なぜか逃亡した一哉を連れ戻すために、椛に居場所を聞くと紅魔館にいるという情報を
聞き、向かうが紅美鈴と十六夜咲夜と戦う羽目になるが、勝利を収め、主のもとへたどり着
くが、防戦一方となる。そして倒れそうになった樹を支えたのは椛であった。
「全く樹ったら無茶し過ぎだよ…」
「すまないな…椛…」
樹は自分を支えてくれた椛の手をどかすと自力で何とか立ち上がると、抜刀して、
「椛が来てくれたってことは手伝ってくれるのか?」
それを聞くと、椛も抜刀して、
「もちろんだよ!そのために、隊長に頼みに行ったんだよ?私の給料今日の分半分にされるけど
ね…」
樹は後半の部分を聞いて、失笑するが、他人事ではなかったことだとはこの時は忘れていた。
「そういえばさ~樹の能力で飛べなくすればいいのにさ…もしかして忘れてた?それともそこまで
頭になかったの?」
椛の発言に、あっ!と口に出た。椛はそれを聞くと呆れて溜息をする。そして会話を止めると樹と
椛はレミリアに睨み合う。すると、レミリアも睨み合う。
睨み合いから5分、お互いの間に沈黙が続いていたが、その沈黙を破ったのは、この3人ではな
く、ドアから入ってきた少女だった。彼女はレミリアと似たような服を着ていたことから、きっ
とレミリアの妹なのだろうと樹は思った。
「お姉様面白そうなことやってるね?私も混ぜてよ?」
レミリアはその少女に微笑むと、
「良いわよフラン、そこにいる天狗と一緒に遊んでもらいましょうね。」
言い終わった頃には、レミリアとフランの顔は狂気に染まっていた。
フランは手に炎をまとった剣を取り出すと、2人に向かって切り付ける。樹は抜刀していた剣でガ
ードすると、
「レミリアとフランを対象に飛ぶことができない空間に操作する。」
能力を発動し、二人の吸血鬼の空間を操作した。吸血鬼姉妹は浮遊していたために、床へと落下
する。
「これで、ハンデはなしだぜ?お互い飛べないんだからさ。」
剣を姉妹に向けると、それぞれの武器で攻撃する。レミリアは樹、フランは椛に攻撃対象を絞っ
たみたいだ。レミリアは、戦う前に樹に小さいといわれたことを根に持っていたからという理由
でもあるらしい。剣先がぶつかり合い、そこから火花が散る。剣術(一人は槍だが)は全員互角
のようだ。しかし、樹と椛は息が上がってきたが、それ以上に吸血鬼姉妹の息が上がっていた。
そろそろ決着をつけようと樹は一歩前に出て、
「そろそろ終いにしよう!スペルカードルールで決着をつける!!それでいいだろ!?」
それを聞くと、レミリアは構えを止めると、
「良いわよ、じゃあ一人一枚のみで良いわよね?」
フランと椛は頷くが、樹は首を縦に振ろうとせず、
「椛は抜きだ!これは俺の問題だから二枚にしてくれ。」
「何言ってるの!?樹!!?一人で背負い込まないd「違うぞ椛。」えっ?」
「別に背負い込んでいるわけじゃないんだ、こうなったのは外の世界にいた妖怪のせいだからな。
でも妖怪になっちまった俺には、一哉が危険な目に遭って欲しくないから外の世界に帰って欲し
いんだ。あぁ、もちろん会えなくなるのは寂しいからな。一哉は俺の数少ない友達だったからな。」
「ねぇもう始めない?もう待ちくたびれてるんだけど…」
レミリアは呆れたような口調で言うと、樹は少し慌てて、
「もう終わるから!椛お前の剣を貸してほしいんだ。想いの力をこの蝙蝠達に見せてやりたいんだ。
なぁ?」
樹は椛に頼み込むと、
「はぁ…わかったよ…貸すのは良いけど負けるな樹!!」
「おう!!!」
椛から剣を受け取ると大きく返事をして、
「待たせたな!!見た通り1対2だから、スペルカードは二枚で行かせてもらうぞ!」
自分の剣で挑発するように上下させて、
「さぁどうする?2人掛かりできてもいいんだぞ?それに能力も解除してるから全力で来いよ!小さい
主にその妹さんよ~」
フランは元から気にしていないようで、レミリアに対して、小さいと言われたことに、笑い出す。
「あははははは!お姉様ち、小さいって言われてやんの~あははははは。」
レミリアは二重の意味で切れたようで、
「スペル!!神槍『スピア・ザ・グングニール』!!」
再び火を纏った槍を取り出すと、樹に低空飛行で向かってくる。樹は椛の剣を納刀すると、カウ
ンターの構えに入り、迎え撃つ。レミリアは槍を薙刀のように扱っているため樹には容易に守る
ことができ、一発
も当たらない。レミリアが攻撃に疲れると後退して、グングニールを投げる。樹は二本とも抜刀
すると、前でクロスさせて守る。頬にはちょっとしたかすり傷がつくが気にせず、レミリアの胸
元に飛び込むと、
「さぁ、今度は俺のターンだ!スペル双闘『白狼双砕牙』!!」
樹は斬り上げをすると、その反動で片方を納刀し、クロスボウワイヤー形態にし、レミリアの上
を取る。クロスボウから手を放して落下の勢いで二本で斬りつける。そして能力で地面まで移動
すると、再び斬り上げる。そして、再び能力を発動させて姿を消す。レミリアは体制を整えると、
「また上ね!」
それだけ言うと上に弾幕を撃つが、そこには樹の姿はない。すると背後から、
「残念だったな!これで止めだ!!」
樹は十字斬を放ち、レミリアは地面に叩き付けられる。樹はきちんと着地すると、フランに顔を
向けると、
「フラン、どうする?次はお前の番だけどやるか?」
フランは首を横に振ると、
「私はやらないわ、お姉様が無様に負けたのが面白くって笑いが堪えられないの!」
フランはそれだけ言って部屋から出ようとしたが、顔だけ樹に向けると、
「今度は私とも遊ぼうね?お兄様?」
ウィンクをして言うと、毛が逆立った感じがした。
(そういえば、俺白狼天狗だから、毛が逆立つのは当たり前か)
樹は一人で納得して一哉のもとに行こうとすると、
「すごいよ!樹!!レミリアさんに勝つなんて!」
椛がとてもうれしそうに抱き着いてきた。おまけに尻尾もかなり揺れている。嬉しいのは分かる
がとりあえず、
「椛ぃ~喜んでくれるのはわかるけどさ~その前に一哉を…」
「あ!すっかり忘れてたよ…」
椛は樹を離すと、樹よりも先に一哉のもとにかけつける。
「まったく…忙しいやつなんだなぁ~椛って…」
少し呆れ混じりの溜息をついて剣を見ると、
「あぁ~!せっかく買った剣が…もう壊れた…」
とあまりにも悲しみに叫んでしまったが、ドアを壊してフランが再び入ってくる。彼女の手には、
何やら重そうな箱を持っている。樹の前に立つと、その箱を置く。
「はいっお兄様、家の倉庫を適当に漁ってたら、こんなものあったよ。じゃあ今度こそばいばい」
フランは笑顔でそういうと、部屋を出て行った。分かったことは、フランは天使だそれだけであ
る。とりあえず、能力で部屋に置いておき、一哉のもとへよ
うやく着く。一哉は樹が叫んだのにもかかわらず目は覚まさなかった。
(ある意味すごいよ…)
椛はにこにこと笑顔を見せ拳を握ると、
「樹?一哉君が気絶してるのに一哉君より剣の方が大事なの?」
笑顔を見せながらも冷たい口調椛はまさに怒っている証拠である。
「あの…お手柔らかに…」
椛はそれを聞いてさらにカチンと来て、
「それは無理に決まってるでしょう?帰ったらお説教ね?良いわよね樹?」
「は、はい…」
そして、家に帰ると外の世界で過ごしてきた以上に長い説教を聞く羽目になったそうだ。
さらに、翌日文々。新聞では、樹が一人でレミリアを倒したという記事が幻想郷中の話題とな
った。天狗の中では、椛と樹の家に大量の白狼天狗達が殺到して、この日常はおよそ一か月も続
いた。
次で第1章で終わりになります。レミリアの扱い雑にし過ぎたような…