勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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お、お待たせしました。
戦闘は本当に苦手です。


最低最悪な日の話

『特に12月9日が誕生日で白髪碧眼のあなた!』

 

はい、俺です。

 

『後ろに注意してください!』

 

タッグ戦の(一応)パートナーに後ろから攻撃されました。

 

『今週は運気が最低最悪です。思いがけない事が起きてしまうかもしれません』

 

「お久しぶりどす~言峰はん♪」

 

……ああ、ホント最低最悪だ!! できる事ならあの変態とは二度と会いたくない。関わりたくないって思ってたのに…

案外、占いもバカに出来ないな。今度からはニュース枠の占いコーナーを少しだけ気にかけるようにしよう。

てか、コイツ豚箱に入れられたんじゃなかったのか?

 

「うふふ~言峰はんに会いたくて脱獄したんよ~。どない、うれしゅうどす~?」

 

全然、これっぽちも全くもって嬉しくない。

 

「あん、いけず~」

 

うっせ…

そよりも何でお前が打鉄(IS)を持っている?

 

「うふふ~気になるどす~? あんね~」

 

阿礼は語る。

冷たい牢獄や雑な食事の牢獄生活も多少は楽しかったが、やはり大好物の戦いと脱ぎたての下着が手に入らないことから直ぐに脱走したと。

当然追手が来たが、それを撃退しては下着を奪い、時には気絶させずに履かせたまま食す日々を繰り返しているとついにIS部隊が来るようになった。

流石に多勢に無勢で逃げの一手……に見せかけて、逆に倉庫に誘導して粉塵爆発でS.Eを削ってISを奪ったらしい。

…どおりで装甲のあっちこっちに焦げ痕があるわけだ。

 

「もうホント大変やったえ~。でもな~おかげでウチは気付いたんよ~」

 

 

 

 

「ISスーツも中々イケル」

 

 

ヤバイ、変態に磨きが掛った。

しかも強者との戦いと食に飢えた眼をしてやがる。

こうなったら!

 

強い奴をお望みだったら俺なんかよりも上空(あっち)でバトってるのをお勧めするぞ

 

「あのええ肉つきをした水色の娘かえ? 確かに強そうどすな~」

 

よし、食いつた!!

 

「他人を売るとか人として最低ッスね」

 

なら、ちっこい先輩が(直接ISスーツを)喰われる覚悟で戦います?

言っときますけど、アレ生身の俺より強いですから

 

「あそこにいるボンキュボンのナイスバディな方こそロシアの国家代表にして学園最強の美少女!! 更識楯無生徒会長ッス!!」

「へ~それはそれは……(ジュル」

 

あ、凄く泣きそうな顔で睨まれた。

けど、これで阿礼の関心も俺から会長さんに…

 

「けどな~、今日は言峰はんと愉しみたいんどす」

 

ですよね~。

 

『ザマァwww』

 

うっせ…

 

「なぁ~言峰はん。ウチ、もうしんぼ~でけへんさかい。だからな~はよう」

 

 

 

「愉快で」

 

 

「痛快で」

 

 

「奇々怪々なバトルをしまひょう?」

 

 

はぁ……やるか

 

―――

――

 

あれからすぐ、俺と阿礼は戦闘に入った。

ちっこい先輩? あの人は落された教員達の穴を埋めるべく嬉々として逃げて行った。

 

あんにゃろう…。後で麻婆食わせたる。

 

俺がランサーダートを撃ち、阿礼はそれを掴んで投げ返す。

投げ返された槍を避けるとそこに阿礼が待ち構えていて殴りかかってくるがバク転の要領で回避しつつ腕に蹴りを入れる。

着地と同時に加速しトリケロスで斬りかかるがそれを読んでいたかのようにブレードで防ぎ鍔迫り合いとなる。

 

ちっ、乗ってまだ一月も経ってないってのに厄介な……って舌舐めずりするな気色悪い!!

 

胴体に蹴りを入れて距離を取って機体の状態を確認する。

無人機との戦闘でアサルトライフルとナイフは品切れ、残っているのは弾切れに近いトリケロスと左腕の鍵爪、拳銃が一つ。加えてS.Eも心持たない。

阿礼の方は奪った際に回収できなかったのか浮遊する盾が無く、拡張領域(パススロット)から武器を取りだす様子も無いことから武装までは回収できなかったのかもしれないが、警戒しておくことに越したことは無い。

ISでの戦闘は俺の方に分があるから何とか少しずつS.Eを削れてはいるがやはり決定打に欠ける。

逆に阿礼は無人機の残骸から雪片と同じ能力を持つと思われるブレードを拾っている。

 

俺が少しずつ阿礼のS.Eを削りきるのが先か

それとも阿礼が能力に気付いて俺の絶対防御を切裂くのが先か

 

……いや、このまま持久戦に持ち込んでも援軍も期待できなければ、体力もS.Eも殆ど無い。

なら、一か八かの賭けに出る!!

 

トリケロスに残された弾と槍を全て撃つ。

正し、狙うのは阿礼では無くその後ろに落ちている教員が落した銃火器だ。

 

「っ!?」

 

真後ろの爆発に一瞬だけ意識を逸らせた。

だが、その一瞬で十分。

近距離瞬時加速(ショート・イグニッション・ブースト)で切り裂こうと思ったその時だった。

 

 

≪システムエラー:背後スラスターの機能を停止します≫

 

 

な、に…?

 

「余所見はいけまへんどすえ~」

 

しまっ…!?

 

『後ろに注意してください!』

『ですが、余所見ばかりせず前にも気をつけましょう』

 

 

ああ、前後に注意ってそういうことかよ……

 

 

 

阿礼の持つブレードが目の前に振り下ろされた。

 




【後書き】
さて、今回は2回目の阿礼との戦闘となりました。

素人だが重量のある近接型の機体と相性の良い阿礼。
 VS
ある程度経験豊富だが軽量スピード型と相性の悪い時雨。

ですね。

阿礼はまだISを手に入れてから一月足らずなので操縦技術は“まだ”高くありませんが、持ち前のバトルセンスでカバーしているのでやや強い方です。
ISでの戦闘は時雨の方が有利なのですが、拡張領域(パススロット)の中身とゴーレムのブレードを警戒しているため中々攻めに転じられてませんでした。

上空での戦いはゴーレムⅲを1機倒しましたが、何人かの教員が墜ちた為フォルテはその穴埋めに率先として参加。一応、要人警護という名目が付くのかな?
貞操的に危ないは阿礼ですが、生命的に危ないのはゴーレムⅲです。

最後に時雨が勘違いしている件です。
本来ゴーレムのブレードには絶対防御を切裂く能力なんてありません。
本当はゴーレムに搭載されているジャミング装置が絶対防御を弱めているだけです。
ただ、今まで使う機会こそ少なかったですが零落白夜を知っていたがために雪片同様ブレードにその能力があると勘違いし無駄に警戒してしまっています。

次回は少しばかり時間が掛るもしれません。
なるべく頑張ります。

【捕捉】
◆阿礼の打鉄
両肩に浮遊している盾はありません。
現在使用しているのは脚と腕、拾った無人機のブレードのみ。
拡張領域(パススロット)内は不明。

◆ISスーツも中々イケル
悲報:変態に磨きがかかりました
このセリフは某グールのアニメの変態さんのセリフから思いつきました。

◆愉快で痛快で奇々怪々な
とてもとても気持ちの良いとでも訳してください

◆システムエラー
背後の大型スラスターの機能が停止。
メンテミスではありません。
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