今回は割と暗めな感じです。
< チカラ >、<愉しみ>、<王子様>の3本立てになります。
< チカラ >
一夏の周りにはいつも私じゃない女がいる。
学友だと自分にずっと言い聞かせていた。
ある時、とある先輩と付き合っているという噂が流れた。
ウソだ。
そんな筈がない。
しばらくすると、付き合っているというのはデマだったというのが解った。
そうか、そうだよな。
だって、一夏は……
自分の想いを打ち明けようと元相部屋の子と果敢に大会に挑んだけど、あえなく敗退。
それも一夏の義妹だと名乗る相手に負けた。
どうして?
なぜ、私は負けた?
なぜ、私が
どうして私を選んでくれなかった?
専用機持ちだから?
力が無いから?
だから私は選ばれない?
隣に居させてくれない?
……力が欲しい
私だけの力が……
―――
――
―
……もしもし
『ひねもす~?』
っ切る!!
『あ~待って待って切らないでよ~』
……その、貴女に頼みたいことがあります。
『言わなくても解ってるよ~。専用のISが欲しいんでしょう?』
っええ、そうです
『うんうん、勿論用意してあるよ ♪最高性能にして規格外のをね。その名も“紅椿”!!』
紅椿
それがあれば私は一夏と対等に―
『今度臨海学校ってのがあるんでしょう? その時に持って行くから楽しみにしててね☆』
……よろしくお願いします。
『じゃ~n――』
フフ、漸くだ。
漸く私は一夏と対等になれる。
そうすれば一夏は私を見てくれる
私と話をしてくれる。
私と背を合わせて戦ってくれる。
他の女になど見向きしなくなる。
アア、タノシミダナ……
<愉しみ>
「あらら、途中で切られちゃったよ。お姉ちゃん寂しいぞ☆」
ツーツーと通話が切られた知らせを鳴らす携帯をそこら辺に投げ捨てる。
「それにしても電話なんていつぶりだろ? 久々過ぎて緊張しちゃったよ~」
そうは言っているが、彼女の様子からしてそのようにはまるで見えない。
「今度会うのが楽しみだな~。映像越しだとかなり大きくなってたみたいだし~」
どこがとは言わない。
「ムフフ~久々にハグして愛を確かめあいたいね♪ 楽しみだね☆」
机を蹴飛ばしてクルクルと椅子を回転させて楽しそうに笑う。
「おっと、忘れるところだったよ。私としたことがうっかりしてたぜ☆ 君にも会うのを楽しみにしてるよ―――」
ふと、思い出したかのように一つのモニターを見ながら怪しく笑う。
彼女の見つめる先には所々改造された白の機体に乗る白髪の少年が映し出されていた。
「ホント、愉しみだな~♪」
<王子様>
あれからどれくらいの月日がったったのかな?
わからない……
会社は既に倒産。
父もあの人も共犯してた人たちはみんな捕まったらしい。
帰る場所が無い。
いや、元々帰る場所なんて無かったか…。
だってお母さんはもう死んじゃったし、
……これからどうしよう。
どうすればいい?
誰か
誰でもいい
助けて
僕を助けてよ!!
「助けに来たぜ!!」
誰?
「俺か? 俺は――」
「――!! あまり時間もない早くしろ」
「っとそうだったな。さ、行こう」
優しい声でそっと手を差し出してくれる男の人。
逆光で顔はよくは見えなかった。
たぶん、優しい顔をしてたんだと思う。
きっとこの人が――
僕の、王子様なんだ。
敢えて一夏(時雨がそうだと思い込んでる)以外の名前を出しませんでしたが……バレバレですよね?
次回からは臨海学校編へとなります!
あまりダラダラとしないように気をつけます!!