勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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以前消してしまったモノを一部修正したモノになります。
前とあまり変わらないので、「もう読んだからいいよ」と言う方はバックしてください。


とあるメイドの葛藤(再投稿)

初めまして、チェルシー・ブランケットと申します。

セシリア・オルコットお嬢様の専属従者をさせて貰っております。

 

彼女とは所謂幼馴染という関係でして、それはもう本当の姉妹かのように過ごしてきました。

楽しかった事、嬉しかった事、悲しい事、辛い事ときもずっと一緒。

御両親が亡くなられて、悲しみにくれたいのに家督を守るため必死に努力されたときも親身になって支えてきました。

 

そんな彼女がイギリスの代表候補生に選ばれ、ブルーティアーズの専用機を与えられIS学園へと向かわれました。

そこでご学友と共に勉学なり恋愛なりと切磋琢磨に励む。

 

 

 

そう思っていた時期が私にもありました……。

 

 

ある日……

そう、IS学園に入学されて1週間ばかり過ぎた頃のことです。

 

 

 

お嬢様がドMに堕ちました。

 

 

 

最初はあまりの衝撃で気を失ってしまいました。

だって、あのプライドの高いセシリアがですよ!! 信じられません!

何があったか苦痛に耐えながら改めて話しを聞くと、とある男子に喧嘩を売ったらボコボコに殴られ、素人相手に負けたことでプライドが折れ、冷たい眼差し&溜息を吐かれたと…。

お嬢様、その殿方のお名前を教えて頂けませんか?

 

物理的に消しますので

 

そのあと、どうすれば殿方に虐めて貰えるのかやら、セシリアの妄想猥談と淑女として完全にアウトな会話を(一方的に)されました。

 

…疲れました。

 

……今までで一番。

 

………このまま布団で永眠したいくらい。

 

 

 

一度、グッスリと休んだお陰で色々と吹き飛びました。

昨日の私はどうかしてたんです!

 

さ、今日もお嬢様に変わってオルコット家の管理をがんばりましょう!!

 

 

………ついでにドMを元に戻す方法も探しましょう。

 

 

 

 

ダメです。

ネットや書物を漁ってみましたが、全くもって見つかりません。

寧ろ元に戻す方法を探しているのに、調教する術ばかり増えて行きます。

 

あれですか? 私にお嬢様を調教して自粛させろとでもいうんですか?

なんですかその拷問はっ!!

私は至ってノーマルなんです!! まして主であり、親友である彼女にそんな事できる筈がありません!!

 

ああ、頭痛がします。

お嬢様の買物履歴にその手のモノが増えつつあるのもさらに頭を痛くさせます。

早く何とかしなければお嬢様が社会的に死に、オルコット家の品質も問われてしまいます。

 

なんとか、なんとかしなければ……

 

 

 

私は閃きました。

マゾになる前の記憶、つまり入学以前の思い出を無理矢理引っ張り出せば元に戻るのではと。

そうすればきっと、プライドが高いけど結構おっちょこちょいで中々素直になれないちょっと面倒臭いツンデレなお嬢様に戻る筈です!!

 

何か無いだろうかとたまたま奥様の部屋を掃除していた時、日記帳を見つけました。

これぞまさに天啓! これをセシリアに渡せばきっと幼少期の頃のことを想い出し、あの時の決意を胸に再び立ち上がるかもしれません。

ですが、これは一種の賭けでもあります。下手をすれば悲しみに崩れ落ちてしまうことも……。

いいえ、きっとセシリアなら大丈夫!! ですが、一応中身は拝見しておきましょう。

恥ずかしいネタがあったら、後でからかおうとか思ってませんよ?

 

 

 

――――――――――――――――――――

○月×日

娘が布団に世界地図を作ったとこっそりメイド長から聞かされた。

確か今月は初めてになりますわね。

全く、大人ぶって『就寝前の紅茶ですわ』なんてするから…

 

自分から謝りに来るまでレッスンは厳しく致しましょう。

さて、あの子が素直に謝りに来るのはいったいいつになるのでしょうか?

 

――――――――――――――――――――

 

 

ぶふっ! いきなり来ましたね。

コレは期待できます。

 

 

――――――――――――――――――――

×月□日

娘がピアノのコンコールで優勝しました。

家庭教師の方も大喜びで、私も親として鼻が高いです。

 

あの人もまるで自分のことのように喜び記念に何か考えているようね。

そうね…では、私は今度の誕生日に何かあの子が喜びそうなプレゼントを用意しましょう。

 

 

×月▽日

今日は娘の誕生日。

この日の為に無理をしてスケジュールを開けどうにか休みが取れたわ。

プレゼントも喜んでくれたようで、色々と考えただけあって嬉しかったわ。

 

最初は何か料理を作ろうと思いましたが、あの人に止めれてしまったのが未だに謎です。

 

 

△月▽日

以前、プレゼントしたぬいぐるみが紅茶塗れになっていたわ。

察するにメイドのチェルシーとの御ままごとで汚してしまったのでしょう。

 

メイド長が所用で家を離れていたので、私自ら洗濯し外に干しておきました。

暫くすると中庭の方から娘たちの悲鳴が聞こえ、メイド長に説教されたわ。

 

――――――――――――――――――――

 

ああ、セシリアが大事にしていたあのぬいぐるみですか。

確かに「この子にも紅茶を飲ませましょう」と私が止めるよりも早くにカップ一杯に含ませて汚してましたね。

こっそりメイド長に知らせて洗濯をお願いしようとして忘れてました。

 

それと奥様、お気に入りだったぬいぐるみが突然ボロボロで首つり自殺していましたら、幼い子でしたら誰でも悲鳴をあげます。

ぬいぐるみも直に洗濯機に入れないでください。

 

そして家事全般が苦手なのは奥様譲りですか…。

出来ないのにやろうとするセシリアに家事をさせないよう仕向けるのにどれだけ苦労したことか

 

 

こうして日記を読んでみますとセシリア関連か仕事のことばかりですね。

それもこうなんといいますか…淡々としてて少し人間味に欠けているというか

いえ、それが悪いと言いたいのではないのですが…

 

――――――――――――――――――――

●月●日

娘に辛く当たってしまった。

全部あの人のせい。

 

どんな時でも平凡な成績しか残さない。

周りが小馬鹿にし、それを怒る事もせずただヘラヘラとしかしない。

そんなあの人を見ているとイライラしてしまう。

 

私が無理難題を押し付けても、どんな罵倒しても変わらない。

 

どうしてこうなってしまったのかしら…

 

ダメね。

 

 

―――溜まり過ぎたわ

 

 

もう、限界よ…

 

――――――――――――――――――――

 

…奥様、この頃からもう旦那様とのことが苦痛だったんですね。

セシリアがオルコット家を継いだ時に旦那様の功績をみましたが、あまりにも平凡過ぎでした。

 

いつからかセシリアは旦那様の事を冷めた目で見るようになってましたね……

 

 

………物思いに浸ってしまいました。

 

続き続きっと…

 

 

――――――――――――――――――――

◆月□日

今日は頗る気分がいいわ。

まるで今まで溜まっていたモノが爆発したかのよう。

完全にリフレッシュしたお陰で仕事も頗る順調。

これもあの人に今まで悪態をついてきたかいがあったというものね。

 

だって昨日はあんなにも

 

 

思いっきり私を虐めてくれたんですもの!!

 

――――――――――――――――――――

 

 

………おっと、いけません。私としたことが居眠りをしていたようです。

全く、奥様がドMだったなんてあ、あああああありえn――

 

 

――――――――――――――――――――

 

以前風邪をひいてしまった時、「ジャポンの伝統文化でネギを刺すと早く治るらしいよ」と素敵な笑みを浮かべて私の●●に入れてくれましたがまさか――

――学生時代に私のプライドを叩き追っては直すという調教が私たちの始まりだったわ。

御主人様と結婚してからは表ではバリバリの仕事人、家では卑しい雌犬という“性活”でしたが、セシリアが生まれてからは―――

 

――――――――――――――――――――

 

<チェルシー ハ ニッキ ヲ トジタ>

 

 

………ふぅ、強烈すぎです。

性癖って遺伝するんですね。

 

というか、これってあれですか?

セシリアをあの男(マゾに堕とした原因)にさし渡せというんですか?

そんなことできるわけありません!!

 

私がストッパーとしてセシリアを調教をします? ご両親の様に?

親友に対してどんな拷問ですかそれ…

 

い、いったいどうすれば

 

 

あまり考えたくない案件から眼を逸らすかのように仕事をしていましたら、いつの間にか夏休みになっていました。

結局何も解決できないままです。

はぁ…どうしましょう。

 

 

 

帰ってきたセシリアは顔を青白くし絶望とした顔をしていました。

どんなに励ましても何の反応を示さずどんどんやつれて行く親友に私は…………

 

 

 




という訳でチェルシーの葛藤話でした。
このあとナニをしたのかは御想像にお任せします。

最後にJ.B.ヴァーデルさん、メールありがとうございました。
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