勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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お久しぶりです。
久々に書いてみました。

タイトルの通り、時雨は今回は嫌々ながら戦う羽目になります。



嫌々ながら戦う話

 

……どうしてこんなことになったんだろう。

 

「行くぜ、時雨!!」

 

「「「「「頑張れ(って)、一夏(織斑先輩)!!!」」」」」

 

ああ、全部織斑関係(あいつら)のせいだったなちくしょう!!!

 

 

ことの始まりはある噂がきっかけだった。

 

今年は例年通り個人戦によるトーナメントとなり、去年と違いに2年生では多少の困惑があったものの自らが出せる全力を出し切ったと思う。

順位は俺、更識、カレン、オルコットとベスト4は専用機持ちや候補生が取ったが、上位陣の中に数名の友人が食い入り企業や国からオファーが来たとかで大会後のパーティはいつも以上に騒いで居た。

 

因みに三年の方は会長さんが優勝。

ちっこい先輩は準決勝前に会長さんに負けてベスト4入りを逃したらしい。

 

そして新入生の方だが………お遊戯会?ってレベル。

去年の騒動のせいで訓練機の使用が難しくなったのに、この間の赤毛の一件でさらに厳しくなってまともに練習できる機会は授業くらい。

平均稼働時間が数時間たらずでまともに動かせるかと言われたら勿論ムリだ。

おかげで大会中に躓いて転ぶ生徒も居て『今年は不作』と言われているらしい。

その評価に「搭乗時間が短いのが悪い」と規則に文句たれたり、規則をより厳しくさせた赤毛に陰口を叩いてるとか……

 

話を戻そう。

クラス対抗戦では準優勝だった俺が学年別トーナメントでは優勝したことで「外道先輩って本当は強いんじゃ…」、「ふん、どうせ卑怯な手を使ったに決まってるわ!!」といった会話がそこらであったらしい。

他にも「専用機があるからよ!!」とか「同じ訓練機だったらたかが知れてる」とか「同じ条件なら私でも勝てる」とかまぁ若干腹がたつがほうっておいた。

そうしたらいつの間にか、

 

『同じ条件なら神父(笑)より一夏(織斑先輩)が絶対に勝つ!!』

 

にすり替わっていた。

 

……何となく、噂が流れた時点で嫌な予感がしたんだ。

 

案の定、どこからか噂を聞きつけた各国の政府や企業がデータ欲しさに「是非やってくれ!」と言い。

織斑信者が署名活動をしてくれやがったお陰で生徒会も無視できなくなり織斑と“同じ条件で戦う”羽目になったんだ。

 

さて、その“同じ条件”だが…

●織斑の専用機は用意出来ない為、両者共に学園の訓練機を使用する事。

●織斑が厳しい制限のせいであまりISを動かせないので、言峰は試合当日まで緊急時以外でのISの搭乗を禁止とする。

●1年生への訓練機での戦い方の見本も兼ねてるので肉弾戦禁止とする。

●上記と同様の理由で機体のカスタマイズは禁止とする。

●上記と同様の理由で両者の機体は別々の物とする。

 

 

……そこまでして勝たせたいか?

なんかもう、色々恥ずかしいんだけど。

 

因みに、試合当日までの数日間ISへの搭乗が禁じられたが実技の授業が免除されたわけではなく、休みの日に纏めて受ける羽目になった。

先輩とのデートが延期……織斑、絶対に許さん。

 

 

あと、山田先生の休日出勤も確定し、暫くの間死んだ魚の眼で授業が行われていた事を追記する。

 

 

――閑話休題――

 

織斑のログ(襲撃当時を思い出してイライラした)を見直しながら迎えた試合当日。

 

方や卑怯者を倒してと頑張ってと熱い声援を送る織斑派

方や無理やり付き合わされて盛り上がる気すらないその他大勢。

 

うん、温度差が酷いな。

 

 

……で、何で無人機(お前)はアリーナのシールド圏外で仁王立ちしてるわけ?

首から下げたフリップボードに『勝った方と戦う』とかエギビジョンのつもりか?

だったらそんなのいいからいつもみたいに乱入してイベントを台無しにしろお願いします!!

んでもって死んだ魚の眼で解説席で傍観してる会長さんは仕事しろ!!

 

「先手必勝!!」

 

試合開始のブザーが鳴るのと同時に突っ込んでくる織斑。

織斑が乗っているのはラファール・リヴァイブ。

軽い・速い・武器一杯・扱いやすいと初心者向けとして指示が高い機体だ。

 

逆に俺が乗っているのは打鉄。

重い・硬い・何か遅そうと初見の女生徒からはあまり人気の無い機体。

 

重い或いは遅い機体に対して一撃離脱はまぁ悪くは無いだろう。

けどさ……

 

 

慣れない機体でそんな事やって、ちゃんと止まれるのか?

 

 

 

 

「どわっ!!??」

 

案の定、避けたらアリーナの壁に激突。

そして起こる織斑派からのブーイング。

俺、何も悪い事してないぞ?

 

 

「クソッ、もう一回!!」

 

お前は突撃しか能が無いのか?

 

今回はさっきよりも距離が近かったので予めコールしておいた大刀“葵”で受け止める。

暫くの間、鍔迫り合いを続けいるのだが……………隙だらけの腹とか超蹴りてぇ。

まぁ、そんなことしたら反則負けになるからやらないけど。

 

このままでは埒が明かないと思ったのか織斑はスラスターを吹かそうとする。

結果の見えてるパワー勝負にバカ正直に付き合う気も無かったので、加速する瞬間に剣をズラすと機体バランスを崩して墜落しかけてた。

 

……なぁ織斑、どうしてもわからないことがあるんだが

 

「ってて、何だよ?」

 

……何でラファールで“葵”使ってんの?

 

「葵? ああ、この剣の事か。何でって前に乗ってた機体もスピード近接型で――」

 

そうじゃなくて、何で軽量型の機体(ラファール・リヴァイブ)“葵”(重い武器)を使ってるのかって事だ。

確かに前の機体は専用機もスピード型で武器も刀剣の類いだった。

だから、わざわざ“葵”を出したときは機体を弄ったのかと思ったが……

 

「なっ!? カスタマイズは禁止されてるだろ!」

 

機体調整(チューニング)の事だよバカ!!

はぁ……パワーバランスを崩して近接よりにしたわけじゃない。

葵での一撃離脱はフェイクで拡張領域(パススロット)から小太刀なりを取り出して連撃するのかと思えばしてこない。

態々距離を開けてるのに拡張領域(パススロット)から射撃武器を取り出す傾向すら見えない。

 

ラファールの強みを悉く潰して何がしたいんだ? いや、ホントに…

 

「何って時雨と戦うために決まってるだろ!」

 

はぁ……こちとらずっと(嫌々ながら)ログを見直して対策練って来たのに対戦相手は無策で馬鹿正直に突っ込んでくるだけ。

この1週間の苦労(主にストレス)はどうすればいい…

 

「…フフッ」

 

あ? 何笑ってんだお前……

 

「いや…時雨にはずっと無視か適当にあしらわれてたからさ、だからこの1週間もの間俺の事を考えてくれてたと思うと何だから嬉しくて///」

 

………。

 

 

――――

 

この時、会場に訪れていた誰しもが思ったことだ。

 

“悪魔が降臨なされた”

 

 

ここからは解説&実況でお送りしよう。

 

 

『言峰選手、近距離瞬時加速(ショート・イグニッション・ブースト)で一気に近づき織斑選手を斬ったぁ!!』

『斬ったと言うよりも、アレは峰打ちだから打つに近いわね』

『そして機体を旋回して葵の峰で打って、打って、打って、打って、打って、打ちまくる!!』

『何処まで打ち上げるのかしら?』

『おっとここで脳天チョップならぬ脳天峰打ち!!』

『一度体を捻って回転の威力を載せてるから見てる以上に痛いわよ』

『織斑選手、ここで落下!? いったいどうした!!』

『さっき頭を強く打ってたから軽く脳震盪を起こしてるみたいね』

『それに対して言峰選手、手に持った葵に乗ったぁ!? そしてそのまま瞬時加速(イグニッション・ブースト)で織斑選手を追う様に落下!! その様子はまさにギロチン!! これは恐い!!』

『まんま処刑ね』

『止めなくて良いんですか会長?』

『止めると思う?』

『ですよね~』

 

 

この後、一人の男子生徒が胃の中をぶちまけることとなり、後に“ギロチン降ろし”と名付けられた戦法だが、公式・非公式問わず使用禁止となる。

 

 

そして無人機だが、

 

機体乗り換えてくるからそこで待ってろ(ステイ)

『ギギ……(ア、ハイ…)』

 

ストレス発散の捌け口にされボロ雑巾のようになったとか…




【後書き】
かなり久々なので拙い感じですね…
ギロチン降ろしはサスケの獅子連弾をイメージしてください。

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