勘違いから始まる物語   作:壬生咲夜

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右眼完治!!
単なる疲労と睡眠バランスが崩れたことで充血しただけみたいです。




ドジっ娘副担任の独白

私がIS学園で教鞭をとるようなって早数年。

職員寮の部屋で一人作業をしていましたが、長時間続けていたせいか肩が凝ってしまい少しばかり休憩しようとテレビを点け何か飲み物でもと立ち上がろうとしたときでした。

急に番組が変わり緊急ニュース速報が流れます。

地震? それとも事件? そんな事を思いながら眺めていると、そこには『世界初、男性IS適合者現る』と書かれていました。

驚きの事実に箪笥の角に小指をぶつけたり、柱に頭をぶつけながら慌てて隣の部屋にいる先輩-織斑千冬さん-の所へ向かい、先輩に急いでテレビを点けてと催促します。

最初は興味がなさそうにしていた先輩でしたが、ニュースキャスターの隣に写った1枚の写真を見て驚愕の顔を浮かべました。

 

「一夏!? 一夏が生きてた」

 

一夏? 確か先輩の弟さんですよね。

第二回モンドグロッソのさいに何者かの手により誘拐され、要求として『織斑千冬の決勝出場を辞退しろ』と言われていましたが日本政府の手によってその事を隠され、その事を知ったのは決勝が終わってからでした。

怒りに身を任せそうになった先輩を必死に止め、その後、ドイツ軍を主とした捜索隊が編成されましたが結局見つかりませんでした。

 

先輩がIS操縦者を引退し、心配になった私はお見舞いに向かいました。

チャイムを鳴らしても先輩は出てこず、もしかしたらと思い窓ガラスを割って家に入ると懸念していた最悪な事態こそ起こっていませんでしたが、先輩は弟さんの部屋で生気を感じられない眼で虚空を眺めていました。

このままではダメだと、先輩と交流の深かった人たちや弟さんの友達と協力して何度も励ましたり、身の回りの世話をし続けました。

あの頃の先輩は今にも消えてしまいそうで本当に見てられませんでした…。

 

IS学園で教鞭をとってからある程度回復はしましたが、昔のような顔はまだ浮かべません。

速く元気になってほしい、と思っていた時に今回の件です。

泣き崩れる先輩を抱きとめ、思わず私も泣いてしまいました。

それからという者の、先輩は弟さんが来るのはまだかまだかと心待ちにし、ある時なんかは「もう待てん!!」と授業をボイコットし、慌てて止めたのは記憶に新しいです。

 

先輩が元気になってくれたのはとても嬉しいのですが、気になることがいくつかあります。

まず、公開された初の男性IS適合者の名前が“言峰時雨”ということ、次に髪が先輩とは真逆の白あるいは銀色であること、最後に教会の見習神父をしているということです。

その事を先輩に聞くと、

 

「あれは一夏だ! 私が言うのだから間違いない!!」

「名前は偽名を使わされているに決まっている!!」

「髪を染めると言うのは一夏にとってありえない。連れ去られたあと、あまりの恐怖に脱色してしまったのだ。可哀そうに…」

「オノレ教会メ、私ノ一夏ヲ連レ去ルダケデハ飽キ足ラズ、神父ニスルナドフザケオッテ!!」

 

鬼のような形相を浮かべる先輩に、私は何も言えませんでした。

 

 

言峰君がIS学園で生活をするのにあたって、通信回線でマスクウェル司教と交渉です。

こちらとしては一年女子寮に住ませるつもりでしたが、

 

「我が教徒を異教t―ゲフンゲフン、異性の…それも大量のと同じ場所に住ませるわけにはいかない」

「そもそも異性と同じ部屋にするとかバカなの?」

「え? 重要保護人物と同じ部屋にする? もっとバカなの?」

「孕ませてウチの教徒を掻っ攫う気まんまんとかアリエナ~イ」

 

まるで溜まりに溜まったストレスをネチネチと解消していると感じたのは気のせいでしょうか?

「フザケルナ!!」と叫び噛みつく先輩も恐かったですが、「ホホ、困りましたね~」と頬笑みながら眉間に青筋を浮かべる轡木理事長はもっと怖くて、部屋の隅で生徒会長の更識さんと一緒にガクガクと怯えてました。

 

結局、学園の敷地内の一画にプレハブ小屋を教会側の資金で建てることになりました。

プレハブ小屋は2階建てで簡易ですがシャワーとトイレが備付られているんです。

一個人にここまでの待遇をするのに凄いな~と思ってましたが、後から言峰君に聞いたら『給料からローン払いで引いとくね♪』と告げられていたそうです。

プレハブ小屋には学園側と教会側でいくつか監視カメラをつけることになりました。

向こう側の言い分としては「故意に壊されて無理矢理拉致られてはたまりませんからね~」とのことです。

先輩が小さく舌打ちした気がしましたが私の気のせいだったと信じます。

 

 

 

<入学式>

 

とうとうこの日がやってきました。

朝からどこかワクワクとした面立ちをしていた先輩でしたが、教頭の「今年度からやっかい……男が入学するので各学年主任と寮長は会議を開きますので残ってください」の言葉で一転。

変わってくれと視線で訴えてくる先輩を嗜めて、先に1年1組に行きます。

私は副担任としてこのクラスの担当となりました。

 

クラスに入り、SHRを進めながら例の男子生徒-言峰時雨-君を見ます。

この人が先輩の言う弟さんの織斑一夏君……なのでしょうか?

私は弟さんのことは写真でしかみたことが無いので何とも言えませんが、顔立ちは何となくですが先輩に似ています。

 

あ、せんp……じゃなかった。織斑先生、会議は終わられt―「お前は言峰ではなく織斑一夏だろう」―え~無視ですか。

 

言峰君は「人違いです」と言いましたが、先輩はそれに納得せず「記憶喪失なんだ」の一点張り。

言峰君に弟さんだと言ったり、昔こういう事があったと話をされますが、聞いてる本人は訳が分からないといった顔をしています。

例え記憶喪失でもそんな急にたくさんのことを話したりするのはやめた方がいいと思うんですけど……

 

それからはクラス代表を決める際に言峰君が生徒の悪ふざけで代表に祭り上げられそうになったり、オルコットさんが代表候補生として信じられない発言をしたり、先輩の鶴の一声で来週に代表決定戦をすることになったり、言峰君はオルコットさんの発言を指摘しただけなのに何故か『代表候補生に喧嘩を売った身の程知らず』と噂されていました。

さらに言峰君のことをよく思って無い生徒がどんどん悪い噂を作り、それを信じた他の生徒が噂を広げてしまう悪循環。

私たち教師が「そんなことはない」と話しても、表向きには落ち着いたように見えて裏ではその火が燻っていてもっと酷い噂が流れ、終いには一部の教員からも一人の生徒ばかりを気にかけるのは依怙贔屓に繋がると止められてしまいました。

……力及ばずごめんなさい。

 

 

 

<放課後>

 

帰宅準備をする織斑君に例のプレハブ小屋について説明しようとしましたら、先輩が我先にと手荷物を渡します。

 

「お前が使っていた衣類と携帯の充電器だ。使うといい」

 

………私の見間違いじゃなければ、その無理矢理詰め込みましたと言わんばかりの袋から出てる充電器ってガラケーのですよね。今の主流はスマホですよ?

それに昔使ってたっていいましたけど、それって行方不明になる前のモノですからサイズとか合わないんじゃ……。

 

「結構です」

 

ですよね~。

 

 

<クラス代表戦>

 

試合は序盤こそオルコットさんが有利にみえるモノでしたが、後になってから思うと言峰君は実戦もまともに動かすのもこれが初めてです。

あの短時間で機体の特製やクセを理解し、観客席からの罵倒・戯言を気にも留めず、冷静にオルコットさんの戦い方を分析してたんでしょう。

純粋に凄いと思いました。私なら周りからの評価や言葉に気に取られミスをし、頑張らなきゃという気持ちが空ぶってミスを連発してしまってます。

 

フィッティングが終了し、初期状態で相手をされていたことに驚いていたオルコットさんの顎に一撃。

そこから手足を駆使して肩、腕、足、腹と何かの格闘技で連撃をしシールドエネルギーを全損。

言峰君の勝利ですが、変わりに噂で『女の子を容赦なく殴る最低野郎』流れました。

 

確かに女の子の顔を容赦なく殴るのはちょっと…と思いましたが、私が候補生時代にも格闘技を使う人はいました。

ただ、華が無いからと大会に出場させてもらえず、多くの方が別の戦い方をとるか、引退。残っているのは軍に属している人くらいです。

 

試合後、オルコットさんが自分に非があったと謝罪しました。

ただ、どうして頬を朱くされていたのかが解りません。

好意を抱くにしても今までの流れで何処にその要素があるんです?

単に強い人が好きなんですか? それとも……




今回は感想に書かれたことを取り入れてみました。
ちょっと長くなってしまったので、代表戦以降はまた今度投稿します。

マスクウェル司教は十三課による被害と苦情、上司からの嫌味にストレスが溜まりに溜まって超上から目線で交渉してました。
その日はグッスリと寝れて、スッキリとした朝を迎えたそうです。
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