勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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“の話”ですので時雨視点で進めます。




学年別トーナメントの話

「「「「「「言峰君・カレンさん トーナメント優勝おめでとう!!!」」」」」」

 

「ありがとうございます」

 

あんがとさん。

 

 

準決勝での最後の一撃はお互いほぼ同時にエネルギーを全損。

厳密な審査の結果、コンマ数秒の差で俺の勝ちとなった。

 

それから表彰式やら、お偉いさんの有り難くない賛辞やら、企業からのオファーやら、取材やらを終えた俺たちはいつもの面子+αが開いてくれた祝勝会に参加している。

 

ん? 決勝戦はどうしたって?

決勝戦は……

 

 

―――――――――――――――――――――

 

「バララーク・セイ(笑)」

「ニ゛ャァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」

 

「ちょっ、指で挟んだ細剣で銃弾を弾くって何よそれ!?」

「フンッ!!」←黒鍵×6本投擲

「キャッ!?」←磔の刑

「さて、グー(顔面殴打)、チョキ(黒鍵追加)、パー(腎臓破壊)のどれが良い?」

「降参します(泣)」

 

―――――――――――――――――――――

 

大体こんな感じだったな…。

あ、黒鍵で戦ってたのは

 

◆ガントレット(継目ポッキリ)

◆トリケロス(表面凹んで刃所々欠けてる)

◆大型ホルスター(アンカー切断された)

◆背後のスラスター(所々壊れてる)

 

と、武装の大半を壊されたからだ。

予備のあるライフルとかなら兎も角、先輩らが(半分趣味で)作ったのだから当然予備なんてもの無い。

何せ“ランサーダート”ですら試合が終わるたびに出来るだけ回収して再利用してたんだぞ?

 

というか倉持の奴ら、予備の装備が無いのはまだしも白式の構造すら知らないってどういうことだよ。

造ったのあんたらだって聞いたんだが…。

お陰で背後スラスター(自己修復が間に合わなかった)を捨てて戦う破目になったぞ。

…まぁ、ぶっちゃけ相性悪かったから良いんだけどさ。

 

「は~い、新聞部です。一年の部優勝者のドS兄妹に突撃インタビューしに来ました!!」

 

どうぞ、出口はあちらですのでお帰り下さい。

 

「じゃあまずはオルテシアさんからね」

 

ムシか…。

 

ああ、そうそう。会長さんとケイシー先輩も見事大会を優勝したそうだ。

これで当初の目的通り絶対命令権(非公式)を阻止することに成功した。

後は流れたデマをどうするかだがだが……どうするんだろうな?

適当に使おうが黙って過ごそうがどっちにしてもあまり良くないことになるだろうし…。

 

「さて、次は変態機動、殺人パンチ、人間大処刑独楽と続々と二つ名を増やしてる言峰君にインタビュー!!」

 

…嫌な二つ名が増えたものだな。

 

「先ずはペアに義妹のオルテシアちゃんを選んだわけを!!」

 

単純に性格と戦闘スタイルを知ってたからですね。

 

他にも高速機動を得意とする鏡、サポートが上手い鷹月、砲撃戦を好む谷本という手もあったが、会長さんから前もって候補生や専用機持ちは実力差を埋めるために候補生同士で当たるように仕向けられてたり試合数が多くなると聞いていたことや装備の仕込みのを含め練習期間が短すぎたので今回は遠慮させて貰った。

次の機会がかれば彼女らにペアを頼んでみようと思う。

 

「それじゃあ最後に()()()()()()()は誰にするのかな?」

 

その瞬間、バッと今まで以上に視線がこちらに集まる。

…ああ、例のアレね。

周りにはわくわくとした者、悔しげな顔をした者、脅えた様子の者、そして自信満々で胸を張ってるお断り3らが…。

何というか…ウゼェ。自分たちが選ばれるとでも思っているのだろうか?

俺としては別に誰かにんなもんする気はサラサラ無い。

そもそも絶対命令権を阻止するために優勝する同盟を組んだのに俺がそれを使ってしまったら、次回もまた同じような事が起きて同様な事をしなければならない。

さて、どうしたもんかね~。

このままだんまりで通すわけには……ん? あそこに隠れてるのは……ああ、なるほど()()()()()()

 

すみません。お願いの件とは何のことですか?

 

「あれ? 知らなかったの言峰君。大会に優勝すると好きな相手に1つだけお願いすることができるって」

 

つまり絶対命令権ということですか…初めて知りましたね。

クラス対抗戦で優勝すると食堂スイーツ半年フリーパスが貰えるとは聞いてましたけどそんなの記載されてましたっけ?

 

これでも穴が開くくらいルールをしっかりと読んで、逆にルールの穴を見つけてやったぞ。

…皆に軽く引かれたけど。

 

「いいえ、記載されてないわよ」

 

物陰からスッと現れる変態ストーカーもとい会長さん。

 

「配られた資料の通り、各ブロック優勝者以上の生徒には賞状と訓練機や施設の優先使用権、1週間分の学食フリーパスが渡されるわ」

 

お陰さまで食費が浮いてローン返済が少しだけ早まりましたとです。

 

「個人同士で約束を取り決めるのなら兎も角、絶対命令権なんてモノ学園側も生徒会も許可した覚えないわ」

 

バッと扇子を開く会長さん。

そこには“激怒”と書かれていた。

なに、私怒ってるのよプンプン! とでも言いたいの?

 

もし、そんなのがあったら会長さんに絶対服従の永続命令を出して影から学園を牛耳る事も可能になるな。

 

「あら、その発想はなかったわね。やってみる? 何だか言峰君って悪役とか似合いそうだし……ねぇ、『自害せよランサー』って言ってくれないかしら?」

 

アンタが何を言ってるのか解らないのだが…。

あと、友人らよ。うんうんと首を縦に振るな。

 

もし絶対命令権が有効で俺が会長さんに出したとしても会長さんの持つ命令権で相殺されて意味が無いからしないし、そもそもんなことする気もがなければ興味も無い。

 

影から牛耳るよりも騙して罵って傷口を抉る方が楽しいだろ。

『左腕を渡しなさいバゼット』ってな。

…俺は何を言ってるんだ?

 

「そっか~じゃあ今回の噂もデマだったのか」

「ええ、今後もこの様な人権を一切無視したモノを賞品として出す気は全くないわ」

 

よし、これで次回からの布石を打つことができたな。

何せ大会を優勝した生徒会長が多くの生徒の前で宣言したのだ。

学園行事の全てを一任されている生徒会が認めていないことが実現するわけがないと。

 

更には俺が優勝し好きな相手に命令を出された場合のリスクを考慮し、似たような話題が上がってもそれほど広がることはないだろう。

モノによっては永続的に縛れたり、複数の人間を支配下に置けるのだから…

 

適当にインタビューを終え、最後に写真が欲しいとのことで最初は俺とカレンのツーショット。

次は途中から合流したケイシー先輩と会長さん、そのペアの子らで撮って夜遅くまでパーティを楽しんだ。

 

こんな賑やかで楽しい時間は教会を出て以来だな……。

……うん、臨海学校が終わったら一度教会に帰ろう。

 

 

 

 

 

あれ? そう言えば、さっきの発言ってヘタをしたら“俺が学園を影から牛耳ろうしてる”って噂たつんじゃね?

と思った翌日、案の定噂が広がってましたとです。

 

 

 




というわけで今回で学年別トーナメント編は終了となります。

決勝戦? ああ、うん。準決がんばりすぎて疲れました…
次回からは日常編や独白などを少し挟んで臨海学校編に入ろうと思います。

束さんも登場する予定!!
けど出番はあまりない!!

束「解せぬ」

一応予定としては“和解の話”“買物の話”“○○の独白”を予定しています。

それではまた…

【念の為の補足】
◆黒鍵で銃弾を弾く
ZEROの終話らへんでキレーがケリィの銃弾を弾いてたシーンを創造してください。

◆白式の背後スラスター
簪が最後の抵抗で乱射した際に壊れた

◆“そういうこと”
楯無「例の噂を完全否定するから手伝って!」
時雨「別に構わないが黛先輩(この人)は…」
楯無「大丈夫、彼女は味方よ」
時雨「了解…貸し1な」
楯無「っ!?」

というやりとりがアイコンタクトでありました。

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