不思議な夢を見た少年樹、友達の一哉と廃神社へと入ると、人食い妖怪の襲撃に遭う。
対処方法を見出せず神社裏の森の池に逃げ込み、謎の空間に飛び込む
登山中、山の中腹で二人は休憩をとっていた。
「あとちょっとだから頑張って行こうね樹」
「あれっ?登山ってこんなにつらいことだったっけ?今となって今後一切登山したくない…」
一哉は励ますが、樹にはその声は届かず、独り言をただただ言っている。一哉は、ため息をつく
と、樹を無理矢理立たせて、引っ張っていく。意外なことに樹は抵抗はしなかった。と一哉は思
ったが、樹は何か見つけたらしく、ピタッと動かなくなると、一哉の腕を払い、その何かに向か
って走っていった。そこには、狼が地面に横たわっている。近寄って状態を確認すると、
「この狼は、やせ細っていることから、多分空腹から力が出ないのかな?」
樹は一人呟くと、バッグから魚肉だがソーセージを取り出す。すると、狼は顔をこちらに向けた。
ということは、興味を示してくれたと確信すると、ソーセージの袋を開けて、近づける。すると、
一哉が、
「樹!!?何やってるの!?野生の動物にそれも狼に、餌をあげようとするなんて!!今すぐ止めてよ!」
常識人の一哉から予想通りの批判が帰ってきた。
「俺はな、困っているやつを放って置けないんだよ、動物だって危険な生き物だって、俺達人間
と同じ生きてるんだぜ?それが分からないのか?」
と反論する。一哉はというよりどんな人でも、どんな生き物でも人間と同じだって言ったら反論
出来ないだろう。一哉は、はぁ…とため息をつき、
「わかったよ…勝手にして…でも用が済んだら話しかけてよね?」
樹はうなずくと、一哉はさっきまで休んでいた場所に歩いて行く。樹はソーセージを狼に与える
とすぐに平らげてしまう。それでも足りないと思い、持っているソーセージを袋から開けて、与
える全部平らげると、立ち上がって若干首を下げると、どこかに去っていった。樹はそれを確認
して、一哉のところに戻っていった。
そして時は戻って現在、
「痛っ!?あれここは…どこだ?」
樹は、傷だらけの体を起きあげると、辺りを見回す、とりあえず普通の家みたいだ…傷の手当が
施してくれてるところから、誰かに助けてもらったというのが正しいらしい。辺りの状況を見て
いると、ドアを開けて誰か入ってくる。足音はこっちへ向かっていることはすぐにわかった。そ
の主は、入って来ると、
「おっ?気が付いたみたいだな?怪我の方は大丈夫か?」
黒白をメインとした、魔女の格好をした金髪の少女が樹の体調を気にする。
「あっ?助けてくれてありがとうございます。」
ちょっと驚いた様子をみせたが、
「おっと、ため口で大丈夫だぜ。そうだ、私は霧雨魔理沙だ、魔理沙で大丈夫だぜ~でお前は?」
「俺は水無月樹。樹で大丈夫だ。」
魔理沙はニカッって笑うと、つられて樹も笑い出す。少しして、真剣な眼差しになって、
「樹はなんで森の中で倒れていたんだ?あんなに傷だらけで?一体何があったんだ?」
樹は魔理沙の話を聞いてあることに引っかかる。
(森の中で倒れていた!?確か不思議な空間に飛び込んでいったってことは覚えているけど…)
樹は恐る恐るあることを聞いてみる。
「なぁ魔理沙?ここはどこだ?」
魔理沙は真剣な顔を崩さず、丁重に、
「ここは幻想郷なんだぜ、知らないってことは外来人だな樹?」
「多分あってると思う…よく分からないけどな。」
「へぇ~外来人の妖怪とか珍しいな、あまり気は乗らないが紫に聞いてみるか~」
「はぁ?誰が妖怪だって!?」
魔理沙は普通に樹を指さして、
「樹、お前だぜ?」
樹は立ち上がって鏡の前に立ってみる。そこにはいつもの自分の姿ではなく、白髪に耳が、
後ろを確認すると尻尾が生えていた。まるで、犬か狼をかたどる人(?)になっている。樹は、
狼という単語が浮かんできた時、幻想郷に来る前の出来事を思い出す。
(もしかしてあの狼が…意志を授けるとか何か言ってたな。つまりこれは予想だが確信に近づく
ためには)
樹は魔理沙に手を合わせると、
「魔理沙図書館とかどこにあるか知らないか?何となくだが心当たりがある。」
「あん?それなら借りてる本あるからそれを読んでくれ、今は怪我が治るまでは外には出させない
ぜ」
樹は怪我のことをすっかり忘れていた。今更だがかなり痛む、やがて耐えられず、座り込んでしま
う。魔理沙は慌てて近寄ると、
「まったく行ったそばからだぜ…お前はこれからは妖怪だし、多分1日位で治るとは思うが…あっ!
そうだ連絡するの忘れてたぜ。」
魔理沙は黒電話の受話器を持ち、紫に電話をかける。
あれから、約半日位経ったのだろうか辺りは暗闇に包まれていた。起き上がってみるが、不思議
なことにどこも痛みも感じられない。樹は改めて自分が妖怪になってしまったのだと痛感する。魔
理沙は机に突っ伏して眠っている。樹は毛布を持ってきてかけさせた。とりあえず、情報を収集し
ようと、本を手に取る。妖怪についてや種族に関する本を片っ端から読んでいく。天狗についての
本を読んでいると、今の自分そっくりの種族が存在していた。白狼天狗というらしく他には鴉天狗
という種族もいるらしいとりあえずめぼしい物は読み尽くした。だが、なぜ自分が白狼天狗になっ
たのは分からなかったが、とりあえず、もう寝ようと部屋に戻ろうとすると、ドアから、
「魔理沙?いるかしら?来たわよ。」
樹は魔理沙を起こす訳にはいけないので、代わりにドアを開ける。ちょっと顔出すと、20代近くの
金髪の女性が立っていた。女性はあらっ?という感じな表情をし、樹に問いかける。
「貴方かしら?外来人で妖怪なのは?私は八雲紫よ、多分あなたがこっちに来たのは私が原因よ。」
「はい、俺ですよ。白狼天狗の水無月樹と言います。あなたが原因ってことは、どういうことです
か?」
その回答に紫は手を伸ばす。
「こういう事よ。」
そういうと樹も見覚えがある空間が現れる。
「これはスキマと言うのその顔を見るとこれに入ったのね。」
樹は自分が驚いていることに気づき、渋々頷く。
「まぁ、もうあなたは妖怪あっちに戻っても居場所がなくなってしまう。さぁ、あなたはどうす
る?」
樹は開き直って、
「ここの住人になれ、だろう?」
紫はふふっと笑うと、
「そうね、あなたにはそれしか残されていないでしょう。それと最初あなたが言った通りあなたは
白狼天狗よ、ならば言わずとも行く場所は分かるかしら?」
「あぁ、妖怪の山の天狗の里だろう?でも他所者は追い返されるだろう?」
「あら?少しは知ってるようね、そうよ、仲間として認められる方法は2つある。一つは実力で、大
天狗のところに行くか、とある天狗を見つけるかのどちらかよ。」
樹は少し考えると、
「実力とか無理だ、力はあっても、同等のやつと勝てる気がしねぇよ。だから後者だな。その天狗
の名前は?」
「やはりそうよね、そいつ名前は射命丸文、鴉天狗よ。魔理沙はよく会ってるみたいだし、明日探
してみると良いわ。じゃあ私はあなたの進むべき道に導くのが役目だし帰るわ。またね小さな天狗
さん」
ちょっと嫌らしい言い方はされたが、行くべき道は分かったことだけよしとし、居間にあったソフ
ァで眠る
今回は登山中の出来事を組み込ませてから本編へという形にしてみました。前書きを書いた
ときに第一話を空いた時間に改善しようと思います。
内容のことは一旦置いておいて投稿ペースについてですが…基本週一で出したいと思
います。月だいたい5話位は投稿したいので決めてはいませんが、どこかの週に2話投稿した
いと思います。