勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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生真面目少女の独白 2

<システム調整>

先日の襲撃事件が起きたせいで今日は休みなのですが、私たち生徒会や一部の上級生は全アリーナの修復やシステムの点検に参加しなければなりません。

私服姿の本音を抱きしめて癒し分を補充し、仕事に取り掛かります。

 

調査の結果、やはりあの無人機が直接システムに介入していることがわかりました。

対策としてシステムを1つに統括するのではなく、複数に分けるべきというのがありましたが、最終的には防御プログラムの強化という無難な案に決まりました。

このままでは恐らく同じように襲撃されたとき、すぐに突破されてしまうでしょう。

ISの力を少し過信しすぎているのではないのでしょうか? 織斑先生やお嬢様の様な実力者が不在の時どうするつもりなんでしょう…。

やはり、更識の方で独自の迎撃システムを作っておくべきでしょうか?

 

 

<開発依頼>

今日は言峰君が整備室に来ました。彼と会うのは先日、お礼と謝罪の為に生徒会室に来て貰って以来ですね。

何でも専用機-白式-の機体チェックをしたいようで、専用の機械の説明をしながらスペックを確認します。

装甲が薄く、エネルギーの殆どが機動力と単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)と思われる零落白夜に回されてますね。

 

その事実を再確認された言峰君は予想通り難しい顔をされてました。

彼は複数装備の近接格闘が得意らしく相性が悪すぎると言っていました。

それは難しいですね…拡張領域を確認しましたが容量の殆どが雪片弐型で埋まっていて、マガジンか手榴弾のどちらか1ついれられるくらいでしょうか?

こら、「雪片捨てちゃダメ?」とか言ってはいけません。織斑先生や先生のファンに怒られますよ?

……気持は解らなくはないですけど。

 

結局、“武装を仕舞えないなら外部に取り付ければいい”という事で追加装備の開発を依頼されました。

言峰君が描いた設計図はお世辞にも上手とはいえず、概要と言峰君のイメージを聞きながら描き直します。

それにしても「先輩にお願いしたい」ですか。…少し嬉しかったですね。

これは頑張って作らないといけませんね。

 

 

<噂の誤解>

ある日、学校に登校すると友人から「私が言峰君と付き合っているのか?」と聞かれました。

…どこからそのような噂が流れたんです?

友人にはいつもの誤解だと話し、噂の出所を追って行くと、後輩の“黛薫子”の所に付きました。

どうしてその様なデマを流したのか聞くと、以前言峰君と整備室での会話の一部が告白の様に聞こえたらしく、これは流さなければと即実行に移したとか。

告白って…あれは複合武器や隠し武器が好きかどうかを話してただけで他意はありませんよ。

 

「それにしては楽しそうに話してましたよね?」

 

ま、まぁ少し話が弾んで楽しかったですけどって話を逸らさないの!!

大体、私みたいな地味な女に惹かれるなんて…

 

あ、薫子待ちなさい!!

説教はまだ終わってませんよ!!

 

 

<武装開発と…>

言峰君に頼まれていた武装が出来上がったのをメールで伝えた次の日。

生徒会での仕事に手間取り、少しばかり遅れて整備室に行くと既に言峰君が本を読んで待っていました。

 

少しばかり話をしたあと直ぐに武装の説明をし、開発した3つの試運転をします。

右腕にトリケロス、左腕にガントレット、両腰にホルスターを取り付け白式に打鉄の盾のシステムを簡略したモノを打ち込みます。

準備が終わると言峰君に搭乗してもらい、実際に使ってもらいました。

 

以前、言峰君がリー何とかさんから似たようなのを借りて使ったことがると言ってましたが、これほど直ぐにトリケロスをあそこまで使いこなせるとは思いませんでした。

他の追加武装も同様です。

言峰君は「器用貧乏なだけです」と苦笑気味に言ってましたが、複合武器や複数の武器を同時に使うのがどれだけ大変なことか知っているだけに凄いと感じてしまいます。

 

試運転が終わると使ってみた感想を聞き、修正箇所を確認しながら微調整を行います。

このまま付けたままにしますかと聞きましたが、大会本番まで隠しておきたいそうで、時折、整備室にきて調整ついでに練習したり、自分なりに練習方法を考えてみるそうです。

 

 

いつの間にかすっかり日が暮れてしまっていて、言峰君のお詫びに女子寮近くまで送るとの言葉で二人並んで歩いています。

…こうして男の子と並んで歩くのは初めてですね。噂のこともあって少し緊張してしまいます。

言峰君はあまり気にしてなさそうですけど……

こういったとき、どのような事を話せばいいのでしょうか? 話が合うことと言えば武器開発ですけど、そんな女の子らしくない事を話して引かれてもしたら帰って泣きますよ私。

ああでもないこうでもないと一人悶々と考えていると言峰君が夜空を眺めていました。

星でも見れるのでしょうか?

 

 

 

「月が綺麗ですね」

 

 

……………え?

 

お、おおおお落ち着くのよ私。

 

“月が綺麗ですね”なんて告白フレーズを知っている人なんて夏目●石を読む人くらいしか…って!? よ、読んでました。私が整備室に来るまでご友人から借りたという『●目漱石全集』を読んでました。

こ、言峰君とは先輩後輩の仲なだけで、決してそこまで親しいわけじゃ、でも少しは異性として気にはなりますけどってそうじゃなくて!!

そ、そうです。確認してみましょう!! …き、期待してもいいですよね?

 

「ど、どどどどれくらい綺麗ですか!?」

 

て、てんぱりすぎよ私!? ほら、言峰君も驚いてるじゃない!!

 

 

「そうですね……ずっと寄り添って眺めてたいくらいですかね」

 

 

ボンッ!!

 

 

はわわわ/// こ、こここここれってつまり、そういうことよね?

でも言峰君は私よりも年下で……ええっ!? そっと近づいてきて、ま、まさかキ、キスですか!? そういうことはちゃんとお付き合いをしてからの方が///

……何だ、おでこを合わせただけですか……………………って近い、近すぎます///

あ、ひんやりとして冷たい。言峰君の体温って低いのね。じゃなくて、…少し汗臭いけどこれが男の子の…じゃなくて///

 

「…少し、熱いですね。保健室によりましょう」

 

……機械油とかついてないですよね? 今週は確か安全だけれど今日の下着は……って色々すっ飛ばし過ぎよ///!!

でも、言峰君にだったら………///

 

「先輩? だいじょうb――「…私、死んでも()いわ///」――ちょ、先輩!? せんぱーい!?」

 

 

―――

――

 

 

気がついたら知らない部屋で寝ていました。

 

……知らない天井です。

 

何を言ってるの私!?

辺りを見回すと、あまりモノが置いてなく少しばかり殺風景な部屋。

誰かの部屋なのでしょうか?

 

制服に隠してある武器を確認し、そっと下へと続く階段を降ります。

下に降りるとすぐに幾つかの扉があり、奥の方にはキッチンや談話室の様な場所がありました。

ここってもしかして…

 

そこまで考えた所で扉の1つが開き、そこからタオルを首にかけ、ズボンにシャツ1枚とラフな格好をした言峰君が出てきました。

ISスーツ越しに何度か見てますが、かなり鍛えられた身体つきでとても頼もしいかんじがしま……す?

 

「あ、先輩起きられたんですね。おはようございます」

 

あ、はい。おはようございます。

 

少し髪が湿ってますね。あ、お風呂上がりですか?

ということはここは言峰君の部屋ですか………………………!?!?!?!?!?

 

「速めにもどt――「し、失礼します//////」――速っ!?」

 

昨日の出来事が一瞬で蘇りました。

そこから言峰君の部屋にいるという事実から導き出される答え……つまり

 

え、ウソ? しちゃったの? 年下の子とヤっちゃったの? 一線を超えちゃったの!?

そんな、全然覚えてないです。初めてなのに……///

あうぅ~~~///

 

 

その日は一日中、顔が赤いと指摘され続け、後日、勘違いだとわかり赤面することとなりました。

 

 

――――――

 

「ねぇ~ねぇ~ことみ~。何かお姉ちゃんの様子がおかしいんだけど、何かした~?」

「いや、覚えは無いが…(気絶した先輩を部屋に泊めたりはしたが)」

「ホント~?」

「ああ、機体を見て貰って、夜遅くになってたから近くまで送ったくらいだ」

「他に何には~?」

「ん~~、あ、夜空が綺麗だったから“月が綺麗ですね”って言ったな」

 

「「「「………」」」」

 

「え、何?」

「あ、あのね言峰君――説明中――」

「え゛マジ? ちょっと先輩のところ行って誤解といてくる」

 

「……別に解かなくてもいいと思うけどな~」

「ん? 何か言った本音」

「ん~ん、な~にも~」

 




以上、虚サイドの話でした。
時雨が言った返事は、

ずっと寄り添って眺めてたいくらいです(貴女とずっと寄り添って生きたいです)

とでも訳して頂ければ…

銃のホルスターは直接両腰に付けてあるのではなく、打鉄の盾の様に浮遊している状態です。システムの容量的に簡易型のを虚が入力し、機体に追従し微妙な角度調整が出来る程度のことならできます。


次回からはタッグマッチに入ります。
またもや更新に時間がかかりますので、気長にお待ちして頂けると幸いです。

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