超次元ゲイムネプテューヌ 衝動へのリベリオン【完結】 作:ジマリス
どこかの森の中、俺は少女を抱いて泣いていた。
手についた血は俺のものではない。
剣によって貫かれた少女のものだ。
「ユウさん、どうか」
もういい。
喋らないでくれ。
もうこれ以上苦しまないでくれ。
「どうか世界を救ってください」
少女は息も絶え絶えに言う。
俺を安心させるためか、罪悪感を感じさせないためか、少女は微笑む。
しかしその微笑みはすぐに消え、少女の身体から力が無くなった。
少女の体を貫いている剣を恨みながら
それでもこの剣を使うしかないことを憎みながら
こんなことをしてしまった俺を嫌いながら
俺は叫ぶ。
こんなことしたくなかった。
後悔しかなかった。
それでも、別の道があると信じきれなかった俺は
望まぬ戦いを繰り返し
望まぬ別れを繰り返し
そして
少女を殺してしまったんだ。
自分の記憶がない。
目覚めた俺が第一に思ったのはそれだった。
とりあえず一から記憶を掘り起こそう。
俺は指を額に当て、基本的なことから思い出す。
えーと、この世界は「ゲイムギョウ界」。
四人の守護女神とその妹たちである女神候補生によって守られている世界だ。
うん、大丈夫。それは思い出せる。
んで、俺は?
えーーっと………
そうだ。女神パープルハートとパープルシスターが守護するプラネテューヌの住人、滝空ユウだ!!
すこし思い出せたおかげでなんかテンション上がってきた。
よーし、この勢いでもっといろんなことを思い出………せない……。
俺の過去を思い出そうとするも、何かが頭の中で邪魔して思い出せない。
思い出してはいけないという気がする。
記憶喪失、とやらなのか?
何が原因で?
とりあえず現状把握しようと辺りを見渡すと、一面草原だった。
右も草原、左も草原。
こんなところで目覚めるって………俺ってホームレスだったりしないよな?
と心配になりつつも傍らに置いてあるものに気づく。
鞘に収まった刀と、同じく鞘に収まった大剣。
こんな物騒なもの持ってたのか、俺は。
刀を持ってみて、抜く。
綺麗な刀身が姿を現し、思わず見惚れる。
二、三度振り、重さやリーチを確かめる。
うん、いい感じいい感じ。
まるで俺のためだけに作られたように、刀が手になじむ。
手首を動かし、刀を回して鞘に納める。
もうひとつ、身の丈ほどもある大剣のほうを持ってみると、こっちは予想以上に重かった。
鞘から抜いてみるも、両手でやっと扱えるほど。
「これは使えないな・・・」
といいつつも念の為に持っておこう。大事なものかも知れないし。
しかし案外冷静だな、俺。
記憶ないんだからこう………焦るとか、暴れるとかないのか
と思っても全然危機感が襲ってこない。
おそらくはまあ、俺という人間がそういう性格なのだろう。
ポジティブというか、先のことは気にしないというか。
明るくて人に好かれるというか
てへっ☆
誰もいないから寂しくなるな。
やんなっちゃうわぁ………。
「とりあえず探索するとしますか~」
大きく伸びをして刀を腰に、大剣は背中に背負う形で装備する。
再び周りを見渡す。
東西南北もわからんからどこ行けばいいのかわからん。
まあなんとかなるでしょ。
楽観的に考えながら、俺は歩き出した。