東方咆狼伝   作:月影音紅

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今回は前回の風神録の後編でもあります


第17話 弾幕ごっこと教師の素質

 秋空の夕暮れ時、樹と紫は妖怪の山頂上付近の木の上からいつの間にか建っていた神社を見下

 

ろしていた。

 

「紫この神社今日の朝にここに建っていたのか?」

 

「そうね、でも幻想郷に来る方法は私達が使うスキマの使用、外の世界から忘れられる、もしく

 

は結界を破壊して入るかの3つしかないのよ。でも、結界が破壊された形跡もないし、スキマを

 

使えるのは外の世界の人はもちろん妖怪は使えるものはいない。それとあんなに歴史のあるよう

 

な神社が忘れるなんてありえないと言うことは私にもどうやってこっちに来たのかはわからない

 

わ…でも強いて言えるなら奇跡かしら…」

 

樹は紫をいうことに苦笑いしながら、木を降りようとする。

 

「あら、どこに行こうとしてるのかしら?」

 

「え?もう終わってると思うから帰るだけだが?」

 

「そう、なら気を付けて帰りなさい。」

 

樹は木を降りて、紫の方へ振り返ると、

 

「気を付けてってここは俺達の山だぞ?気を付けることは何もないぞ?」

 

「それもそうね、じゃあこれで」

 

紫はスキマを開いて、中へと入っていく。樹は顔を正面に戻すと整備された山道に行くと、

 

それを辿って下っていく。暗くなってきたので妖力で火を起こし、いつかの半人半霊の半霊のよ

 

うに火を操って。

 

 しばらくして天狗の里付近まで来た時に後ろから、

 

「お~い、樹~」

 

振り向くと、ボロボロになっている魔理沙とそうでもない霊夢が降りてきた。

 

「どうした二人とも?」

 

魔理沙は樹の返答を聞くと指を指して、

 

「私と弾幕ごっこしろ!!」

 

とは言うが頂上で戦ったのだろう。魔力があまり残っていない様子がうかがえた。

 

「それは明日にしたらどうだ?俺は妖力全開だし、結果は目に見えてるだろう?」

 

「何ぃ~!?てっきりお前も解決に向かって妖力使ったと思ったから挑んだのに!!」

 

魔理沙は悔しがって地団駄を踏んでいる中、霊夢は樹にこのような問いをしてきた。

 

「ねぇ、あんたも解決する側でしょ?何で来なかったのよ?」

 

樹はそっぽを向くと、

 

「紫に止められたんだよ…異変は人間が解決するものむやみに妖怪が解決するものじゃないっ

 

てさ」

 

樹の答えに納得したように、頭を掻くと

 

「そう…紫め…余計なことを言ってくれたわね…言わなければもっと早く終わっていたのに…」

 

と霊夢はぶつぶつと小声で呟いた。それを聞いた樹と魔理沙は苦笑いするしかなかった。樹は今

 

更になって天魔様から言われていたことを思い出すと、

 

「霊夢ちょっといいか?」

 

霊夢は不機嫌そうに返事をすると、

 

「何かしら?私とあんただけの話ていうことかしら?」

 

「そうだ、だからこっちに」

 

樹は魔理沙にここから動かないようにと言うが魔理沙のことだから盗み聞きすると思い、樹は能

 

力で結界を張って霊夢を少し離れた木の下まで連れて行くと天魔様が樹に言ったことをそのまま

 

霊夢に話した。霊夢は溜息をつくと、

 

「あんたが言うには来年の師走の2日に地底で異変が起こるからサポートとしてあんたが人間の

 

ふりをして私についていくってことね。わかったわ、正直あんたから受けたあれであんたから計

 

り知れない力を持っているって私の勘がそう告げてるのよ。」

 

「すまないな、でも異変の解決はついでだからそこら辺はよろしく頼むぞ。」

 

樹と霊夢は握手をすると、霊夢は帰っていった。帰っていくのを確認した樹は魔理沙の元に戻る

 

と、結界を解いたら何を話したのかを聞かれたので霊夢と話した別のことを話すと、納得して、

 

弾幕ごっこの話に戻され、場所は人里の近くの平野、時刻は午の刻ちょうどとだけ伝えると、

 

「絶対忘れるなよな~!!」

 

とだけ言い残すと箒に跨って帰っていった。樹は再び整備された道を歩いていった。

 

それから一時間経ってようやく家に着いたのである。ドアを開け居間に入ると、

 

「お帰り、樹」

 

「お帰り~元盟友~」

 

と椛と隣にツーサイドアップの髪型に緑のキャスケット帽子、水色を基調とした上着とスカー

 

トを身に着けたおそらく河童らしき少女が出迎えてくれた。

 

「ただいまってちょっと椛さんこちらの方は一体?」

 

「そう言えば樹には紹介してなかったね、彼女は河城にとり妖怪の山の麓の方に住んでいる河

 

童の一人で私の友達なの。」

 

樹の問いに答え軽くにとりの紹介すると、

 

「樹のことは前から椛から聞いてるよ~て言うことでよろしく~元盟友」

 

にとりは樹に握手を求めると、樹はにとりの手を握ると

 

「気になったんだけどさ?にとりは俺のことなんで元盟友って呼ぶんだ?」

 

「あ~それは気にしないでくれるかな~樹の場合は元人間だったからていう理由なのさ」

 

「へぇ~そうなんだ~」

 

樹は理由を聞いてすぐににとりの背負っているリュックを開けた。にとりは樹の行動い気付くと

 

器用に手で閉じた。

 

「中身は機械の燃料やら材料やらでいっぱいだな…メカニックでもしてるのか?」

 

「ちょっと!!女の子のリュックの中をのぞくなんて…えっ?樹もしかして機械に詳しかったりす

 

る!?」

 

罵ることよりも樹が機械を知っていることに興味が湧いて機械の話を持ち掛けた。樹は少し驚い

 

たが、

 

「まぁ、作るとか修理をしたことはないけど、外の世界の機械ならたくさん知ってるぞ。」

 

「やっぱりね!外の世界の機械今度私に見せてくれない?これからの幻想郷に生かそうかな~なん

 

て実は思っているんだ~」

 

外の世界の機械と言うキーワードににとりは食いついてきたから友好的にはいい感じにはなって

 

きたと樹は思った。椛は何の話をしているかチンプンカンプンらしく首をかしげているのに気付

 

くと、

 

「にとりこの話はまた今度な、椛が話についていけてないし、な?」

 

「それもそうだね~ごめんね椛?」

 

「二人が仲よしになってくれて私は満足だよ、そう言えばお昼と夜ごはんは食べてないからお腹

 

減ってるでしょ?「いや、お昼は紫が御馳走してくれたよ」でもお腹は空いてるでしょ?だから帰

 

ってからすぐに作ったの二人とも召し上がれ。」

 

椛は樹の受け答えに対しては失笑しながら料理をテーブルに運ぶ。樹とにとりは箸を手に取って

 

いただきますと一言言ってから今日あったことを話しながら食した。その後は二人がいつもやっ

 

ている将棋を指して一日有意義に過ごした。

 

 

 

 

 

 翌日の午の刻前人里前の平野で魔理沙は樹が来るのを待っていた。少し離れた場所には里の人

 

間や妖怪が二人の弾幕ごっこと言う名の決闘の観戦やら応援やらで集まっていた。

 

 魔理沙は待つのに退屈して

 

「樹のやつ遅いんだぜ…」

 

と愚痴る始末、その時黒髪の少年が魔理沙の前に立ちふさがった。魔理沙は不思議そうに

 

「お前誰なんだ?」

 

と問いかける。その少年は自分の名を口にする。

 

「水無月樹だぁ!!」

 

聞いた瞬間魔理沙は樹とも距離を取ると、

 

「遅いじゃないか!樹‼!」

 

「いや、ちょうどに着いたんだが?」

 

「まぁ、それはさておk「おくな」細かいこと言うなよ~じゃあ弾幕ごっこ始めようぜ!!」

 

そこに歩みよる一人がいた。霊夢だった。

 

「じゃあルールを説明するわね、被弾は一回で使用スペルカードは三枚これを守ること良いわね?」

 

「「おう!」」

 

霊夢は説明を終えると観客が被害に遭わないように結界を張ると、

 

「よっしゃ!私から行くぞ!これでも食らえ!!恋符【マスタースパーク】!!」

 

「いきなりかよ!?鏡符【ミラージュレーザー】」

 

魔理沙のミニ八戒炉と樹が取り出した鏡から特大のレーザーが放たれ、衝突するがお互いに威力は

 

互角のようで相殺された。魔理沙は舌打ちを打つと通常弾幕をありったけの量を放つ。樹は白狼天

 

狗の姿に戻ると、天魔刀を抜刀して当たりそうな弾幕を弾きながら樹の通常弾幕を放つ。二人とも

 

上手く避けてなかなか決着が付かなかったので樹から攻めようと、月狼牙を抜くと突風を起こし、

 

お互いの弾幕を消すと、

 

「二枚目行くぞ!!双闘【白狼双砕牙】」

 

樹は最速で魔理沙に斬りかかる。正面、左右、上下と背後から以外全方向に攻撃を加えるとそこか

 

ら弾幕が出てくるが、異変にかかわってきた分避けるのも上手でなかなか当たらない。魔理沙は自

 

慢げに

 

「数で押すなんて甘いんだぜ?弾幕はパワーなんだぜ!!魔符【スターダストレヴァリエ】」

 

魔理沙の二枚目のスペルカードは全体が星で覆われ、避けるのに一苦労してだいたい避け終えると、

 

「お前も人の事言えないじゃないか!?」

 

「それとこれとは別だぜ?」

 

と言い訳をして、

 

「これでおしまいだ!魔砲【ファイナルスパーク】」

 

魔理沙がミニ八戒炉から発射する前に樹はとんでもない人物のスペルカードを宣言する。

 

「霊符【夢想封印】!!」

 

樹は自分の持つ札と出現したカラフルの球体型弾幕が魔理沙目がけて飛んで行く。発射直前ですぐ

 

に対応できずに被弾した。弾幕ごっこは樹が勝利で幕を閉じた。ふぅ、と一息つくと結界が解け、

 

怒っている霊夢が樹に近づくと、

 

「何であんたが私のスペルカード使えるのよ!!説明しなさい!!今すぐ!!」

 

「それは俺元妖狩りだからだよ物理的で除霊できない奴をこれで切り抜けてきたんだ完璧ではな

 

かったけどな。でも昨日紫が教えてくれて完成したそれだけだ。じゃあ来年の師走な。」

 

樹は簡単に説明すると帰っていった。

 

 

 

 その一時間後、神社に戻ってきた霊夢は縁側で紫がお茶を飲んでいるのを見かけると走って紫

 

の胸倉をつかむと、

 

「何で!?あいつに夢想封印を教えたの!!?言いなさい!!!」

 

紫はその質問を聞くと真剣なまなざしを霊夢に向けると、霊夢は胸倉を離す。

 

「それはあの子にとても必要なものだからよ。あの子の問題はあまりにも強大過ぎる。私と同じ

 

くらいのネクロマンサーやあの子のかつての仲間も退治しなければならない。霊夢じゃ太刀打ち

 

できない位の強大な相手を彼は立ち向かわなければならないのよ。だから教えたのよ、じゃあ私

 

はこれだけを言いに来ただけだから」

 

そう言い残すと紫は去っていった。霊夢は納得がいかず、神社の柱に殴る。殴ったところから体

 

にしびれが伝わる。

 

 

 

 同時刻樹は結局山には帰らず、人里をぶらついていた。戻っても椛は哨戒に出ているから暇だ

 

からである。なら人里にいたほうがよっぽど暇を潰せる。そう考え、歩いていると子供が目の前

 

を駆けて行った。目をやるとすぐま隣にある建物に入っていった。学校か何かかと思い後追って

 

入ろうとすると、

 

「そこの白狼天狗!そこに何の用だ!?」

 

樹は後ろから大声で呼び止められ驚き振り返ると、そこには銀髪が腰まで伸ばした女性が怪訝そ

 

うに樹をにらみつける。

 

「いやぁ~ここは何の建物か興味があったからつい…」

 

女性は樹の顔をまじまじと見ると、

 

「あぁ、水無月樹か、お前は元人間ゆえに人を襲わないと聞いている。入っていいぞ、しかし

 

条件がある。騒ぐなよ?」

 

「はい…わかりました、であなたの名前は?」

 

樹は入ろうとする女性に名前を尋ねると、

 

「あぁ、そう言えば名乗っていなかったな?上白川慧音だ。ほら、早く入れ。」

 

慧音は早口で言うと、中へと入る樹も後を追って建物の中に入っていく。

 

 中に入ると子供が大勢黒板を向いて座っていた。ここは学校いや昔のものだから寺子屋と言

 

った方が正しいだろう。樹は後ろから入ると子供たちを怖がらせるとまずいので能力で子供た

 

ちが認識されない空間を作り、胡坐をかいて座る。少し経って慧音が入ってくると、授業が始

 

まった。今から小学生では算数、中学生以上は数学と呼ばれる授業らしい。幻想郷では算学と

 

呼ばれているらしい。樹は今の今まで気付かなかったが、子供たちに交じって見覚えのある人

 

物が授業を受けていることに気付いた。後ろから二番目の左側の席にはチルノ、その隣はチル

 

ノが前に言っていた大ちゃんと呼んでいた妖精、そして右側の席には八雲藍の式神の橙、その

 

隣は蟲の妖怪だろう人物がいた。まぁ何となく理由はわかる樹はあまり気にも留めなかった。

 

あれから20分くらいから経った位だろうか、慧音が突然樹にとっては爆弾発言と受け止められ

 

ることを口走る。

 

「実はな今日外来人の元人間がここに来ている。後の30分彼に授業を任せようと思うんだが皆

 

はそれでいいか?」

 

慧音は子供たちに同意を求めると、そこにいた全員が満場一致して歓声をあげる。そのなか樹

 

は呆然とした。仕方なく立ち上がり、慧音の隣に立つと能力を解除して子供たちに姿を認識出

 

来るようにして樹は慧音が今日教える問題の記されたノートを受け取ると、チョークを持って

 

自分の名前を書く。

 

「みんな知っていると思うがさっきまで魔理沙と弾幕ごっこしてた水無月樹だ。よろしく!」

 

軽く自己紹介すると、子供たちから拍手が起こった。そんな中一人立ち上がる生徒が一人、

 

もちろんチルノだった。

 

「おい、樹私と勝負しろ!」

 

と、お決まりの一言だった。隣に、

 

「チルノちゃん授業中だよ…」

 

と大妖精が弱弱しく注意をするがチルノが気にも留めずに弾幕を出そうとした瞬間、

 

ゴツンッ!!

 

と大きな音が聞こえた。樹は音のした方を見ると、チルノが倒れていてその近くには慧音が

 

怒った顔をしてチルノを見ていた。樹は何となくわかったことが一つあった。

 

『慧音を怒らせると強烈な頭突きが飛んでくる』

 

とその威力はチルノが気絶する程度と高火力。樹は心から慧音を怒らせないようにしよう

 

と思った。そして授業を再開すると、樹は問題の簡単な説明をすると、即席に作った練習問

 

題を出題し、子供たちに解かせて、それを見回って分からない子に詳しく教えると慧音とは

 

違う授業スタイルで教えていく。

 

 ようやく授業が終わると、子供たちは帰っていく子が殆どだったが中には分からない問題

 

の解説を頼む子もいた。全員帰って慧音は満足そうな顔をして、

 

「なかなかいい授業だったぞ、私の授業では終わった後に問題の解説に聞きに来る子はいない

 

と言うのに…」

 

樹は苦笑いをすることしか出来なかった。

 

「子供たちの評判も良かったみたいだし、これから算学の授業を受け持って貰えないだろうか?

 

月一でも構わないぞ?」

 

「いや、週一でやらせてもらうよ。白狼天狗でも一応上の位だから暇をしているからちょうど

 

いいよ。」

 

「そう言ってくれると私も助かる。じゃあ、毎週金曜で入れておいておくからな」

 

「わかった。じゃあ次は明後日か?じゃあ俺はお暇させてもらうよ。」

 

「あぁ、また頼む」

 

樹は慧音に別れの挨拶をして外に出ると、扉の横で橙が寄りかかっていた。橙は樹に気付く

 

と、鞄の中から綺麗に折りたたまれた紙を差し出す。

 

「はい!藍様が樹さんに会ったら渡してくれって言われたの。」

 

樹は紙を受け取ると黙読する。

 

『水無月へ

 

  この手紙は届いたということは橙に会ったことだろう、水無月、お願いがあるんだが

 

 橙はまだ買い物に行ったことがないから一緒についていってやってくれないか?買う物は橙に

 

 伝えてある。それとこれを持ってきたご褒美に何か好きなものを買ってやってくれ頼んだぞ?

 

                                      八雲 藍

 

 P.S. お前の天狗での位は把握済みだ。暇なのはわかっている拒否権はないと思え    』

 

内容を把握した樹は、橙に買う物を聞くと、一緒に買い物を始めた。橙の好きなものを買って

 

あげると言ったら御萩の餡が食べたいと言ったので甘味処で御萩を3つ買ってあげたとのこと。




今回の話に出てきたオリジナルスペルカード説明

鏡符『ミラージュレーザー』

 ほとんど対魔理沙用に作られたのに等しいマスタースパークなど一直線レーザー系の弾幕

・スペルカードの威力をコピーして相殺させる防御系スペル

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