超次元ゲイムネプテューヌ 衝動へのリベリオン【完結】 作:ジマリス
「…で、その子も一緒に来ることになったと」
ユニも見つかったことで、俺とネプギアは全員を招集した。
ブレイブ・ザ・ハードのことや、ユニが仲間に加わることを話した。
本人のご要望通り、弱音を吐いていたことは内緒だ。
「まあ、仕方ないから手伝ってあげるわ。アンタ達だけじゃ、いつになったらお姉ちゃんを助けられるかわかんないし」
「よくもまあ、こんなひねくれ者を説得できたものね」
「ギアちゃんとユウさんにかかれば、だれでもころっと仲間になっちゃいそうですねー」
といっても、ほとんどネプギアが説得したんだけどな。
俺はあまり何もしてやれなかった。
「あはは、それほどでも…」
「それにしても…」
アイエフが仲間を一瞥する。
「手伝うのはいいけど、わたし達の足は引っ張らないでよね」
「よろしく…ユニちゃんって、呼んでいい?」
「わー、すごい!女神候補生が勢ぞろいだよー!」
「うん…あのコンサートの時以来だね…頼もしい…」
「気がついたら、随分な大所帯になったわね」
そう言えば、各国を巡る度に仲間が増えているような…。
これでブロッコリーやケイブもついてきていたらもっと賑やかになっていただろう。
「初めはわたしとあいちゃん、二人きりでしたもんね。これだけの人数がいれば…」
「はい、今度こそきっと…ううん。絶対、お姉ちゃん達を助けてみせます!」
ネプギアが意気込む。
そうだ。ついに女神救出のお膳立ては揃った。
プラネテューヌの教会に戻った俺たちは、そこにいた人物たちに驚いた。
なんとイストワールとケイだけでなく、各国の教祖が揃っていたのだ。
「これで文字通り、全員がそろいましたね」
「はい!ユニちゃんもロムちゃんもラムちゃんも、みんな一緒です!」
「アタクシ達、教祖までそろうなんて、いつ以来のことかしらね」
懐かしむように、リーンボックスの教祖チカが言った。
「二人とも、いい子にしてましたか?わがままを言って、ネプギアさんたちにご迷惑かけてませんか?」
「もー、だいじょーぶだよ!いつまでも子供じゃないんだから!」
「ちゃんとしてる…と思う…」
ルウィーの教祖ミナがロムとラムを撫でながら言う。
まあ、迷惑はかかってなかったと思う。それほど暴れたりということもなかったし。
「で、結局アンタはプラネテューヌで何してたのよ?」
「ご挨拶だね。善意の協力を申し出たというのに、この言われようとは」
アイエフとケイの間に見えない火花が散っているような…
この二人は相変わらずだなあ。やはり第一印象が悪かったな、ケイ。
「ケイさんは、シェアクリスタルの力が増幅される装置を開発されたんですよ。それでほかのみなさんより先に、プラネテューヌに来ていただいて、ご協力してもらってたんです」
「あ、もしかしてアタシたちが材料とってきたやつ?」
宝玉と血晶だったかな、確か。
なるほど、『こちらにも考えがある』とはこのことだったのか。
「その通り。本当はラステイションだけで行動を起こすつもりでいたんだけどね。ことここに至ってはそうも言ってられない…。我が国の女神候補生も、すっかりそちらと仲良しになったみたいだしね」
「べ、別に仲良くなってないわよ!あくまで、協力してるだけなんだから!」
ユニがテンプレ通りのツンデレを発揮する。
「うふふ、みなさん盛り上がってるですね」
「緊張感なさすぎだろ」
大作戦の前にこんなに和気あいあいとしちゃって………でも、これが俺たちらしいのかもな。
「シェアクリスタルも、明日の朝には完成します。そうしたらみなさんには、再びギョウカイ墓場へ赴いてもらいます」
「明日…ギョウカイ墓場に…」
「できる限りのことはやりました。今度こそ、失敗は許されません…いえ。みなさんなら、必ず成功させていただけると信じています」
イストワールがプレッシャーをかけるように迫ってくるが
「私は大丈夫です!今度こそお姉ちゃんを助けるって決めましたから!」
「当然よ。このアタシが協力してあげるんだからね」
「がんばろーね、ロムちゃん!」
「…うん!」
対する女神候補生たちは皆やる気のようだ。
当然か。姉たちを救うためだもんな。
「ふふ、頼もしくなりましたね。本当に…さて、今日のところはゆっくり休んでください。私も、最後の調整が残っていますので、これで…」
△
夜になった。
明日に備えて早く寝ようと自室に向かう途中で、ある一室から声が聞こえた。
まるで物語を語るようなこの声は、ユウさんだ。
「…というのが、俺の推測だ」
私は音をたてないように、半開きのドアから中を覗いた。
中では、ユウさんといーすんさん、ケイさんが話し合いをしていた。
「……僕が言い始めたことだけど、まさかユウさんがそれを認めるなんてね」
「認めたくはないが、それが一番納得のできるものだと俺は思っている」
「ですが、信じられませんね。ユウさんが破壊者だなんて」
えっ!?
それまでの言葉を整理すると、ユウさんは自分が「破壊者」だと認めているということになる。
そう思っていると、ケイさんが信じられないことをした。
「ほらこの大剣、そんなに重くない。僕でも持ち上げられるんだ」
ユウさんがいつも背中に装備している大剣を、片手で軽々と持ち上げた。
「それをユウさんが扱えないなんて、それこそ言ったとおりになる」
持てて当然といったふうに、ケイさんは大剣の先を揺らす。
ユウさんがあんなに重そうに持っていたあの大剣を、非戦闘員であるケイさんが片手剣のように扱っている。
その衝撃の光景に目を疑った。
あの大剣については、私も疑問に思っていたことがいくつかあった。
下っ端たちを追っているとき、ユウさんはアイエフさんと同等、もしくはそれ以上の速さを見せていたこと。
ルウィーでユウさんを教会まで運んだとき、彼の装備も含めてそこまで重くなかったこと。
大剣がよほど重いのなら、これらのことは説明がつかなかった。
「扱えないというよりは、扱いたくないと言ったほうが正しいのかな?」
「それじゃあ、可能性は高いのですね…」
いーすんさんが、暗かった顔をさらに暗くする。
「ユウさんが……ネプギアさんたちを殺したと…」
△
深夜になった。
明日に備えてみんなはそれぞれ早めに寝たものの、俺は未だに寝れないでいた。
明日のこともあるが、俺自身についてのことで不安がいっぱいだった。
「ユウさん」
教会の外で星を見上げていると、ネプギアが声をかけてきた。
「どうした、ネプギア。明日に備えて早く寝たらどうだ?」
時刻は既に深夜。
明日のこともあるのに、なんで起きてきたんだ?
「それはユウさんも……って、そんなことどうでもいいんです」
「そんなことって……明日は大事な作戦が…」
「それはわかってます。でも、ユウさんのことを放っておくわけにはいかないんです」
ネプギアの言葉に、俺は身構えしてしまった。
「俺の……こと…?」
「はい…。ユウさん、最近考え事ばかりしているように思えます。何か悩みがあるなら言ってください!」
ネプギアの表情は真剣そのもの。
そういえば、彼女たちには何も言っていなかったな。
心配を少しでも減らすためだったが、俺の態度のせいで逆に増やしてしまったようだ。
「………そう、だな。話すって約束だったもんな」
俺はネプギアに向き直る。
「ネプギアには話しておこう。俺の正体について。といっても確定のものではないが」
俺はリーンボックスでのことを思い出しながら喋った。
5pb.と共にネプギアたちがステージに立ったあのときの、俺とオルガの会話を。