勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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自業自得の話

<Take1>

噂に関しては放っておいていいと伝えてから数日たったある日の事だ。

 

「一夏さんの名を語った偽物め!」

 

プレハブ小屋に帰る途中、赤毛の女の子が草むらから飛び出してきた。

その手にはそこらへんで拾ったであろう棒きれを持っていて、どこぞの不良みたいに振り下ろしてきている。

やり方が原始的だな~やどっかで見た事あるな~と思いながら横に避けると思いっきり振り下ろした棒は地面へとぶつかり、その先端は折れてまさかの女の子の額に直撃。

額を押さえながら涙目でザコ丸出しのセリフを残して帰っていった。

 

……なんだったんだ?

 

 

<Take2>

廊下を歩いてたら、曲がり角に赤毛と人の手が視えた。

良く見ると地面にピアノ線の様な細い糸がある。

小さな溜息をつき、そのまま進むと糸がピンと貼られたのでソレを思いっきり蹴り上げると直ぐ隣から小さな悲鳴と倒れる音が聞こえたが全部無視した。

 

 

<Take3>

訓練を終えてプレハブ小屋に戻ると全身黒タイツの赤毛がシスターに説教されてた。

傍には針金らしきものがあったので、ピッキングでもしようとしたのだろう。

 

 

<Take4>

生徒会の仕事を手伝わされた腹いせに食堂フリーパス券をパクって久々に食堂に行ったら何か見覚えのある赤毛が給仕してた。

渡されたスープに嫌な予感を感じたので、許可なく同席してきた織斑のと交換しておいた。

 

食後、織斑はトイレの住人と化したらしい。

 

 

<Take5>

今日は友人らしき連中と「食事に毒を盛って一夏さんを苦しめるなんて許さない!!」と襲ってきた。

 

いや、盛ったのお前だろ。

 

ってツッコンでも無駄だろうな~と思いつつ眼を閉じてスタングレネードを投下。

床でもがいてる連中を無視してその場を去った。

 

少しして、会長さんが苦情を言いに来たが一切話は聞いてない。

だって聞こえないんだもん。

 

 

<Take6>

前回のスタングレネードはちょっとやりすぎとの事で会長さんと話してたら遠くから「くらえ~!!」と卵らしきモノを投げる赤毛が居た。

不意打ちの意味がまるでないな~と揃って呆れた顔をしつつ避けるとべしゃりと山田先生の顔に命中。なお、卵は腐っていた。

先生が眼鏡を取り外すよりも速く、俺と会長さんは窓から飛び降りて逃げだした。

 

その後、赤毛がどうなったかは知らない。

 

 

因みに話合いの件だが、音が煩かっただけで閃光弾や催涙弾はOKらしい。

 

 

<Take7>

6日前は不意打ち

5日前は待ち伏せ

4日前は不法侵入(未遂)

3日前は異物混入

2日前は集団暴行

昨日は廃棄物不法投棄

 

さて、今日は何が来るかなと思えば原点に帰っての不意打ちだった。

 

ただし、その前に“ISで”が付くが。

顔を真っ青にして慌てる上級生を横に当の本人は「ごめんなさ~い。まだ不慣れで誤射しちゃいました☆」とか言ってきたので、

 

下手な鉄砲、数撃っても当たらないんだな♪

 

と爽やか笑顔で返したら顔を真っ赤にして「ハァッ!? んなのワザとに決まってるし解れよバカ!!」と勝手に誤爆ってくれた。

よし、言質も取ったし、勝負も向こうから吹っ掛けてきた。

これで心おきなく………

 

 

後から鏡らに聞いたら、この時俺は悪魔のような笑みを浮かべてたらしい。

そして新入生らの間で『悪魔降臨!! 悪逆非道は本当だった!!』と噂が流れ、より嫌悪の眼で見られるようになった。

 

 

解せぬ。

 

 

 

 

 

 

件の赤毛だが、普通なら退学となるところだが織斑の懇願により特別クラス行きとなった。

赤毛は舞い上がる程喜んでいて、もしこれがアイツの狙い通りならとんだ策士だな。

まぁ、こっちとしては織斑一派の権限を削れる上に新たにルールを課せられてバンバンザイだが…。

 

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