勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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お待たせしました。
PCが不調なのと少しばかり旅行に行って遅れてしまいました。
人間、息抜きって大事ですよね…。

今回もその……短いです。



束の間の日常 ②

電車から降りてしばらくすると、再起動した先輩が花摘みへと行ってしまった。

広場の方が騒がしいと思い行ってみると、バカ2名が騒いでいたので適当に遊ぶこと数分。

そろそろかと戻ってみると、突然見知らぬ男子が殴りかかってきた。

 

「一夏ぁぁああああああ!! 生きてたなら連絡の一つでも寄こしやがれ!!!!」

 

あ~はいはい、いつもの勘違いね。

 

殴りかかってくる見知らぬ男子の右腕を掴み身体を反転させて思いっきり投げつける。

柔道の背負い投げというやつだ。

地面に叩きつけたさい、まともに受け身を取れてなかったようで苦痛の叫びをあげてたが、俺の知ったことではない。

 

「ま、待てよ一夏!! 俺たちがどれだけ心配したと思ってるんだ!!」

 

はぁ……めんどくさい。

 

「お~い数馬!! 急に走り出してっていちk…じゃなくてえっと…」

 

……言峰だ。

 

「あ、そうだ言峰だ」

 

こいつ一月前の事忘れてやがるよ。

 

「え、言峰? 一夏じゃなくて?」

「ああ」

 

ターミネーターの効果音みたいな名前だった気がする赤髪の男から事情を聴き“カズマ”と呼ばれた男。

 

あ? 俺も人のこと言えないって?

いいんだよ。はなっから覚える気なっかったから

 

何を吹き込まれたのか徐々に顔を青く染めていき、やがて――

 

「か、勘違いで殴りかかって大変申し訳ありませんでしたっ!!!」

 

深々と土下座をしながらそう言われた。

よく出来るな、こんな人通りの多い駅前で

プライドとか無いのか?

まぁ、どうでもいいけど……

 

「お待たせしました言峰君」

 

ああ、先輩。お帰りなさい。

 

「この状況は…」

 

勘違い(いつもの)です

 

「そうですか」

 

と苦笑いを浮かべる先輩。

 

先輩は何処を回る予定でしたか?

 

「えっと、服を…」

 

ああ、もう夏ですもんね。

 

「言峰君は?」

 

息抜きにブラブラ周るつもりだったのでこれと言って特に無いですね。

 

これは本当のことで、特別どこかに行きたいというわけじゃなかった。

行くとしても精々雑貨屋とかだ。

でもまぁ、俺も夏物の服を買っておいた方がいいかもしれないな。

持ってるの大体Yシャツかカソックだし……

 

それでは行きましょう。

 

と声をかけようとした時だった。

 

「ご、五反田弾、15歳。言峰君の友達やってます!!」

 

……そういえば居たな。静かだったから忘れてたよ。

あと友達になった覚えないし、さっきまで俺の名前忘れてたろお前

 

「は、はぁ、そうですか」

「き、今日はとてもいい天気ですね!」

「……そうですね」

 

ナンパするにしてもせめてもうちょっと何とかならなかったのか?

ほら、周りも「コイツ無いわ~」って視線向けてるぞ

 

「今日は買い物ですか?」

「え、あ、はい」

「でしたら俺、ここらへん詳しいんで案内しますし荷物も喜んで持ちます!!」

「いえ、結構でs――」

「お昼はこれからですか? あ、お名前をお聞きしても…」

「え、えっと…」

 

 

……………えっと、ダダンダダン君?

 

「五反田弾だ」

 

さっきの聞いてたんだからワザとに決まってるだろうが

 

悪いけどこの女性(ヒト)は今日一日俺の貸切なんだ。

 

「うぇ?」

 

要するに“デート”だ。

 

「!?!?!? つ、つまり二人は」

 

そうだな……………

 

 

 

 

 

共に一室で汗水を流した関係。

 

 

 

そっと近づいて耳元でそう呟くと膝から崩れ落ち“orz”のポーズになる。

嘘は言って無い。

整備室という一室で汗水を流しながら機体のメンテナンスをして貰っている。

少しだけ説明不足なのをあいつが勘違いしただけだ。

 

それにしても、今の実にいい絶望した顔(表情)だ。

カメラに収めておきたいところだが、これ以上ここにいるのは得策ではないな。

顔を俯かせ微動だにしない先輩の手を取り町並みへと走り出す。

 

「あ、あの言峰君」

 

ん? ああ、すみません先輩。

勝手に手を繋いだうえに少し早く歩き過ぎました。

 

「あ……そ、そうじゃなくて先ほどの………そのデートって」

 

パッと手を放すと一瞬だけ寂しそうな顔をするが、すぐに朱くした顔を隠すように俯いてボソボソとそう呟く。

 

さっきのか……今思うと確かに俺らしく無かったかもしれない。

普段の俺だったらもっと別の方法……適当にからかって陥れる方法をとった筈だ。

 

 

何となく…

 

「?」

 

そう、何となくなんです。

 

 

 

少しだけ、面白くなかった。

それだけです。

 

「っ!? そ、そうですか///」

 

ええ。

 

 

少しだけ気恥かしい空気の中、今度こそゆっくりと街へと向かって歩み出した。

 




はい、久々の弾の出番と数馬の初登場でした。
予定ではあと1~3話で終わらせるつもりです。

ところで、スリープ状態から“エンター(スペース)キー”を押して起動すると、“エンター(スペース)キー”が連打されるってあからさまに壊れてますかね?
あと、最近冷却装置をフル稼働してないとノートPCの電源が落ちるのは寿命かな…
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