念を入れて決めてきたつもりだけど…
落ち着かないなぁ~
昨日のうちに、メールでカノンさん辺りに服装はいつものでいいかどうか相談しようと思ったんだけど…
流石にそんな内容のメール送っちゃったら、私が先輩のこと意識してるのバレちゃうもんね…
というわけで、結局普段着のまま来ちゃった
「…先輩の部屋…行っちゃおうかな…でもなぁ~」
「よっ!エリナ!待たせたな!」
「っ!」
突然背後から肩を叩かれて、飛び上がるほど驚いて振り向いた私に先輩が笑顔で挨拶してきた
「せ、先輩!?もう…びっくりしたぁ…」
「お?わりぃわりぃ。考え事か?」
「え?…えっと…まぁ、そんな感じです」
今から先輩の部屋まで迎えに行こうかどうか考えていました
…なんて言えるわけもなく、私は曖昧に誤魔化す
「そっか。俺で良ければいつでも相談にのるぜ」
ポンッと先輩の手が私の頭に優しく乗せられた
…最近彼はよく私の頭を撫でる
嬉しくないわけじゃないけど…ちょっと子供扱いされてるみたいで複雑…
「ありがとう…でも、大丈夫」
私の一番の悩みの種に、相談するわけにはいかないもんね
「ん。分かった。じゃー早速行きますか」
「う、うん」
あまりしつこく聞いてこないのも、先輩のいいところだよなぁ…
なんて思いながら外出許可をもらいに受付に行こうとした私に、彼がスッと手を差し出した
「…?先輩?」
「いや、どうせなら手でもつないで行くか?と思って」
っ!?
彼の言葉に嬉しくて笑顔になりかけちゃったけど、多分そういう意味じゃないんだろうなと思いとどまる
「へ、平気です!子供扱いしないでよ!」
…外出した後ならともかく、受付行くのに手なんて繋いで行ったら絶対変な目で見られる!
私は別にそういう関係なんじゃないかと誤解されても、恥ずかしいだけで嫌じゃないけどさ…
困るのは先輩なんだから、もうちょっと考えて発言してよね!
「…あっー…子供扱いしたってわけじゃないんだが…難しいな…」
そのとき背後で小さくつぶやいていた彼の声に、この時の私は気がついていなかった
「ん~…ここに来るのもひっさしぶりだなぁ~」
外部居住区の町並みを見渡しながら、先輩が大きく伸びをしながら私に話しかける
「そうなんですか?」
その横に並んで歩きなら、私は彼の顔を見上げた
…周りの人から見たら、私達ってどういう関係に見えるんだろ…
友達?兄妹?腕輪を見て仕事仲間って判断する人もいるかも…
でも、恋人だって思われてたら…嬉しいな
なんてね
「うん。最近休暇は…ほら、お前ら第一部隊がハマってるっていう例の携帯ゲーム。あればっかりやってた」
「えっ~…私も人のことあんまり言えないですけど、ゲームばっかりやってると体に悪いよ」
「いや!こないだエリナにストーリーの進行度抜かされたからな…絶対俺が先にED見てやるんだ!そしてネタバレしてやる!」
「うわっ!先輩最低!」
他愛もない会話を楽しみながら、私達はお互い笑いあう
…こんな時間がずっと続けばいい…
そう思わずにはいられなかった
「…早くこんな風にいつでも笑い合える日常を取り戻せるといいな」
「え?」
私が今思っていたことそのままの意見を言う先輩に驚く
そして、とても真剣な彼の眼差しが遠くの方を見ていることに気が付き、私もその視線を追ってみる
…そこには螺旋の樹があった
先輩達ブラッドの元隊長…
ジュリウスさんが、今も休みなくあの中で孤独に戦っているという
「そう…だね…私もホントにそう思います」
「っと!悪い!暗くなっちまったな。せっかくの休暇なんだし、楽しまないと」
すぐに笑顔を取り繕う先輩
けど、明らかに無理してる…
そんな彼の様子を見て、私はひとつ決意をした
「…っ」
…そっと
先輩の手を取る
「え?エリナ…?」
「…やっぱり手、繋ぎたくなりました」
やってしまってから改めて恥ずかしさがこみ上げてきて、ぷいっとそっぽを向いてしまった
「…ありがとう」
私の手を握り返す先輩の手に力が入る
…今度の笑顔は間違いなく本物だった
このときのエリナは、男主の愛情表現がほぼすべて子供扱いって思ってるんでしょう
でも目の前でこんなふうにイチャイチャされたら、コイツらできてんじゃねーの?って周囲の人が思わないほうが不自然ですw