Muv-luv 蒼き魔神   作:塩ケーキ

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二話目投稿しました。

会話を自然にするのって難しいですね…



二話:会談

 隊長機からの誘導に従い、移動すると前方に軍事施設が存在することを確認する。

 

 

(地上部分から判断すると民間の学校を再利用した士官学校に見えますが、地下深くから反応がありますね…ということは、地上施設の規模から考えて地下が主要施設のようですね。しかし周囲一体は、完全に荒野になっていますね…この重力異常と何らかの関係があるのでしょうか)

 

 

『我々の誘導はここまでだ、施設内の誘導はオペレーターからの通信に従ってくれ』

「わかりました」

『…では、誘導を引き継ぎます。指示に従って移動してください』

 

 

 指示通りに移動していくと、地下施設へと続くエレベーターへと案内される。

 

 

(なるほど…機密レベルの高い場所へ招き入れますか、私を含め情報をなるべく秘匿する方針のようですね…とはいえ、罠の可能性も少なからず存在しますし警戒するに越したことはありませんね)

 

 

 数分の後、目的地に到着したのかエレベーターが停止する。

 見ればメンテナンスドックが複数空いているが、空間の巨大さに比べ機体が全くないことに違和感を覚えるがすぐに疑問が氷解する。

 

 

(ほう、あの機体専用の施設でしたか…先ほどの機体から技術水準を推測していましたが、少しばかり修正の必要がありますね)

 

 

 数瞬、思案していると二人の女性が移動してくるのを確認する。

 

 

『聞こえるかしら?こっちのドックにつけて頂戴』

「ええ、わかりました」

 

 

 返答後、グランゾンをドックにつけると降りることなく機内から話しかける。

 

 

「さて、貴女が副指令香月でよろしいですか?」

『ええ、私が香月よ。こっちは私の護衛みたいなもんよ』

「なるほど…もっと大挙してくると思っていましたが、意外ですね」

『あら、協力関係は信頼が命でしょ?』

 

 

(自分から可能な限りの行動を見せてこちらの信頼を得る算段ですが、中々強かな人物ですね。…周囲の生体反応は彼女たちを含めて3ですか、後一人どこかにいるようですが、伏兵というわけではなさそうですね)

 

 

『さて、そろそろ降りてきたらどうかしら?つまらない罠なんかは仕掛けてないわよ』

「フッそのようですね」

 

 

 グランゾンのハッチが開放され、香月達の前にその姿を表すがその姿の意外性に戸惑いを覚える。

 

 

(強化装備も着用せずに乗り込んでいるとはね…声から若いとは思っていたけど20代前半てとこね)

 

 

「ふっ通信越しでは、顔をお見せしていませんでしたね」

「予想以上に若くて驚いただけよ。さて、ここで立ち話ってわけにもいかないわね。あそこの部屋ででも話をしましょうか」

「わかりました」

 

 

 会話を終えると足早に移動を開始する。

 

 

「伊隅、あんたは呼ぶまで室外で待機してなさい」

「ハッ了解しました」

 

 

 護衛の伊隅という女性を置き二人は室内へと入る

 

 

「さて、改めて名乗るわね。私は、ここ横浜基地の副指令香月夕呼よ」

「シュウ・シラカワです。さて、率直に聞きますが貴女は、私がこの世界の住人ではないと考えていますね?」

「ふぅん…なんでそう思ったのかしら?」

「貴女の最後の質問からですよ。あの質問は、恐らくこの世界において常識的な内容だと思ったからですよ」

「なるほどね…ま、それだけじゃないけどね。アンタの質問内容は、状況把握的のモノに限られていた。そして私が知る限りアンタの機体は、既存の戦術機設計思想とかけ離れてる、新型を作るにしてもまず有り得ない設計ね」

「そうですか、納得がいきましたよ。BETA…でしたか、その生命体について説明していただけますか?」

「BETAの情報については、後で外にいる伊隅に説明させるわ。まずこの世界の情勢から教えるわ」

「わかりました、お願いします。その前にひとつ、この世界は私の居た世界とは異なる歴史を歩んでいるようです、世界大戦前後から軽く流れのみをお願いできますか」

 

 

 香月は、シュウに歴史から、世界情勢、各国の勢力、及び現状を提供する。

 

 

(随分歴史が異なっていますね…特に早い段階で宇宙進出し、異星生命体との接触が最大の相違点ではありますね)

 

 

「大まかではあるけど…ま、この世界に関してはこんなとこね。さて…次はこっちの質問に答えてもらっていいかしら?」

「かまいません。どうぞ」

「まずアンタの載ってる機体、アレの動力機関について教えて頂戴」

「ほう…グランゾンの動力機関についてですか」

「今の私達の技術で重力場を展開できる動力はML機関だけよ。でもアレは違う動力なのでしょう?」

「ええ、仰る動力機関とは異なります…ML機関がどのような機関かはわかりませんが、まずは訂正からしましょう。グランゾンが展開している力場は重力場ではありません。歪曲フィールド…所謂空間歪曲です。そしてグランゾンの動力機関は、ブラックホールを利用した対消滅エンジンです」

「は…?」

 

 

 予想を遥かに超える返答に思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。

 

 

「ま…待って。ちょっと待って。今アンタなんて言ったの?」

「歪曲フィールド、対消滅エンジンですが」

「………ってことは何…アレって…ブラックホールで動いてるってこと……?」

「ええ、その通りです」

 

 

 余りの事にしばし呆然となるが、真偽を確かめるため手元の端末から社のリーディング結果を見て再度驚愕する。

 

 

(感情から虚偽の結果は無し…イメージは理解不能…ってことはまさか嘘でしょ…)

 

 

「さて、納得いただけたところでお願いがあります」

「な、なによ」

「グランゾンへは、触れないでいただきましょう。下手をすれば周囲一体消滅することになりますので…もっともグランゾン自体ブラックボックス化されていますから解析のしようがありませんが」

「わ、わかったわ」

「ありがとうございます。さて、貴女は私に情報を提供していただけますが…私に何を求めますか?」

 

 

 言われて、頭を冷静にするべく軽く目を閉じ、思考を切り替える。

 

 

「…戦力提供と技術提供ってところかしら」

「なるほど…戦力提供に関しては私の裁量で判断させていただきましょう。下手に介入して騒ぎになれば火種になりかねません」

「そうね…グランゾンの戦力がどの程度のものかわからないけど、介入は最小限に留めたほうが良さそうね」

「それと技術提供に関してですが、提供しても問題がないモノを選定するために…戦術機…でしたか、そちらに関する情報をいただきたいのですが」

「ちょっと待ちなさい。技術提供に関してはコッチが要求したものを提供してもらいたいわね」

「技術水準がわからない状態で提供するなど愚か者のすることですよ。なにより貴方達を自滅させるようなものですからね」

「っ…(チッ確かにその通りね…提供されても建造することができない、もし建造できても制御できないんじゃ意味ないわ)…わかったわ。後で貴方用の個室を用意するから、そこで資料を提出するわ」

「ええ、お願いします」

「ところで、アンタのアレ…グランゾンだったわよね、何を目的に作られたモノかしら?意匠を見る限り威圧効果を狙っているように思えたんだけど?」

「グランゾンは、対異星人戦闘用として私ともう一人が主要メンバーとなり設計、開発した機体です。そしてご明察ですね、異星人への威圧を狙っての意匠ですよ」

「はぁ…アンタが作ったっての?ってことはアンタ科学者?なんで自分で操縦してんのよ?」

「フッ色々事情がありましてね」

「ま、私には関係ないことだわね。それにしてもアンタの居た世界も地球外生命体が地球に来てるってことか…どこも物騒な世界なものね」

「全くですね。とはいえ、私の居た世界はコチラよりも危険な世界かもしれませんがね」

「どういうことよ?」

「さて……」

 

 

 静かに微笑を浮かべ、はぐらかす。

 

 

「はぁ…それじゃ、BETAについて教えるわ」

 

 

 手元の端末を操作し外で待機している伊隅を呼び出す。

 

 

「アンタから提供される技術が何であるにせよ、伊隅の部隊が実験部隊となるわ。顔合わせも兼ねて紹介しとくわね、伊隅入って頂戴」

「ハッ失礼します!」

「やめてよね、そういうかたっ苦しいの。ま、いいわ。とりあえず改めて紹介しとくわ、こっちが私の協力者の…」

「シュウ・シラカワです。よろしくお願いします」

「伊隅みちる大尉であります」

「シラカワ博士に、BETAについて説明して頂戴」

「ハッ」

 

 

 伊隅は、スクリーンに映しだされた各種BETA、ハイヴについて説明していく。

 

 

(…遠距離攻撃可能な属種は、1種のみ…しかも当初は前線に存在していなかった…投入のタイミングも妙ですね、本拠地周辺にまで迫られたタイミングでの投入…なによりその他の属種は、侵略を行う生物にしては攻撃能力がなさすぎます。もし戦況に応じて進化をするならば他の属種も光線級のように何らかの能力を付与され進化しているはず…にも関わらず基本的に物量作戦を継続している)

 

 

 元いた世界での数多の生体兵器を知るシュウは、BETAについてある種の疑問を抱き伊隅に質問する。

 

 

「すみませんが、質問してもよろしいですか?」

「構いません、何でしょうか」

「要塞級の触手は、強酸を分泌するようですが、接触時のみですか?自ら強酸を放出することはないのですか?」

「はい、触手の衝角に接触した時に限定されます」

 

 

(なるほど…確信は持てませんが、ハイヴピラーから何らかの物が不定期に太陽系を脱出する軌道で打ち上げられていることから考えて、BETAは元々侵略生物ではない可能性がありますね)

 

 

「BETAについては、疑問点もありますが理解しました。ありがとうございます」

「さて、説明も終わったわね。アンタのこの基地での身分だけど私個人の私的な外部協力者として登録しといたわ、戸籍情報なんかはダミーのものを作成しておいたから使って頂戴。ここへも通行可能なセキュリティLVの高いカードを用意したわ。わかってるでしょうけど基本的に基地を出歩いて目立つようなことはしないでよね」

「わかっています。基本的に貴女方以外とは接触を持たないようにするつもりです」

「そっ。部屋へ案内するから、ついてきて」

 

 

(さて、とりあえず活動拠点は手に入りましたがこれからどうしていくべきか見極める必要がありますね)

 

 

 今後に向けての思考を行いながら移動を開始した香月たちの後に続いた。




シュウは、天才(公式)なので確信は持てずともBETAの目的が予想できると考えました。
無理やりかな~とは思いましたが…許してください
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