目指すは超サイヤ人   作:ひつまぶし。

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 すいません。完結まで頑張ろうと思ったのですが、ドラゴンボールの二次はかなり難しくて挫折しそうです。

 なので、今回で打ち切りにさせてください。本当に申し訳ございません。























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 + (ヨ(* ´∀`)E)
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 エイプリルフールでした。さあ、ブロリストの諸君、トランクスとなって叫ぶんだ!

 「嘘です! まだイケメンサイヤ人の俺がちょっとしか出ていないのに終わるなんて嘘です!」

 今回は所謂、日常パート。クウラじゃなくてゴメンね。






第九話 過ぎ去りし日々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 専ら、最近の仕事と言えばフリーザの残党の捕縛に制圧。または帝王フリーザが消えた事で暴れ始める小悪党の退治だとか地味なものしかしていない気がする。まあ、フリーザだけでなく父親のコルド大王まで死んだんだから次は俺の時代とか考えてるのが多いんだろう。

 更に悪いのは雑魚である事だ。ただの雑魚ではなく、クソが付くほどの雑魚しか当たらないのだ。悟空との組み手に依存(意味深)してしまった俺の今の体では碌に満足(意味深)できないのだ。フラストレーションが溜まる一方で仕事は次から次へとやってくるため、いっその事惑星ごと破壊でもしてやろうかと悪のサイヤ人っぽい思考に染まりつつある。

 

 嗚呼、今日も今日とて仕事はあるよ。ボコボコにして積み重ねた瀕死の屍を見ながら手の埃を払うよ。

 

 

「後は好きなようにしてもいいぞ」

 

 

 わー、と子供のようにはしゃぎ始めるジャンク屋一同。フリーザの傘下にいたからか、充実している装備を剥ぎ取れるまたとないチャンスにハイエナが元気になっている。しかも無傷で確保できるのだから誰も文句は言わない。デパートの主婦のセールの戦争を見ているようだ。

 ハァと溜め息が出る。雑用にもならない雑用のせいでストレスが溜まる。発散の為にフロスト一族の生き残りであるフリーザの兄、クウラを探しているがどこにも見当たらん。劇場版のように地球に降りたという情報もないので宇宙のどこかにいるのは間違いないんだが。

 ドラゴンボールの歴史通りならば人造人間の脅威に立ち向かう為に悟空達はそれぞれ修行をしているはず。その最中にクウラが襲来するはずなのだが、今は何をしているのだろうか。やっぱり修行かね?

 

 これから悟空は超サイヤ人を強化し、ベジータは悟空に負けられないと気合を入れながら超サイヤ人を目指す。かなりパワーアップしている悟空は孫悟飯に超サイヤ人になれる方法を教えているのだろうか。歴史からまた外れるだろうが、もしかしたらセル誕生前に17号と18号を倒せるだけの戦力が揃うかもしれない。クソ、ウス=異本に世話になった18号が殺される未来もありえるのか。クリリンの嫁がいないならヤムチャ並に空気化するじゃないか。更にクソソソと表記される始末になるかもしれん。

 ……悟空に期待しよう。何だかんだでドラゴンボールの主役は孫悟空だし。

 超サイヤ人と言えば、取り敢えず超サイヤ人を目指す事は一旦やめて赤いサイヤ人の正体を究明する事に力を入れる事にした。未だに兆しすらないわけだが、諦めずに変身できるように仕事の合間に試行錯誤している最中だ。

 

 

「エリン様エリン様」

「おう。どした」

 

 

 ビシッとした服装の上着に手を差し入れてボリボリとオッサンのように掻いていると可愛らしい子供特有の高い声が耳に入る。てててっ、と地面を走る音と一緒に視界に飛び込んできた。

 

 

「にぃ、報告します!」

「はい。報告お願いします」

 

 

 子供を見守る近所のお兄さんの気持ちになりながら可愛く敬礼するヒューマン型の子供の宇宙人に向き合う。満面の笑みを浮かべると見える八重歯がとってもキュートです。

 侮る事なかれ。こんな見た目をしていても実力はある。完全エイリアンみたいな見た目のジッカ人とは違ってファンタジーの獣人に近い見た目をしているからジッカ人よりは人によっては付き合い易いだろう。サイヤ人と同じような尻尾もチャーミングです。

 ジッカ人連盟の一員でそれなりの地位を持つ種族の代表と言える立場にいる。だからジッカ人連盟トップにいる長老に並ぶ俺と会話できる権限も持っているのだ。見た目が愛くるしく、猫のアメショを擬人化させたこの子はお気に入りの一人である。

 

 

「調査範囲を広げる指示に従った結果、奴隷斡旋グループを四つ発見しました! 誘拐等を行う卑劣で下劣な×××野郎ですっ!」

「うん。わかってたけど放送禁止用語を吐くのをやめような。ある筋ではご褒美になるけど可愛いんだからやめような」

「可愛いのはわかってますっ!」

「……」

 

 

 が。一番の欠点はこれである。毒舌、下品。俺は放送自重枠のょぅι゙ょって呼んでる。口汚く罵る事に定評がある拷問エキスパートのにぃ(偽名)ちゃんだ。普通に恐ろしい拷問官である。

 ま、まあ功績は確かにある。フリーザ一味のそれなりに地位がある奴を拷問に掛けて情報を吐き出させたりな。何かこう、ヒロイン枠の子が助手に来たと思ったら普通にヒドインでござった。やはりドラゴンボールには恋愛要素は許されんのか。子供がいるサイヤ人が二人いるのに。

 

 

「というわけで生きの良い人をお願いしますっ! お礼はにぃのカ・ラ・ダ!」

「口を閉じてろクソ猫」

 

 

 また仕事だよ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ。元気そうだな」

「おう。そっちは随分楽しそうだな」

 

 

 宇宙奴隷商人をボコボコにして拷問に掛けたり、宇宙海賊の所持品を全部没収したり、テロを起こしたテロリストをボコボコにしていると流石にストレスが爆発しそうになった。爆発寸前でボイコットして逃げ出した。

 気軽に挨拶をしてくれる悟空に挨拶を返しながら正装のロングコートを脱いで腕に引っ掛けながら悟空に近付いて行くと、休憩中なのか水をゴクゴクと飲んでいた。

 

 

「一人か? 息子はどうした?」

「ピッコロと一緒だ。オラが教えるよりもアイツが教える方が今は良いからな」

「ふーん。息子に超サイヤ人を教えないのか?」

「チチが駄目だって言うからなぁ。不良みたいで駄目だ! って聞かねぇんだ」

「嗚呼」

 

 

 そういえば悟空の妻のチチ、超サイヤ人を不良って言ってたな。懐かしい。悟飯が初めて超サイヤ人になった時も悟飯ちゃんが不良になっちまっただー! って叫んでたような気もする。

 近くにあった木の枝にロングコートを引っ掛けて手放すと、自由になった手で悟空の傍にある果実を一個掠め取り、齧る。

 

 

「こらーっ! それはオラんだ!」

「固い事を言うな。俺とお前の仲だろう」

「駄目だ!」

 

 

 どうしても食事だけは決して譲ろうとしない悟空。わかってはいたが食いしん坊だなぁ。ジャリジャリ、シャリシャリと梨のような味のする果実を一気に齧り尽くす。サイヤ人の歯は多分、鮫よりもヤバイと思うんだ。固い肉もひと齧りで食い千切れるからね。

 不機嫌になりそうな悟空のご機嫌取りに四次元ポケットのようなジッカメカから一個の果実を取り出す。それを見た悟空の機嫌がみるみる上機嫌になって行くのが見ているだけでわかる。

 

 

「ほら。これが好きなんだろ? お詫びにやるから許せ」

「おほーっ!」

 

 

 現金な奴である。何だか可愛い悟空だ。俺のあげた果実に夢中になっている間にまたこっそり悟空の取った果実を盗んで齧る事にした。夢中になっている悟空に気付かないかと思いきや、手を差し出してきた。んっと言いながら出す悟空は催促しているらしい。お前、食ったんだから俺にも寄越せよ、と。

 

 

「はいはい。ほら。訪問の品はまだあるから食え……で、奥さんはどこだ?」

「オラん家。あそこだ」

 

 

 シャクシャクと味わいながら食べる悟空の指差す先には半円の形をしたドラゴンボール特有の家が自然の中に立っていた。田舎らしい斧が刺さった切り株もある。どうやらあれが孫家の家らしい。

 二個目を通り越して三個目に突入した悟空の腕を引っ張り、彼の妻であるチチに挨拶をする事にする。ぶっちゃけ悟空よりもチチに会う事が主な目的だったりする。

 逃げ出す際に備蓄していた幾つかの品を持ち出し、悟空にお世話になりましたと挨拶をする予定だ。面識がないから警戒されるだろうが胃袋を完全に掴んでいる俺に隙はない。渡す物を渡して孫家が得をする提案をするつもりである。一番悟空が喜びそうな提案だと思うんだが、チチはどう思うだろうか。

 

 

「帰ったぞチチ!」

「悟空さ! 今日はすぐに帰ってくるって言ったのに遅いだ!」

 

 

 自分の家にただいまと言った瞬間、間を置かずに悟空の妻であるチチがぬっと奥から出てきた。何気にチチって初期のドラゴンボールと比べたら成長すると同時に凄まじくスリムになった美人だよな。最初に嫁にもらってくれと言ってた時ってかなり太ってなかったか? どちらにせよ、美人である。可愛い。

 ガミガミとチチが悟空を起こるだろう時に彼女は俺を見つけた。少しだけ戸惑った顔をして悟空を見ていると、嗚呼と頭を掻きながら俺の紹介をしてくれる。俺の名前を聞いた途端にパッと顔を明るくして頭を下げてきた。え、何で?

 

 

「話は聞いてるだ。悟空さを助けてくれた人だな!」

「まあ。偶々見つけて」

「あー、良かっただ。おめぇさんが悟空さを助けてくれなかったらおら、未亡人になってただ。ほんっとーに感謝してるだよ!」

「喜んでもらえると嬉しいです。これ、つまらない物ですが、御近付きの印にどうぞ」

 

 

 ススッ、ササッ。他人の家にお邪魔する時の記憶を思い出しながら綺麗に紙袋で包んだお土産を持参してチチに渡す。中身は何故か宇宙のとある星の名産物、饅頭。超美味しい饅頭だから高価だったが、安く貰えたのでついでにお土産にしておいた。

 礼儀正しい人だ、どっかの誰かと違って。と口に出しながら悟空をジト目で見るチチは俺からの土産を受け取った後に奥に案内してくれるのだが、待ったを掛けた。

 

 

「実はお土産はこれだけじゃないんです。できれば食糧を蓄えられる倉庫といったものはあります?」

「裏にあるぞ。ウチの大食らいの影響で補充しても補充してもすぐに空になるけどな」

「その気持ちはわかります。なので、同じサイヤ人として見過ごせないので宇宙の名産物の材料を集めて譲りたいと思うのですが、構いません?」

「願ってもないだ!」

「うほーっ! またあの美味いのが食えんのか!?」

 

 

 チチも喜んでいるがそれ以上に悟空が大喜びしている。宇宙の未知の珍味の中に超美味があるから悟空が夢中になるのもわかる。俺も大好物ですもの。

 良い人だなー、と何だかちょろいチチに褒められながら三人で裏の広い広場に案内される。斧の刺さった切り株の他に、悟空の家と同じデザインの建造物が小さい規模で二つ建っている。これが倉庫になるのだろうか?

 

 悟空と共に星巡りをしている際に悟空が気に入ったと言っていた物を中心に集めた材料をデデン、と見えるように出す。野菜類も忘れずに、最小限の傷に留めて仕留めた獲物の全貌そのままに広場に死体が鎮座する。見ているだけでも美味しそうだ。

 うわー、と同じ反応をする孫夫婦。山のように積み重なる食べ物に感動している様子で何よりです。

 

 

「こ、こここれ、本当に貰っていいだか?」

「どうぞ。悟空の食欲を満たす手助けですから。でも家計が火の車になるのは見てられませんから」

 

 

 ゲシッとそろーっと素のままで食べられる食べ物に手を伸ばそうとしている悟空の尻を蹴る。食欲が刺激されるのはわかるが摘み食いはノーだ。

 主婦のチチにこれらの食材の調理する際に注意しなければならない事を軽く説明する。腐りやすいのは持ってきていないから保存に適した食材ばかりであるとは言っておいた。後は時間が掛かるからジッカメカのタブレットを渡して使い方をレクチャーすると、それはもう、感激していた。ちょくちょく補充は手伝いますと言えば崇められた。

 

 

「おい悟空。お前、もう少し奥さんの事を考えてやれよ。というか働け」

「畑は耕してるぞ。でっかい肉もパオズ山の恐竜を取ってくるし」

「金を稼げって言ってんだよ」

 

 

 このクソニート。今の俺は働き過ぎでやさぐれているのだろうと自分を考察する。時々、ドラゴンボールのサイヤ人パパの事をニートと某掲示板で書かれているのを見た記憶がフラッシュバックで脳裏に浮かんできた為に悟空をニートと罵ってしまうらしい。

 俺の肩書きはジッカ人連盟幹部会幹部長。長老の次に偉い地位にあるので仕事もそれなりにある。しかもサイヤ人の運命の子という立場もあって多忙の身である。代わりに給料は見返り以上に貰えているからいいんだが、ブラックレベルの仕事だぞ。憤怒の怒りで爆発寸前まで――。

 ――しまった。怒りを爆発させれば超サイヤ人に変身できる可能性もあったじゃないか。なんて勿体無い事をしているんだ俺は! あのままやってれば超サイヤ人になれたかもしれないのにっ!

 

 

「何で頭を抱えてんだ?」

「悟空さの不甲斐なさで頭が痛いに決まってるだ」

「半分はそうですが、折角のチャンスを潰した自分の不甲斐なさに頭を痛めている次第です、はい」

 

 

 思えば、何だかんだで自分で変身できるチャンスを潰している気がする。あれか。ドラゴンボールの世界は俺を超サイヤ人にしたくないのか。クソッタレめが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こうして会話をするのは初めてだな。エリンだ、よろしく」

 

 

 自分よりも背の低い子供に手を差し伸べれば、困った様子を見せる少年。助けを求めようと、父と師の顔を見遣るが二人共役立たずであった。

 少年こと、孫悟空の息子である孫悟飯。自己紹介をしてはみるが、物凄く戸惑っている様子である。新しい年上の存在にどう反応していいのやら、と困っているのだろうか。

 

 

「そ、孫悟飯です」

「うん。よろしくね」

 

 

 ガシッと悟飯が嫌がる前にしっかりと掴み取ってから握手をする。グッと握る事で悟飯の底知れぬ眠っている力を感じ取れた。まさに底が知れぬ潜在能力と言うべきか。悟空がセル戦を任せたのにもわかる気がした。確かにこれは凄まじい。

 初の超サイヤ人2、そして普通の超サイヤ人とは違う老界王神の力を借りて覚醒したアルティメット悟飯という形態に至る才能とはこれほどなのか、と戦慄する。俺よりも凄いんじゃなかろうか。もしも、孫悟飯が学者を目指す事なく孫悟空のように鍛え続けたとしたら? 考えれば考えるほど主人公が完全に悟飯になってまう。悟飯無双タイムにしかならん。

 俺の赤いサイヤ人とアルティメット形態はどちらが強いのだろうか? 超サイヤ人とは非なる変身であるのはわかるんだが超サイヤ人亜種なんてものはそうそうあるわけないよな。超サイヤ人4は別として。

 

 

「……うん。なるほど。悟空の言う通り、この子は凄い。流石は悟空の息子」

「下手すればオラよりも強くなるかもしんねぇぞ。けど悟飯は学者になりたい夢があるから親としてはなりたいもんにならせるつもりだ」

「まあ、人生はその人の人生だから無理強いするのは駄目だが。学者さんになるのが夢なの?」

「は、はい」

 

 

 結局、悟飯が学者になりたい理由は何だったのだろうか。ドラゴンボールを読んでいてもあんまりわからない気がする。幼少の夢が学者になること、だけしか知らないように思えるのだ。

 

 

「勉強は頑張ってる?」

 

 

 とは聞いてみたが、今の脅威が消えない世の中だとおちおち勉強もしてられないだろう。悟飯の未来について孫夫婦がプチ喧嘩をしていたと悟空自身から聞いてるからかなり悟飯を大事にしてるとわかる。でなければ喧嘩もしないはずだし。あくまでも俺の勝手な持論だが。

 取り敢えず人造人間の脅威が去るまでは修行をするって事でピッコロや悟空に修行を見てもらっているらしい。今もピッコロとの修行の合間の休憩中になるらしく、休憩がてらに俺と会話をする事になった。同じサイヤ人として経験談等を聞かれるかと思えばそんなに聞かれる事もなかった。

 

 

「もし、君が良ければ人造人間との戦いが終わった後に俺達の船に来ないか? 俺のいるトコの種族は宇宙一頭が良いと言っても過言じゃない種族だ。君の勉強も見られるし、宇宙の旅に同行する事もできるぞ」

「本当だぞ。ジッカ人っちゅー奴等だけどフリーザの宇宙船よりも凄いのが沢山あるんだ。見た目はかなり怖ぇけど良い奴等だぞ悟飯」

「今はまだ決めなくても良い。もし、君が行きたいと言うのならいつでも歓迎するよ」

 

 

 ポスポスと低い位置にある悟飯の肩を叩くと、誘いの言葉を切る。サイヤ人と地球人のハーフはそうそういないだろうから長老も興味を抱くだろう。今はいないけど。

 実を言うと、サイヤ人の血が混ざっているハーフってあんまりいないんだよね。王様であるベジータ王の意向なのかわからんが、他の種族と交わる事は禁忌であると謳っていたと記録がある。今までに血が交わった子が生まれると殺した事があるとも聞いた事がある。ベジータのサイヤ人に対する誇りだとかは異常レベルを超えているからそんな事を普通にしでかすだろうとは思う。

 ハーフが生まれた例が少ないのもあって、サイヤ人のハーフは貴重なのである。孫悟飯、孫悟天、トランクスが生まれる事を知っている俺としては複雑な気分になるが。

 

 計画としては、ジッカ人に教授する事によって悟飯の知能レベルを高めて基礎知識を短い時間で覚えさせる。そうする事で修行に割ける時間を作り、強さを錆び付かせないようにするといった事を考えている。

 ジッカ人に教われば宇宙の真理まで知れるぞ。多分。地球の教育よりも遥か先を学習できる事だけは間違いなく保証できる。世紀の発明をして歴史に名を残すほどの偉業を三度くらい達成できるだけの知識を蓄える事が可能にもなるはずだ。

 修行の時間を多く作る事で悟空以上に強くさせる事もできる、という前提の上で考えた計画だがこれが達成されればどうなるだろうか。

 

 

「……げっ」

 

 

 バイブレーションがポケットから響く。ジッカメカの通信機が携帯電話のように出ろと急かしているようである事はすぐにわかった。

 出たくないが、しょうがないと腕に取り付けて応答する。ジッカ人のエイリアン顔がドアップでメカのモニターに映し出される。モニターの中央に顔が映り、右下に指令らしき文字の集まりが表示される。すぐに帰還しろ、だとさ。

 や。逃げ出したのは悪いと思っているがもう少し休暇をだな。あ、駄目? 大事件発生だから手を借りたい? わかったよ。チクショウ。

 

 

「すまん悟空。呼び出されたから帰る。本当はお前の家に泊まらせてもらおうかと思ったんだがそうも言ってられなくなった」

「そうなんか? オラも手伝おうか?」

「一人で大丈夫だ。それよか家族サービスでもしとけパパさんよ」

 

 

 これまた良いタイミングで。悟飯とかピッコロと親交を深めようと思った矢先にこれだよ。ピッコロには服の作り方を教えてもらおうと思ったのに。いざという時に裸になる前に服で隠そうと考えていたのが悪いのだろうか。流石に半裸で戦いたくないぞ俺は。

 服を作る、といった服に使う金を一気に減らせる素晴らしい技を使えるのはピッコロに神様、界王様、界王神に仕えるキビト。他にもいたかもしれないが覚えているのはこれだけだ。もしもサイヤ人という種族でなければ覚えたい技ランキングの上位に食い込むほど欲しいと思える技だ、この服を作る魔法は。

 今度、人造人間との戦いが佳境に入る頃に手助けするついでに教えてもらう事にしよう。今はもう帰らなければならないから大人しく帰るとしよう。納得いかんが。

 

 

「じゃあ悟飯クン、ピッコロさん。ご機嫌よう。また機会があれば」

「さっきのお話、お母さんとも相談します」

「そうしてくれると嬉しいな」

 

 

 多分、良い方に返事は期待しても良いだろう。チチの評価はお土産である程度上がっているし。

 後は少し離れた場所にいるピッコロにも一礼をしておく。彼の聴覚ならこの距離でも聞こえているはずだろうし、今は礼儀正しく接して好感度を稼いでおくのだ。うーむ。今更だが裏の黒幕になれそうに暗躍しているな俺は。

 トン、と人差し指と中指をくっつけた手で米神を叩いて触れると目標を定めて瞬間移動をする。景色は自然溢れるものから人の手がふんだんに入っている景色に変わる。それも、高度な科学によって作られた人工物に。

 

 

「さって、仕事しますかね」

 

 

 ゴキゴキと首の骨を鳴らしながらジッカ人が集う部屋の中央に向かって歩き始める事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 にぃちゃんですが、一発キャラなので今後の出番はなし。何かの情報が得られたら影で彼女が大活躍したと思ってください。

 悟空の嫁、チチ。最初のふとましい肉体からスレンダーに変化した事で驚いたのは良い思い出です。ついでに土産で好感度を上げようとするエリンは策士。汚い(確信) そしてピッコロにも媚びようとするエリン。プライドとかないの? でした。

 ドラゴンボールは超サイヤ人だとかが目立っているけど魔人ブウとかデンデとか魔法みたいなのを操るタイプって何気にチートな気がする。特に有能な老界王神とか。限界以上って事は超サイヤ人ゴッドみたいなのにもなれる可能性を広げるわけだし。デンデなんか完全に仙豆代わ(ry

 次こそクウラ出す(エイプリルフール)



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