超次元ゲイムネプテューヌ 衝動へのリベリオン【完結】   作:ジマリス

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21 正体を暴け

教祖の思惑を暴くため、俺たちはケイブという仲間とともに教会へと向かっていた。

 

「そういえばさ。どうしてケイブはライブ会場にいたの?ケイブもあの人のファンなの?」

 

「特命課の仕事よ。ライブ会場の警備は重要な任務だから」

 

「ライブ会場の警備が?」

 

「彼女…5pb.は特命課の間接的な協力者なの。彼女は歌の力で人々を勇気づけ、犯罪神崇拝から目覚めさせようとしている…それゆえ、彼女のライブは犯罪組織の妨害に遭いやすい」

 

普通のライブなら警備はスタッフだけで足りるかと思ったが、なるほどそういうことなら確かに厳重な警備が必要になってくるだろう。

 

「俺たちとはまた別の戦い方ってわけか…」

 

「でも、そんな使命感からではなく、彼女にはただ、歌いたい歌を歌えるようになってほしい。そのためには一日も早く、リーンボックスの治安を回復しなくては…」

 

ケイブは悲しそうにそう言った。

戦いではなく、ただ歌うために歌ってほしいのだと。

 

 

「あれ?そこにいるの…ロムちゃん?ラムちゃん?」

 

街についてすぐ、俺たちはルウィーの双子女神候補生を発見した。

 

「あら、よその国でも声かけられるなんて、私たちってば有名人…げっ!ネプギア!」

 

「げって言った!げって言った!」

 

ラムは振り向いてネプギアの顔を見るなり嫌そうな顔をした。

 

「女神候補生というのはこうも失礼なもんなのか…」

 

俺はユニをジト目で見た。

初対面の時といい、再会した時といい、本当に君たちは…。

 

「わ、悪かったわよ!」

 

「おにいちゃん、久しぶり…会えて嬉しい…」

 

「ロムは優しいなあ……」

 

とてとてと俺に近寄ってきたロムは、笑顔で言ってくれた。

 

「ロムちゃんたちもリーンボックスに来てたんだね」

 

「まだ、来たばっかり…少しでもシェアを集めようと思って…」

 

「頑張ってるんだな」

 

「おにいちゃんが頑張ってるから…わたしも、がんばる…」

 

よしよし、と俺はロムをなでた。

ロムの笑顔がより輝いた。

こんな妹欲しかったな~。

 

「むむむっ…そーゆーことだからジャマしないでもらえる!私たち、忙しいんだから!」

 

「そう簡単じゃないみたいよ、この国でシェアを得るのは」

 

「え?どういうこと?」

 

俺たちはさっき得たこの国の情報をラムとロムに伝えた。

 

「はんざいしんすーはいきせいかいじょ…ロムちゃん、わかる?」

 

ロムは首を横に振る。

 

「ようは、女神じゃないものも自由に信仰していいですよっていうものだ。それが犯罪組織でも」

 

「な、なにそれ!」

 

「で、今からそれを公布した教祖を問いただしに行くってわけ」

 

「ふーん、じゃあその教祖が悪者なのね」

 

「そうであれば話は単純だけど…チカの言動がおかしくなったのは、本当にここ数日のこと。悪と断定するのは、まだ早いと思うわ」

 

「じゃ、じゃあ…わかった!きっと、そのチカはニセモノなのよ!」

 

「偽物?」

 

「そう、悪い奴がすり替わってるのよ。それならツジツマが合うわ!」

 

「合う…だろうけど、それならケイブが気づくんじゃないか?」

 

すり替わっていたら、言動なり声色だったりが違うはずだ。

 

「…いいえ。多分気づかないわ」

 

「え?」

 

キッパリとそういうケイブに、俺たちは唖然とした。

 

「私は人の機微には疎いから…外見が同じであれば、簡単に騙される自信があるわ」

 

自信満々なところ悪いんですけど、外見が同じであればって、それ機微とかのレベルじゃないんじゃ…。

 

「そこに自信を持つのもどうかと思うんですけど…」

 

「ユニはどうなんだ?」

 

俺は教祖に会ったことないし。いや、会ったことはあるかもしれないが、覚えてない。

いまこの場にいるので頼りになるのはユニだけだ。

 

「教祖ならこの国に来たとき、挨拶程度にあったけど。そのときは規制解除なんてしなさそうな人だったけどね」

 

「教祖が本物かどうか確かめてもらえるか?」

 

「なんでアタシが、アンタの頼みなんて…」

 

「ユニちゃんにしか頼めないの!だからこのとおり!」

 

「アタシにしか、できない?ふ、ふん。そこまで言うなら仕方ないわね」

 

ネプギアの頼みを反芻し、ユニは承諾してくれた。

 

「ちょろ可愛い」

 

「かわっ…」

 

思わず出てしまった俺の言葉にユニは顔を赤くした。何かわからんが「ちょろ」の部分を問い詰められなくてよかった。

 

「ロムとラムも来るか?」

 

「…うん、一緒に…」

 

「私たちは忙しいの!教祖とかキョーミないし!行くなら自分たちだけで行きなさいよね」

 

ラムはまだ俺たちに敵対心を持っているのか?

いずれ仲間にしたいから仲良くしたいんだが、嫌なら無理強いすることもないな…。

 

「そうか…それじゃ、またな」

 

「あ…うん…」

 

不満げなロムはラムに連れられるように去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちはー!!」

 

「うおわ!?…とと、この声じゃネエ。あ、あー…はい、私はここにいますよ?」

 

教会につき、元気よく挨拶すると緑髪の女性が奥から出てきた。

 

「モンスター退治してきたわよ」

 

「え、あ、ありがとうございます」

 

「そういえば、ゲイムキャラの情報くれるって約束だったよね」

 

「あーっと…そ、その件は、現在こちらも調査中でして…ん?」

 

教祖、箱崎チカはユニを見た。

 

「………」

 

「あっ!テメ…じゃない。あなたはラステイションの女神候補生…な、なんでここにいらっしゃるのかしら?」

 

聞いたことあるぞこの声……もしかして…。

 

「あら、アタシのことご存知なんですか?初めてお会いするのに、光栄です」

 

「う、あ、それは…きょ、教祖として、女神候補生の顔くらいは存じてますのよ。ええ」

 

ユニのハッタリに引っかかったようだな。

 

「ボロだすの早すぎない?」

 

「よく騙されたな、お前ら…」

 

俺とユニは他のみんなを見る。

これ初対面でも気づけるレベルだろ。明らかに怪しいじゃん。

 

「あ、ごめんなさい。よく考えたら、お会いするの初めてじゃなかったですね」

 

「ええっ?そ、そうだったかした?最近どうも物忘れがひどくて…」

 

「そうだろうな。プラネテューヌで負け、ラステイションでぶっ飛ばされ、ルウィーで計画を邪魔されたことなんて忘れてるだろうなー」

 

「だ、誰が忘れるかよ!テメエみたいな、クソ野郎にやられた屈辱……あ」

 

偽教祖は俺の挑発にも見事引っかかってしまった。

化ける気あんのかこいつ。

 

「もしかして…下っ端さん、ですか?」

 

「すごーい。どうしてわかったの?」

 

「逆になんでわかんないんだよ」

 

「どう聞いても声が下っ端じゃない、コイツ」

 

再び俺たちはジト目で見る。

 

「わからなかった…諜報部失格だわ…」

 

マジだったのかよ。ツッコミ待ちかと思った。

なにもかもおかしかったじゃねえか。これくらい気づけよ、ケイブ。

 

「ク、クソっ!この完璧な変装がバレるなんて…けっ!今まで簡単に騙されやがって。頭の中までめでてえ連中だぜ!」

 

「本当に偽物とすり替わっていたのね…チカはどこ?」

 

「答えてやる義理はネエよ!いいさ、目的のほとんどは果たしたんだ。ここはトンズラこかせてもらうぜえ!」

 

下っ端は捨て台詞を吐き、お得意の速さで逃げ出した。

 

「あ、また逃げた!」

 

「追いかけるぞ、今回は逃すわけにはいかん」

 

「はい!待ちなさーい!」

 

下っ端を追って、教祖を助けるために俺たちは走り出した。

 

「じゃあな、ユニ!助かったぜ!」

 

「あ!待ちなさいよ!人に仕事頼んでおいておいてけぼり!?ちょっとー!!」

 

怒るユニを置いて、俺たちは下っ端を追跡した。

 

 

 

 

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