<変化>
久々となった登校だが、クラスに入ったらクラスメイトに傷ましいモノを視る目で見られた。
おかしいな。谷本あたりなら「銀髪にオッドアイ、片目に傷とか中二ww」とか笑うと思ったんだがな…。
「流石にそんなこと言わないわよ!!??」
冗談だ。
あれから一月がたつが、どうやらまだISで怪我を負った事実が信じられないのと半年前まで自分等も
彼女らの話だと俺が休んでいた間の授業は時折阿礼が来るせいで中断され、かなり遅れているようだ。
それは俺的には助かるな。ただでさえ二種類の勉強を同時にしてるから遅れを取り戻すとなると思うと大変だ。
まぁ、授業が遅れたのには俺の怪我や脱走者など
その騒動は新聞の一面を飾るどころかニュースにも取り上げられたらしい。
それは知らなかったな。
全く、いったいどこの“当主さん”が秘密裏に漏らしたんだかね~。
今までの件を踏まえ学園でもISの管理がより一層厳しくなったため訓練機のレンタル手続きやISが置かれる施設に近づくのも厳しくなったらしい。
整備室も似たようなものらしく、使用時間が限られた事から更識や布仏は「夜遅くまで残れなくなった」や「監視員の視線がウザイ」などと話している。
そしてあの様な事件が起きたことから、今年の“キャノンボール・ファスト”は中止となった。
当然だな。今回は何とか対処も出来たし、低空飛行だったから対処できなくても打撲程度で済んだかもしれない。
だが、これが常にトップスピードの長距離飛行では? 全てのスラスターが封じられ海深くに沈んだら? 専用の潜具無しでISは水圧に耐えられるのか? 機体の不調だけでなく、また襲撃されたら?
不安要素が強過ぎる上に妨害が認められている競技が中止となったのは当然の結果だろう。
最後に時折現れる阿礼についてだ。
基本的に会長さん率いる精鋭部隊が相手しているのだが、ある日対応に遅れてしまい偶々現場に居合わせた谷本、鏡、鷹月、布仏、更識、カレンらの連携プレーで時間稼ぎをしたら“青い果実”判定をくらったと涙ながらに話された。
…うん、どんまい。
<さぁ、お前の罪を数えろ!>
皆で昼飯を食堂でとっていたらケイシー先輩がやってきて、その後ろには気まずそうというか申し訳ないといった顔をしたちっこい先輩が居た。
そういえばこのちっこい人、俺に阿礼を押し付けて逃げてたっけ…
一応、開けてしまった警備の穴を埋め無人機の進行を防いだ功績から御咎め無しだったが、本人からしたらやはり気まずかったのだろう。
聞いた話の限りだと、この一月「自分が逃げたから怪我を負ってしまった」と気落ちし、食事もあまり喉を通らなかったらしい。
もう気にしてないからいいと言っているのだが、自分が出来ることなら何でもするとしつこいので麻婆を食べてもらう事にした。
ただし、麻婆(外道)ではなく麻婆(激辛)をだ。
麻婆(外道)を食べたら一口、あるいは嗅覚で気絶しかねないが、麻婆(激辛)ならそんなことは無い。ただ、スパイスによる刺激で口が痺れ、体温が上昇し汗が流れる程度で済む。
だが、そうとは知らないちっこい先輩と以前口にしたことのある布仏は面白いくらい顔を真っ青にし、生まれたての小鹿の様にプルプルと震えていた。
フフ、何をそんなに恐がっているんだい?
後日、悪い顔をした時雨と鼻から赤い液体を垂らしたダリルが硬い握手をしている姿を目撃されることとなる。
ダリルの手には端末と写真が、時雨の手には現金が握られていたとか…。
【後書き】
日常と言うか、ほぼ報告みたいな感じでしたね。
あと、前話で書き忘れてましたが、時雨は義眼を埋め込みましたが、材料の問題で目が左右で違ってます。
【捕捉】
◆青い果実
ドンマイとしか言いようがない。
◆時雨が渡したモノ
恐怖で眼元に涙を溜め怯える姿や発汗作用で顔を朱らめあ~んしている姿の少女をご想像してください。