目指すは超サイヤ人   作:ひつまぶし。

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 超サイヤ人ゴッドスーパーサイヤ人? しかも青髪とな? 界王拳ならぬ界王神拳が出るって言わなかったっけ?

 これで互角ならゴールデンフリーザ、ビルス様に届く戦闘力持ってるんじゃね? 悟空も悟空で色々ぶっ飛びすぎな今回の映画……マジ楽しみっ!



 ……え? 更新遅れた理由?

 クwソwゲwーwでw経w験w値wウwマw過wぎw 女主ちゃん胸揺れ揺れ。心霊写真マジ可愛い。

 月www光www蝶www復www活www

 まあ、サイバースルゥースと天獄編にハマってただけなんですがね。






第十一話 芽吹く希望

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう駄目だ。おしまいだぁ……。ベジータの気持ちが何となくわかる。圧倒的な差を感じると人は挫折するか絶望するか何かをするのだろうが、俺はそのどちらでもないようだ。

 

 

「……気に食わん。貴様の顔、先程の超サイヤ人のようだ。圧倒的な差を見せつけられてなお、絶望をしないのか」

「生憎だったな。不思議と怖い気持ちよりも腕試しをしたい気分なんだ」

 

 

 震える体は恐怖からではなく、武者震いに似た震えだったようだ。サイヤ人の悪い性というものだろうか、どうしてもゾクゾクと体が震えて自分の力を試したいと感じている。自分よりも遥かに強い相手だと全力を存分に引き出せると本能で感じているからとも考えられる。

 存在感、威圧感とも言えるクウラのそれは一際大きくなって絶対強者のオーラを纏いながらこちらを睨んで見下ろしている。感じなかったクウラの真の力を肌で感じて呼応するように俺の力も段々と引き摺り出される。

 

 

「ふむ。超サイヤ人が二人いる事に警戒して神精樹の実を持ってきて正解だったな。そして更に――」

 

 

 見せびらかすのはモヤっとボールに見える果実。それが神精樹の実だとすぐに理解できた。視界に入れた途端、懸念していた追加で食らう事を阻止しようと体が反射的に動く。

 瞬間移動でその場から姿を消し、クウラの死角に入るように神精樹の実を奪おうとした途端にクウラは動く。クウラ自身の体を守るようにオーラと同色のバリアーが包む。神精樹の実に手を伸ばそうとした矢先に弾かれ、奪う事に失敗した。

 

 

「――これを食べる事でますます貴様が俺に勝てる見込みはなくなる」

 

 

 俺に見せつけるようにクウラは神精樹の実を食べる。舌の上に実を乗せ、ゆっくりと齧るようにエロティックな雰囲気を出しながら食べる。誰得だよ。

 ツッコミを入れる間もなく、神精樹の実を食べたクウラの気は先程よりも明らかに上昇しているのを感じる。威圧感もそれに合わせて。

 

 

「ふっはははははは! この力は素晴らしい。高く売れる星を食い潰した甲斐があったというもの! このクウラが! フロスト一族最強、最後の異端児であるこのクウラこそが! 宇宙最強なのだ!」

 

 

 力に溺れたような発言をするクウラ。神精樹の実を食べた事で大幅にアップした戦闘力をその身で感じれば全能感を感じるだろう。俺があの赤いサイヤ人になった時に似たあの感じをクウラは感じているはずだ。

 これで俺とクウラの差は更に大きくなった。天と地の差があるのではと錯覚するほど大きな隔たりが俺とクウラの間にある事になる。油断をしないように構えているが、クウラはバリアーを張っているし張ってなくても威圧しているせいで隙が見当たらない。どう手を出そうかと考える時間があるのは絶対強者としてのプライドが傲慢と共にワザと俺に時間を与えているのだろう。

 実に厭らしい。この僅かに与えられた時間が蝕んでくる。考えては消える、考えては消える、考えなくても絶望の淵に突き落とさんばかりに追い詰める。額から頬に流れる汗が鬱陶しく感じ、気分が悪くなる。

 

 

「光栄に思えサイヤ人。宇宙最強たるこのクウラが貴様を葬ってやろう」

「ごがっ」

 

 

 気付かぬ間にクウラが懐に飛び込んできた。反応できず、気管を潰すように首を絞めてきた。言葉を発する事も呼吸をする事も困難になるほど強い力で締め付けてくるせいで藻掻く事しかできない。クウラの顔が目の前にあるのに首に意識が行って動かない。

 思考では動けないと思ってもサイヤ人としての本能は諦める事をしなかったようだ。俺の意思と反して体は動いてクウラに反撃を試みる。同時に右脚と左腕を振るい、打撃を加える。鈍い感覚が腕から、脚から伝わってくるがクウラ自身はそこまで痛手ではない。赤子の可愛い抵抗にしか思っていないのだろう。

 

 

「このまま首をへし折ってやろうか? さあ、抵抗してみろ」

「がっ……ごっ」

 

 

 ミシミシと自分の首の骨が軋む音が聞こえる。苦しみを逃れようと選んだ選択肢は、必殺技による自爆覚悟の脱出だった。気を掻き集めて放った赤いビックバンかめはめ波と同じものを撃とうかとも考えたが、掻き集めた気は脚に集まって気のブレードに変わる。

 キッとクウラを睨み返しながら腰を回転させて掴まれている腕を切断しようとする。

 

 

「おっと。一度見たものを躱せないほど俺は馬鹿ではない」

「けほっ。だが解放された。今はそれで十分だっ!」

 

 

 両手を重ね、開きながら気弾を撃つ。クリムゾンレッドのエネルギーが次々に掌から飛び出し、クウラにぶつけるながら態勢を整えようと後退する。この時間を稼ぎ、これからどう動くかを必死に考え抜く。

 もう一度赤いビックバンかめはめ波を撃つ? 集めている間に攻撃されては意味がない。未完成の界王拳・改を使って一気に勝負を付ける? 制限時間を考えると悪手になりかねない。こんな感じの絶望を悟空達は乗り越えてきたのか。

 そうだ。今の事態を最悪ではなく、悟空の圧倒的な戦闘経験を得られる戦いだと考えればいいんだ。何も考えない、難しい事は考えずに体が動くままに戦えばいいじゃないか。そう考えると、少しだけ気持ちが落ち着いた。

 

 

「ッ!!」

 

 

 ギリリと歯を食いしばりながらクウラの背後に回り、残像を残して側面に回り、更に残像を残しつつ惑わしながらクウラの周りをウロチョロする。時折気弾を混ぜながら牽制をした。

 夏の蚊のように鬱陶しいだろう? 苛々させれば万々歳。そうでなくとも位置を悟らせなければ万歳。多重残像拳を使いながらチャンスを伺う。

 

 

「小賢しいっ!」

 

 

 残像を打ち消すようにクウラがバリアーを張る。移動した軌跡の残像は消し飛ばされ、俺の位置がバレてしまうが構わずに懐に飛び込んで腰だめに拳を固める。

 クウラはそれを見てバリアーを殴るつもりなのだとわかったようだ。特に反撃をしようとはせずにふてぶてしく腕を組んで挑発までしてくる。破れるのならば破ってみろ、と小馬鹿にされている。

 その余裕、焦りに変えたる。以前の修行でバリアーを張る奴直伝のバリアー殺しとも言える必殺技を食らいやがれ!

 

 

「せいっ、はぁっ!!」

 

 

 ズドドン、バキン。擬音で言い表すのであればこれだ。腰だめに構えた拳をそのまま正拳突き、正拳突きをした場所を寸分違わずに肘で撃ち抜き、最初の二撃を加えた側の半身をバリアーギリギリに接近させて上げた腕と脇腹の間を通るように掌底を放った。掌底を浴びせた瞬間に、クウラのバリアーは剥がれる。

 馬鹿な、とクウラの口から漏れるのが聞こえたがその隙を突いて更に追撃をする。最後の攻撃をした腕をそのまま腰の回転に乗せて肘打ちを加える。クウラの顎を殴り、オーバヘッドキックを脳天に叩き込む。

 

 

「貴様ァッ!」

「ははっ」

 

 

 怒るクウラ。思わず笑ってしまい、クウラは更に憤る。肉弾戦を仕掛けようとはせず、フリーザのデスボールに似た圧縮されたエネルギーの塊を人差し指の上に作った。構えているクウラの腹目掛けて気弾を一発。集中を乱されて圧縮が解かれ、第二の太陽とも言える凄まじい大きさのエネルギーの塊に変わる。

 塊に手を掲げ、遠くから気を操る。エネルギー吸収の秘技を発動させて一部を吸い取る。

 

 

「うぎっ!?」

 

 

 いつものように、自分の中の太陽に混ぜるように取り込んだ気を練り込む。途端に全身を激痛が走り、舞空術を保てなくなって墜落するように落下し始める。痛みを堪えるように体を丸めてみるが一向に良くならない。何なんだこの痛みは。

 

 

「? 何があったかは知らんが隙だらけだぞサイヤ人」

 

 

 クウラの声が聞こえる。見えないが残ったエネルギーで攻撃を仕掛けるようにエネルギーの塊を投げたらしいのは何となくチリチリする感じでわかった。激痛に耐えるだけで反撃をしようとしてもできなかった。

 そのままエネルギーの塊に飲み込まれるように攻撃が直撃する。押し潰されるように体を締め上げられ、声にならない悲鳴が口から飛び出ている。そして感じる純粋な悪意。俺を殺そうと怨念が呪ってくる。純粋な悪の心を持つ強者の一撃を食らうのは今回が初めて。とても耐えられそうにない。

 痛い。辛い。死にたい。それだけが自分の中を駆け巡る。何よりもこの世界に来て初めて凄まじい恐怖を感じている。

 

 

「ぎっ、あがっ、ぎあああっ」

「フフフフッ! そうだ。その声が聞きたかった。どうした? さっきまでの挑発は。よく回る舌が乾いたのか」

「あうえっ、ぐげっ、おええっ」

 

 

 気持ちが悪い。口から胃液が出てきそうになるが、胃液は出ずに唾液が口の端からダラダラと漏れているらしいのだが感覚が鈍ってる気がする。

 隙だらけと言われても仕方がない。クウラもそれを逃したりはしない。溢れた唾液が地面に染みを作っている場所に頭を叩き付けられるように踏まれる。頭部と地面がぶつかったような音じゃない音を出しながら地割れを起こしたのではないか。

 ドンドンと俺の頭を何度も踏み付けるようにクウラに蹴られる。顔が地面に埋まるようにめり込んでいく。

 

 

「ふむ? どうした。もう終わりか?」

「ぐぐぐっ」

「……ほう。よく見れば拒絶反応を起こしてるじゃないか。どうやら性質の違うエネルギーを取り込めばそうなる事はわかるだろうに」

 

 

 ……拒絶反応? 性質の違うエネルギーを取り込めば起こる? 気を取り込む秘術には副作用があった事をここで初めて知った。俺は善、クウラは悪。純粋な善のサイヤ人である俺がクウラの悪の帝王の兄である邪悪な気を取り込めばこうなるのは考えればすぐにわかるはずなのに。

 この激痛は善の心が悪に染まり始めている予兆なのだろうか。だとすればこの悪の気を外に出さないとこの現状から脱せない。

 今までは取り込む事をしていた。今度はその逆、クウラの邪気だけを完全に取り出すように体から出す。ざわざわと空気が変わる感じと一緒に少しずつ体からクウラの邪気だけが漏れる。普段のオーラに少しクウラのオーラが混ざりながら放出していく。

 ピタリと止むクウラのストンピング。次にクウラは尻尾を使って首に巻き付き、顔が至近距離で互いに近付く。マスクのようなクウラの口を覆うそれ、僅かに何かが漏れている。吐息、だろうか。

 

 

「面白い。貴様、僅かなエネルギーだけを正確に取り出してるみたいだな。素晴らしい。広い宇宙を探してもそこまで器用な戦士がいるとは思わなんだ。サイヤ人、俺の部下にならんか。高待遇で迎えてやろう」

「……」

 

 

 勧誘してくるクウラ。本気、なのだろうか。動かないのなら一気にこの作業を終わらせなければ。

 血が目に入って逆に好都合だった。強制的に目を閉じさせられ、集中する素振りを悟られないようにする事ができているはずだ。クウラの気だけを抜き出し、その質を覚えてそれを取り込まないように大気に漂う気を掻き集めて取り込んでいく。

 混ぜる。掻き混ぜる。自分の中の太陽と大気の気を混ぜて掻き合せる。

 

 ――ドクン。

 

 

「む」

 

 

 拒絶反応のせいで消えた分の気を補充する。絵の具を混ぜるように、丁寧に。綺麗な色を作るように気を操作して気を高める。

 不思議だ。こうしていると段々と落ち着いてくる。自分が自分でなくなるような、新しい自分へ変わるのではないかと思えるような不思議な感覚が俺を包んでいく。痛みで狂っている思考も冷静になってくるのがわかる。ダラン、と体から力が抜けた。

 

 

「死んだか?」

 

 

 ――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スパンと間抜けな音が起きるが、音の発生源であるクウラからすれば信じられないものを見るような目をしていた。ジンジンと痛む顎を呆然と抑えながら“それ”を見る。

 

 

「――。――?」

 

 

 “それ”は自分という存在に疑問を持つように両手を眺めている。クウラにぶら下げられる状態から位置を変えずに浮きつつ調子を確かめるように柔軟体操を行っているのをクウラは凄まじい悪寒を感じながら後ろに一歩だけ下がる。

 妙な威圧感を感じていた。感じる威圧感、オーラを全く纏っていないはずなのにそれ以上に今の状態が恐ろしく思えていた。まるで、絶対的な存在を目の前にしたような。

 その感覚を、クウラは“知っていた”。昔に父であるコルド大王、弟であるフリーザと共にフロスト一族の“雇い主”に会った時に感じた絶対的な畏怖にも似た感情を覚えた。覚えた感情を思い出させるほどの雰囲気を、ボロボロになったはずの敵が醸し出している。異常そのものだった。

 

 

「ありえんっ!」

 

 

 唯一、“絶対に勝てない”と思わされた時のクウラのプライドが許さなかった。振り払うようにパンチを繰り出して殴りかかる。そのパンチは敵の顔面を叩き付けるように命中する。クウラの手にも殴った感覚が伝わると、少しだけ劣等感を感じた時の屈辱は晴れた。

 

 

「――」

 

 

 しかし、クウラの渾身の一撃を気にしていない風に突き出された腕をそっと横にどかされる。驚愕の表情を浮かべるクウラが見たのは、無垢な子供のような疑問を感じている表情。痛みを感じているクウラが思っていた表情ではなかった。

 何をした? と仕草をする彼は首を傾ける。そのまま何の前触れもなく手がブレると、クウラの腹部に彼の手が深々と沈んでいた。

 いつ殴られた? 何故殴られている? そんな疑問が後から後からクウラの中に生まれて生まれる。思考よりも先に感覚が殴られたと知覚すると、クウラに激痛が襲う。

 

 

「にっ」

 

 

 子供が玩具で遊ぶが如く、彼は無垢な笑顔を浮かべてクウラを殴る。殴られた、とだけクウラは知覚した。どう殴られたかもわかっていない。もしかしたら蹴られたかもしれない。だけれども、今までのパンチが赤子のパンチと思えるような重い拳が振るわれる。

 笑顔のまま殴る彼は休む間もなく、疲れる様子すら見せずに打撃を続ける。クウラには見えなくても、殴る彼はどこを殴っているかはわかる。今までの訓練の集大成を発揮するかのように、急所を狙うように的確に殴りまくる。

 意識が飛ぶクウラ。あまりもの威力に意識を飛ばしては戻され、また飛ばす。マトモに考える時間も与えられずに殴られるままであった。

 

 

(何故だ何故だ何故だ何故だ!? この力、あの御方と重なるのは何故だ!?)

 

 

 記憶の中にあるあの御方。気に食わないが、それでも超高次元生命体の実力は認めているクウラは彼の攻撃がその存在と重なる事に何よりも恐怖を覚えていた。

 自分の力が一切通じない存在。あまつさえ、赤子を愛でるほど手加減した攻撃で気絶するほどの超高次元生命体が何人もいて堪るか。本能で反撃しようとしても見えない防御で防がれる。一際大きな打撃を加えると、クウラは膝を着いて倒れる。

 

 

「んーっ。案外、よわいね。もう終わろっと」

 

 

 ブブッと脚がブレると、クウラは蹴飛ばされる。蹴飛ばした後は地面に足を着けると彼――エリンは構える。片手を高く上げ、気を集める。掌の上に今までの赤いエネルギーとは一線を越えたような、美しい宝石のような色の気が。至高のルビーとも言える美しさだった。

 バスケットボールほどの大きさが圧縮され、ピンポン玉までに小さくなる。完成したそれを優しく包み込むように手で覆うと、ボールを投げる前の動作を行う。振り被り、動けないクウラに狙いを定める。

 

 

「ばいばい」

 

 

 サイドスロー気味に作った気の塊を放り投げる。赤い軌跡を描きながら放たれると、真っ直ぐにクウラの胸を撃ち抜いた。

 撃ち抜かれると、クウラはもがき苦しむ。胸を掻き毟り、フリーザの上の変身形態が徐々に解除されるようにマスクや肩のパットが溶ける。興味深そうにエリンはその様子を観察する。自分の放った技がどのように作用するのかを知りたいだけでその技を使った。

 新しい形態、赤いサイヤ人と名付けた変身をいつの間にかできていた事に特に驚かずにクウラを無視して後ろを振り返る。

 

 

「やあ。もう大丈夫かい?」

「どうしたんだエリン」

 

 

 ニコリと笑うエリンに、ある程度回復した悟空が近寄る。戦おうとしているのか、超サイヤ人に変身した状態で臨戦態勢だった。

 ほんのりと全体的に赤いエリンに面食らった悟空はクウラの状態に更に面食らう。ボロボロになり、もがき苦しんでいる様子に何が起きたのかと疑問を抱く。現状、エリンがクウラを倒した事はわかるが何をしたのだろうか。そんな風に考えてみるが様子のおかしいエリンに正常な思考はできていなかった。

 

 

「ああ、これ? 僕がやったよ悟空。凄いだろ? あのクズの中にある神精樹の実の力と懐に隠していた星の力を“浄化”した結果がこれなんだ」

「……おめぇ、エリンか? 様子が変だぞ」

「まあ、気にしないで。この赤いサイヤ人になった副作用みたいなもんさ」

 

 

 大袈裟に肩を竦めるエリン。静電気が起きているような髪の毛の持ち上がり方をするほんの少し赤が混じった黒髪が揺れると、眉を潜める。

 

 

「ちっ。クズ如きがゴキブリ並の生命力か」

「! まだ生きてんのか」

 

 

 彼等の視線の先には苦しみ終えたであろうクウラ。ノロノロと立ち上がろうとしているのが二人の視界に入るとエリンは舌打ちをし、悟空は構える。

 醜悪に顔を歪めるエリンは体から真紅のオーラを噴き出させると陽炎のように揺らめかせながらクウラに向かって手を向ける。

 

 

「よく考えればあの技は星の力を浄化するだけでクウラを殺すわけじゃないな。だがこれで終いだクズ。悪は栄えてはならない。強大なる悪は滅ぶべきなんだ」

 

 

 ポッとエリンの手にソフトボール大の赤い気功波が宿る。隣にいる悟空はエリンの気が小さくなっているのを感じながらも気功波から発せられる得体の知れないナニカを感じていた。

 死ね、とエリンの口から漏れた途端に風船から空気が抜けるような音を立てながらエリンの体から完全に力が抜け、地面に倒れる。

 

 

「…………あれ?」

「エリン?」

「……すまぬ。時間切れだわ」

 

 

 その言葉を最後に、エリンは戦線離脱するのであった。呆れながらも、回復をある程度済ませた悟空が代わりにクウラに挑むのであった。

 

 

「なっさけねぇ」

 

 

 フリーザ絶対ぶっ飛ばすパンチをクウラにぶちかました悟空の活躍を第三者の立場で見る事にした。本当にすまない悟空……。

 

 

 

 

 

 

 





 ゴッド覚醒。変なキャラになっているのは超サイヤ人になった時に気性が荒くなるのと一緒に純粋無垢、正義を過信する性格になってます。悪は許さん。ぶっころレベル。

 これにてクウラは終わり。次は絶望のメタルクウラさん。間にゴッドこと赤いサイヤ人を詳しく調べる日常編をはさんで人造人間に突入。

 映画の超サイヤ人ゴッドSSは考えときます。


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