勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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回想が連続で続いてすみません。
今回ので襲撃編までの回想は終了したいと思います。



生真面目少女の独白

<噂について>

クラス代表選で例の男性IS適合者―言峰時雨君―が周りの予想を裏切って勝利を収めました。

彼の噂は私たち上級生の所まで届いていて、あまり良い感情を持っていない生徒が多かったのですが今回のを機に少しだけ評価が変わったみたいです。

現に友人の代表候補生を務める“ダリル・ケイシー”は「もう少し実力をつけたら軽く揉んでやるか」と楽しげに話していました。

 

妹の本音から彼のことを聞いてみると、人一倍遅れてしまっているIS知識を身につけようと努力され、話しているとまるでお兄ちゃんみたいだと言ってました。

その“お兄ちゃんみたい”というのが私には解りませんが、噂とは違う良い人柄の方なんでしょう。

それに惹かれてか少しずつ友達も増えているようです。

 

どうして彼の事を悪く言う噂が広がっているのか。

それは言峰君の敵を増やし学園から追い出そうと考える女尊男卑の生徒による手です。

それに見事引っかかってしまった簪お嬢様は“打倒言峰時雨”を掲げてクラスを纏め上げ、専用機の開発ペースも上がりました。

本音も簪お嬢様と和解できましたが素直に喜べないと複雑そうな顔を浮かべ、言峰君からは喜んでいいのではと言われたそうです。

 

 

<出会い>

「ちょっと席を外すわね♪」と生徒会室を出て行かれて早数時間。

今日もまた、未だに一人だけ和解出来ていない妹の簪お嬢様を影からストーキングされているのでしょう。

このままでは今後に支障が出てしまいますので、連れ戻そうと整備室に行きました。

 

整備室に着くと、そこには探していた方を見つけることができました。ええ――。

ですが、何で例の男の子を(物理的に)襲ってるんです!!??

 

何かブツブツと呟いてますが、此処まで聞こえません。

お嬢様があんな行動を取られるとは……まさか、お嬢様は噂を信じられてるのですか!? あるいは簪お嬢様関連です?

と、兎に角考えるのはあとです。 速く止めないと。

 

お嬢様を(物理的に)止め、事情を説明すると苦労してるんですねという眼を向けられました。

やめてください。気まずいです…。

 

逃げ出さないよう縄で縛っていたら、変なモノを見るような眼を向けられました。

やめてください。悲しくなります……。

 

きっとこの時の言峰君の印象は“ピンチを救ってくれた変な人”なのでしょう。

言ってて空しくなりました。

 

気まずさも相まってイソイソと整備室を出て行こうとしましたが、その前に言峰君に声をかけられます。

どうやら、整備室でのルールやレンタルできる武装が無いかを聞きたいようです。

確か更識に渡された資料によれば、言峰君の専用機はある武装のせいで拡張領域に余裕がなく、他の武装をしまう事ができない筈です。

その事を不思議に思いつつ、1つ1つ丁寧に説明をし、資料を渡したら今度こそ部屋を後にしました。

 

フフ、お嬢様。今夜は(仕事的な意味で)寝かせませんよ?

 

 

<学園の評価>

あれから数日、クラス対抗戦の日になりました。

オルコットさんと篠ノ之さんのいがみ合いの苦情やストーキングされるお嬢様、言峰君を悪く言う噂の処理や対処に明け暮れ、時折本音とお茶をしながら聞く話題に心休ませながら何とか迎えることが出来ました。

この間少しだけお会いしましたけれど、本音から聞いた通り噂とは違う方なんですね。楽しそうに語る本音に私もつい嬉しくなってしまいました。

 

クラス対抗戦は一見代表同士による個人戦に思われがちですが、実のところクラス全体の行動が評価されます。

どうまとめ、どう動き、どう対策を練るのか。

それを私たち上級生は痛いほど解っていますので、ここ最近はクラス間で情報戦が繰り広げられていました、

例によって新入生はそのことに気付かず、ただ実力のある代表が戦うだけになるのかと思われましたが、今年は2クラスだけ情報戦をしていたようです。

1つは言峰君のクラス。言峰君が中心にというのではなく、ご友人が情報を集めるのにあたって、クラスの中立派に声をかけて情報を集め、言峰君と本音で対策を練っていたようです。

もう1つは簪お嬢様のクラスで、こちらは簪お嬢様が中心に立って対策や訓練をされた模様。

ただし、『打倒言峰時雨』を目的に掲げていますが…。

 

一方、情報戦をしなかったクラスはというと。

2組はクラス代表が急に変わったことで纏まりがなく、専用機持ちが出る事で慢心。

3組は強ければいいと訓練に明け暮れるだけ。

 

学園の評価としては4組>1組>>>3組>2組

 

とのことです。

 

 

<1組対2組>

言峰君と先日転校してきた凰さんとの試合が始まりました。

試合の様子を見ていて思ったことは凄いの一言に尽きます。

凰さんの攻撃を最小限の動きで避けるか受け流すことでエネルギーの消耗を抑え、バランスを崩したところを攻撃する。

まるで上級生と思わせる動き振りに私も目を見張り、つい夢中に試合を見てしまいました。

 

言峰君が隠し持っていた銃を取り出した事に外野が何やら卑怯だと騒いでますが、言峰君からしたら拡張領域に何の武器を持ってるのか解らなくしている方が卑怯なんでしょうね。

主力武器を手落とした凰さんにここぞと斬りかかり勝負が決まると思ったその時、何者かの襲撃を受けました。

 

 

<事故処理>

襲撃者の討伐は言峰君一人の手によって終わりました。

私たち生徒会は避難誘導や乗っ取られてしまったシステムの奪還に追われてしまっていたため援護に遅れてしまいました。

無事に帰還したことに安堵の声を漏らしますが、それ以上に本来なら護衛対象である彼に守られてしまったことに不甲斐ない気持でいっぱいです。

今後、このような事が無いように対抗策を考えなければなりませんね。

 

被害はアリーナが修理のため暫く使用不能。

襲撃の際に攻撃を受けてしまった凰さんの専用機がダメージレベルCを受け、凰さんは絶対防御が発動して打撲程度ですみましたが今日一日は絶対安静。

 

問題なのは何を思ったのか避難をせずに放送室へと行き、生徒数名を木刀でなぎ倒した篠ノ之さんです。

彼女に対して被害を受けた生徒から苦情が来てます。

通常、このような事があれば停学や退学を免れませんが、IS委員会から「下手な扱いをするな」と口を酸っぱく言われています。

じゃあどうしろと聞くと「それはそちらに任せる」と完全に責任放棄。

諸々の協議の末、三日間の謹慎と反省文の提出に決まりました。

 

行った罪に対して軽すぎませんか? という声もありましたが、「博士の怒りを買いたくない」の一言に女尊男卑派の教員もだんまり。

逆に単独で撃退した言峰君に罪をとの声があがりそうになりました。

……フザケルのは頭の中だけにしてほしいですね。

 

 

山田先生が新聞部の方と何か話をしているのを見かけてから数日。

言峰君に『バーサーカー』の異名が付き、山田先生が理事長室に連行されました。

 

 

――――――――――

<理事長室>

 

「さて、山田先生。何か言い分はありますかね」←ゲンドウポーズ

「わ、私は少しでも言峰君が良くなればと思ったんです」

「ホホ、そうですかそうですか。山田先生は生徒想いの方ですね~」

「あ、いえそんなことは…///」

 

「減給3ヶ月及び休日無償労働」

 

「うわ~ん、すみませんでした!!」

 

 




前書きにも書きましたが、今回で回想は終わりにします。
次回は日常編の予定ですが、仕事があるので少しばかり遅れるかもしれません。
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