超次元ゲイムネプテューヌ 衝動へのリベリオン【完結】   作:ジマリス

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11 探し物

「う~ん、何にも教えてくれなかったよ~!」

 

REDがうなる。

 

「これからどうしましょうか…?」

 

「私に聞かれてもね…ん?あれは…」

 

何かに気づいたアイエフの視線の先には、下っ端がいた。

 

「あーっ!さっきやっつけたっばっかりなのに!」

 

「しつこすぎるにもほどがあるだろ…」

 

もうこれで何回目だよ。

 

「また悪いことしようとしてるんでしょうか?」

 

「そうかもしれないけど…あいつもきっと、ゲイムキャラを探しにこの国に来てるのよね?」

 

「おそらくそのはずだろうな」

 

「アイツの行動をマークしてれば、ゲイムキャラの所まで案内してくれるんじゃないかしら」

 

「なるほど、こっちが利用するってわけだな」

 

アイエフの提案に、俺はうなずいた。

 

「そのとおり」

 

「はあ…そんなにうまくいくでしょうか?」

 

「ダメで元々だ。手持ちの情報はないに等しいし」

 

これがダメならまたほかを考えればいい。

とりあえず俺たちは下っ端を尾行することにした。

 

 

 

「ふう…ふう…」

 

「大変そうだね、おばあちゃん。代わりに持ってあげようか?」

 

大きな荷物を背負っているお婆ちゃんに下っ端が近づいた。

 

「いえいえ、そんな。見ず知らずの方にご迷惑はかけられませんから」

 

「遠慮すんなって。お年寄りは国の宝。さあ貸して。どこまで行くんだい?」

 

「すみませんねえ。それじゃお言葉に甘えて…」

 

下っ端はおばあちゃんの荷物を代わりに持ち上げた。

あれ、案外いいやつなんじゃないのか、あいつ?

 

「いやあ助かりました。最近はどうも、体が言うことを聞かなくてねえ」

 

「そりゃいけないねえ。体は大事にしなきゃ」

 

「ここしばらくは女神様のお顔も拝見できなくなって。気持ちから弱ってるのかねえ」

 

「おばあちゃん女神なんて信じているのかい?あー、ダメだ。そりゃダメだよ。最近の信仰のトレンドは、犯罪神マジェコンヌ様だよ?」

 

話の雲行きがおかしくなってきた。

あ、やばい。あいつ話うまいぞ。

 

「そうなのかい?」

 

「騙されたと思って信仰してみなよ。たちまち、体も元気、心も元気!」

 

「ちょうどイイモノ持ってんだよ。限定生産のとっておき邪神フィギュア!部屋に置いとけばたちまち運気上昇!悪霊も尻尾を巻いて逃げだす優れもんだよ!」

 

下っ端は懐からまがまがしい顔をもったフィギュアを持ち出した。

 

「またんかい」

 

さすがに見過ごせず、俺たちは間に割って入る。

 

「んだよ?いいとこなんだ、邪魔すんな…げっ!テメエ等!」

 

「全く、お年寄り相手にせこい商売してんじゃないわよ」

 

「う、うるせえ!資金集めは重要な仕事なんだよ!」

 

「おばあちゃん、ダメですよ。ちゃんと女神様を信じてください」

 

「おやおや、ひょっとして悪い人だったのかい?」

 

「「犯罪神」とか「邪神」とか言ってる時点で気づいてくれよ…」

 

「くそっ、あと一歩だったのに…覚えてやがれー!」

 

下っ端は素早く逃げてしまった。

 

「あっ、待てーーーーーー!!」

 

「いいのよ、放っといて。尾行するわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかなかゲイムキャラさんのところに行かないですねー…」

 

尾行してしばらく。

下っ端は子供たちに違法機器を広めようとしたり、猫にパンを与えて犯罪神崇拝者を増やしたりしたものの、ゲイムキャラのもとへは全く行こうとしない。

 

「あの人何も知らないんじゃないの?」

 

REDがしびれを切らした。

 

「そう簡単にはいかないでしょうね。ラステイションのときも時間かかったし…」

 

「うん?」

 

下っ端はまだ大きく動く気配がない。

大きく伸びをしていると、遠くに身をぼえのある人影が見えた。

 

下っ端から目を離すわけにはしかないし、俺ひとりで行くか…。

 

「どうしたの、ユウ?」

 

「いやちょっと…先に行っててくれるか?」

 

「なんで?」

 

「すぐ戻るから」

 

「そう…?何かあったら連絡しなさいよ」

 

「おう」

 

俺はその人影のところへ走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぇ…どこ…?ぐすっ…」

 

人影の正体はルウィーの女神候補生の一人、おとなしい性格のロムだった。

 

「どうかしたのか?」

 

怖がらせないように、できるだけ優しく喋りかける。

 

「ふぇ…?あ!悪い、人…」

 

「違う違う、俺は悪い人じゃないよ」

 

つくづくこの子たちには悪印象をつけられてしまったみたいだ。

ラムみたいに変態って言われないだけましだな。

 

「…いじめる?」

 

「いじめないいじめない。どうしたんだ?何か泣いてたみたいだけど」

 

ビクビクと怯えていたロムだったが、しだいに落ち着いてくれた。

 

「ペン、探してた…」

 

「ペン?」

 

「ラムちゃんと、一緒に買ったの。おそろいで、とても大切なの。でも…落としちゃったの」

 

ペンか。双子は仲がいいみたいだし、そのペンにも思い入れがあるんだろう。

 

「どこで落としたとか分かるか?」

 

「この間、悪い人につかまった時…たぶん」

 

さっきのときか。

確かにかなり激しく動いたからな。

 

「そっか…じゃああの時の道を辿ってみようか。俺も一緒に探すよ」

 

「…探して、くれるの」

 

俺はニコッと微笑んで返す。

 

「うん。さあ、暗くなる前に早くいこう」

 

「…うん」

 

 

 

 

 

「ここにはないなあ…」

 

下っ端が逃げていた道を捜索するが、ペンは見つからない。

 

「……」

 

「ペン。ペンねえ…。ロム、そっちにはあるか?」

 

「ない…」

 

「ここにはないのか?」

 

もっと先にあるのか?

道を注視していると

 

「…おにいちゃん」

 

とロムが言った。

 

「…うん?俺のこと?」

 

ロムが頷く。

おにいちゃん。おにいちゃんか。

いい響きだな。

お兄ちゃんちょっとうれしくなっちゃう。

 

「お姉ちゃんのこと、知ってる?」

 

お姉ちゃんというのは、ルウィーの女神であるブランの事を言っているのだろう。

 

「ああ、ちょっとだけね」

 

まああっちは俺のこと知らないだろうけど。

 

「…お姉ちゃん、帰ってこないの。今、どこにいるの?」

 

「ほかの女神たちと一緒に捕まっているんだ。ギョウカイ墓場ってとこに…」

 

なかなか答えにくい質問だったが、俺はあえて本当のことを伝えることにした。

実の妹に嘘をつくわけにはいかない。

 

「…ぐすっ。お姉ちゃん、会いたい」

 

「大丈夫、俺たちが必ず助け出すからな?ほら、泣き止んで」

 

泣き出すロムをなだめ、頭を撫でる。

 

「ぐすっ…(こくり)」

 

「さて、ここにはないみたいだし、別の場所探そうか」

 

俺はまだ少しぐずっているロムの手を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「捕まった時、ここに来たんだよな。きっとここに落ちてるよ」

 

しばらく捜索した俺たちは双子と戦った場所、ルウィー国際展示場に来ていた。

 

「おにいちゃんは…なんでルウィーに来たの?」

 

「ゲイムキャラを探しに来たんだ。女神たちを救うのに必要な力だから」

 

「…でもここ、プラネテューヌからすごく遠い…」

 

「ん、まあそれぐらい大切なことなんだ。この前までラステイションに行ってたし…」

 

俺はラステイションのユニを思い出した。

女神候補生である彼女の力も借りたかったのだが、あの様子だと何を言ってもついてきてくれなかっただろうな。

 

「本当は君たちにも来てほしいんだけどな」

 

「一緒に?」

 

「ああ…でも大丈夫だよ。俺たちできっと、女神を救ってみせるから」

 

嫌だ、っていう子を無理やり連れて行くわけにもいかにしな。

 

「……」

 

「うーん、ないなあ」

 

「…なんで、そんなにがんばってくれるの?」

 

また、ロムが疑問を呈する。

 

「困ってる人は放っておけないんだよ。勝手に体が動いちまうのさ」

 

そういや、ネプギアたちと出会った時もそうだったな。

見てられなくて、気づけば間に入っていた。

俺も損な性格してるなあ。

 

「…でも、おにいちゃん。お姉ちゃんたちを助けるために、旅してる…」

 

「ん、そうだな。あまり寄り道してる暇はないんだけど、それを言い訳に困ってる人を見逃してちゃ犯罪組織と変わらない」

 

自分でもびっくりするくらい、真面目な事を言う。

ネプギアの影響を受けたかな。

 

「それに、今は仲間が情報を集めてくれてるから気にしなくて…お、これか?」

 

俺たちが戦っていた少し手前の場所、そこに小さなペンが落ちていた。

俺はそれを掲げて見せる。

 

「あ…!わたしのペン…!」

 

ペンが無事に見つかったことで、俺はホッと胸をなでおろした。

 

「よかった。時間大丈夫か?」

 

ペンを探し始めてからもうかなり時間が経ってしまっている。

 

「あ…ラムちゃん、怒ってるかも…」

 

「きっと心配してる。早く帰ったほうがいいよ」

 

「うん…」

 

ロムは早くラムに会いたいのか、走っていった。

と思ったらUターンして戻ってきた。

 

「あ…あの…あ…ありがとう、ございました!」

 

ロムは礼を言い、頭を下げた。

 

「うん、またな」

 

俺は手を振る。

今度こそロムは走り去っていった。

誤解も解けて、仲良くなれたみたいだ。

 

 

 

「さて…」

 

俺は一旦深呼吸する。

 

「出て来いよ」

 

物陰に隠れている人物を呼ぶ。

 

「あら、やっぱり鋭いわね」

 

出てきたのは、どこか篠宮オルガに似た雰囲気を持つ青髪の女性だった。

ロムのペンを探し始めたときから、俺を尾けてきていた気配を察知していたのだ。

 

「誰だ?」

 

「篠宮エリカ」

 

女性はニコリと微笑んだ。

 

「オルガの姉よ」

 

 

 

 

 

 

 

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