勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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お、お待たせしました。
何とか体調も回復し、頑張って書きました。
今回はいつのもキャラクターによる視点ではありません。

一応、

≪≫はアナウンス
「」は声
『』は通信回線
“”は武器・技名

といった具合に使うつもりです。



学年別トーナメント

~学年別トーナメントにおけるルールと一部変更のお知らせ~

 

1.今年度の学年別トーナメントは全てペアを組んだタッグ形式で行う。

2.制限時間を準々決勝までは1試合15分、それ以降は20分とする。

3.シールドエネルギーは訓練機800で固定とするが、専用機は3/4(600)とする。

4.時間切れの場合は残存エネルギーから判定する

5.また、候補生や専用機持ちは残存エネルギーから1割引かれて判定する。

6.地上30m以上に総計30秒以上居てはならない。

7.エネルギー切れの選手に故意でなかろうと怪我を負わせた場合失格とする

8.規定日時までにペアの申請が出されない場合、学園側でランダムにペアを組むとする。

 

などと他にも細かなモノがあるが割合。

 

このことがSHRで知らされてすぐ、ペアの争奪戦が勃発。

特に代表候補生や企業代表は引っ張りだこ状態へと化した。

 

因みに我らが主人公こと時雨は友人(既にカレンとペアを組んでいるのを知っている)や一部のクラスメイト以外からはよく思われていないので、そのような選り取り見取りなイベントは起きていない。

つまり、誘われていない。

あと、ご想像しているかもしれないが、お断り3からペアを組めと煩かったようだ。

 

 

大会までの残された期間は約2週間。

それまでの行動は人それぞれだ。

訓練機で練習に励む者、スポーツで連携訓練をする者、強敵となる人物らを調べあげ対策を練る者、整備室に行き武装を確認する者、先輩にアドバイスを聞きに行く者、負けるはずがないと慢心する者、情報を隠す者など……。

 

そんな日々が続き、向かえる大会当日。

 

―――

――

 

≪これより、Aブロック 一回戦 第7試合を始めます。選手は入場してください≫

 

「俺らの番だ。行くぞカレン」

「ええ、わかっています。……フフッ」

「……自重しろよ?」

「さて、どうでしょうね」

「はぁ……」

 

深い溜息を吐くも、「まぁ、自分に被害が無いからいいか」とか思ってたりする。

 

ISを身に纏って装備を再確認し、カタパルトに乗る。

間もなく合図が鳴り、脚下に火花を散らしながらアリーナへと出撃して行った。

 

 

 

「っ何よあの装備」

 

時雨の姿を見た対戦相手があげた声。

それもそのはずで、右腕に盾らしきもの、左腕には籠手、両腰には大型のホルスターと今までの情報とは全く違うからだ。

 

「フン、あんなのこけおどしよ。いい、作戦通り中距離射撃であの男を落としてからペアの子をやるわよ」

「り、了解」

 

どうやら彼女らは2人で1人ずつ倒すのが作戦のようで、二人が乗るラファール・リヴァイブの手にはアサルトライフル等といった中距離射撃用の武器が握られていた。

 

やがて、カレンがアリーナへと入場しカウントダウンが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

試合開始の合図と共に左右に跳ぶ2機のラファール。

それに対してカレンは後ろへと下がり、時雨は右に飛んだ。

 

右側に飛んだラファールAが立ち止まり、時雨に向けてアサルトライフルを放つ。

飛び交う弾丸を横に移動しながら避け、右腕の盾-トリケロス-を構えて引き金を引く。

 

「っ複合武器!?」

 

盾から銃を撃たれたことに驚きの声をあげるが、それもすぐに消え失せる。

なぜなら、放たれた弾丸は自分より離れた横を通り過ぎていったからだ。

 

「フン、やはりただのこけおどしのようね!!」

 

やがてラファールBが背後へと回り込み前後からマシンガンの嵐を受ける時雨。

それを避けつつ、またラファールAに盾を構えて引き金を引く。

今度は横にずれることは無かったが、ラファールAの足元に着弾。

またもや外れてしまった。

 

「あら、惜しかったわね」

 

下手な射撃に見下した笑みを浮かべるラファールAの少女。

カレンが後ろに下がったことに最初は不思議に思っていたが、無理やり組まされたかペアを組んで負ける様を静観しようと思ったのだろうと辺りをつけカレンのことを意識から手放し、ペアの子と時雨に集中砲火を放つ。

 

 

「…もういい」

 

試合開始から数分、避けながら時折盾の銃を放っていた時雨の口からそんな言葉が漏れた。

 

「フン、呆気ないわね」

 

当たらない攻撃と助けてくれないペアの状況から降参(リザイン)と受け取ったのかラファールAの少女は嘲笑う声を漏らす。

代表候補生に二度も勝ったのはやはりマグレ、所詮男など大したことないのだと…。

 

トリケロス(こいつ)のクセは解った」

「? 何を言って」

「ここからは攻めるぞ!!」

 

避けるのではなく、真っ直ぐ進みながら盾を構える時雨。

 

「そんなモノ!!」

 

当たらない。

そう思って…いや、そう思い込んでいた。

 

「えっ、当たった?」

 

左肩に被弾したことに驚く。

まぐれだと言い聞かせて攻撃しようとするが、続けて左足、腹部、右腕と次々に被弾していく。

 

「どうして!? どうして急にっ!?」

 

パニックに陥るラファールAの少女。

慌てているせいか狙いが定かでは無くなり、エネルギーも既に半分を切っている事にすら気づいていない。

 

そんな彼女を助けるべくラファールBの少女が動こうとするが、それよりも早く時雨がホルスターからアサルトライフルを抜き振り返ることなく撃つ。

当てるつもりなんて無い。ただの牽制。

それによって一瞬の隙が生まれ、今まで静観していたカレンがその間に割り込んできた。

 

「貴女の相手は私がします」

「どうして今になって…」

「さて、何ででしょうねっ!」

 

片刃の長剣で斬りかかるカレン。

それに対して慌てて左手に短刀を呼出(コール)するものの、利き手じゃないこともあってか呆気なく弾き飛ばされてしまう。

 

「クッ」

 

近接装備を失ったいま、この距離は不味い。

バック走で下がりながら牽制の意味を含めてライフルを向けるが、突如何か細く長いモノが視界に映る。

気がつけばにかライフルに鞭のようなモノが巻きつかれていた。

 

「い、いつの間に!?」

 

カレンの右手には先程までの長剣ではなく、超弾性鋼の鞭が握られていた。

 

“クイックシフト”

高速切替(ライピッドスイッチ)の様な多種多様な武器を自在に切り替えるのではなく、特定のモーションから瞬時に全く別の武器へと切り替え攻撃する技法。

剣で切りかかって来たかと思えばナイフによる連撃。

ナイフで刺されると思えばフェンサーによる高速突き。

今回の場合は短剣を弾き飛ばした瞬間に鞭へと切り替え、素早く相手に向けてふるっていたのだ。

 

「くっ、離せ!!」

「……クスッ」

 

突如、赤に発色した鞭から流れる電流。

それに耐えきれずライフルが爆散した。

 

「キャッ!?」

 

突然のことに驚き小さな悲鳴を上げ尻もちをつく。

ふと、眼の前に出来た影に恐る恐る視線をあげ、見上げなければ良かったと後悔する。

 

 

「さぁ、素敵な悲鳴()を聞かせて下さいね」

 

綺麗な笑みとともに鞭を鳴らすカレン。

 

顔が自然と引きつり、背筋に冷たい汗が流れた。

 

 

 

離れた所でペアの子の悲鳴が鳴っているが、そんな事を気にする余裕など彼女には無かった。

弾の無くなったライフルを投げ捨てて、剣を呼出(コール)し斬りかかるも盾の底に仕込まれた刃で呆気なく防がれてしまう。

このまま鍔迫り合いかと思いきやアンカーで手元を攻撃され武器を落としてしまったのだ。

 

そこから胸元に一閃。

続けて胴体に一閃。

慌てて後ろに跳び下がるが既にエネルギーは100を切っていた。

 

「(こんな、こんな筈じゃ…)」

 

何がいけなかった。そう考えるが今の彼女には解らない。

相手が男だからと大したことないと思っていたこともそうだが、何より二人で挟み撃ちで袋叩きにすれば余裕だと思い込んでいたことが何よりの敗因だ。

 

何故なら時雨は常日頃からお断り3と多対一で戦っているのだ。

まともな連携こそ無かったが、袋叩きにはとっくに馴れてしまっていた。

 

「っ!?」

 

頬を掠める一本の細い槍(ランサーダート)に眼を瞑ってしまう。

 

「チェックメイトだ。続けるかい?」

 

その一瞬に距離を縮められ喉元に盾の刃を突きつけられる。

ペアの子に助けを求めようにもエネルギーが切れたのか地面に倒れていた。

何故か顔が朱いが…。

 

最後の抵抗、あるいはプライドからか降参(リザイン)の一言を告げられずにいるとこれ以上は不要と判断した審判が試合終了の合図を鳴らし時雨とカレンの勝利が決まった。

 

 

なお、会場からは歓声は上がらず、殆どの観戦者が引いていたことを追記してく。

誰の所為とは言わないが…

 




やはり戦闘って難しいです。
それに勘違い要素が全くなかったですね…。

カレンが持っていた“超弾性鋼の鞭”はガンダムSEED-Dに登場するグフイグナイテッドという機体が装備している“スレイヤーウィップ”です

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