生暖かい目で見てください。
ローカルで落としてたデータにこっち側で編集したデータを反映していませんでした。投稿ミスもいいとこですがコッチは追加部分もあるのでこちらを本筋といたします。
※古いのもそのままにしておきます。
※ご迷惑おかけしました。
与えられた個室内にて先日提供された戦術機に関する資料を確認し、こちらの世界の現時点で利用可能な技術と提供することを避けるべき技術を選定していく
(この年代で異文明からの技術提供もなく、ここまで技術を発展させているのは評価すべき点と言えます)
(とはいえ追い詰められた状況下のためか荒削りの部分が多いまま実戦投入され、ある程度の戦果を上げてしまったがためにその点を修正、発展させていくということが発生していませんね)
地上での基本運用方法は元いた世界のPT等とほとんど大差はないが、OSなどの基本性能が雲泥の差である。
またジェネレーター出力も低いため高出力を必要とするような兵器を持たせるようなこともできない。
(人手不足などの要素から汎用性を突き詰めた結果、特機のように一点に秀でるも扱いづらい機体を開発することは中止したと見るべきですね。加えて光線級の攻撃に個人単位で対応できる技術ないことも影響が大きいのでしょう)
(これらの要素から推察すると、地下工廠で建造されていたあの巨大な戦術機は何らかの新技術用のテストヘッド機もしくは専用に運用するためのモノでしょうね。恐らく香月博士がまだこちらに開示していないML機関関係…重力場を展開すると言っていましたが、こちらの重力場制御理論を提供するかは保留しておきましょうか)
考察が済んだため、再び資料の確認を進め始める
(現時点の資料から判断して提供しても問題がない技術は、機体制御用の『TC-OS(”Tactical Cybernetics Operating System”)』『装甲材』あとは基本的な『非実体兵器』…といったところですか)
方針を固めたのか、必要なデータを洗い出し作成を始める。
(それとグランゾンは国連や他国から追求を受ける可能性があります。万が一に備えダミーデータは用意しておきますか)
数刻後、提出用の資料が完成したため香月に連絡を入れる
「私です。先日お約束した資料が完成したのでお渡ししたいのですが」
『えらく早いわね…正直3日くらいかかると思ってたわ。申し訳ないんだけど、今事後処理で手が離せないの私の部屋までもってきてくれるかしら』
「ふっ大変ですね」
『誰のせいだと思ってるのよ…』
「それでは、そちらへ伺います」
『ええ、お願いするわ』
「お待たせしました。こちらが資料になります。データ流出を防ぐことも兼ねて紙媒体でお渡しします」
「助かるわ。詳細は後で確認するけど、何を提供してくれたのかサッと説明してくれない?」
「わかりました。機体制御用のOSと装甲材、非実体兵器です」
「へぇ…兵装周りは提供してもらえると予想していたけど、OSは予想外だったわね。」
「そうですか?貴女程の方がその点に気づかなかったのは意外ですね。私から見れば、姿勢制御や自動挙動に問題があります。加えて熟練者の動きを学習し新兵に最適なモーションパターンを行うことをサポートするということも行っていませんでしたからね。これでは生存率が向上しないのも納得ですね」
「耳が痛いわね、そういった観点に目を向けられていないのは確かね」
「詳細に関しては、資料で確認してください」
「わかったわ。それで非実体兵器だけどBETA相手に…」
香月が、話を続けようとしたところで部屋の扉が開き一人の男が飛び込んでくる。
「せ、先生!昨日の事…で…」
早口で何かを言おうとしたようだが、こちらに気づいた途端声が途切れる。
香月の方へ視線を向けると目を細めてこの男を見ているようだ。
(まずいわね…こいつと接触させる気はなかったってのに)
数瞬沈黙が流れるが、男が口を開く。
「あんた…誰だ!?」
「申し訳ありませんが、貴方に応える義務はありませんね」
「なっなんだと!?」
「それでは香月博士、私はこれで失礼します。何かあればまた連絡してください」
「ええ、わかったわ。それじゃ」
「先生!?」
会話を打ち切ると、速やかに退室する。
(雰囲気からすると訓練生でしょうか?しかし、となると疑問が沸きますね…どのような人物か調べてみますか)
香月が大きなため息を吐いてからようやく口を開く。
「白銀…アンタねぇ訓練はどうしたのよ。てか…何しに来たのよ?」
「あ、訓練はもう終わって…それで俺、昨日のことが気になってそれを聞きに…ってそうじゃなくて!」
「なによ?」
「誰何ですか!?アイツは!」
「この基地の人間よ。アンタには関係ないわ」
「そんな馬鹿な!前の世界でもここに出入りしてた俺が一度も見たことがない奴がいるなんて!」
「はぁ…白銀アンタね、基地の人間全員の顔を見知ってるっての?それにアンタ言ってたわよね、記憶が曖昧なところもあるって」
「うっ…それは…で、でも」
「白銀、この際はっきり言っておくけどアンタに全てを教えてるわけじゃない。当然アンタの知らないことも多いのよ。それなのに自分が知らないからおかしいなんて思わないで頂戴。それじゃ、私は忙しいの。出て行きなさい」
「はい……わかりました」
肩を落とし気落ちした様子で白銀が退室していく。
(まったく…白銀に権限を与えたのは失敗だったかもね。まさかシュウ・シラカワがいるタイミングで乗り込んでくるなんて。私の様子から察してくれたみたいだけど白銀に疑問を持たれた可能性は高い…当然白銀の特殊性についてじゃないでしょうけど…どうしたものかしらね)
(とりあえず、白銀のことは一旦置いておきましょうか…すぐにバレるようなモノでもない。それよりも提供された資料の確認のほうが優先事項ね)
思考を切り替え提供された技術資料を確認していく。
(参ったわね…今の世界にこの資料を公開すれば間違いなく世界が震撼するレベルの代物だわね)
(重力制御によるプラズマを利用しての小型核融合炉…非実体兵装を可能とする技術…現時点の装甲材からは考えられない強度を誇る装甲の精錬技術…そしてこのOS)
「だけど、やっぱり最大の収穫はコイツよね。アレの制御に有効利用できるわ」
香月にとってジェネレーターに利用される重力制御に関する技術、理論を手に入れたことが最大の収穫であろう。
「さてっと、とりあえず提供されたモノを作る優先順位はっと…それと人員確保に…フフ忙しくなるわね」
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人員を昼夜問わず最優先で動員した結果早期に試作品が完成する。
だが予想を上回る進捗に至る最大の理由は、提供者自身が試作品の作成に協力したことだ。
「アンタが、手伝ってくれるのは意外だったわね。どういうつもりかしらね?」
「別に他意などはありませんよ。現状を見るに時間が惜しいことに加えて下手に試作品で問題を起こされては後々にも影響を与えるでしょうしね」
「なるほどね。なんにせよ助かったわ。知識は手に入れてもノウハウはないのだしね」
「それで、完成品の試験運用を誰に任せるおつもりですか?」
「私の直属部隊に任せるつもりよ。アンタも前にあった伊隅の隊よ」
「では私も試験運用に協力しても問題なさそうですね」
「あら。試験にまで協力してくれるなんて気前がいいじゃない」
「戦術機に搭載した際の影響は私もわかりませんからね。不意の問題にも対応可能な人間がいたほうが良いでしょう」
「助かるわ。それじゃ搭載予定機の調整が済み次第換装作業に入るわ」
「わかりました。では、私は最終確認をしてきましょう」
そう言うと、整備員の方へ向かい指示を出し始める。
整備員の質問などにも律儀に答えている様子を香月は腕を組みながらジト目で眺めている。
(見かけによらず面倒見がいい男ね…ま、この調子なら一両日中に準備は整いそうね)
さらにシュウ自身が試験運用に立ち会ってくれると申し出てくれたこともあり、香月自身はアレに着手しても問題ないと判断する。
望外の戦力を手に入れることができる状況にはなったが、計画の肝部分の進捗が芳しくない…何か糸口を掴まねばならない。
香月は、自身の部屋へと足早に向かい始める。
今後の展開も大体決まりましたので ちまちま書いていきたいと思っています。
早くグランゾン無双したい・・・