勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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○ 限界突破の話 後編

<白い理由>

 

放課後、本来なら先輩と整備室で新調する機体について話し合う筈だったのだが、生徒会室で反省文を書かされている。

その理由というか経緯だが、織斑一夏を(殴って)気絶させたことからことからでっかいのとちっこいのがキレて「暴力を振るうなんて人として最低よ」、「貴様、少しでも言葉で語り合おうとは思わないのか!!」とほざきやがった。

「お前が言うな」と返したかったが何とか思いとどまり、向こうが望む通り“話し合い”をすることにしたのだ。

そうしたら――、

 

「「ひっぐ、うぇっ、ごめんなざい……」」

「何を謝っているんだ二人とも? 俺はただ、“話し合い”をしているだけだぞ?」

「も、もう、ゆるじで…」

「ごめんなざい、ごめんなざい、ごめんなざい、ごめんなざい……」

「アハハ、何を謝ってるんだか俺にはサッパリわからないな~。どうやらお互い認識のズレがあるみたいだし、折角だからじっくりと向こうの部屋で話し合おう」

「ヤダヤダヤダヤダヤダァァアア!!!」

「一夏、イヂカァァアアアッ~~~~~~!!!!!」」

 

――で、自称幼馴染sは廃人一歩手前で、マゾリアをはじめとしたそっち属性の人達が大量に恍惚顔で倒れて保健室に運ばれシスターに看病されてるらしい。

 

何でだろうね?

 

「何でって、あんな的確に心の傷を抉って塩を塗るような話し合い(言葉攻め)を受けたら精神崩壊してもおかしくないわよ。てか、余波喰らい過ぎ!!」

 

はぁ…やれやれ、今の世の中は男性よりも女性の方が強い風潮だっていうのに軟弱だな。

当時10歳にも満たない男の子が3桁近く精神崩壊を起こしてもこうして生きてるってのに……。

 

「いやいや、あれはもう言葉の暴力を通り越して言葉の兵器よ。監視カメラを見てドン引きしたのは生まれて初めてよ。てか、それ君よね? 何があったのよ…」

 

ん~俺はある施設出身で戦う技術を学んでたってのは知ってるな?

教会に引き取られて暫くしてトラウマみたいのがある事がわかって、心身共に鍛えるのと同時にそれを克服するためにある映像を――まぁ、ぶっちゃけると施設で死んでった奴らの記録を何千・何万回も観させられた。

その中には俺と仲の良かった連中(殺したのも含む)が居て、それ観てたら頭の中がグチャグチャになって胃の中全部吐いて、頭を壁にぶつけたり爪で動脈を切ったりと自傷行為をしようとすると師匠達が問答無用で連れ出して暴れる俺をボコボコニしてある程度落ち着いたらまた映像を視させられて発狂してボコボコにされるの繰り返し。

そうしたらいつの間にかトラウマを乗り越えてたわけだ。

 

「うわぁ……」

 

治療に関しては俺が望んだ事だからまだいいが、未だに当時の写真―涙と鼻水でグチャグチャになった顔―で煽ってくるクソ外道共は絶対に許さない。

あとから知ったことなのだが、マスクウェル司祭や冷血で知られるルベリエ長官も流石にドン引きして差し入れてくれてたらしい。

まぁ、口の中は胃液だらけで食べても直ぐにリバースしてたから味なんて一切解らなかったけど……

 

「よく君生きてるわね」

 

“生きて”はいるけれど“壊れて”いるとはよく言われる。

…そうえいば、周りから性格が変わった(やさぐれた)とか言われたっけ?

 

「(それ、洗脳って言うんじゃないかしら?)それで言峰君の髪が真っ白になったってわけね」

 

急に全部が白くなったんじゃないけどな。

白と茶色の変なツートンになってたから、まだ茶色だった三つ編みとかを含めバッサリ切ったんだよ。

 

「ふ~ん……ん? 茶色に三つ編み? なんか少し前に聞いたような……」

 

 

 

 

<二人の関係>

 

「……ねぇ、言峰君」

 

なんだい会長さん。

俺、反省文を書くのに手一杯だから用があるなら30字以下で頼む。

 

「貴方、話し聞くきないでしょう?」

 

あと、15文字な。

 

「私と友達にならない?」

 

……は?

 

「居ないのよね私、こうして軽口をたたいたりする友達が…」

 

先輩がいるだろう?

 

「そうね。でも、虚ちゃんは“従者”でそんなつもりはなくても気付かない所でお互い枠組みを作っちゃてるの」

 

………。

 

「この1年……君と出会ってから凄く楽しかったわ。喧嘩して悪口や軽口を言い合って、仮面なんて無い素のままの自分で居られた。だから、えっと、その…わ、私と――」

 

ああ、友達になろう。

 

「っうん、よろしくね時雨君」

 

こちらこそよろしく会長さん。

 

「……君、その気無いでしょう?」

 

ソンナコトナイヨ?

 

「ハァ……それで、いつにするつもりなのかしら?」

 

秘密、と言いたいところだが少なくとも来月の式までにはと答えておく

 

「そ………泣かせたら許さないわよ」

 

それは出来ない約束だな。

俺、好きな人は苛めるタイプみたいだから

 

「あら、その理屈だと私も好きになるわよ?」

 

ハッ!!

 

「鼻で笑われた!?」

 

解ってないな~会長さん。

俺はあんたを苛めてるんじゃない。遊んでるんだ!!!

 

「言ってること最低だって知ってるかしら!!??」

 

プッククク……

 

「アハッ♪」

 

 

 

 

思いのほかこの関係を俺は気に入っている。

 

 




後編と書いておきながら、箒と鈴音の出番が回想シーンのみ。時雨と楯無の関係の話になりました。

因みに“話し合い”を始めた時こんな感じです。

【挿絵表示】

「“話し合い”をしようか?」
というセリフを入れたかったですが、話がグダリそうだったので省きました。


さて、次回でラストとなりますが少しばかり投稿が遅くなるかもしれません。

【一応の捕捉】
◆一夏
打撲により気絶

◆箒&鈴音
精神を追い込まれ保健室へ直行。
シスターが看病中

◆セシリア
「私には心に決めたご主人様が…」と呟いていたが耐え切れず恍惚顔で倒れた

◆その他Mの方々
言葉攻めの余波をくらってトイレに行くか倒れて保健室に運ばれた

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