超次元ゲイムネプテューヌ 衝動へのリベリオン【完結】   作:ジマリス

12 / 59
12 二人の戦士 揺れる心

篠宮エリカと名乗った女性は、ゆっくりと俺に近づいてくる。

 

「俺を殺しにでも来たか?」

 

俺は刀に手をかける。

 

「いいえ、そうじゃないわ」

 

エリカは俺を刺激しないようにするためか、落ち着いた口調で話す。

 

「じゃあなんの…」

 

「私はあなたと話をするために来たの」

 

「俺と?」

 

「ええ」

 

オルガと違って、俺の話を聞いてくれそうだ。

俺は警戒を解いた。

 

「俺のことを知ってるのか」

 

「よく知ってるわ。オルガと私は、あなたと一緒に旅した仲だもの」

 

「一緒に…」

 

ということは、俺はエリカと仲間だったのか。

あのオルガとも…

 

旅をしていた時に知り合ったのだろうか?

だが、いくら考えても思い出せなかった。

 

「ユウ…」

 

エリカは寂しそうな表情を浮かべた。

 

「本当に記憶喪失なのね」

 

「あ、ああ」

 

エリカは俺の目の前で立ち止まり、手で俺の顔に触れた。

美少女に触れられて、いつもの俺なら舞い上がってるところだが、今はそんな余裕はない。

 

 

「エリカ、教えてくれ。俺はいったいなんなんだ?」

 

俺はエリカの肩を掴む。

オルガと同じく、俺のことを知っているはずだ。

エリカは俺の切迫した様子に少し驚いたが、すぐに冷静な顔つきに戻った。

 

「……そうね、まず最初から話しましょうか」

 

ようやく話してくれるみたいだ。

俺はエリカの肩を離した。

 

これでようやく真実に近づける。

 

 

「そもそも私たちは…」

 

 

 

「見つけたぞ!」

 

エリカを遮り、勝気な声が聞こえたと思い、振り返ると

 

「うわっ」

 

そこにはオルガがいた。

 

「今日は逃がさんぞ、ユウ!」

 

さっそくククリを取り出すオルガ。

くそっ、もうすぐで重要なことを知ることができたのに。

 

「待って、オルガ!ユウは本当に記憶喪失で…」

 

エリカがオルガを止めようとするが、オルガは変わらず激昂したままだ。

 

「なら私が教えてやる!」

 

オルガはククリの先を俺に向けた。

 

 

 

 

 

「お前は女神を殺し、世界を滅ぼした悪魔だ!」

 

 

 

 

は?

 

「なんだと?」

 

いきなり言われた言葉に、頭がこんがらがった。

 

「エリカ…本当なのか?」

 

「……」

 

俺は否定を期待してエリカを見たが、目を避けられた。

 

「私も実際に見たわ。あなたが人を殺していくところを…」

 

代わりに出たのは、聞きたくなかった言葉だった。

 

「違う…俺は…」

 

そうだ、違う。矛盾してることだらけじゃないか!

 

「女神は生きてるじゃないか!世界もまだ滅んじゃいない!!」

 

そう、囚われてはいるものの、女神たちは死んではいない。

世界だって犯罪組織の脅威にされされているものの、まだ滅びてはいない。

こいつらの言っていることは何もかも違っている。

俺が殺したなんてこと、したはずがないんだ。

 

「だからお前は滅ぼしに来たんだろう!」

 

意味不明の言葉を放ちながら、オルガは俺に向かって走ってくる。

しかし、その動きが急に止まった。

 

「なっ!?」

 

よく見るとオルガの足元が氷に包まれている。

どうやらエリカが魔法によって氷を作ったらしい。

 

「エリカ!」

 

オルガが叫ぶが、エリカは魔法を解かない。

 

「ユウ…逃げて」

 

「エリカ…」

 

「正直のところ、具体的な真実は私たちにもわからない。あなたの記憶だけが頼りなの」

 

エリカは俺の肩に手を置いた。

 

「オルガは説得しておくわ………いまは、あなたを信じさせて…」

 

 

わけがわからなかった。

真実はまだ闇の中、謎が増えていくばかりで…。

 

 

ただ怖くなった俺は、その場を逃げ去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

滝空ユウは旅人だった。

 

篠宮オルガと篠宮エリカと仲間だった。

 

そして現在、滝空ユウは死んでいて、その死体はプラネテューヌに保管されている。

 

死んでいる「滝空ユウ」と「俺」のDNAは一致していて、つまり同一人物。

 

 

 

女神を殺し、世界を滅ぼした。

 

 

 

謎は深まるばかりで、真実は闇の中。

 

くそくそくそ。

もっとこんがらがってしまった。

 

 

 

 

 

 

お前は女神を殺し、世界を滅ぼした悪魔だ!

 

 

 

 

俺はオルガの言葉を思い出した。

 

 

女神は生きている。

世界も滅んではいない。

 

あいつらの言ったことはデタラメだ。

 

きっと誰かと勘違いを……

しかし……

 

 

 

どうか、あなたを信じさせて…

 

 

 

エリカのあの言葉は、嘘のものだったとは思えない。

 

 

 

「ああああああ、もう!わかんねえええよおおおおお!!」

 

悩むのはやめだ!

どうせ考えてもわからん!

 

さっさとやることをやって……

 

「…って、あああああああああ!!」

 

しまった!

あいつらに連絡しないまま、かなりの時間が過ぎてる!

Nギアを見てみると、結構着信が来てたみたいだ。

 

ああ、怒られる…

 

 

俺は急いでみんなのもとへ向かった。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。