時雨⇒楯無の視点で書きました。
<専属警備員>
教会から専属警備員が派遣されることとなった。
このことは前々から話に出ていたのだが“いかなる国家・組織・宗教だろうと干渉を許さない”と一蹴されてたのと、俺自身がいらないと断っていたのだ。
だって、護衛とか常に視られててストレス溜まるじゃん?
だが、俺も怪我を負ってしまい、学園も他国の余計な干渉を受けたくないからとこれに了承。
最後まで渋っていた委員会だったが、マスクウェル司祭の嫌味と度かさなる
本来ならば俺と共に学園に来る筈だったのだが、諸々の事情で別々となってしまい、今日になって漸く来れるようになったのだ。
最初は俺が迎えに行こうとしたのだが「護衛される側が護衛する人間を迎えに行くな!!」と怒られ、変わりにカレンに迎えに行ってもらっている。
そのせいで借りを作る羽目になったのは些か納得いかないが…
「ねぇ~ねぇ~ことみ~、今日来るシスターってどんな人なの~?」
そうだな…金髪碧眼で背が高い。強くて頼りになるマジで理想な大人って感じだ。
それと家事が得意で本部に居た頃はクッキーやケーキをよく貰ってたな。
「へー、そうですか。さぞかし美味しかったんですね?」
? ええ、そうですけど……何を怒ってるんです先輩?
「別に、怒ってませんよ?」
はぁ…?
<来日したのは…>
私たち生徒会メンバーは今日来る事になっている専属警備員のシスターを
言峰君には悪いけれど、私は教会をあまりよく思っていない。
何よ“異端者を銃剣で串刺しにする神父”とか“捕えた敵を実検体のサンプルにする神父”とか“趣味が人形作りで幼女を連れている神父”とか“刀と銃で人質ごとテロリストを殲滅するシスター”とか物騒なのが多過ぎるわ!!
私は学園の長としてシスターを見極めなくちゃいけない。
だから理事長と相談して行動できるエリアを制限し、万が一にでも生徒が人質にとられないよう住む場所も言峰君の家にしたわ。
その事で虚ちゃんが難色をしめしたけれど、コンテナハウスを用意するまでの間だけ一緒に住むという事に渋々納得してもらったわ。
虚ちゃんの気持ちはわからなくないわ。好きな人の家に異性が同棲するとしたら面白くない。私だってきっとそう思うわ。
そういえばここには初めて来たけれど、なんだか少し物足りない感じね。
男の子の家ってこんな感じなのかしら?
「俺はあまり物を持たない主義なんでね」
「そうですね。上もあまり私物を置いて無いようですし…」
あら? なんで虚ちゃんは“寝室”の事知ってるのかしら?
「っ!!?? そ、それは…そう、本音から聞きまして」
「え~私2階には上がったことないよ~」
「え、えっとその…」
アハッ慌てちゃってま~可愛いわね♪
それにしても言峰君、さっきのはわかっててやってるのかしら?
鈍感じゃない筈だけれど……もしかして逃げてる?
「お連れしました、お義兄様」
あら、考え事をしてたらいつの間にか来たみたいね。
「ん、ありがとなカレン。紹介します、教会から派遣されてきた“シスター”です」
「…よろしく頼む」
部屋に入って来たのは言峰君の言うとおり、金髪碧眼で背の高い“シスターの格好をした男”でした まる。
って、ちょっと待ちなさい!! 誰よその格好良い声のおじ様!!??
「誰って…シスターだが?」
何処がシスターよ!! シスターって言うよりブラザーじゃない!!!
「何を言っているのです更識先輩。シスターはシスターに決まっています。それ以上でもそれ以下でも、ましてはそれ以外でも何でもありません」
黙らっしゃい!! どっからどうみても女装男子! あるいはコスプレイヤーじゃないの!!
シスターは何処よ!? 男が来るなんて聞いてないわ!!
「はぁ? ちゃんと要請書にも承諾書にも“シスター一人のみ”の派遣って書かれてるだろう?」
シスターって名前!? 屁理屈もいいところじゃない!! こんなの理事長達が認めるわk――
「おかしいな…、用務員の爺さんは知ってたけど」
あのクソジジイ、ワザと黙ってたわね!!!
「お、男の方でしたか…」
「わ~ことみ~よりもおっきいね~」
くっ、虚ちゃんは男性だって知って安心して、本音ちゃんに至っては順応してるわ。
こうなったら私だけでも!!
シスター、さん?
「…シスターだけで構わない」
そう、ではシスター。あなたは何が出来るのかしら?
学園の警備を預かる者として貴方のスペックを知りたいのだけれど…
「…フム、そうだな。家事とある程度の治療、資格を持っているからミサを開ける」
……それだけ?
「おいおい、会長さん。シスターを侮らない方がいいぞ。あらゆる戦場を渡り歩いてきた戦のプロなんだからな」
え、それ傭兵じゃない? シスター以前の問題なんだけれど
「そして単純に強いだけではなく、トラップや武器の瞬間分解にも精通して6ヵ国語も話せます」
「極めつけは“懺悔室の中なら100%嘘を見破れる”特異能力を持つ偉大な人だぞ」
なにそれすご!? てか嘘でしょう。
「では、試してみますか? ちょうど簡易とはいえ懺悔室がありますので」
…ああ、噂のドM製造室。
いいわ。受けて立ってあげる!
「では、初めよう。あなたは中二病を患った重度のシスコンだ」
ちょ、なんでそんなところから!?
普通は、“名前”、“職業”、“家柄”とか聞くところでしょう!?
「いいから答えろや」
そ、そうよ!! 私は簪ちゃんが大好き。何か文句ある?
「シスター…」
「…本当だ」
「あ、あってます」
「すご~い」
くっ、何か大切なモノをゴリゴリ削られてる気がするわ
「次、貴女はシスコンを拗らせ、今もなお妹の私物を拝借している」
い、いいえ
「…嘘をついている」
「「お嬢様……」」
ち、違うわ! 私はそんなことしてないわよ!!
嘘をついているのはシスターの方よ!!
「何を言っているんだ会長さん。シスターが嘘をつくわけないだろう?」
ブラザーをシスターって偽ってる時点でもうアウト!!
はぁはぁ…落ちつくのよ私。さっきのは突然の事で動揺したから悟られたのよ。
だからここは冷静に対処すればいいわ。
「次、貴女はその盗んだ私物を舐めたり、臭いを嗅いだ事がある」
いいえ♪ 「…嘘だ」
「部屋に妹の盗撮写真を収めたアルバムが大量にある」
いいえ。 「…嘘だ」
「それら全ては保存用・観賞用・実用用とある」
No! 「…嘘だ」
「実は耐え切れずに寝込みを襲おうとした」
流石にしないわよ!! 「…本当だ」
「「ほっ……」」
こらそこ! 安堵の溜息を吐いてるんじゃないわ!
もうちょっと当主を、私を信じなさい!!
「フム…、じゃあ襲おうとはしたが、直前でヘタレてやらなかった」
………い、いいえ 「…嘘だ」
「「「………」」」
ご、ごめんなさい! 私が悪かったです!!
だからそんな軽蔑した目で視ないで~~~~~!!!
「本当に嘘を見抜けるんですね」
「ほへ~凄いね~シスター」
「…それほどでもない」
ハハ…色々と失ったわ。
もう、どうにでもなっちゃえ………ちゃ…は、
「お嬢様?」
虚ちゃんは言峰君の部屋で寝た事がある!!
「そ、そんなことありませn―「…嘘だ」―」
……Way?
「…嘘をついている」
え、それってつまり…
「っ~///」
アハッ、ソッカー。イツノマニカソンナカンケイニナッテタノカー。
シラナカッタワー
「ことみ~ことみ~お義兄ちゃんって呼んだ方がいい~?」
「いや、布仏それかんちg――「お義兄様」――なんでしょうかカレン様」
「ちょっとそこに正座なさい」
「だから、ごk――「せ・い・ざ」――…はい」
こうしてシスターとの対面は色々と失ったり、勘違いをして幕を閉じたわ。
今後、シスターは言峰君たちの告解クラブの顧問や一部の授業を引き受けたりすることになったわ。
他の生徒達も最初は戸惑っていたけれど――
―数日後―
「シスターより命ずる。全員、整列!!!」
「「「「「Amen!!」」」」」
わりと直ぐに順応したみたい。
と、いうわけで来たのは荒川の“シスター”でした!
色々とツッコミどころがあるかもしれませんが、総スルーでお願いします。
確実に「話が違う!!」と委員会からクレームが来るでしょうが、マスクウェル司祭が「確認しないのが悪い」とネチネチ嫌味を言いたいがために送ったということで…
そもそも、教会キャラってあんままともなの居ないんですよね…
あ、轡木理事長は知ってましたが、面白そうなのと男手が欲しかったから黙ってました。
虚が時雨の部屋で寝た事がある件ですが、[生真面目少女の独白 2]の時ですね。
最後に、番外の方でエイプリールフールネタを書きましたので宜しければそちらもどうぞ…
【どうでもいい捕捉】
◆異端者を銃剣で串刺しにする神父
ヘルシングのアンデルセン
◆捕えた敵を実検体のサンプルにする神父
Dグレのクロス・マリアン
◆趣味が人形作りで幼女を連れている神父
07-Ghostのカストル
◆刀と銃で人質ごとテロリストを殲滅するシスター
ヘルシングのハインケルと由美江